JPS64297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） ベース部に固定されたクリンチヤ部材に向けて
コ字形のステープルを打出しクリンチヤによりス
テープルの脚を折曲げ形成するタイプのステープ
ル打込み装置に関する。

（従来の技術） 第２図に示す様にベース部上面にステープルの
脚折曲げ用のクリンチヤを設け、後方に打込み装
置を備えた可動部を回動可能に枢着したステープ
ル打込み装置においては、紙等の被綴材はベース
部と打込み装置の可動部下面との間に挟まれドラ
イバの下動によりステープルを打出し被綴材を綴
るものである。しかしながら上記の構造にあつて
は、被綴材を貫通したステープルの脚先端は、貫
通後直ちにクリンチヤの折曲げ溝に当接しこの折
曲げ溝より反力を受けることとなる。この際ステ
ープルの脚部のうち被綴材中に位置する部分は、
被綴材により保持されているため脚部はその被綴
材の最下面と先端に至る部分の間で曲げを生ずる
こととなる。ステープルの脚のうち被綴材より貫
通突出した部分Ｌ１をドライバの押圧力により生
ずるクリンチヤの反力のうちの折曲げ方向に作用
する分力によりステープル脚を折曲げることとな
る。ここで、Ｌ１は短いものであるため折曲げに
は大きなドライバの押圧力を必要とする。このた
めに駆動源として大きな力を出せるものを必要と
していた。

（技術的課題） 本考案は、上記のステープル脚の折曲げ時に生
ずる押圧力を小さくすることによつてドライバを
駆動する駆動機構に加わる荷重を少なくするため
の装置を提供しかつ装置を小型化することをその
技術的課題とするものである。

（課題を解決するための手段） そこで、本考案はコ字形のステープルを設けた
クリンチヤに向けて打ち出す該クリンチヤにより
ステープルの脚を折曲げるタイプのステープル打
込み装置において、クリンチヤの溝を囲む外周域
の少なくとも一部に段差部を設け、被綴材の下面
とクリンチヤの溝間に空間部を形成するとともに
該段差部は綴り時において打込み装置のステープ
ル打出口近傍と対向して両者間に被綴材を挟み込
む位置に配置したことを特徴とするものである。

（実施例の説明） 第１図、第３図及び第４図に基づいて本考案の
説明をすると、第１図ａは本考案の第１の実施例
であつて、ベース部１のクリンチヤ２のステープ
ルの脚折曲げ溝３の両側に凸部４，４がクリンチ
ヤ２に一体的に設けられている。この凸部４，４
の上面は綴り時においては、ステープル打込み装
置６の可動部７の下面８に紙９を介して対向する
位置にある。打込み装置６の打込部材であるドラ
イバ１０によりステープル１１は、後続のステー
プルとの接続を断たれて紙９に向かつて下動され
る。次にステープルの脚先端１２は紙９に当接し
て貫通し、クリンチヤの溝３と当接する。この状
態にあつては、ステープルの脚先端１２側の紙９
を貫通した部分はクリンチヤの溝３深さと凸部４
の厚みＬ２となつておりドライバ１０の下動によ
り更に継続してステープル１１に荷重が加わつた
ときに、クリンチヤの溝３との当接部より反力を
受けその反力の脚を折曲げる方向の分力により両
脚の先端１２，１２が互いに近接する方向に折曲
げられていく。ここで折曲げられるステープルの
脚１３は従来のものに比較し凸部４の高さＡ分長
く最下層の紙１４より突出しているので折曲げが
容易となつている。

凸部４の高さＡはステープルが綴ることができ
る最大枚数の紙を綴つた際にステープルの脚１３
の曲がり方向が少なくとも綴つた紙９と平行かな
いし紙面積に向かう方向にクリンチヤの溝３によ
り曲げられる高さである。この凸部４の高さＡと
ステープルの脚折曲げの関係を第４図ａ，ｂにて
説明する。この凸部４の高さＡが大きいａでは最
大枚数を綴つたときの紙９を貫通したステープル
の脚１３はクリンチヤの溝３による充分な曲げを
生じない状態で綴り作業が完了されてしまい脚先
端１２，１２が最下層の紙１４より離反し作業者
等がその突出した脚先端１２，１２により怪我を
する等の不具合又は綴つた書類を積み重ねたとき
に下の書類を傷めたりしてしまう恐れがある。こ
の凸部４の高さＡが少ないｂではステープルの脚
先端１２は最下層の紙１４の方向に向い上述の不
具合は生じない。

第１図ｂは本考案の第２の実施例であつて、ク
リンチヤに凹部１５を設け、この凹部１５中にク
リンチヤの溝３を配した構成であり、この凹部１
５近傍のクリンチヤ２の表面は下降した際の可動
部７の下面と対向しこの間に紙９が位置する様に
なつている。この凹部１５の深さＡは前述の第１
の実施例の凸部４の高さＡと同等となつている。

（考案の作用効果） 上述の様にクリンチヤの溝の近傍に段差部を形
成してあるため紙を貫通したステープルの脚の先
端が直ちにクリンチヤの溝に当接し折曲げ力を受
ける従来の構成と異なり、この段差Ａ分紙貫通後
の脚先端が進んだ後クリンチヤの溝と当接し折曲
げ力を受けることとなるので脚を折曲げる力は少
なくて足りる。このことは、ステープルを押圧し
ているドライバの負荷もクリンチ時は少なくて済
み、従つて装置を小型化軽量化することが出来る
他、充分な挫屈耐力を有しないステープルであつ
てもクリンチヤとの脚先端の衝合により生ずる脚
の折曲げの負荷を受けても脚は少ない負荷で折曲
がりを開始するため挫屈せる程の負荷に至らずに
脚は折曲げられて紙を綴ることが出来るため綴り
作業を確実に行なえ又挫屈による作業の中断を無
くすことができ作業効率を高めることが可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、各々本考案に係るステープル打込み
装置におけるクリンチ荷重軽減装置の要部説明図
でありａは第１の実施例であり、ｂは第２の実施
例であり第２図は、従来のステープル打込み装置
におけるステープルの脚折曲げ開始時の説明図で
あり、第３図は、本考案に係るステープル打込み
装置におけるステープルの脚折曲げ開始時の説明
図であり、第４図は、段差部の高さとステープル
の脚折曲げとの関係説明図であつてａは段差部の
高さが大き場合で、ｂは段差部の高さが少ない場
合である。 １……ベース部、２……クリンチヤ、３……ク
リンチヤの溝、４……凸部、１５……凹部、Ａ…
…凸部の高さ及び凹部の深さ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コ字形のステープルをベース部に設けたクリン
   チヤに向けて打ちだし該クリンチヤによりステー
   プルの脚を折曲げるタイプのステープル打込み装
   置において、クリンチヤの溝を囲む外周域の少な
   くとも一部に段差部を設け、被綴材の下面とクリ
   ンチヤの溝間に空間部を形成するとともに該段差
   部は綴り時において打込み装置のステープル打出
   口近傍と対向して両者間に被綴材を挟み込む位置
   に配置したことを特徴とするステープル打込み装
   置におけるクリンチ荷重軽減装置。