JPS6393824A - 磁気特性、皮膜特性ともすぐれた方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気特性と皮膜特性の優れた方向性電磁鋼板の
製造方法に関する。

〔従来の技術〕

方向性電磁鋼板は主としてトランス、発電機、その他の
電気機器の鉄心材料に用いられ、磁気特性として励磁特
性と鉄損性が良好でなければならない。又、良好な皮膜
を有することも重要である。

方向性電磁鋼板は二次再結晶現象を利用して圧延面に＜
１１０）面、圧延方向に（　００１　）軸をもったいわ
ゆるゴス方位を有する結晶粒を発達させることにより得
られる。

この二次再結晶は周知のように仕上焼鈍で生じるが、二
次再結晶の発現を十分に図るためには仕上焼鈍での二次
再結晶温度域まで一次再結晶粒の成長を抑制する微細な
＾ｊ’Ｎ　、　ＭｎＳ　、　ＭｎＳｅ等の析出物いわゆ
るインヒビターを存在させる必要がある。

この為電磁鋼スラブは１３５０〜１４００℃程度の高温
度に加熱され、インヒビターを形成する成分例えばＡｉ
’，Ｍｎ，Ｓ　、Ｓｅ，Ｎ等を完全に固溶させ、熱延板
あるいは最終冷延前の中間板においてインヒビターを微
細に析出させる焼鈍が行なわれている。

このような処理を施すことにより磁束密度の高い方向性
電磁鋼板が製造されるようになっているが、電磁鋼スラ
ブの加熱は前述の如く高温で行なわれる為に溶融スケー
ルの発生量が大となり、加熱炉の操業に支障をきたす。

また加熱炉のエネルギー原単位が高いなどの問題がある
。スラブ加熱温度を下げて、方向性電磁鋼板の製造法が
検討されている０例えば特開昭５２−２４１１６号では
ＡＩの他に、Ｚｒ、Ｔｉ、Ｂ　、Ｎｂ、Ｔａ、Ｖ　、Ｃ
ｒ、Ｍｏ、等の窒化物形成元素を鋼中に含有させること
により、スラブ加熱を、１１１０〜１２６０″Ｃで行な
う製造法が開示されている。特開昭５９−１９０３２４
号ではＣ含有量を０．０１％以下の低炭素でＳ　、Ｓｅ
さらにＡＩとＢを、選択的に含有させた電磁鋼スラブを
素材とし、冷延後の一次再結晶焼鈍時に、鋼板表面を短
時間繰り返し高温加熱するパルス焼鈍を行なうことによ
り、スラブ加熱温度を１３００℃以下とする製造法が開
示されている。また、特開昭５９−５６５２２号ではＭ
　ｎ＝　０．０８〜０．０５％Ｓを０．００７％以下と
しくＭｎ）（Ｓ）積を下げ、さらにＡＩ、Ｐ、Ｎ、を含
有させた電磁鋼スラブを素材とすることにより、スラブ
加熱温度を、１２８０℃以下とする製造法を提案してい
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このように方向性電磁鋼板の製造にあたり低温スラブ加
熱による方法が検討されているにもかかわらず、磁気特
性が浸れたものを工業的製造ラインで安定して製造され
るまでに至っていない、また、低温スラブ加熱を施して
、その後、通常の方向性電磁鋼板の製造工程で製造され
たものは、グラス皮膜にシモフリ、ベアスポット、と称
されるような欠陥が散見されることがある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、低温スラブ加熱により省エネルギー、高生産
性を図りながら、すぐれた磁気特性と皮膜特性を有する
方向性電磁鋼板を工業的に安定して得ることを目的とす
る。その要旨は二重量％でＣ＝０．０２５〜０．０９５
、Ｓ　ｉ＝２．０−４．０、Ｍｎ＝０．０８〜０．４５
、Ｓ≦０．０１５、ＡＩ＝ｏ、０１０〜０．０６０．Ｎ
＝０．００３０〜０．０１３０を含み、また必要に応じ
て、Ｐ＝０．００５〜０．０４５、Ｃｒ＝　０．０７〜
０．２５の１種または２種、或いはＭｏ、Ｖ　、Ｎｂ、
Ｓｂ、Ｓｎ、Ｔｉ　、Ｔｅの１種以上を合計で１．５％
以下含有させた電磁鋼スラブを、１２８０℃以下の温度
に加熱して窒化物形成元素を不完全に固溶させ、次いで
熱間圧延し、必要によっては焼鈍し、−回または中間焼
鈍を挟んで、二回以上の冷間圧延を行ない、脱炭焼鈍し
、焼鈍分離剤を付着し、鋼板をルーズコイルとして、仕
上焼鈍で、二次再結晶前にＮを鋼中に侵入させ、（Ａ１
、Ｓｉ）Ｎを主組成とするインヒビターを形成し、高温
仕上焼鈍を行うことを特徴とする特許性と皮膜特性のす
ぐれた方向性電磁鋼板のｖＪ遣方法にある。

