JPS639021A - 磁気記録媒体製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体の製造装置に係り、特に磁性層形
成後、基体をロール状に巻いた状態で磁性層に対して酸
化被膜を形成する磁気記録媒体の製造装置に関する。

〔従来の技術〕

プラスチックフィルムなどの非磁性基体上にコバルト又
はコバルト合金などの強磁性金属層を形成した磁気記録
媒体は、高密度記録特性に優れている。しかし磁気記録
媒体表面に金属層が露出しているため耐食性が低く、こ
のため磁気特性が低下したり、腐食生成物の成長によっ
て媒体表面の耐久性が減少し、走行不良を生じる等の問
題がある。このため従来から磁気特性低下の防止及び走
行性改善のための方法が何種か提案されている。

先ず、走行性能改善のため、強磁性金属層表面に対して
潤滑剤から成る保護層を形成することが提案されている
。−船に強磁性金属層に対して潤滑剤からなる保護層を
直接形成した磁気テープをカセットに組み込んだ状態で
、４０℃、８０％Ｒ９Ｈ１の条件で実用テストを行うと
、この磁気テープは数時間後には走行不良を起こしてし
まう。この原因を調べてみると、摩擦係数が増大し、大
きい場合にはこの摩擦係数が１．０以上にもなっている
。つまり腐食生成物の成長によって短時間で潤滑効果が
なくなっており、摩擦係数は経時的に増大していること
が判明した。

また、磁気記録媒体の耐摩耗性、耐食性を改善するため
、強磁性金属層の表面を加熱し、これによってＣ０２０
４、ＣＯｘ　０３及びＣｏｏ等の酸化被膜を形成する方
法（特公昭４９−２９４４５号公報）、強磁性金属層を
適当な温度と湿度の雰囲気中で処理すことにより酸化被
膜としてＣｏ、Ｏ，を形成する方法（特公昭４２−２０
０２５号公報）、また更に強磁性金属層の表面に対し１
００℃以上の水蒸気を吹付けて層表面に結晶性のＣｏｏ
　（ＯＨ）を形成する方法（特開昭５７−１２３５３３
号公報）等種々の方法、装置が提案されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

以上に示した技術は何れも強磁性金属層を形成した基体
を、その強磁性金属層表面が所定の雰囲気下に解放配置
されるようにして実施されるため、水蒸気等、酸化を促
進する材料がこの強磁性金属層表面に対して必要以上に
供給され、処理時若しくは処理後に強磁性金属層表面に
対してＣｏ（ＯＨ）ｚ層が形成され、耐食性、走行性を
余り向上させることができず、却って悪化させる場合も
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上述の問題点に鑑み構成したものであり、強磁
性金属層を形成した基体たる磁気記録媒体を巻き取り、
この巻き取った磁気記録媒体を酸素及び水分が存在する
雰囲気下で熱処理するよう構成した装置であり、磁気記
録媒体巻き取り時の巻き取り張力、磁気記録媒体表面粗
さ等を適当に設定することにより、巻き取り状態で強磁
性金属層に対して酸化被膜を良好に形成するよう構成し
である。

〔作用〕

磁気記録媒体巻き取り時の巻き取り張力、磁気記録媒体
表面粗さ等を適当に設定することにより、巻き取られた
磁気記録媒体の強磁性金属層表面に酸素、水分等の酸化
材料が過不足なく浸潤して拡散し、これにより、強磁性
金属層表面に対して均一に酸化被膜が形成され、十分な
耐食性、走行性が得られる。

〔実施列〕

以下本発明の実施例につき図面を参考に詳細に説明する
。

先ず基体に対する強磁性金属層の形成状態を第１図を用
いて説明する。

基体は連続的に形成したフィルム（以下「ベースフィル
ム」と称する）１であり、原反ロール２として巻いであ
る。原反ロール２から繰り出されたベースフィルム１は
テンションローラ３により所定の張力を加えられ、ガイ
ドローラ４、同５を経て円筒状のキャン６に巻きつけら
れ、更にガイドローラ７．８及びテンションローラ９を
経て巻き取りロールｌＯに巻き取られる。この間に、キ
ャン６の下方に位置する蒸発源であるるつぼ１１から例
えばコバルト−ニッケル合金から成る強磁性金属が蒸発
しベースフィルム表面に付着し、ベースフィルム１に対
して強磁性金属層１２を形成する（第２図参照）。この
巻き取りロールとして巻き取られた状態の強磁性金属層
形成ベースフィルムに対して、水蒸気等の酸化用の材料
を供給することにより、以後詳細に説明するように強磁
性金属層に対して良好に酸化被膜を形成する。

