JPS643435Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、天然の大理石模様と同じような模様
を立体的に表現する人工大理石浴槽に関するもの
である。

（従来技術及びその問題点） 従来、大理石模様を有する浴槽や洗面ボールは
合成樹脂系インキで印刷を施すことによつて大理
石模様を付した浴槽や洗面ボール形状の透明アク
リル樹脂板を着色層とし、この着色層上に大理石
模様を浮き出させる色調の不透明なFRPの補強
層や不透明なプライマー層を積層することによつ
て成形されている（特公昭56−27259号公報，特
公昭56−28533号公報）。

しかし、これ等先行技術は、合成樹脂系インキ
で大理石模様を付した透明アクリル樹脂板を、不
透明な補強層や不透明なプライマー層を介して透
視させるだけであるから平面的な美観を具現する
に止まり商品価値の高揚が望めない問題がある。

また、浴槽は浴室の広さや顧客の要望によつて
上縁リム巾のみを変化させるケースも少なくな
い。

しかし、先行技術においては上縁リム巾に相応
する数の大小様々な浴槽成形型を製作用意する必
要があり、製造コストの高騰が避けられない問題
もある。

（技術的課題） 本考案の技術的課題は、大理石の持つ天然模様
に似た立体的な大理石模様を表現すると共に、上
縁リム巾に相応する数のリム成形型を槽部成形型
の他に製作用意することによつて上縁リム巾が異
なる浴槽を成形可能にすることにある。

（技術的手段） 上記技術的課題を達成する為に講じた技術的手
段は、槽部と、巾を異にする数種の上縁リム夫々
を、透明樹脂膜と白色バツク層との間に、無色基
材，緑色基材，薄茶色基材，白色基材を山盛状に
適宜点々と配設し且つそれ等基材に茶色基材を亀
裂状に割り込ませることによつて中間着色層を施
層した断面構造に形成し、槽部上縁に透明樹脂を
介して選択した巾の上縁リムを固着したことであ
る。

（作用） 本考案の技術的手段による作用は、次の通りで
ある。

Γ 無色基材，緑色基材，薄茶色基材，白色基材
を山盛状に適宜点々と配設し且つそれ等基材に
茶色基材を亀裂状に割り込ませることによつて
形成した中間着色層の各基材が、透明樹脂層を
介して大理石模様と同じような立体模様を表現
させる。

Γ 槽部成形型を用いて成形された槽部（透明樹
脂膜，無色基材，緑色基材，薄茶色基材，白色
基材，白色バツク層からなる断面構造を有する
槽部）上縁に、リム成形型を用いて成形された
数種の巾の上縁リム（透明樹脂膜，無色基材，
緑色基材，薄茶色基材，白色基材，白色バツク
層からなる断面構造を有する槽部）の内、選定
した巾の上縁リムを透明樹脂を介して固着する
ことによつて上縁リム巾が異なる様々な浴槽を
成形する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図中Ａは浴槽本体を示し、槽部２Ａ，上縁リム
３Ａ，エプロン板４Ａとの３者にて構成され、上
記３者２Ａ，３Ａ，４Ａは夫々透明樹脂膜２と白
色バツク層８との間に、無色基材３，薄茶色基材
４，緑色基材５，白色基材６，茶色基材７からな
る中間着色層１Ａを有し、夫々後述の型Ｃ，C′，
Ｅにより成形する。

上縁リム３Ａは第３図に示す如く枠体３A′形
状に一体成形して一面部１を偏巾にしたＡ者Ｂ、
第４図の如く四面部９共に夫々単独にて成形後境
界部９ａを透明樹脂１０を介して固着して枠体３
A′形状に形成するＢ者Ｄの２種類が存在する。

而して槽部２Ａ上縁と第５図乃至第７図に示す
固着状態に透明樹脂１０をもつて固着した上縁リ
ム３Ａ突端に別途に成形したエプロン板４Ａ上端
を透明樹脂１０を介して固着して垂下せしめ、槽
部２Ａ裏面とエプロン板４Ａ裏面との間に裏打板
１１を配設固定して浴槽本体Ａを成形する。