以下、本発明について詳細に説明する。

本発明者等は、電磁鋼スラブを１２８０℃以下の温度で
加熱する低温スラブ加熱を適用して、磁気特性、皮膜特
性とも優れた方向性電磁鋼板を、安定して製造すべく検
討した．その結果、スラブ加熱の段階ではインヒビター
を形成する成分、たとえばＡＩ。

Ｎ，Ｍｎ，Ｓ等の鋼中への固溶を完全にせず、仕上焼鈍
の段階で鋼板をルーズコイルとして、焼鈍雰囲気ガスと
鋼板、鋼板表面層の酸化層及び鋼板に付着した焼鈍分離
剤との反応性を高めるとともに、コイル板間の雰囲気ガ
スの流通置換と焼鈍分離剤中水和水分の、放散を行うと
、Ｎの鋼中への侵入が安定化して、（Ａ１　、　Ｓｉ）
Ｎを主組成とするインヒビターが形成され、さらに密着
性、外観とも優れシモフリ等の、欠陥のないグラス皮膜
が形成される事を見出した。

本発明が適用される電磁鋼スラブの成分組成は次のよう
である。

Ｃは含有量が少なくなると二次再結晶が不安定となるの
で、０．０２５％以上とする。一方その含有量が多くな
り過ぎると脱炭焼鈍時間が長くなるので０．０９５％以
下とする。

Ｓｉは鉄損の低下、インヒビター形成のために必要な成
分でそのために２．０％以上含有させる。

一方その含有量が多くなると、冷間圧延時に割れ発生が
多発するので、４．０％以下とする。

Ｍｎは熱間脱性を防ぐとともに、グラス皮膜を良質化す
る作用があり、これを奏するには、０．０８％以上必要
である。一方その含有量が増えると、磁束密度が劣化す
るので、０．４５％以下とする。さらに本発明ではスラ
ブ加熱を１２８０℃以下で行うので例えばＳとの化合物
、ＭｎＳは完全固溶せずインヒビターとしてＮｎＳを用
いない点からもその上限は前述の通りとする。Ｓは偏析
を生じやすく、正常な２次再結晶の成長を妨げる原因と
なる為に０．０１５％以下とする。

ＡｌはＮあるいはＳｉと結合して（Ａｌ　、　５ｉ）Ｎ
を形成し二次再結晶の安定化に必要であり、そのために
は０．０１０％以上含有する。−力木発明でのスラブ加
熱温度は１２８０℃以下でＡＮを不完全に固溶させるこ
とから、Ａｔの含有量が多くなると、熱間圧延の段階で
不適切な八ｌＮが形成されるので０．０６０％以下とす
る。

Ｎは前記Ａｉ’、Ｓｉ等と結合して二次再結晶の安定化
作用を奏させるために、０．００３０％以上含有させる
。しかしその含有量が多くなると表面欠陥が発生するの
で０．０１３０％以下とする。さらに必要に応じて上記
元素の他にＰ、Ｃｒ、の１種または２種または／および
Ｍｏ、Ｖ　、Ｎｂ、Ｓｂ、Ｓｎ、Ｔｉ。

Ｔｅ、の１種または２種以上を含有させても差し支えな
い。この時、Ｐの含有量は０．００５〜０．０４５％、
Ｃｒは０．０７〜０．２５％であり、Ｍｏ、Ｖ　、Ｎｂ
、Ｓｂ。

