JPS64455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は水洗便所装置、詳しくは既設の水洗式
和風便器を覆うように腰掛器体を載置固定し和風
便器を腰掛式として使用できるようにしたもの
で、特にその給水のための構造の改良に関するも
のである。

従来、この種の水洗便所装置として実開昭56−
13186号公報のものがある。

このものは、便器洗浄用タンクが手洗い付きタ
ンクにおいて適用できるものであり、腰掛器体に
開設したボール部内面に放水するように設けたノ
ズルに、タンク内へ直接給水するボールタツプの
給水口か、手洗い管を介してタンク内に給水する
給水口のどちらか一方を接続することにより、和
風便器洗浄のため水を放出し、ボールタツプが開
いてタンクに給水する間、その給水の一部をノズ
ルから腰掛器体に給水し、その内壁面を洗浄しよ
うとするものである。

通常タンクへの給水所要時間は１分前後である
が、上記従来のものは給水の一部を簡易便座体に
送るため、タンクへの給水時間はさらに延び、そ
の間腰掛器体への放水量は非常に大きなものとな
る。そのため節水しようとすれば、腰掛器体への
流路は絞らざるをえないが、そうすれば時間当り
流量は小さくなり水圧もないため、腰掛器体の内
壁面を均等に洗浄することができないという問題
がある。

而して、本考案の目的とする処は、腰掛器体の
内壁を確実に洗浄すると共に節水を計らんとする
ものである。

一般に、腰掛器体の内壁は汚水や汚物の飛散に
より汚れやすいものであり、これを洗い流すため
洗浄水を流す必要があるが、腰掛器体の比較的広
い内壁を洗浄するためには一定以上の瞬間流量で
水を流さねばならない。また、大便のために使用
された場合は、和風便器の便受皿部の汚物を押し
流すため和風便器側に大量の洗浄水を流さねばな
らないが、小便時には腰掛器体にその内壁面を洗
浄するに足りるだけの洗浄水を流せば、同時に和
風便器も洗浄されるものであり、大便の場合と小
便の場合とで給水方法を変えることで節水をはか
ることができる。

そこで、上記目的を達成するために本考案が講
ずる技術手段は、既設和風便器の給水装置の一次
側給水管に分岐栓を設け、これから分岐給水管を
腰掛器体に接続して、その分岐給水管の途中に第
２の給水装置を取り付けることで腰掛器体へ単独
に給水することができるようにするものである。

以下、本考案の実施例を図に基づいて説明す
る。

この実施例は第１図に示すように水洗式和風便
器Ａを段違い状の床面Ｄに設け男子の小用にも使
用できるタイプで該和風便器Ａの上方にこれを覆
うように腰掛器体Ｂを載置したものである。

腰掛器体Ｂは陶器やFRP等の合成樹脂により
上記和風便器Ａの上面を覆う形状に形成され、そ
の後半部に和風便器Ａの受皿部１に臨むボール部
２を開設すると共に、前半部に段部３を介して和
風便器Ａの前覆部４を覆う被覆部５を形成する。

ボール部２は和風便器Ａの後部リム６に沿つて
漏斗状に形成し、その下端開口縁を上記後部リム
６内に挿入してリム６の射水孔７より下方に突出
すると共に上端開口縁には全周に渉つてリム通水
路８を設ける。

リム通水路８は上記ボール部２の上部に、その
ボール部２内に臨むように内方に突出して形成さ
れ、その下面に射水孔９を適宜間隔毎に多数開穿
すると共に該通水路８の適宜箇所に既設和風便器
Ａのための給水装置Ｃの上流側給水管１０から分
岐せしめた分岐給水管１１を接続する。

また、腰掛器体Ｂは中間部上面に便座１２及び
その上方に必要に応じてふた１３を回動自在に取
付けると共に外周下端部には台座１４を突設し、
この台座１４をビス１５等により床面Ｄに固定す
る。

給水装置Ｃは既設の水洗式和風便器Ａに洗浄水
を供給するための装置であり、一般にはボールタ
ツプと排水弁を備える所謂便器洗浄タンクや給水
管の途中に設けたフラツシユバルブにより構成さ
れている。

そして第１図乃至第３図に示す実施例におい
て、給水装置Ｃは便器洗浄タンクで、そのボール
タツプの一次側に給水源たる給水管１０を接続
し、排水弁の二次側に洗浄管１６を介して和風便
器Ａを接続している。

一方、上記腰掛器体Ｂのリム通水路８に接続さ
れる分岐給水管１１は便器洗浄タンクＣのボール
タツプに接続される給水管１０の途中に分岐栓１
７を設けて、この分岐栓１７から取り出し、その
途中には小容量のフラツシユバルブからなる第２
給水装置Ｅを設ける。

