JPS64255B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明はジヤンプシートで、詳しくは、トラ
ツク等の貨物自動車の運転室の側部、あるいは後
部にシートクツシヨンを回動自在に設けたシート
に関する。

〔従来技術〕

従来、この種のジヤンプシートとしては、例え
ば第１図に示すようなものがある。

すなわち、トラツク等の貨物自動車において、
長距離運送に際し、運転者が例えば二人で昼夜交
代で運転できるように一方の運転者が運転してい
るときに他の運転者が仮眠、あるいは休憩をとる
ためのシートが運転室の側部、あるいは後部に配
置されている。不使用時には、運転室を有効に利
用するためにシートはシートクツシヨン３を起立
状態で保持できるジヤンプシートとされている。
シートクツシヨン３は運転室の後部、あるいは側
部のフロア６に取付けられたベース７に回動自在
に取付けられている。使用時にシートクツシヨン
３を回動させてステイ９を介して水平状態に保持
したとき、シートバツクとして機能するボデイパ
ネル８に背をもたれて着座することができる。

しかしながら、このような従来のジヤンプシー
トにあつては、運転室の後部、あるいは側部のフ
ロア６に取付けられたベース７にシートクツシヨ
ン３が回動自在に取付けられているので、不使用
時にシートクツシヨン３を起立させた際、シート
クツシヨン３の裏面が丸見えとなり、しかも回動
機構も残らず見えて見栄えが悪化するだけでな
く、スペースも大きくとり、さらにロツク装置が
ないので、不安定であつた。

〔目的〕

そこで、この発明はこのような従来の問題点に
着目してなされたもので、その目的とするところ
は、シートクツシヨンを回動させて起立状態に保
持したとき、シートクツシヨンの表面を車室の中
央側に指向させるとともに、リンク等の回動機構
をシートクツシヨンの裏側に位置させて見栄えを
向上させ、また、ベースをボデイパネル側に可及
的に近接させてフロアに取付けて車室の有効利用
を可能にし、また、リンク等の回動機構が表側に
露出しないようにして安全性を向上させるととも
に、収納ロツクおよびセツトロツクを１本のレバ
ーによつて可能にして、ロツク操作を容易にし、
シート全体の安定性を向上させたジヤンプシート
を提供することにある。

〔構成〕

上記目的に沿うこの発明の構成は、シートクツ
シヨンをリンクを介してベースに回動自在に装着
したジヤンプシートにおいて、シートクツシヨン
の裏側とベースの下部間に介在して取付けられて
いて、リターンスプリングによつて後方に回動す
るように付勢された第１リンクと、この第１リン
クのピンによる連結点から後方に所定の距離だけ
離間したシートクツシヨンの裏側の位置とベース
の上部間に介在して取付けられた第２リンクと、
この第２リンクのベースへの取付個所に近い後方
にベースに回動可能に取付けたシヤフトの一端を
折曲して形成されたレバーと、、シヤフトにほぼ
Ｌ字状に形成されかつ上端にフツク部を有しその
中心部が固定されたフツクと、このフツクのフツ
ク部がシートクツシヨンの起立時に係合するよう
に第１リンクの中間部に設けられたフツクピン
と、第２リンクの中間部に形成した長孔に遊挿さ
れるフツクピンと、このフツクピンに他端が固着
され一端がフツクの下端に回動可能に取付けられ
たリンクと、シートクツシヨンの裏側に設けられ
シートクツシヨンの着座状態時に長孔の後端側に
位置するフツクピンに係合するフツク部と、フツ
クのフツク部を常時前方に回動するように付勢す
るリターンスプリングとを備え、レバーの操作に
よりフツク部を後方に回動させてフツクの下端に
回動可能に取付けられたリンクの他端及びフツク
ピンを長孔の前端に移動させてフツクピンとフツ
ク部との係合を解除し、その後リターンスプリン
グにより起立してきた第１リンクのフツクピンに
フツク部が係合し、シートクツシヨンの起立時に
その表面が表側となるようにしたものである。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を第２図ないし第４
図に基づいて詳細に説明する。

図面はこの発明をトラツク等の貨物自動車のシ
ートに適用した実施例を示す。この種の自動車に
おいては、一般に運転室は荷室とボデイパネルに
よつて隔離され、狭いものとなつている。そのた
め、ジヤンプシートは仮眠あるいは休憩用シート
として運転室の後部、あるいは側部に配設されて
いる。そして、不使用の際にシートクツシヨン１
０を後方に回動させて起立状態で収納したとき
は、シートクツシヨン１０の表面を車室中央側に
指向させるとともに、リンク等の回動機構をシー
トクツシヨン１０の裏側に位置させて見栄えと安
全性を向上させるようにしたものである。