Ｓｎ　、　Ｔｉ　、　Ｔｅ、はそれぞれ０．３０％以内
で含有されるが、これらの合計の上限は１．５％である
。

電磁鋼スラブは、転炉あるいは電気炉などの溶解炉で溶
製され、必要に応じて真空脱ガス処理が施され、連続鋳
造、または造塊−分塊圧延により製造される。

電磁鋼スラブは、熱間圧延に先立って加熱されるがその
加熱温度は１２８０℃以下として省エネルギーが図られ
る。この加熱温度では該電磁鋼スラブ中のＡｔは完全に
固溶されず不完全固溶状態となる。またさらに固溶温度
の高いＭｎＳは、当然ながら不完全固溶である。

スラブ加熱後は、熱間圧延され、必要によっては焼鈍さ
れ、或いは焼鈍することなく、冷間圧延される。冷間圧
延は１回または中間焼鈍を挟んで２回以上行われて所定
の最終板厚とされ、次いで脱炭焼鈍される。

脱炭焼鈍により、鋼板中のＣが低減されるとともに、そ
の鋼板表面にはＳｉＯ□を含む酸化層が形成される。次
いでＭｇＯを主成分とする焼鈍分離剤をスラリー状とし
て塗布乾燥しまたは／および静電塗装法により鋼板に付
着させる。

その後ルーズコイルとして捲き取り、仕上げ焼鈍が施さ
れる。通常、方向性電磁鋼板の仕上焼鈍では事前に鋼板
表面に焼鈍分離剤をスラリー状で塗布し乾燥してコイル
状に捲き取る。この際のコイルの占積率は９３％±２％
であるが本発明の一つの特徴は仕上焼鈍前のコイルの板
間に粉体、線材等のスペーサをはさみ込み、占積率を９
０％以下としたルーズコイルでコイル板間のガスの通気
性を確保して仕上焼鈍することである。ルーズコイルの
方策としてはスペーサーとしてワイヤー、ＭｇＯの粗粒
、無機繊維の糸例えば（ＳｉＯｚ　、八１２０．の繊維
）をコイルの板間に挟むことにより達成できる。実施例
に示すように板間クリアランス３０μ以上（占積率９０
％以下）で、効果があり、充分な通気性を確保する為に
は５０μ以上が好ましい。

ところでスラブ加熱を１２８０℃以下で行って、Ａｌ、
Ｍｎ、Ｓ等を不完全固溶としているので、このままでは
鋼板中に二次再結晶を発現させる為の（＾１　、　Ｓｉ
　）　Ｎ　、　ＭｎＳ等のインヒビターが存在していな
いので、該仕上焼鈍では二次再結晶前に、雰囲気ガス中
のＮ２分圧を高める方法、焼鈍分離剤中に窒化マンガン
、窒化珪素、窒化モリブデン等の窒化物を添加する方法
などにより、Ｎを鋼板中に侵入させ、インヒビター作用
をもつ、（Ａｌ　、　５ｉ）Ｎを形成する必要がある。

この窒化を均一に行うには単に雰囲気中のＮ２分圧を富
めれば、それで十分ではない、板の表面は新鮮な雰囲気
ガスと接触していることが望ましい。しかし現実のｆｒ
業に於いて占積率が９０％超の所謂タイトコイルでは雰
囲気が板間に均等に侵入拡散するのに長時間を要する、
これを解決するために本発明ではルーズコイル状態で仕
上焼鈍が行われる。本発明によると仕上焼鈍での二次再
結晶前の昇温過程、例えば７００〜８５０℃間でＮは鋼
中に侵入し、インヒビター作用をもつ微細なく＾ｌ　、
　５ｉ）Ｎが形成される。一方、仕上焼鈍では二次再結
晶が発現するとともに、併行的に鋼板表面の酸化層と焼
鈍分離剤との反応によりグラス皮膜が形成される。この
形成の際は、コイル板間の雰囲気にはある程度の０２分
圧（例えば露点で０〜１０℃）が確保されていると有効
であるが、このような雰囲気の制御がルーズコイル焼鈍
ではコイル位置によるバラツキを生じることなく完全に
行われ、形成されるグラス皮膜は外観、密着性ともすぐ
れ、また張力付与効果も大である。