従つて、第２給水装置Ｅを操作することによ
り、洗浄タンクＣからの和風便器Ａへの給水とは
別個に腰掛器体Ｂへ単独に給水することができ
る。

而して、小便の際には第２給水装置たるフラツ
シユバルブＥを操作することでこれを洗浄するこ
とができ、大便の場合には洗浄タンクＣの操作ハ
ンドル１８を作動させることで汚物の押し流し洗
浄が可能となる。なお、このとき必要あればフラ
ツシユバルブＥも同時に作動させることにより、
腰掛器体Ｂに付着した汚物、汚れを洗い流すこと
ができる。

尚、図面に示す和風便器Ａは所謂洗出し式と呼
ばれるもので、前端には便器洗浄タンクＣの洗浄
管１６を挿入する給水室１９を形成し、タンクＣ
から洗浄管１６を介してこの給水室１９に供給さ
れた洗浄水の一部を該室１９の上方から便器Ａの
前覆部４に導いて前覆部４内面を洗浄し、残りの
洗浄水を給水室１９の下面に開穿した連絡孔２０
から水路２１を通つて便器Ａ後端に形成した噴出
孔２２に導き該孔２２から噴出させて受皿部１上
に***された汚物を排水口部２３へ流し出すと共
に、上記水路２１途中から便器Ａのリム連絡孔２
４を通つてリム射水孔７へ流し、便器Ａのボール
２５内面の洗浄を行うようになつているものであ
るが、この実施例では腰掛器体Ｂのボール部２下
端開口が、和風便器Ａのリム射水孔７より下方に
突出すると共に、腰掛器体Ｂの被覆部５が和風便
器Ａの前覆部４を覆つており、和風便器の前覆部
４は汚水や汚物が付着することがないので、洗浄
管１６先端を給水室１９内部まで突出し、リム射
水孔７及び噴出孔２２への給水連絡口２０入口に
開口して洗浄水が前覆部４にほとんど流れないよ
うになす。

斯る構造により、洗浄タンクＣの水位調節を行
ない和風便器Ａへの吐水量を減じることができ
る。したがつて大便時に洗浄タンクＣとフラツシ
ユバルブＥとから同時に吐水したとしても総量は
あまり増えることがない。

一般に人は大便が１日約１回、小便が１日４〜
６回といわれているが、女性は必ず大便器を使用
するものであり、小便時には少量の水量ですむこ
との効果は大きい。もちろん、男子の大小兼用型
の便器の場合はさらにその効果が大きい。

次に第４図に示すものは本考案の他の実施例
で、このものは給水装置Ｃがフラツシユバルブに
より構成されている点において、前示実施例と相
違しており、第２給水装置Ｅを備える分岐給水管
１１はフラツシユバルブＣの一次側において分岐
栓１７により給水管１０から分岐されて腰掛器体
Ｂに接続されている。

尚、前示両実施例においては和風便器Ａとして
洗出し式のものを述べたが、和風便器Ａはこれに
限定されず他の型式のものであつても良く、この
場合、和風便器の構造によつては分岐給水管１１
が腰掛器体Ｂの外に配管され腰掛器体Ｂの側面及
び上面を貫通してリム通水路８に接続されること
もある。

また、既設和風便器Ａは、段違い状の床面Ｄに
設置されたものに限定されるものでもなく、面一
状の床面に設置されているものであつても勿論良
い。

本考案は上記の構成であるから以下の利点を有
する。

既設和風便器の給水装置の一次側給水管から
分岐給水管を取り出して、これを腰掛器体に接
続すると共にその分岐給水管の途中に第２給水
装置を設けることにより腰掛器体へ単独に給水
することができるようにしたので、タンクへ給
水する間その給水の一部を腰掛器体の洗浄に利
用する従来のもののような節水のためには腰掛
器体への流路を絞る必要があるものと異なり、
腰掛器体へは確実に一定以上の瞬間流量で水を
流すことができ、腰掛器体を確実に洗浄するこ
とができる。

小便時に和風便器側に大量の水を流す必要が
なく、第２給水装置により腰掛器体の内壁面を
洗浄するに足るだけの洗浄水を流せば良いの
で、大幅な節水が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す水洗便所装置
の縦断側面図、第２図は同平面図、第３図は第２
図の−線に沿える断面図、第４図は他の実施
例を示す縦断側面図である。 Ａ……既設の水洗式和風便器、Ｂ……腰掛器
体、Ｃ……給水装置、Ｅ……第２給水装置、１…
…和風便器の受皿部、２……腰掛器体のボール
部、８……腰掛器体のリム通水路、９……腰掛器
体の射水孔、１１……分岐給水管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 既設の水洗式和風便器を覆うように載置固定し
   た腰掛器体に、上記和風便器の受皿部に臨む漏斗
   状のボール部を開設した水洗便所装置において、
   給水装置の一次側を分岐して分岐給水管を設ける
   と共に上記ボール部の開口縁にボール部内面を洗
   浄する射水孔を多数開設したリム通水路を設け、
   上記分岐給水管を腰掛器体のリム通水路に接続し
   て、その途中に第２給水装置を設けたことを特徴
   とする水洗便所装置。