JPS644046Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、家屋の屋根上等に設置使用される
家庭用あるいは業務用等の太陽熱集熱器における
表面の透過体の清掃装置に関する。

従来の技術 太陽熱集熱器は、その集熱部の表面がガラス等
の透過体で被覆されているが、この透過体が汚れ
ると当然集熱効率が低下する。従つて望ましくは
その表面を定期的に清掃する必要がある。

しかし実際上、この種の集熱器は一般に屋根上
等の高所に設置されるため、人力によるその清掃
作業が極めて困難でありかつ面倒である。

そこで、最近、集熱器の上面側にブラツシング
装置を設け、これを遠隔制御で駆動して透過体を
清拭するものとする清掃装置が提案されている。
（実開昭57−153954号）。

考案が解決しようとする問題点 上記先行提案は、清掃作業の省力化において有
効性が見込まれ得るものゝ、ブラツシング装置の
駆動を、集熱器本体内の底部、即ち集熱板の下方
の空間に内蔵したパンタグラフ方式の複雑なリン
ク機構と、そのねじ送り作動機構を介して、モー
タで駆動しようとするものであつたため、構造が
複雑で、駆動機構に故障のおそれが大きく、加え
て集熱器の本体が大型化、特に高さの高いものと
なるため設置上の支障も大きく、実用化には不向
きなものでしかなかつた。

この考案は、上記のような従来技術の背景に鑑
み、遠隔位置から自動的に透過体表面の清掃を遂
行しうる自動清掃装置であつて、しかも上記欠点
のない簡易構造のものを提供することを目的とし
てなされたものである。

問題点を解決するための手段 この考案は、上記の目的において、太陽熱集熱
器の表面の透過体に接触状態にかつ同集熱器のフ
レームの側枠部材に沿つて走行移動自在に配置さ
れた払拭清掃部材と、前記集熱器の上面側に配置
され先端に前記清掃部材が連結固定された伸縮作
動杆と、太陽熱集熱器の下端外部においてそのフ
レームに固定装備された前記伸縮作動杆を伸縮作
動せしめる駆動装置とを具備してなる太陽熱集熱
器における自動清掃装置を要旨とする。

実施例 以下、この考案の構成を更に図示実施例につい
て説明する。

図示のように、この考案に係る清掃装置Ａは、
太陽熱集熱器Ｃの集熱部表面の透過体４に接触配
置された払拭清掃部材１と、集熱器Ｃの上面側に
位置して上記清掃部材１を先端に連結固定した１
本の伸縮作動杆２と、集熱器Ｃの下端外部におい
てフレーム５に固定装備され、上記伸縮作動杆２
を伸縮作動せしめる駆動装置３とを具備してい
る。

清掃部材１は、棒状基体１ａの下面にブラシ１
ｂを植設して透過体４面をその全幅にわたつて摺
擦するようになされたものであるが、これに代え
てスポンジロールとかブラシロール等を用いるも
のとしても良い。上記棒状基体１ａの両端には垂
下状に１対の支持片６，６が取付けられている。
そしてそれらの下端部対向面にそれぞれ案内ロー
ラ７，７が回転自在に取付けられており、これら
が集熱器Ｃにおけるフレーム５の左右の側枠部材
５ａ，５ａ上を転動せられることにより清掃部材
１を集熱器の上面において上記側枠部材５ａ，５
ａに沿つて走行移動自在に支持したものとなされ
ている。かつ上記案内ローラ７，７は、そのフラ
ンジ部７ａ，７ａが上記側枠部５ａ，５ａの外面
に当接することによつて正しく側枠部上を転動せ
られるようになつている。

伸縮作動杆２は、自動車用のアンテナのよう
に、段階的に伸縮操作される複数個の相互に異径
の管状素子２ａ，２ｂ，２ｃ……２ｎを順次嵌挿
接続してなるものであり、最小径の先端側管状素
子２ａに前記清掃部材１の基体１ａの中央部が適
宜の固着部材８で連結固定されている。