また雰囲気の置換速度を上げる為に雰囲気ガスをペース
ファン（炉内ファン）装置で循環してもよい。

〔実施例〕

次に本発明の実施例について説明する。

実施例−１ Ｓｉ＝３．２％　Ｍｎ＝０．１２％　ｓ＝ｏ、ｏｏｓ％
　酸可溶＾Ｚ＝０．０３％　Ｎ＝０．００５５％　を含
むスラブを１２００℃に加熱後２．３ｍｍに熱間圧延し
、１１２０℃で３分間の熱延板焼鈍を施した後、冷間圧
延し、最終板厚を０．３１とした０次に８５０℃で３分
間露点６０℃、８２７０％からなる雰囲気下で脱炭焼鈍
した後、焼鈍分離剤に水を添加してスラリー状としロー
ルコータ−で塗布した後、乾燥炉で鋼板温度を１５０℃
になるまで昇熱し水分を除去した後ルーズコイル状に巻
き取った。ルーズ化手段としては、１００μの５ｉＯｚ
の繊維をコイルの板間にはさんだ０次に該コイルを高温
仕上焼鈍炉に装入し１２００℃で焼鈍しな、Ｎを鋼中に
侵入させるために５００〜８５０℃間の雰囲気ガス中の
Ｎ２を４５％に高めた。コイルの昇熱過程において１０
００℃に達した時期に供給の雰囲気ガス中に水分を添加
し、ガス中の露点は５℃とした。コイル板間のガスの置
換速度を上げる為に本実施例ではペースファン（炉内フ
ァン）を使用した。

実施例−２ Ｓｉ３．２％、ｓ　ｏ、ｏｏｓ％、Ｍｎ０．１２％、３
１０．０３％、ＮＯ，００５％を含むスラブを１２００
℃に加熱後熱間圧延し、１１２０℃２〜３分間の熱延板
焼鈍を施した後、冷間圧延し最終板厚を０．３ｍ＋自と
した０次に８５０℃で３分間露点６０℃、８２７０％か
らなる雰囲気下で脱炭焼鈍した後、Ｍ、０を主成分と窒
化マンガンを添加した焼鈍分離剤に水を添加してスラリ
ー状とし、ロールコータ−で塗付した後乾燥炉で鋼板温
度を１５０℃になる迄昇熱し、水分を蒸発させた。乾燥
後のＭ、Ｏの付着量は５ｇ／ｍ２（両面）であった。次
にＭｇＯの粗粒を静電的に塗布し、コイル板間を平均５
０μ程度確保した。次に該コイルを高温仕上焼鈍炉に装
入し１２００℃で焼鈍した。Ｎを鋼中に侵入させるため
４５０〜ｓｏｏ　”間の雰囲気ガス中のＮ２を４０％に
高めた。またコイルの昇熱過程において１０００℃に達
した時期に供給の雰囲気ガス中に水分を添加し、ガス中
の零点は５℃とした。

実施例−３ ルーズコイルの手段としては、金属ワイヤーを巻き込み
コイル板間隔を３００μとし、最後の手段の仕上焼鈍は
ペースファンを使用した。他の条件は全て実施例２と同
じとしな、これら実施例１゜２．３の焼鈍後の鋼板の特
性を調査し、表−１に見られる特性を得た。

注）１　密着性＝１８０℃曲げで剥離しない・・・・・
・直径２　皮膜欠陥：斑点状でフォールステライト皮膜
の存在しない部分できらきら光る金属光沢を有す。

〔発明の効果〕

本発明と実施例の結果にみられるように、磁気特性がす
ぐれるとともに、密着性、外観とも良好なグラス皮膜を
有する方向性電磁鋼板が得られる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、重量％で、Ｃ＝０．０２５〜０．０９５、Ｓｉ＝２
   ．０〜４．０、Ｍｎ＝０．０８〜０．４５、Ｓ＝０．０
   １５以下、Ａｌ＝０．０１０〜０．０６０、Ｎ＝０．０
   ０３０〜０．０１３０を含む電磁鋼スラブを、１２８０
   ℃以下の温度に加熱して、次いで熱間圧延し、１回又は
   中間焼鈍をはさんで、２回以上の冷間圧延し、脱炭焼鈍
   し焼鈍分離剤を塗布した鋼板において占積率９０％以下
   の、ルーズコイルとし、仕上焼鈍で２次再結晶前にＮを
   鋼板中に侵入させ、（Ａｌ、Ｓｉ）Ｎを主組成とするイ
   ンヒビターを形成し、高温仕上焼鈍を行う事を特徴とす
   る磁気特性、皮膜特性とも優れた方向性電磁鋼板の製造
   方法。