JPWO2003106987A1 - ガスセンサ素子及びその製造方法 - Google Patents

ガスセンサ素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

基板11上に設けられた電極13と、電極13上に設けられた有機薄膜15とを具え、有機薄膜15が、ラングミュア−ブロジェット法を用いて形成された1層又は2層以上の単分子膜の累積層であることを特徴とするガスセンサ素子。

Description

技術分野
この発明は、種々の気体状ガスの存在を検知するガスセンサ素子及びその製造方法に関する。
背景技術
有機感応膜は気体状ガスとの親和性が高い。従って、有機感応膜を用いれば、高感度に気体状ガスを検出することが可能なガスセンサの製造が可能となる。このようなガスセンサは、従来、例えば火災初期時に発生する気体状ガスを検出するのに用いられている。この場合には、煙、温度等を検出する他のセンサと組み合わせることで、火災の発生を確実に判定し、防災システムの信頼性を向上させるのに役立っている。
また、空気環境測定、食品工業、各種工程管理、医療健康用途に好適に適用されている例もある。
このような用途に適した有機感応膜型ガスセンサとして、例えばフタロシアニン類等の有機感応膜と、この有機感応膜の電気特性、すなわち、有機感応膜と気体状ガスとの結合による電気特性の変化を測定するための電極とを具えたガスセンサ素子が知られている。フタロシアニン類は、耐熱性、耐候性、耐薬品性に優れ、エレクトロニクス分野や光エレクトロニクス分野で広く利用されている。具体的には電子写真感光体、光電変換素子、非線形光学素子に使用され、その安定性、信頼性についても保証されている。
しかしながら、従来のガスセンサ素子では、有機感応膜を形成する方法として、主にディップコーティング法、スピンコーティング法や真空蒸着法が用いられており、その膜厚は数μmとされていた。このため、気体状ガスに対する応答が定常に達するまでに、すなわち安定した測定にかなりの時間を要していた。
また、ガスセンサ素子の製造工程において、有機感応膜を形成するために、例えば真空蒸着法を用いた場合には、その工程の実施に数時間を要していたので、生産性が低かった。
従って、この発明の目的とするところは、有機薄膜を感応膜としたガスセンサにおいて、従来のガスセンサ素子に比較して応答速度を著しく向上させたガスセンサ素子を提供することにある。また、有機感応膜の形成時間を短縮することで、生産性を著しく向上させたガスセンサ素子の製造方法を提供することを目的とする。
発明の開示
この目的を達成するために、本発明者は鋭意検討を重ねた。その結果、従来の有機感応膜型ガスセンサ素子の応答プロセスが、
(1)気体状ガスの有機感応膜の表面への吸着プロセス、及び
(2)有機感応膜の内部への拡散プロセス
からなり、特に後者のプロセスが律速となって、ガスセンサの応答に時間を要していることを見い出した。
そして、前者のプロセスのみでも十分な応答量が得られることを見い出し、この発明を完成するに至った。
この発明のガスセンサ素子によれば、基板上に設けられた電極と、該電極上に設けられた有機感応膜とを具え、有機感応膜が、ラングミュア−ブロジェット法(以下、単にLB法とも称する。)を用いて形成された単分子膜の1層又は2層以上の累積層であることを特徴とする。
この発明のガスセンサ素子の構成により、応答速度を著しく向上させることができる。
LB法とは、親水性と疎水性を有する、いわゆる両親媒性の有機分子を水面に展開し、水面に単分子膜を形成した後、この単分子膜を固体基板上に移し取り、順次、累積させる方法である。
このLB方法によれば、分子オーダーの超薄膜を得ることが可能である。従って、ガスセンサ素子の有機感応膜を単分子膜として、又はこの単分子膜を数層積層した超薄膜として、簡易な工程により形成(累積)することができる。
単分子膜の積層数については、この発明の目的を損なわない範囲で適宜決定することができるが、応答速度と成膜にかかる時間を考慮して、好ましくは、この単分子膜を5層まで積層(累積)するのがよい。
水面上の単分子膜を基板上に移し取る操作を、例えばただ1度に限れば、有機感応膜、すなわちガスセンサ素子を形成するための時間が著しく短縮され、その生産性をさらに向上させることが可能である。
発明を実施するための最良の形態
以下、図を参照してこの発明の実施の形態を説明する。なお、図には、この発明が理解できる程度に各構成成分の形状、大きさ及び配置関係が概略的に示されているに過ぎず、これによりこの発明が特に限定されるものではない。
この発明のガスセンサ素子の構成について、第1図を参照して説明する。
第1図(A)はこの発明のガスセンサ素子10の概略的な平面図であり、(B)はI−I破線により切断した断面を示す概略的な断面図である。
この発明のガスセンサ素子10は、基板11上に検出用の一組の電極を設け、この電極を気体状ガス感応性の有機感応膜で覆った構成を有している。
一例として、基板11上に櫛形電極13を設け、この櫛形電極13の上に有機感応膜15を形成した例につき説明する。
