JPS64199Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は魔法びんに関し、特にびん底の中心
から偏心した位置にガス抜き用チツプを残存せし
めた、いわゆるサイドチツプ型の中びんを収容し
た魔法びんにおけるびん底締上げ構造に関するも
のである。

魔法びんのびん底締上げ構造は、第１図および
第２図に示すように、胴部１の下端に螺合される
環状の底板２と、その底板２の内周に螺合される
締上げ体３とから成り、締上げ体３の上端を中び
ん４底部の保護カバー５に押し当て、これによつ
てびん底を締上げるようにしている。このような
締上げ構造をもつた魔法びんにおいて、前述のサ
イドチツプ型の中びん４を使用する場合は、チツ
プ６が底体２上に来るように構成されるため、保
護カバー５に環状のチツプ挿入凹所７が形成され
る。しかし、このような凹所７が底体２上に延出
していると、底体２の上面に放射方向の補強リブ
を設けることができず、そのため底体２の強度を
十分大にすることができない。その結果、締上げ
時や経年変化により底体２が変形し易くなり、締
上げトルクの減少、びん口と肩体間のシール不良
等の原因となる。

また、従来の構造は、締上げ体３に突設した環
状の締上げ壁８が、円形の線に沿つて１箇所のみ
でびん底に接触するようになつているから、胴径
の大きい中びん４の場合は、振動が加わるとびん
底がずれ動く問題もあつた。

そこで、この考案はサイドチツプ型の中びんを
使用した魔法びんにおいて、底体に補強リブを設
けることが可能であとともに、中びんのずれ動き
を確実に防止した魔法びんを提供することを目的
とするものである。

前述の問題点を解決し、上記の目的を達成する
ために、この考案は締上げ体の上面に内外２重の
締上げ壁を同心状に突設し、両方の締上げ壁の間
にチツプ挿入溝を形成し、かつ両方の締上げ壁の
高さを、内側締上げ壁がびん底に接触した状態で
外側締上げ壁がびん底との間に微少なクリアラン
スを有する高さ関係にあるように設定し、最終段
階の締上げトルクにより上記のクリアランスを無
くし両締上げ壁をびん底に圧接するように構成し
たものである。

次に、この考案の実施例を第３図から第５図に
基づいて説明する。

この実施例の魔法びんは、従来のものと同様
に、胴部１０の下端に環状の底体１１が螺合さ
れ、また底体１１の内周に締上げ体１２が螺合さ
れている。

上記の締上げ体１２は、その上面の中心の周囲
に内外２重の締上げ壁１３，１４を同心状態に形
成し、その間にチツプ挿入溝１５を形成してい
る。外側の締上げ壁１４は、びん底保護カバー１
６のチツプ挿入凹所１７より外方に存在するよう
にその径が定められ、また内側の締上げ壁１３は
チツプ挿入凹所１７の内方に存在するようにその
径が定められる。

また、上記の内外の締上げ壁１３，１４の高さ
は、中びん１８のびん底に沿つて内側締上げ壁１
３の方が外側締上げ壁１４よりも低く形成されて
おり、しかも最終段階の締上げトルクを加えるま
では、第４図に示すように内側の締上げ壁１３の
みがびん底に接触し、外側の締上げ壁１４はびん
底との間に微少なクリアランス△ｘを有する。し
たがつて、このような状態における締上げトルク
は、内側締上げ壁１３の摩擦抵抗とその回転半径
によつて定まる大きさとなる。

上記の状態から締上げ体１２に最終段階の締上
げトルクをかけると、第５図に示すように、内側
締上げ壁１３が若干変形し、その変形の結果外側
締上げ壁１４がびん底に接触する。したがつて、
両方の締上げ壁１３，１４が同時にびん底に接触
した状態で締上げトルクをかけるのは、締上げ作
業の最終段階のみとなる。

なお、底体１１の上面は適宜数の補強リブ１９
が放射方向に設けられている。その他、図中２０
はチツプ、２１は回転リング、２２は締上げ操作
用の係合凹所である。

以上述べたように、この考案はサイドチツプ型
の中びんを有する魔法びんにおいて、締上げ体に
チツプの偏心量に相当する半径を有する内外２重
の締上げ壁を同心状に突設して両方の締上げ壁間
にチツプ挿入溝を形成したものであるため、締上
げ体の回転に支障がなく、しかも底体に放射方向
の補強リブを設けることが可能となり、底体の強
度を増大させることができる。

また、締上げ体に形成した内外２重の締上げ壁
は、両方が常にびん底に当たるのではなく、締上
げ作業の初めから終了直前までは内側締上げ壁の
みがびん底に当たる高さに形成されているので、
両方が常に当たる場合に比べて締上げトルクが少
なくてよい。また、最終段階では両方がびん底に
接触するよう締上げられるので、胴径の大きい中
びんを使用する場合にも安定のよい締上げを行う
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の魔法びんの一部省略斜視図、
第２図は同上の一部省略断面図、第３図から第５
図は実施例の一部省略断面図である。 １０……胴部、１１……底体、１２……締上げ
体、１３，１４……締上げ壁、１５……チツプ挿
入溝、１８……中びん、１９……補強リブ、２０
……チツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. びん底の中心から偏心した位置にチツプを設け
   たサイドチツプ型の中びんを収容し、その中びん
   を底体内周に螺合した締上げ体により締上げる魔
   法びんにおいて、上記締上げ体の上面にチツプの
   偏心量に相当する半径を有する内外２重の締上げ
   壁を同心状に突設して両方の締上げ壁間にチツプ
   挿入溝を形成し、両方の締上げ壁の高さを、内側
   締上げ壁がびん底に接触した状態で外側締上げ壁
   がびん底との間に微少なクリアランスを有する高
   さ関係にあるよう設定し、最終段階の締上げトル
   クにより上記のクリアランスを無くし両締上げ壁
   をびん底に圧接することを特徴とする魔法びん。