JPS639461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のリヤ又はフロントから側方
にまたがる一体形の灯具を車体外部にボルトとナ
ツトで締め付け固定する自動車灯具の取付構造に
関するものである。

従来、自動車のリヤ又はフロントから側方にか
けて一体形の灯具を自動車に取り付ける場合、リ
ヤ又はフロント方向のみから灯具を車体にボル
ト・ナツトによつて締め付け、側方からは灯具を
固定しないようにした構造のものにおいては、灯
具と車体外側面との隙間をなくするために、灯具
の側方を車体側に押圧しながら締め付けなければ
ならず、作業性が悪く、作業者によつては灯具が
車体外側面に十分に密着しない場合があり、品質
の安定性が十分とは言えなかつた。

又、これを防止するために、灯具側方をも車体
側方にボルト等を固定することも考えられるが、
このようにすると、灯具はそのリヤ又はフロント
側の側方との両方で車体に固定されるため、車体
の組立誤差が大きい場合には、この灯具を無理に
変形させて取り付けることになつて、灯具のコー
ナ部に応力集中が生起し、灯具を破損する恐れが
ある。

本考案は、上記した従来の諸問題に鑑み、灯具
の車幅方向に沿つて延びた内面に車体外部への固
定部とスプリングを設けるとともに、このスプリ
ングと係合する係合面を車体に形成し、この車体
外部に上記灯具をボルトとナツトで締め付け固定
する時に、灯具のスプリングと車体の係合面との
係合によるスプリング作用で灯具の内側部を車体
外側面に押圧するようにして、車体側方への密着
性を向上するとともに応力集中の生起を防止した
自動車灯具の取付構造を提供するものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１，２図は、自動車の後尾灯具（テールラン
プ）を車体リヤ部に取り付ける実施例を示してい
る。

図中、１は自動車リヤ部の車体外板、２は上記
車体外板１の外側面部１ａから後面部１ｂにまた
がる隅角部に装着される一体形の灯具である。

上記灯具２において、３は表装部を形成するレ
ンズ、４は上記レンズ３の内方に沿つて内面部を
形成する灯具ケースであつて、上記レンズ３は側
面部３ａからわん曲した後面部３ｂとにより形成
され、上記灯具ケース４は上記レンズ３の側面部
３ａをカシメ部５により密着結合する側方前方部
４ａと、上記レンズ３の側面部３ｂに設けた突起
７を接着剤６により結合する側方後部４ｂと、こ
の側方後部４ｂから屈曲しレンズ３の後面部３ｂ
と所定の間隔を有し車体外板１の後面部１ｂに沿
う後方部４ｃとにより形成されている。また、上
記の灯具ケース４の後方部４ｃには、ランプ１１
を支持するソケツト１２を着脱自在に装着する凹
所４ｄが形成されている。そして、上記ソケツト
１２の基端部は車体外板１の後面１ｂに開設され
た開口部１ｃを貫通して内方に突出し、電気配線
される。

一方、上記灯具２は車体外板１に対し、上記車
体外板１の後面部１ｂにて灯具ケース４の後方部
４ｃに数本モールドされたボルト１３にナツト１
４を締め付けることにより固定される。

上記構造において、灯具ケース４の後方部４ｃ
の外側位置には、板ばね製のスプリング１６を支
持する凹所４ｅが設けられている。

又、上記車体外板１の後面部１ｂの上記凹所４
ｅと対向する位置には、上記スプリング１６と係
合する係合面１７を形成するフランジを有する開
口部１ｄが設けられている。

そして、上記スプリング１６は、車体側の係合
面１７に係合することにより、そのばね力が灯具
２を第１図において右方向に付勢するように設定
されている。

なお、第１図中９は、灯具ケース４の側方前部
４ａに取付けられた延長板、１５は灯具ケース４
と車体外板１との接触部分に介設されるシール材
である。

以上のごとく構成された本考案によれば、灯具
２を車体外板１に取付ける場合、レンズ３、灯具
ケース４及び延長板９を一体に形成した灯具２を
車体後方から、スプリング１６を係合面１７に係
合させセツトすることにより、スプリング１６の
ばね力によて灯具２は、第１図において右方向に
付勢され、灯具２の側方部分が車体外板１に圧接
した状態となり、灯具２に固定されたボルト１３
に車体外板１内方からナツト１４を締め付け灯具
２の取付けを完了する。上記取付け時作業者は単
にナツト１４を締める作業をするだけで灯具２の
側方と車体側との密着性は十分確保できるもので
ある。

なお、本考案において、上記スプリング１６は
第３図に示すごとく、ランプ１１のソケツト１２
を装着する凹所４ｄを利用して取り付け、ランプ
１１のソケツト１２を貫通するための開口部１ｃ
のフランジを利用して上記スプリング１６と係合
する係合面１７としても、構造簡単に第１，２図
の実施例と同様の効果を得ることができる。

以上説明したとおり本考案によれば、灯具を車
体外部にボルトとナツトで締め付け固定する時、
この灯具に設けられたスプリングを、車体に設け
られた係合面に係合させセツトすることにより、
スプリングのばね力によつて車体の右側に装着さ
れた灯具は左方向に、左側に装着された灯具は右
方向に移動するため、灯具の側方部は車体外側面
に密着し、灯具と車体側方との間に隙間が形成さ
れるのを防止することができる。

しかも、その取付作業において、作業者は灯具
を前方又は後方に押圧するだけでよく、取付位置
の調整が不要であつて、灯具を車体側方に押圧す
るなどの余分な作業をすることなく容易に確実に
取り付けることができ、作業能率の向上が図れる
とともに、その密着性が一定で品質が安定する。

さらに、車体の組立誤差が大きい場合にもスプ
リングにより弾力性をもつて固定するために、そ
の寸法誤差が吸収でき、灯具のコーナ部に応力集
中が生せず、無理な取り付けによつて灯具が破損
する不具合も解消できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は車体後部の灯具取付構造を示す断面平
面図、２図は第１図Ｉ−Ｉ線断面図、第３図は変
形例の要部を示す断面平面図である。 １……車体外板、２……灯具、３……レンズ、
４……灯具ケース、１１……ランプ、１２……ソ
ケツト、１６……スプリング、１７……係合面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のリヤ又はフロントから側方にまたがる
   一体形の灯具を車体外部に取付ける自動車灯具の
   取付構造において、上記灯具の車幅方向に沿つて
   延びた内面に、上記車体外部にボルトおよびナツ
   トで締め付け固定される固定部とスプリングが設
   けられ、このスプリングと係合する係合面が車体
   に形成されており、この車体外部に灯具をボルト
   とナツトで締め付け固定時、灯具のスプリングと
   車体の係合面とが係合されて灯具の側方部内面が
   車体の外側面に押圧される構成としたことを特徴
   とする自動車灯具の取付構造。