基板11上には、櫛の歯状の複数の分枝をそれぞれ有する第1電極部13a及び第2電極部13bとを互いに櫛の歯が向き合うように対向させ、それぞれの櫛の歯を、互いの歯間に接触しないように互い違いに入れ込んで配置した櫛形電極13が設けられている。
このガスセンサ素子10は、2つの端子を有する+(プラス)電極と−(マイナス)電極との間に直流定電圧を印加することで有機感応膜15に電圧を印加し、流れる電流を測定して、電気抵抗を検出することにより、その機能を発揮する。
検出手段、すなわち電圧供給手段、電気抵抗検出手段等を含む電気的特性検出手段については、従来周知のものを使用することができる。これら検出手段の具体的な構成については、この発明の趣旨ではないので、その詳細な説明を省略する。
以下、この発明のガスセンサ素子の製造例及び適用例を実施例として説明する。
[実施例1−1]ガスセンサ素子の製造例
まず、主平面の大きさが10mm×12mmであり、厚さが1mmであるガラス基板上に、真空蒸着法により、材質を金とする電極を形成した。具体的には、電極間距離を20μmとし、櫛の歯の幅を20μmとした、図1を用いて既に説明した形状と同様の櫛形電極を形成した。
この櫛形電極上にラングミュア−ブロジェット法(LB法)を用いて、下記の構造式(1)の構造を有する銅フタロシアニン誘導体(tetra−tert−butyl−copper−phthalocyanine)の薄膜を形成した。
Figure 2003106987
このLB法による有機感応膜の形成工程につき、具体的に説明する。
まず、銅フタロシアニン誘導体をトルエンとクロロホルムの混合溶液(体積比1:1)に1mg/cmの割合で溶解し、これを展開溶液とした。
次に、櫛形電極を具えたガラス基板を、水を張った水槽の水面下に浸漬した。上述の展開溶液を18.5℃に保たれた水面上に滴下した。そして、水面に形成される展開溶液の層に圧力を加えるための板状のバーで、Langmuir−Adam型(フロート型)の測定方法による表面圧が20mN/mになるように、展開溶液の層を圧縮し、水面に銅フタロシアニン誘導体の単分子膜を形成した。
次いで、水面下に浸漬された基板を1cm/min(分)の速さで垂直方向に水面より上に引き上げ、水面に形成されている銅フタロシアニン誘導体の単分子膜を基板の櫛形電極上に1層形成(累積)した。このときの累積比は約1.2であった。
ここで累積比とは、基板の面積と付着した単分子膜との面積の比を意味する。累積比の値が1に近づくほど、膜の基板への累積が良好であるといえる。
従って、この例では非常に累積が良好な単分子膜が得られていることが分かる。
さらに、同じ基板を1cm/minの速さで垂直方向に引き下げ、再び同じ水槽の水面下に浸漬した。この再浸漬によっては、銅フタロシアニン誘導体の基板への累積は見られなかった。
次に、基板を1cm/minの速さで、再び垂直方向に水面より上に引き上げ、水面に形成された銅フタロシアニン誘導体の単分子膜を2層目として基板に累積した。
この基板の水面下への浸漬と水面より上への引き上げ操作とを繰り返すことにより、櫛形電極上に銅フタロシアニン誘導体の単分子膜を5層累積した。この累積膜は基板の引き上げ時にのみ累積される、いわゆるZ型である。5層までの基板の引き上げ時の累積比は1.0〜1.2であった。また、この累積膜の厚さはその電気容量の測定から約4nmと見積もられた。
膜厚の換算方法につき説明する。膜厚の測定には、この発明のガスセンサ素子の構造とは異なる系を用いて測定した。すなわち、基板上に第1の電極を設け、この第1の電極上に、この発明の実施例と同様のLB法による成膜方法で形成された有機感応膜を形成する。この有機感応膜上に第2の電極を形成して、有機感応膜の厚さ方向にその両側から交流電圧を印加することにより、電気容量を測定した。この測定された電気容量に基づいて、膜厚の換算を行った。具体的には、形成された有機感応膜の膜厚は、下記式;
C=εS/d
(式中、Cは電気容量(F;ファラッド)であり、εは有機感応膜の誘電率(F/m)であり、Sは有機感応膜の面積(m)であり、及びdは有機感応膜の膜厚(m)である。)
により、測定された電気容量から換算した(以下の実施例においても同様である。)。
[実施例1−2]応用例1
上述のように製造した実施例1のガスセンサ素子について、いわゆる匂い物質であるトリエチルアミンに対する応答特性を調べた。この測定方法につき説明する。
容量0.1L(リットル)の測定用チャンバ内にガスセンサ素子を固定した。チャンバ内でガスセンサ素子の電気抵抗が安定するまで静置した。
次いで100ppmの濃度のトリエチルアミンのガスを2L/minでチャンバ内に導入して、ガスセンサ素子の電気抵抗変化の測定を開始した。
そして、実施例及び比較例のガスセンサ素子の抵抗値が定常に達した時点で換気を行った。電気抵抗値は、ガスセンサ素子に10ボルトの直流電圧を印加したときの、センサ素子に流れる電流値によって決定した。
結果を第2図に示す。第2図は実施例1のガスセンサ素子のトリエチルアミンに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。縦軸はガスセンサ素子の電気抵抗値(Ω)を表し、横軸は経過時間(分)を表す(以下に説明するグラフにおいても同様である。)。