すなわち、符号１１はベースを示し、これとシ
ートクツシヨン１０間には、回動機構としての第
１リンク１２および第２リンク１３が介在して取
付けられている。第１リンク１２はシートクツシ
ヨン１０に起立方向の回動力を付勢するためのも
のであり、一端がシートクツシヨン１０の裏側
に、ブラケツト１４に設けたピン１６を介して装
着され、他端がベース１１の下部にピン１５を介
して装着されている。ピン１５に巻設されたリタ
ーンスプリング１５Ａによつて第１リンク１２は
後方に回動するように付勢されている。これによ
り、シートクツシヨン１０は着座状態からジヤン
プし、起立状態で、収納することができる。一
方、第２リンク１３は、一端が第１リンク１２の
ピン連結点から所定の距離だけ後方に離間したシ
ートクツシヨ１０の裏側の位置にピン連結され、
他端がベース１１の上部にピン連結されている。
このような一対のリンク１２，１３によつて支持
されるシートクツシヨン１０は、一種の回動自在
なリンクとして作用し、またベース１１は一種の
固定のリンクとして作用し、全体的には四節回動
機構をなしている。これによつてシートクツシヨ
ン１０は、リンク１２，１３の回動に伴つてセツ
ト時は略水平な着座状態にあり、収納時は略鉛直
な起立状態にあつて途中は限定された運動をなす
ようになつている。

しかして、１本のレバー１７の操作によつて収
納ロツクとセツトロツクを可能にしたロツク装置
１８がベース１１の上部に取付けられてロツク操
作を容易にし、シート全体の安定性を向上させる
ように構成されている。すなわち、ベース１１の
上部にはシヤフト１７Ａが回動自在に取付けら
れ、一端が側方に延在して、ベース１１の側部か
ら略直角に折曲されてレバー１７となつている。
シヤフト１７Ａにはフツク１９の中心部が固定し
て取付けられ、上端にフツク部２０が形成されて
いる。フツク部２０は、これに対応した第１リン
ク１２の内側の位置に突設したフツクピン２１と
ロツク係合することによつて収納ロツクできるよ
うにしたものである。また、フツク１９の下端に
一端をピン連結したリンク２２は前記レバー１７
の操作によつてセツトロツクを可能にしたもので
ある。リンク２２の他端に固定して取付けられた
フツクピン２３は第２リンク１３に形成した長孔
２４に遊挿され、かつシートクツシヨン１０の裏
側に設けられたフツク部２５と係脱自在に係合す
るように構成されている。そして、フツクピン２
３とフツク部２５とがロツク係合したとき、シー
トクツシヨン１０はセツトロツクされ、着座状態
が保持される。また、フツクピン２３とフツク部
２５とのロツク係合が解除したとき、第２リンク
１３の先端の連結用ピン１３Ａに取付けたスプリ
ング２６によつてシートクツシヨン１０は浮上
り、その後、所定の運動をしつつジヤンプできる
ようになつている。また２７はリターンスプリン
グで、一端がフツク１９に、他端がベース１１の
上部に夫々係止されている。これにより、フツク
１９が収納ロツクの方向に回動するように付勢さ
れ、また、リンク２２がセツトロツクの方向に移
動するように付勢されている。

次に作用について説明する。

第２図はシートクツシヨン１０の着座状態を示
す。この着座状態からシートクツシヨン１０をジ
ヤンプさせて第４図に示す収納状態とするには、
まず、着座状態におけるセツトロツクを解除する
必要がある。そこで、レバー１７を上方に引く
と、フツク１９は後方に回動し、これにより、リ
ンク２２は前方に押出される。すると、先端のフ
ツクピン２３は長孔２４内を前方に移動すると同
時に、フツク部２５から外れる。これにより、セ
ツトロツクが解除され、シートクツシヨン１０は
フリー状態となるので、スプリング２６の付勢力
によつて浮上り、第３図に示すような浮上状態と
なる。この状態から、シートクツシヨン１０はリ
ターンスプリング１５Ａを介して後方に回動する
ように付勢された第１リンク１２によつて所定の
軌跡を経て前方に自転しつつ、後方に向つて公転
する。その結果、シートクツシヨン１０はその表
面が前方側に指向して起立状態となるとともに、
リンク１２，１３等の回動機構も裏側に起立して
覆われてしまう。これが第４図に示す収納状態で
ある。次いで、この収納状態を保持するための収
納ロツクを行うには、レバー１７を上方に引いて
フツク１９を後方に回動させることにより、フツ
ク部２０とフツクピン２１との干渉を避ける。そ
して、レバー１７をリターンスプリング２７の付
勢力によつて復帰させると、フツク部２０はフツ
クピン２１とロツク係合し、第１リンク１２の回
動が阻止される。これにより。収納ロツクが確保
されるものである。

なお、収納状態からシートクツシヨン１０を前
方に引出して着座状態とするには、前述のプロセ
スと逆のプロセスを経ることによつて収納状態か
ら着座状態に移行することができるものである。

