JPS6389485A - 甘蔗糖廃蜜の造粒方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はせ蔗糖製造工程で産出される甘蔗糖廃蜜を有効
利用するに際し取扱い易いが為に造粒する方法に関する
ものである。

〈従来の技術及びその問題点〉 甘蔗糖廃蜜とは、甘蔗を原料とする製糖工場に於いて砂
糖を回収した後に残る糖蜜であり、現在産出される糖蜜
は下記第１表に示す如き成分である。

第１表 即ち、なお３２重量％位の蔗糖分を含有しており、総固
形分は約８０重量％も含んでいるのである。しかるにと
の廃蜜中には蔗糖分以外に還元糖、アミノ酸や蛋白質等
の窒素成分、及び無機成分等の不純物も多量に含まれる
為に、これ以上蔗糖分の回収をする事は困難で、この廃
蜜は専ら発酵用材料や飼料用材料としてしか用いられて
いないのが現状である。

しかし上記第１表を見ても判る如く、廃蜜中には蔗糖分
をも含め６０重量％以上の有機質を含む上、窒素、リン
、カリ等の無機質も相当置台まれているので、植物に対
する肥料や土壌改良剤として有効であるはずである。し
かるにこの甘蔗糖廃蜜は非常に強い粘性を持つが故に取
扱い上の困難性があると共に、そこに含まれる有機物も
そのま５の形態では植物に吸収され難いが為に、この方
面への活用は殆んどなされておらず、極く稀な例として
石灰質材料を基材とした肥料又は土壌改良剤に少量加え
、所謂バインダー的役割として用いられている例がある
位である。

なお、現在通称糖蜜肥料あるいは廃糖蜜肥料としいう名
で市販されている肥料があるが、これは甘蔗糖廃蜜ある
いは精製糖廃蜜を希釈して、その濃度を２０〜３０％に
調整した後に、発酵法によりアルコール又はグルタミン
酸ソーダ等を回収し、その残渣を肥料としているのであ
って、この様に希釈後に発酵させて有効成分を回収した
後の残渣は、その濃度、粘度は小さく、かつ含有成分も
本発明で対象としている甘蔗糖廃蜜とは全く異質のもの
である。

〈問題点を解決する為の手段〉 本発明では、上述の問題点に鑑み、甘蔗糖廃蜜が含有す
る成分を活かしてそれを肥料や土壌改良剤として用いる
に際し、取扱い上便ならしめる為に造粒する方法を提供
せんとするものであり、その要旨はせｉ＄！Ｆ廃蜜に、
硫酸を添加して加熱し、有機物を腐植化せしめた後、硫
酸との中和反応により肥料効果の高い生成物となる石灰
、炭酸カルシウムあるいはアンモニア等のアルカリ中和
剤を添加し、次いで石灰を添加し、攪拌造粒する乙とを
特徴とするとする甘蔗糖廃蜜の造粒方法である。

以下本発明方法につき具体的に詳述する。

製糖工場より産出される甘蔗糖廃蜜は、その濃度は約８
０％位の高濃度で、非常に粘性が高いものである。本発
明者等の研究によれば、この高粘性の原因は、その中に
多量に含まれる有機物の為であるという事が判った。そ
こで本発明ではまず上記高濃度の廃蜜に対し、硫酸を加
えて加熱する事で該有機物を腐植化せしめ粘性を低下せ
しめると共に、該有機物がその後植物に吸収され易く、
かつ土壌を団粒化し易い様な形態となさしめる。その後
アルカリにて中和を行なうが、用いるアルカリ中和剤と
しては、先に添加した硫酸との反応による反応生成物が
肥料効果に優れる物となる様に選択する。即ち石灰や炭
酸カルシウムを用いれば硫酸石灰が、又アンモニアを用
いれば硫酸アンモニアが生成され、これらの生成物はい
ずれも肥料効果が大であるというが如くである。この様
にして中和反応を行なった後は、生石灰あるいは消石灰
等の石灰を適量添加し、通常の攪拌造粒法に従って造粒
するものであり、その際の粒度や粒の圧潰強度は該造粒
生成物のその後の具体的な用途に応じて適宜選定される
ものである。