第2図では、トリエチルアミンのガスを導入した時点を(a)として示した。また、グラフを説明しやすくするため、時点(a)の5分前を0分とした。ガスセンサ素子のトリエチルアミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認められる時点には矢印を付した。また、換気を開始した時点を(b)として示した。
なお、比較例として、従来行われている真空蒸着法で銅フタロシアニンの薄膜を形成したセンサ素子において、同様の条件でトリエチルアミンで測定された電気抵抗の変化も点線により併せて示した。このとき銅フタロシアニン薄膜の厚さは約200nmとした。
第2図から理解されるように、100ppmの濃度のトリエチルアミンに対して、応答速度、すなわちガスセンサ素子の電気抵抗値が、定常に達するまでの時間については、実施例1のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。具体的には比較例のガスセンサ素子では、トリエチルアミンのガスの導入後に、電気抵抗値が定常に達するまで約10分間を要したのに対し、実施例1のガスセンサ素子では1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、電気抵抗値の変化量の大きさ、すなわち感度については、比較例のガスセンサ素子ではトリエチルアミンのガスの導入後の定常時に、電気抵抗値が約15倍に増加したのに対し、実施例1のセンサ素子では約10倍に増加した。
[実施例1−3]応用例2
実施例1のガスセンサ素子について、匂い物質であるベンズアルデヒドに対する応答特性を調べた。
測定方法としては、上述と同様に、測定用チャンバにガスセンサ素子を固定した。チャンバ内でガスセンサ素子の電気抵抗値が安定するまで静置した。次いで測定用チャンバ内(容量0.1L)に100ppmの濃度のベンズアルデヒドのガスを2L/minでチャンバ内に導入して、ガスセンサ素子の電気抵抗変化の測定を開始した。そして、実施例1のガスセンサ素子の抵抗値が定常に達した時点で換気を行った。
結果を第3図に示す。第3図は実施例1のガスセンサ素子のベンズアルデヒドに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。
この例では、ベンズアルデヒドのガスを導入した時点を(a)として示した。また、グラフを説明しやすくするため、時点(a)の5分前を0分とした。ガスセンサ素子のベンズアルデヒドによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認められる時点には矢印を付した。また、換気を開始した時点を(b)として示した。
第3図から理解されるように、応答速度については、この発明のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。
具体的には比較例のガスセンサ素子では、ベンズアルデヒド導入後の電気抵抗値が定常に達するまで約15分間を要したのに対し、実施例1のガスセンサ素子では1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、感度については、100ppmの濃度のベンズアルデヒドに対して、比較例のガスセンサ素子では電気抵抗値が約1/10に減少したのに対し、実施例1のガスセンサ素子では約1/8に減少した。
[実施例1−4]応用例3
さらに、上述と同様に製造した実施例1のガスセンサ素子について、窒素酸化物NOに対する応答特性を調べた。測定方法としては、上述と同様に、測定用チャンバ内(容量0.1L)に、実施例1のガスセンサ素子を固定した。チャンバ内でガスセンサ素子の電気抵抗値が安定するまで静置した。
次いで20ppmの濃度のNOのガスを2L/minでチャンバ内に導入して、ガスセンサ素子の電気抵抗変化の測定を測定した。結果を第4図に示す。第4図は実施例1のガスセンサ素子のNOに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。
この例では、NOのガスを導入した時点を(a)として示した。また、グラフを説明しやすくするため、時点(a)の20分前を0分とした。ガスセンサ素子のトリエチルアミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認められる時点には矢印を付した。また、換気を開始した時点を(b)として示した。
第4図から理解されるように、20ppmの濃度のNOに対しては、応答速度については、実施例1のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。具体的には比較例のガスセンサ素子では、気体状ガス導入後の電気抵抗値が定常に達するまで約50分間を要したのに対し、実施例1のガスセンサ素子では3分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、感度については、比較例のガスセンサ素子では電気抵抗値が、気体状ガス導入後に、約1/500に減少したのに対し、実施例1のガスセンサ素子では約1/100に減少した。