なお、この発明は前記実施例に限定されるもの
でなく、種々の応用改変が可能であることはもち
ろんである。

〔効果〕

以上の説明から明らかなように、この発明によ
れば、シートクツシヨンの裏側とベースの下部間
に介在して取付けられていて、リターンスプリン
グによつて後方に回動するように付勢された第１
リンクと、この第１リンクのピン連結点から所定
の距離だけ離間したシートクツシヨンの裏側の位
置とベースの上部間に介在して取付けられた第２
リンクと、ベースの上部に取付けられていて、１
本のレバーの操作によつて収納ロツクとセツトロ
ツクを可能にしたロツク装置とを備えているの
で、シートクツシヨンを回動させて起立状態に収
納したとき、シートクツシヨンの表面を前側に指
向させるとともに、リンク等の回動機構をシート
クツシヨンの裏側に位置させて見栄えを向上させ
ることができる。また、リンク等の回動機構は表
側に何ら露出することがないので、安全性にも優
れている。そして、ロツク装置は、この第２リン
クのベースへの取付個所に近い後方にベースに回
動可能に取付けたシヤフトの一端を折曲して形成
されたレバーと、シヤフトにほぼＬ字状に形成さ
れかつ上端にフツク部を有しその中心部が固定さ
れたフツクと、このフツクのフツク部がシートク
ツシヨンの起立時に係合するように第１リンクの
中間部に設けられたフツクピンと、第２リンクの
中間部に形成した長孔に遊挿されるフツクピン
と、このフツクピンに他端が固着され一端がフツ
クの下端に回動可能に取付けられたリンクと、シ
ートクツシヨンの裏側に設けられシートクツシヨ
ンの着座状態時に長孔の後端側に位置するフツク
ピンに係合するフツク部と、フツクのフツク部を
常時前方に回動するように付勢するリターンスプ
リングとから構成され、レバーの操作によりフツ
ク部を後方に回動させてフツクの下端に回動可能
に取付けられたリンクの他端及びフツクピンを長
孔の前端に移動させてフツクピンとフツク部との
係合を解除し、その後リターンスプリングにより
起立してきた第１リンクのフツクピンにフツク部
が係合するようになつている。従つて、収納ロツ
クおよびセツトロツクが１本のレバー操作によつ
て可能となるので、ロツク操作を容易にし、シー
ト全体の安定性を向上させることができる。

さらに、ベースをボデイパネル側に可及的に近
接させて取付け得るので、車室の有効利用を図る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のジヤンプシートを示す側面図、
第２図はこの発明の一実施例に係るジヤンプシー
トの構成を示すとともに、着座状態を示す側面
図、第３図はシートクツシヨンの浮上状態を示す
側面図、第４図はシートクツシヨンの収納状態を
示す側面図である。 １０……シートクツシヨン、１１……ベース、
１２……第１リンク、１３……第２リンク、１５
Ａ……リターンスプリング、１７……レバー、１
７Ａ……シヤフト、１９……フツク、２０……フ
ツク部、２１……フツクピン、２２……リンク、
２３……フツクピン、２４……長孔、２５……フ
ツク部、２７……リターンスプリング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シートクツシヨン１０をリンク１２，１３を
   介してベース１１に回動自在に装着したジヤンプ
   シートにおいて、 シートクツシヨン１０の裏側とベース１１の下
   部間に介在して取付けられていて、リターンスプ
   リング１５Ａによつて後方に回動するように付勢
   された第１リンク１２と、 この第１リンク１２のピン１６による連結点か
   ら後方に所定の距離だけ離間したシートクツシヨ
   ン１０の裏側の位置とベース１１の上部間に介在
   して取付けられた第２リンク１３と、 この第２リンク１３のベース１１への取付個所
   に近い後方にベース１１に回動可能に取付けたシ
   ヤフト１７Ａの一端を折曲して形成されたレバー
   １７と、 シヤフト１７ＡにほぼＬ字状に形成されかつ上
   端にフツク部２０を有しその中心部が固定された
   フツク１９と、 このフツク１９のフツク部２０がシートクツシ
   ヨン１０の起立時に係合するように第１リンク１
   ２の中間部に設けられたフツクピン２１と、 第２リンク１３の中間部に形成した長孔２４に
   遊挿されるフツクピン２３と、 このフツクピン２３に他端が固着され一端がフ
   ツク１９の下端に回動可能に取付けられたリンク
   ２２と、 シートクツシヨン１０の裏側に設けられシート
   クツシヨン１０の着座状態時に長孔２４の後端側
   に位置するフツクピン２３に係合するフツク部２
   ５と、 フツク１９のフツク部２０を常時前方に回動す
   るように付勢するリターンスプリング２７とを備
   え、 レバー１７の操作によりフツク部２０を後方に
   回動させてフツク１９の下端に回動可能に取付け
   られたリンク２２の他端及びフツクピン２３を長
   孔２４の前端に移動させてフツクピン２３とフツ
   ク部２５との係合を解除し、その後リターンスプ
   リング１５Ａにより起立してきた第１リンク１２
   のフツクピン２１にフツク部２０が係合し、シー
   トクツシヨン３の起立時にその表面が表側となる
   ように構成したことを特徴とするジヤンプシー
   ト。