〈実施例〉 以下本発明の実施例を示す。

吏１皿上 濃度８０％のせ蔗塘廃蜜１００ｇに対し、９８％硫酸１
０ｇを添加し、１１８℃にて６分間加熱し、含有有機物
を腐植化した。その後消石灰１０ｇを加え攪拌して中和
反応を行なった後、更に消石灰を１０ｇ加え、約１０分
間攪拌して造粒化した。得られた製品重量は９８．０ｇ
であり、歩留りは約７５．４％で、又製品のｐＨは１０
２１であった。

】」１且」工 上記実施例１の方法に於いて、造粒前に消石灰と共に肥
料効果を高めるコンポスト２０ｇを加える他は実施例１
と全て同じ。得られた製品重量は１１６．８ｇであり歩
留りは約７７．９％で、又製品のｐＨは９．８８であっ
た。

、実」Ｌ隨」工 濃度８０％の甘蔗糖廃蜜１００ｇに対し、９８％硫酸１
０ｇを添加し、１１８℃にて６分間加熱し、含有有機物
を腐植化した。その後炭酸カルシウム粉末２０ｇと消石
灰３ｇとを加え攪拌して中和反応を行なった後、更に消
石灰を１０ｇと炭酸カルシウム粉末１５ｇとを加え、約
１０分間攪拌して造粒化した。得られた製品重量は１２
６．０ｇであり、歩留りは約７９７％で、製品のｐＦＩ
は９．７０であった。

ユ」１１４ 上記実施例１の方法に於いて、中和に２８％アンモニア
水２０ｇを用い、又造粒の為の消石灰の量を１３ｇとし
た他は実施例１と全て同じ。得られた製品重量は９８．
４ｇであり歩留りは約６８．８％で、又製品のｐｉ（は
１０．４５であった。

なお上記実施例１〜４のいずれの方法によって得られた
製品も、その後室内に３日間放置しておいても吸湿によ
り粒子相互が付着し合うことはなく、更にその後保存瓶
内へ移して３力月間経た後も何ら付着現象は見られなか
った。

なお参考までに本発明による造粒品たる製品の材料費を
、上記実施例による配合の場合の製品１ｋｇ当りについ
て本件出願人が居住する沖縄県営古島での講入価格を基
にして算出した例を記せば下記第２表の如くである。

第２表 〈発明の効果〉 以上述べて来た如く、本発明方法によれば、その含有成
分としては肥料や土壌改良剤としての潜在的能力を持つ
成分を有するにも拘らず、それが高粘性であるが故に取
扱いが困難であり、更にはそのま＼の形態では肥料や土
壌改良剤としての効能を十分には発揮し難い甘蔗製廃蜜
を低粘性化後に造粒し、かつ有機物を腐植化せしめる事
で肥料や土壌改良剤としての効能を顕在化せしめると共
に、中和剤や造粒促進剤に肥料効果及び土壌をアルカリ
性化する効果のある物質を用いているので取扱い易く肥
料や土壌改良剤として優れた製品となり得るものである
。

なお甘蔗製廃蜜は、我が沖縄系に於いては多量に産出し
現状では半ば廃棄物視されてすらいる物であると共に本
発明方法で用いる他の物質もその殆んどが安価な物であ
り、かつ本発明方法の実施に際しては、腐植化の為の硫
酸槽の他通常の造粒機以外に特設の装置を何ら必要とし
ないものである為に経済・的効果の点でも優れたもので
ある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、甘蔗糖廃蜜に、硫酸を添加して加熱し、有機物を腐
   植化せしめた後、硫酸との中和反応により肥料効果の高
   い生成物となる石灰、炭酸カルシウムあるいはアンモニ
   ア等のアルカリ中和剤を添加し、次いで石灰を添加し、
   攪拌造粒することを特徴とするとする甘蔗糖廃蜜の造粒
   方法。