以上のように、気体状ガスであるトリエチルアミン、ベンズアルデヒド(匂い物質)及び窒素酸化物NOに対する実施例1のガスセンサ素子の応答速度、すなわちガスセンサ素子の気体状ガス導入後の電気抵抗値が定常に達するまでの時間については、実施例1のセンサ素子は比較例のものに比べて著しく速かった。
一方、感度、すなわち電気抵抗変化量は、気体状ガス、すなわちトリエチルアミン、ベンズアルデヒド及び窒素酸化物NOを検出するには十分実用的な変化量であった。
また、第2図〜第4図から明らかなように、従来のガスセンサ素子(比較例)では、導入されたガスの換気開始後に、吸着した気体状ガスの脱離は、一応進行するが、測定前の状態まで回復することはない。従って、ガスセンサ素子の再利用に際しては70℃程度での加熱処理が必要である。
一方、実施例1のガスセンサ素子では、導入されたガスの換気開始後に、吸着した気体状ガスの脱離は、極めて短時間で進行して測定前の状態に回復することが分かる。従って、何ら特別な処理を行うことなく、ガスセンサ素子の再利用が可能である。
[実施例2]
実施例2も、上述の実施例1と同様に、第1図を用いて既に説明した櫛形電極を具えている基板を用いた。そして、この櫛形電極上にラングミュア−ブロジェット法を用いて、銅フタロシアニン誘導体の薄膜を形成した。具体的な成膜方法については上述の実施例1と同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
この実施例2では、展開溶液からの基板の引き上げ、すなわち成膜工程をただ1度だけ行い、銅フタロシアニン誘導体の単分子膜を櫛形電極上に1層のみ累積した。この累積膜の厚さは、実施例1で説明した方法と同様に、測定された電気容量から約0.8nmと見積もられた。
以下の種々の気体状ガスに対する応用例は、実施例1と同様な方法で行ったので、その詳細な説明は省略する。また、比較例のガスセンサ素子とは、実施例1で既に説明した比較例のガスセンサ素子と同一である。
[実施例2−1]応用例1
第5図は、100ppmの濃度のトリエチルアミンに対する実施例2のガスセンサ素子の電気抵抗変化を示すグラフである。
この例では、トリエチルアミンのガスを導入した時点を(a)として示した。また、グラフを説明しやすくするため、時点(a)の5分前を0分とした。ガスセンサ素子のトリエチルアミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認められる時点には矢印を付した。また、換気を開始した時点を(b)として示した。
応答速度については、実施例2のガスセンサ素子は、比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。具体的には比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が定常に達するまで約10分間を要したのに対し、実施例のセンサ素子では1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、感度については、比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が約15倍に増加したのに対し、実施例2のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が約5倍に増加した。
[実施例2−2]応用例2
第6図は、100ppmの濃度のベンズアルデヒドに対する、実施例2のガスセンサ素子の電気抵抗変化を示すグラフである。
この例では、ベンズアルデヒドのガスを導入した時点を(a)として示した。また、グラフを説明しやすくするため、時点(a)の5分前を0分とした。ガスセンサ素子のベンズアルデヒドによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認められる時点には矢印を付した。また、換気を開始した時点を(b)として示した。
応答速度については、実施例2のガスセンサ素子は、比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。具体的には比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が定常に達するまで約15分間を要したのに対し、実施例2のガスセンサ素子では、1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、感度については、比較例のガスセンサ素子では、導入されたガスの導入後に、電気抵抗値が約1/10に減少したのに対し、実施例2のガスセンサ素子では約1/5に減少した。
[実施例2−3]応用例3
第7図は、20ppmの濃度のNOに対する実施例2のガスセンサ素子の電気抵抗変化を示すグラフである。
この例では、NOのガスを導入した時点を(a)として示した。また、グラフを説明しやすくするため、時点(a)の20分前を0分とした。ガスセンサ素子のトリエチルアミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認められる時点に矢印を付した。また、換気を開始した時点を(b)として示した。