ここで先ずベースフィルムを形成する非磁性材料として
は、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂等のプラスチックシートの他
、アルミニウム等の非磁性金属板やガラス等も使用可能
であり、更にはプラスチック基板の中に炭素繊維等の無
機物を混入した複合材料等も用いられる。

またコバルトを主成分とする強磁性金属としては、例工
ばコバルト単体、コバルト−ニッケル合金、コバルト−
クロム合金、コバルト−ニッケル＋　ＩＪン合金、コバ
ルト−クロム合金、コバルトー鉄合金、コバルト−リン
合金、コバルト−ニッケルークロム合金等のコバルト合
金が用いられる。

なお前記コバルト−ニッケル合金及びコバルト−ニッケ
ルーリン合金、コバルトｍ；フケルークロム合金の場合
にはニッケルの含有率は約４０重量％以下が望ましい。

またコバルト−クロム合金、コバルト−鉄合金及びコバ
ルト−リン合金の場合にはクロム、鉄並びにリン含有率
は約３０重量％以下が望ましい。

潤滑剤としては、例えば脂肪酸系有機化合物、フッ素系
有機化合物並びにシリコン系有機化合物等が用いられる
。

先ず脂肪酸系有機化合物としては脂肪酸、脂肪酸の金属
塩、脂肪酸エステル並びに脂肪酸アミド等が使用される
。前記脂肪酸の具体例としては、例えば、ミリスチン酸
、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘン酸
等がある。またこれらの金属塩としては例えばリチウム
塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、ア
ルミニウム塩、鉄塩、コバルト塩、亜鉛塩、バリウム塩
並びに鉛塩等がある。

脂肪酸エステルとしては、例えばステアリン酸ブチル、
ステアリン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセ
リド、オレイン酸モノグリセリド、ペンタエリストール
テトラステアレート等がある。

脂肪酸アミドとしては、例えばカプロン酸アミド、カプ
リン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド
、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミ
ド、メチレンビスステアリン酸アミド等がある。

またフッ素系潤滑剤としては、例えばトリクロロフルオ
ロエチレン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ
アルキルポリエーテル等がある。市販品の具体例として
はダイキン社製ダイフロン＃２０、デュポン社製クライ
トツクスＭ、同りライトックスＨ等がある。またシリコ
ン系の潤滑剤としてはシリコンオイルがある。

なお前記潤滑剤層は上述のような潤滑剤のみで構成する
場合もあるし、潤滑剤中に例えば流動パラフィンや防錆
剤のような添加剤を混在させて、潤滑剤層の耐食性等を
向上させることも可能である。また潤滑剤層は直接前記
酸化被膜上に塗布形成するか、或いは転写法等により酸
化被膜上に形成してもよい。

以上において具体的に示した構成によりベースフィルム
に対して強磁性金属層を形成した磁気記録媒体をロール
状に巻き取った状態のままで、こノールを少なくとも酸
素と水分の存在する雰囲気下で熱処理を行うと、強磁性
金属層表面に３価以上の高次のコバルトを含むコバルト
含水酸化物が形成され、強磁性金属膜表面のＣｏ（○Ｈ
）ｚの生成を抑制し、高耐食性を有し、高温、高圧下で
も安定した走行特性を有する磁気記録媒体を得ることが
できることを確認した。

以下更に具体的に説明する。

強磁性金属層を形成したベースフィルムから成る磁気記
録媒体をロール状に巻くことにより、第３図に示すよう
にロールの半径方向に対して磁気記録媒体のベースフィ
ルムと強磁性金属層とが隣接する。この場合、巻き取り
時のベースフィルムに対する張力を調節する事により巻
き取りロール１０の各段の磁気記録媒体に対しては僅か
な隙間１３を形成し、この隙間１３を介してテープ状の
磁気記録媒体が多数段近接位置する状態となる。

このロールは酸素（大気中の酸素でよい）と水分の存在
する雰囲気下に配置され熱処理される。これにより磁気
記録媒体の強磁性金属層１２の表面と、この強磁性金属
層正面に近接するベースフィルム１との間には前記酸素
と水分が均一に浸潤、拡散される。このため酸素、水分
等の供給速度と反応速度とは平衡的に進行する。なおこ
の拡散量は、基体たるベースフィルムの表面粗さと巻き
取り時の張力により制御することができる。この場合、
基体表面の平均表面粗さくＲａ）は０．００１μｍ≦Ｒ
ａ≦０．０５μｍ、最大表面粗さくＲｍａｘ）は、Ｒｍ
ａ　ｘ≦０．５μｍが望ましい。