斯して所望の一面部１が極めて広い上縁リム３
Ａを有する浴槽が製造されることとなり、その一
面部１を浴室用備品，植木等の載置スペース１ａ
に利用する。

透明樹脂１０は不飽和ポリエステル樹脂，エポ
キシ樹脂等の接着機能を有する樹脂を用い透明で
ある為継ぎ目部分が目立つて商品価値の低価を招
く心配はない。

次に、槽部２Ａ，上縁リム３Ａ，エプロン板４
Ａの成形型Ｃ，C′，Ｅによる成形順序を説明す
る。（第８図）（第９図） 槽部２Ａを成型するにあたつては浴槽成形用雄
型Ｃと、雌型C′を用い、まず雄型Ｃの成型面１Ｃ
の離型剤上に合成樹脂，FRP等にて透明樹脂２
を形成し、その上部に無色基材３，薄茶色基材
４，緑色基材５を適宜山盛状に配設する。

この３つの基材３，４，５は夫々透明不飽和ポ
リエステル樹脂製のレジン１部に対しガラス粉末
１〜４部を混合し僅かの硬化剤を混入し、夫々適
宜顔料を加えて真空状態において撹拌混合して基
材内の気泡を脱泡して製造する。

而る後、混合添加物を加えるか加えていない白
色基材６を無色基材３上に部分的に重設し、更に
３，４，５を適宜山盛状に配設すると共に大理石
特有の茶褐色の亀裂状を形成する茶色基材７を割
込み状に挿着する。

この茶色基材７は不飽和ポリエステル樹脂１部
に対してガラス粉末2.5部を混合し、硬化剤少々
と茶色の顔料を混入して撹拌して製造する。

その後不飽和ポリエステル樹脂１部にガラス粉
末２部、それに僅かな硬化剤，白色顔料を混合し
真空脱泡して製造した白色バツク層８を雄型Ｃ表
面に均一に塗着し、浴槽成形用雌型C′にて被蓋す
ると共に振動を与えて型Ｃ，C′間の材料２，３，
４，５，６，７，８内の気泡を脱泡し、自然硬化
させ、脱型して成形される。

エプロン板４Ａ，上縁リム３Ａは第９図に示す
如く成形型Ｅに槽部２Ａと同様に透明樹脂膜２，
無色基材３，薄茶色基材４，緑色基材５，白色基
材６，茶色基材７，白色バツク層８を順次積層又
は挿着し振動を与えて脱泡すると共に自然硬化後
脱型して成形される。

尚、上縁リム３A3面部１２を槽部２Ａと一体
に型Ｃ，C′成形すると共に巾を異ならしめた上縁
リム３Ａ一面部１を別途の型Ｅでもつて成形して
後に透明樹脂１０を介して固着して一体化を図つ
ても勿論任意である（第１０図）し、更には、上
縁リム３Ａを、四面部９を同一巾に一体成形し、
これを槽部２Ａ上縁に透明樹脂１０を介して固着
するも任意である。

（考案の効果） 本考案は以上のように構成したので、下記の利
点がある。

Γ 透明樹脂膜と白色バツク層との間に、無色基
材，緑色基材，薄茶色基材，白色基材を山盛状
に適宜点々と配設し且つそれ等基材に茶色基材
を亀裂状に割り込ませることによつて形成した
着色層を、配設したので、本物の大理石模様と
全く近似した立体模様を呈する豪華な浴槽を供
することができる。

Γ 上縁リム巾の異なる大小様々な浴槽成形型を
多種製作用意せずとも、小型で安価な数種のリ
ム成形型を製作用意することによつて製造コス
トの高騰を招かずに上縁リム巾のみが異なる
様々な浴槽を形成でき、顧客へ安価に提供し得
る。依つて所期の目的を達成し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案浴槽の斜視図、第２図は部分拡
大断面図、第３図、第４図は上縁リム部分の平面
図、第５図、第６図、第７図は槽部と上縁リム部
分の固着状態を示す部分拡大断面図、第８図、第
９図は槽部、エプロン板、上縁リムの型成形時の
状態を示す縦断面図、第１０図は浴槽本体とリム
３面を一体成形し、リム残り一面を接着する状態
を示す平面図である。 尚、図中、Ａは浴槽本体、２Ａは槽部、１Ａは
中間着色層、３Ａは上縁リム、２は透明樹脂膜、
８は白色バツク層、３は無色基材、５は緑色基
材、４は薄茶色基材、６は白色基材、７は茶色基
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 槽部と、巾を異にする数種の上縁リム夫々を、
   透明樹脂膜と白色バツク層との間に、無色基材、
   緑色基材、薄茶色基材、白色基材を山盛状に適宜
   点々と配設し且つそれ等基材に茶色基材を亀裂状
   に割り込ませることによつて中間着色層を施層し
   た断面構造に形成し、槽部上縁に透明樹脂を介し
   て選択した巾の上縁リムを固着したことを特徴と
   する人工大理石浴槽。