応答速度については、実施例2のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が定常に達するまで約50分間を要したのに対し、実施例2のガスセンサ素子では1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、比較例のセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が約1/500に減少したのに対し、実施例2のセンサ素子では電気抵抗値が約1/20に減少した。
以上のように、実施例2のガスセンサ素子の種々の気体状ガス導入後における、応答速度、すなわち電気抵抗値が定常に達するまでの時間については、実施例2のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。
一方、気体状ガス、すなわちトリエチルアミン、ベンズアルデヒド及び窒素酸化物NOに対する実施例2のセンサ素子の気体状ガス導入後の電気抵抗変化量は、これらを検出するには十分実用的な変化量であった。
また、第5図〜第7図より明らかなように、従来のガスセンサ素子(比較例)では、導入されたガスの換気開始後に、吸着した気体状ガスの脱離は一応進行するが、測定前の状態まで回復することはない。従って、ガスセンサ素子の再利用に際しては70℃程度での加熱処理が必要である。
一方、実施例2のガスセンサ素子では、導入されたガスの換気開始後に、吸着した気体状ガスの脱離は極めて短時間で進行して測定前の状態に回復することが分かる。従って、何ら特別な処理を行うことなく、ガスセンサ素子の再利用が可能である。
また、製造工程においては、比較例のガスセンサ素子では銅フタロシアニンを真空蒸着法により成膜する工程において、チャンバ内をポンプで真空に引く時間、銅フタロシアニンを約500℃まで昇温する時間、及び成膜後室温まで冷却する時間を含めて約3時間を要した。一方、この発明の実施例2のガスセンサ素子の製造工程では、銅フタロシアニン誘導体をLB法により1層成膜するまでに、水面上の銅フタロシアニン誘導体を展開する時間、所定の表面圧になるまで圧縮する時間、基板を引き上げる時間を含めて約30分間で完了し、比較例のセンサ素子の製造工程に比較して著しく時間を短縮することができた。
[実施例3−1]ガスセンサ素子の製造例
この実施例3も、上述の実施例と同様に、基板上に、第1図を用いて既に説明した櫛形電極を形成した。この櫛形電極上にラングミュア−ブロジェット法を用いて、下記の構造式(2)のモノマーが重合したポリアニリンの薄膜を形成した。
Figure 2003106987
(式中、nは2以上の正数である。)
まず、このポリアニリンとステアリン酸の混合物(重量比1:1)をクロロホルムに溶かし(0.5mg/cm)展開溶液とした。
櫛形電極を具えた基板を、水を満たした水槽の水面下に浸漬した。上述の展開溶液を20℃に保たれた水面に滴下した後、バーで表面圧25mN/mになるように圧縮し、水面上にポリアニリンとステアリン酸の混合物の単分子膜を形成した。
次に、基板を0.5cm/minの速さで垂直方向に水面より上に引き上げ、水面に形成された単分子膜を櫛形電極上に1層累積した。このときの累積比は約1.1であった。この累積膜の厚さは、上述の実施例1で既に説明した方法と同様に測定され、その電気容量値から約2.5nmと見積もられた。
以下の種々の気体状ガスに対する応用例は、実施例1と同様な方法で行ったので、その詳細な説明は省略する。なお、比較例として、従来行われている電界重合法でポリアニリンの薄膜を形成したガスセンサ素子の特性も併せて測定した。この比較例のポリアニリン薄膜の厚さは約1μmとした。
[実施例3−2]応用例1
上述のように作製された実施例3のガスセンサ素子について、匂い物質であるトリエチルアミンに対する応答特性を調べた。結果を第8図に示す。第8図は実施例3のガスセンサ素子のトリエチルアミンに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。
この例では、トリエチルアミンのガスを導入した時点を(a)として示した。また、グラフを説明しやすくするため、時点(a)の5分前を0分とした。ガスセンサ素子のトリエチルアミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認められる時点には矢印を付した。また、換気を開始した時点を(b)として示した。
第8図から理解されるように、100ppmの濃度のトリエチルアミンに対しては、応答速度については、実施例3のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。具体的には比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が定常に達するまで約15分間を要したのに対し、実施例3のガスセンサ素子では1分間以内で電気抵抗値が定常に達した。