Ｒａ＜０．００１．Ｉｊｍではロールとした磁気記録媒
体において酸素と水分の拡散が十分に行われず、Ｒａ＞
０．０５μｍまたはＲｍａｘ＞０．５μｍでは水分の拡
散量が多過ぎ、処理中に磁気記録媒体の表面にＣｏ（Ｏ
Ｈ）ｚ層が形成されてしまう。基体表面粗さが小さい程
基体巻き取り時の張力を小さくして各磁気記録媒体間の
隙間を適当に保持する必要があり、基体表面粗さが大き
ければその分巻き取り時の張力を大きくすることができ
る。この場合、巻き取り張力を余り小さくすると巻乱れ
が生じ１、反対に大き過ぎると強磁性金属層にクラフク
が入ったり、ビルトアップが生じるため、その巻き取り
張力Ｔは次の範囲にあることが望ましい。

１　ｋｇ／　ｗ”　≦Ｔ　≦５　ｋｇ／　ｗ”熱処理温
度と時間は基体の熱伝導特性によっても異なるが、温度
が高いほど処理時間は短くて済む。基体としてポリエチ
レンテレフタレートを用いた場合には処理温度は３５℃
〜１００℃、望ましくは４０℃〜９０℃である。３５℃
以下であると処理効果はなく、反対に１００℃よりも高
いと基体のカールがひどく、処理後の磁気記録媒体の実
用性が極端に低下する。

発明者等は以上に示した構成に基づいて得られた磁気記
録媒体を４０℃、湿度８０％Ｒ，Ｈ，中に暴露した時の
基体の表面平均粗さＲａとエンベロープ乱れ発生までの
時間との関係、基体の巻き取り張力とエンベロープ乱れ
発生までの時間との関係に付いて試験を行い次表に示す
結果を得た。

先ず基体の表面平均粗さＲａとエンベロープ乱れ発生ま
での時間との関係は次の通りである。この際の基体の巻
き取り張力Ｔは３ｋｇ／ｍｍ２　とし、処理時間は１０
０時間、処理温度は６０℃とした。

なおこのときの湿度は１０％Ｒ，Ｈ，であった。

表　　　　１ 次に基体の巻き取り張力とエンベロープ乱れ発生までの
時間との関係に付いては次の結果を得た。

なおこの場合、平均表面粗さＲａは０．０３、処理時間
は７５時間、処理温度は８０℃とした。またこのときの
湿度は８％Ｒ，Ｈ，であった。

表　　　　２ 以上ベースフィルムに対して蒸着法により強磁性金属層
を形成することにより構成した磁気記録媒体の処理を例
に本発明を説明したが、本発明は磁気記録媒体の製造方
法の如何に関わりな〈実施可能であり、前記蒸着法によ
るものの外、スパッタ法、メッキ法、イオンブレーティ
ング法等により構成された磁気記録媒体に対しても良好
に実施することができる。

〔効果〕

本発明は以上に説明したように強磁性金属層を形成した
基体たる磁気記録媒体を巻き取ったロールを酸素及び水
分が存在する雰囲気下で熱処理するよう構成したので、
巻き取り状態で強磁性金属層に対して酸化被膜を良好に
形成することができる。また磁気記録媒体巻き取り時の
巻き取り張力、磁気記録媒体表面粗さ等を適当に設定す
ることにより、巻き取られる磁気記録媒体の強磁性金属
層表面に酸素、水分等の酸化材料が過不足なく拡散でき
、強磁性金属層に対して良好な酸化被膜を形成、できる
。このため磁気記録媒体の耐食性、走行特性を向上させ
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す磁気記録媒体製造装置
の概略図、第２図は磁気記録媒体の縦断綿部分図、第３
図はロール状に巻き取った状態の磁気記録媒体の断面部
分図である。 １・・・ベースフィルム　　２・・・原反ロール１０・
・・巻き取りロール　　１２・・・強磁性金属層

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）基体に磁性金属層を形成することにより磁気記録
   媒体を構成し、この磁性金属層表面に酸化被膜を形成す
   るものにおいて、磁性金属層を形成した磁気記録媒体を
   巻取った状態で酸素及び水分の存在する雰囲気下に配置
   し、かつこの巻き取った状態の磁気記録媒体に対して加
   熱手段を配置したことを特徴とする磁気記録媒体製造装
   置。
2. （２）前記基体の平均表面粗さＲａを０．００２μｍか
   ら０．０５μｍの範囲とし、最大表面粗さを０．５μｍ
   以下としたことを特徴とする特許請求の範囲第（１）項
   記載の磁気記録媒体製造装置。
3. （３）前記基体の巻き取り張力を１ｋｇ／ｍｍ＾２から
   ５ｋｇ／ｍｍ＾２の範囲としたことを特徴とする特許請
   求の範囲第（１）項または第（２）項記載の磁気記録媒
   体製造装置。