駆動装置３は、機構的には自動車用の電動式伸
縮アンテナのそれと同じもので、詳細な図示は省
略されているが、伸縮作動杆２の管状素子群に一
端を連結した操作用ワイヤと、その他端が連結さ
れて該ワイヤを積極的に引き込みあるいは繰出し
て上記作動杆２を伸縮させるロータと、このロー
タを正逆方向に反復して回転駆動せしめる電動モ
ータとを具備するものである。かつ該駆動装置３
は、集熱器Ｃの下端、即ち貯湯タンク側と反対側
の端部において、フレーム５の両側面から突設さ
れたブラケツト９，９に架設された取付座板１０
上に固定されている。

上記の清掃装置Ａは、遠隔位置に設置される起
動スイツチの操作により、駆動装置３を起動せし
め、これにより伸縮作動杆２を伸縮作動させて、
フレーム５の側枠部５ａ，５ａ上を転動する案内
ローラ７，７の案内作用と相俟つて清掃部材１を
集熱器Ｃ上で往復作動させ、透過体４の表面を摺
擦してその汚れを落とすものである。

なお、清掃部材１の摺擦による清掃効果を更に
あげるために、同時に洗浄用水を撒布しつゝ摺擦
せしめるようにすることが望ましい。この場合、
清掃部材１に別途給水ホースに接続した撒水用部
材を付設するものとしても良いし、また清掃部材
１自体の棒状基体１ａを多数個の撒水孔を有する
撒水管に構成してこれに給水ホースを接続するも
のとしても良い。

考案の効果 この考案に係る清掃装置は上述のように、太陽
熱集熱器の表面の透過体に接触状態に配置された
払拭清掃部材と、該清掃部材が先端に連結固定さ
れた伸縮作動杆と、太陽熱集熱器のフレームに固
定装備された前記伸縮作動杆を伸縮作動せしめる
駆動装置とを具備してなるものであるから、屋根
上等に設置される太陽熱集熱器をも遠隔操作によ
つて自動的にその表面の清掃を行うことができ、
該集熱器の効率的使用のための保守管理上の唯一
の難点とされていた清掃作業を自動化し、大幅な
省力化を達成しうる。

しかも特に、この考案に係る清掃装置は、清掃
部材、その駆動のための伸縮作動杆、駆動装置が
いずれも集熱器の本体の外部に設けられており、
集熱器本体内にその関連機構を一切内蔵していな
いので集熱器本体の厚みないし高さが全体に厚く
あるいは高くなるという欠点がない。また、清掃
部材の駆動を、伸縮作動杆を用いて行わせるもの
としていることにより、該伸縮作動杆が透過体の
上面側に位置するに拘らず、それによつて影にな
る部分が少なく、日中に作動させても集熱器の集
熱効率を格別低下することがない。かつ伸縮作動
杆の伸縮による直線方向の駆動力で清掃部材を直
線的に往復作動せしめるので、複雑なリンク機構
を介して清掃部材を駆動せしめるような場合に較
べ、駆動機構から清掃部材への伝動中の動力ロス
が少なく、かつ故障も少ないものとすることがで
きる。更に、駆動機構を集熱器の下端側に設けて
いることにより、これに伸縮作動杆を直接接続し
てその作動を円滑に行わせ得るものとすることが
でき、構造の簡素化をはかることができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は斜視図、第２図および第３図は第１図−線
および−線に沿う断面図である。 Ａ……清掃装置、Ｃ……太陽熱集熱器、１……
払拭清掃部材、２……伸縮作動杆、３……駆動装
置、４……透過体、５……フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 太陽熱集熱器の表面の透過体に接触状態にかつ
   同集熱器のフレームの側枠部材に沿つて走行移動
   自在に配置された払拭清掃部材と、前記集熱器の
   上面側に配置され先端に前記清掃部材が連結固定
   された伸縮作動杆と、太陽熱集熱器の下端外部に
   おいてそのフレームに固定装備された前記伸縮作
   動杆を伸縮作動せしめる駆動装置とを具備してな
   る太陽熱集熱器における自動清掃装置。