一方、感度については、比較例のガスセンサ素子では電気抵抗値が約11倍に増加したのに対し、実施例3のガスセンサ素子では約4倍に増加した。
[実施例3−3]応用例2
以下、実施例3の応用例の結果については、上述実施例1及び2で既に示した対応する同一種類の気体状ガスのグラフとその傾向はほぼ一致するので、その図示を省略し、数値のみを説明する。
100ppmの濃度のベンズアルデヒドに対しては、応答速度、すなわちガスセンサ素子の電気抵抗値が定常に達するまでの時間については、実施例3のガスセンサ素子は比較例のセンサ素子に比べて著しく速かった。具体的には比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が定常に達するまで約20分を要したのに対し、実施例3のガスセンサ素子では1分以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、感度については、気体状ガスの導入後に、比較例のガスセンサ素子では電気抵抗値が約1/7に減少したのに対し、実施例3のガスセンサ素子では電気抵抗値が約1/2に減少した。
[実施例3−4]応用例3
また、20ppmの濃度のNOに対しては、応答速度については、実施例3のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。具体的には比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が定常に達するまで約60分間を要したのに対し、実施例3のガスセンサ素子では1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、感度については、比較例のガスセンサ素子では、気体状ガス導入後の電気抵抗値が約1/100に減少したのに対し、実施例3のセンサ素子では電気抵抗値が約1/10に減少した。
以上のように、実施例3のガスセンサ素子の応答速度、すなわちガスセンサ素子の気体状ガス導入後の電気抵抗値が定常に達するまでの時間については、実施例3のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。
一方、匂い物質、窒素酸化物NOを含む気体状ガスに対する実施例3のガスセンサ素子の電気抵抗変化量は、気体状ガスを検出するには十分実用的な変化量であった。
さらに、比較例のガスセンサ素子の製造工程ではポリアニリンを電界重合法により成膜するのに約1時間を要した。一方、実施例3のガスセンサ素子の製造工程ではポリアニリンをLB法により1層成膜するまでに約30分間で完了した。すなわち比較例のガスセンサ素子に比較して、その製造に要する時間を著しく短縮することができた。
また、第8図より明らかなように、従来のガスセンサ素子(比較例)は、導入されたガスの換気開始後に、吸着した気体状ガスの脱離は一応進行するが、測定前の状態まで回復することはない。従って、ガスセンサ素子の再利用に際しては加熱処理が必要である。
一方、実施例3のガスセンサ素子では、導入されたガスの換気開始後に、吸着した気体状ガスの脱離は、極めて短時間で進行して測定前の状態に回復することが分かる。従って、何ら特別な処理を行うことなく、ガスセンサ素子の再利用が可能である。
[実施例4−1]ガスセンサ素子の製造例
実施例4も、上述の実施例1〜3と同様に、第1図を用いて既に説明した櫛形電極を基板上に形成した。この櫛形電極上にラングミュア−ブロジェット法を用いて、下記の構造式(3)の構造を有するテトラシアノキノジメタン(TCNQ)誘導体の薄膜を形成した。
Figure 2003106987
この薄膜の製造工程につき説明する。
まず、上記構造式(3)TCNQ誘導体と構造式(4);
Figure 2003106987
の構造を有するピリジン誘導体との混合物(重量比1:1)をクロロホルムに溶かし(0.5mg/cm)展開溶液とした。
櫛形電極を具えた基板を、水を満たした水槽内の水面下に浸漬した。展開溶液を20℃に保たれた水面に滴下した後、バーで表面圧25mN/mになるように圧縮し、水面上にTCNQ誘導体とピリジン誘導体の混合物の単分子膜を形成した。
次に、この基板を、0.5cm/minの速さで、垂直方向に水面より上に引き上げ、水面に形成された単分子膜を櫛形電極上に1層累積した。このときの累積比は約1.3であった。この累積膜の厚さは、実施例1で説明した方法と同様に測定され、その電気容量の測定値から約3nmと見積もられた。
[実施例4−2]応用例1
以上のように製造された実施例4のガスセンサ素子について、匂い物質であるトリエチルアミンに対する応答特性を調べた。
以下の種々の気体状ガスに対する応用例は、実施例1と同様の方法で行ったので、その詳細な説明は省略する。なお、比較例として、従来のCVD(chemical vapor deposition)法でTCNQの薄膜を形成したガスセンサ素子の特性も併せて示した。このTCNQ薄膜の厚さは約1μmとした。
結果を第9図に示す。第9図は実施例4のガスセンサ素子のトリエチルアミンに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。
この例では、トリエチルアミンのガスを導入した時点を(a)として示した。また、グラフを説明しやすくするため、時点(a)の5分前を0分とした。ガスセンサ素子のトリエチルアミンによる電気抵抗値の変化が定常に達したものと認められる時点には矢印を付した。また、換気を開始した時点を(b)として示した。
第9図から理解されるように、100ppmの濃度のトリエチルアミンに対しては、応答速度については、実施例4のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。具体的には比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が定常に達するまで約15分間を要したのに対し、実施例4のガスセンサ素子では1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、感度については、比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が約9倍に増加したのに対し、実施例4のガスセンサ素子では約3倍に増加した。
[実施例4−3]応用例2
以下、実施例4の応用例の結果については、上述実施例1及び2で既に示した対応する同一種類の気体状ガスのグラフとその傾向はほぼ一致するので、その図示を省略し、数値のみを説明する。
100ppmの濃度のベンズアルデヒドに対しては、応答速度、すなわちガスセンサ素子の気体状ガス導入後の電気抵抗値が定常に達するまでの時間については、実施例4のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。具体的には比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が定常に達するまで約20分間を要したのに対し、実施例4のガスセンサ素子では1分間以内に電気抵抗値が定常に達した。
一方、感度については、比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が約1/6に減少したのに対し、実施例4のガスセンサ素子では電気抵抗値が約1/2に減少した。
[実施例4−4]応用例3
さらに20ppmの濃度のNOに対しては、応答速度については、実施例4のガスセンサ素子は比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。具体的には比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗が定常に達するまで約60分間を要したのに対し、実施例4のガスセンサ素子では1分間以内に電気抵抗が定常に達した。
一方、感度については、比較例のガスセンサ素子では、気体状ガスの導入後に、電気抵抗値が約1/100に減少したのに対し、実施例4のガスセンサ素子では電気抵抗値が約1/8に減少した。
以上のように、実施例4のガスセンサ素子は、応答速度、すなわちガスセンサ素子の、気体状ガスの導入後の電気抵抗値が定常に達するまでの時間については、比較例のガスセンサ素子に比べて著しく速かった。
一方、実施例4のガスセンサ素子の気体状ガス、すなわちトリエチルアミン、ベンズアルデヒド及び窒素酸化物NOに対する、気体状ガスの導入後の電気抵抗変化量、すなわち感度は、これらの気体状ガスの検出には十分実用的な変化量であった。
さらに、比較例のガスセンサ素子ではTCNQをCVD法により成膜するのに、チャンバ内をポンプで真空に引く時間、TCNQを累積する時間を含めて約2時間を要した。一方、実施例4のガスセンサ素子ではTCNQをLB法により1層成膜するまでに約30分間で完了し、比較例のガスセンサ素子に比較して著しく時間を短縮することができた。
また、第9図からも明らかなように、従来のガスセンサ素子(比較例)は、導入された気体状ガスの換気開始後に、吸着した気体状ガスの脱離は一応進行するが、測定前の状態まで回復することはない。従って、ガスセンサ素子の再利用に際しては加熱処理が必要である。
一方、実施例4のガスセンサ素子では、導入された気体状ガスの換気開始後に、吸着した気体状ガスの脱離は、短時間で進行して測定前の状態に回復することが分かる。従って、何ら特別な処理を行うことなく、ガスセンサ素子の再利用が可能である。
このように、この発明のガスセンサ素子の構成によれば、従来のガスセンサ素子に比較して、応答速度を著しく向上させることができる。
また、有機感応膜、すなわちガスセンサ素子の製造に要する時間を著しく短縮し、生産性を向上させることが可能である。
なお、上述の実施例では、ガスセンサ素子の有機感応膜の材料として、フタロシアニン類、ポリアニリン類、及びテトラシアノキノジメタン(TCNQ)類を用いた場合について説明したが、この発明の目的を損なわない範囲でこれらに限定されるものではない。他の導電性有機物質、例えばメロシアニン類、ビオロゲン類、ピレン類、トリフェニルメタン類、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、テトラチアフルバレン(TTF)類、TCNQ−TTF電荷移動錯体を使用して、ガスセンサ素子の有機感応膜を形成することもできる。
適用される基板は、好ましくはガラス等の絶縁性の基板とするのがよい。
また、櫛形電極は、好ましくは、例えば金(Au)、銅、アルミニウム等により形成するのがよい。
この発明のセンサ素子は、例えば電圧を印加する電極と、電流を測定する電極とを別々にした構成により、いわゆる四端子法で測定する方法に適用することができる。
また、センサ素子に交流電圧を印加することにより、電気容量を測定することで、気体状ガスを検出することもできる。
産業上の利用可能性
この発明のガスセンサ素子は、防災システム、空気環境測定、食品工業、各種工程管理、及び医療健康用途に適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明のガスセンサ素子の構成を説明するための概略的な平面図及びI−I破線により切断した概略的な断面図である。第2図は実施例1のガスセンサ素子のトリエチルアミンに対する応答特性を測定した結果を示すグラフである。第3図は実施例1のガスセンサ素子のベンズアルデヒドに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。第4図は実施例1のガスセンサ素子のNOに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。第5図は実施例2のガスセンサ素子のトリエチルアミンに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。第6図は実施例2のガスセンサ素子のベンズアルデヒドに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。第7図は実施例2のガスセンサ素子のNOに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。第8図は実施例3のガスセンサ素子のトリエチルアミンに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。第9図は実施例4のガスセンサ素子のトリエチルアミンに対する応答特性を経時的に測定した結果を示すグラフである。

Claims (9)

  1. 基板上に設けられた電極と、該電極上に設けられた有機感応膜とを具え、
    前記有機感応膜は、ラングミュア−ブロジェット法を用いて形成された1層又は2層以上の単分子膜の累積層であることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 前記有機感応膜は、1層〜5層の単分子膜の累積層であることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ素子。
  3. 前記有機感応膜は、1層の単分子膜の累積層であることを特徴とする請求項2に記載のガスセンサ素子。
  4. 前記電極を、櫛形電極としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサ素子。
  5. 前記有機感応膜は、フタロシアニン類、メロシアニン類、ビオロゲン類、ピレン類、トリフェニルメタン類、ポリアニリン類、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)類、テトラチアフルバレン(TTF)類及びTCNQ−TTF電荷移動錯体を含む群から選択される化合物の単分子膜の累積層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスセンサ素子。
  6. 前記有機感応膜は、フタロシアニン類、ポリアニリン類及びテトラシアノキノジメタン(TCNQ)類を含む群から選択される化合物の単分子膜の累積層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスセンサ素子。
  7. 前記有機感応膜は、フタロシアニン類の化合物の単分子膜の累積層であり、かつその膜厚は、0.8nm〜4nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のガスセンサ素子。
  8. ガスセンサ素子の製造方法であって、電極を形成した基板上に有機感応膜を形成するに際し、
    (1)前記有機感応膜の材料を含む展開溶液を作製する工程と、
    (2)前記基板を水槽の水面下に浸漬する工程と、
    (3)前記水槽の水面に、前記展開溶液を滴下して、水面に前記材料の単分子膜を形成する工程と、
    (4)前記基板を、水面下から水面より上に、引き上げて、前記単分子膜を前記基板に累積する工程とを含むことを特徴とするガスセンサ素子の製造方法。
  9. 前記(4)工程が終了した後に、前記(2)〜(4)工程をさらに繰り返すことで、前記単分子膜を複数累積させる工程を含むことを特徴とする請求項8に記載のガスセンサ素子の製造方法。
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