JPS638362B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガンタイプ構造を有し、且つ、燃料油
を予熱ヒータを用いることなくガス化させて燃焼
させるようにした燃料油バーナに関する。

従来の一般のガンタイプ構造を有する燃料油バ
ーナは赤火で燃焼させるものが殆どであり、この
場合、燃焼用空気の乱れや方向、及び流速につい
て格別に要求されることがない。

ところが、近年、燃焼ゾーンから燃焼ガスを再
循環させたり、排ガスの一部を燃焼用空気に混入
させたりすることにより、燃焼に伴なう熱をノズ
ル近傍に戻し、ノズルから噴霧される燃料油を気
化させるようにした気化装置を内蔵させ、予熱ヒ
ータを用いることなくガス化燃焼を行なわせるも
のが提案されてきた。

斯かる燃焼装置では燃焼用空気に激しい渦流に
よる乱れがあつたり、方向や流速に一様性がない
と、火炎が脈動や振動をおこし、ノズルから噴霧
された燃料油が十分に蒸発しないうちに着火した
り、蒸発した燃料油と燃焼用空気とが燃焼ゾーン
で十分に混合せず、折角、気化装置を内蔵させな
がら、赤火が混つて青火燃焼とならず、煤煙が発
生する欠点があつた。

本発明は上述した欠点を解消することを課題と
し燃焼用空気の激しい渦流を抑制して乱れをなく
し、方向や流速に一様性をもたせることにより、
ノズルから噴霧された燃料油が十分に蒸発してか
ら着火するようにするとともに、蒸発した燃料油
及び燃焼用空気が燃焼ゾーンで良好に混合するよ
うにして安定した青火燃焼が行なわれるようにし
たものである。

本発明では斯かる目的を達成するために、燃料
油噴霧用のノズルの外周に燃焼用空気を供給する
空気供給管を設け、空気供給管の出口部に多数の
小孔を有する整流板を燃焼用空気流と垂直にして
配設し、燃焼に伴なう熱をノズル近傍に戻すよう
にした気化装置にてノズルから噴霧された燃料油
を気化させるようにし、整流板の小孔から吐出さ
れる燃焼用空気流の渦を渦流抑制装置にて抑制す
るようにしたことを特徴とする。

斯かる構成にすることにより、渦流をなして空
気供給管から供給される燃焼用空気は整流板を通
過する際に、多数の小孔により適度な方向、分布
及び流速に変換され、且つ、渦流抑制装置にて渦
流が抑制されたのち、ノズルから噴霧された燃料
油と混合される。燃料油は気化装置から燃焼に伴
なう熱を受け、蒸発してガス化されていくが、燃
焼用空気は渦流が抑制され、渦流による激しい乱
れや振動をもたないため、火炎の脈動や振動を極
めて小さくでき、燃料油が十分に蒸発しないうち
に着火しないようにできる。このようにして十分
に蒸発した燃料油は燃焼用空気が適度な分布と流
速を有するため、燃焼用空気と良好に混合されつ
つ、燃焼ゾーンに至り、ガス化燃焼される。

以上のように本発明に依れば、燃焼用空気の激
しい渦流を抑制して乱れをなくすとともに、方向
や流速に一様性をもたせてあるので、ノズルから
噴霧された燃料油が十分に蒸発してから着火する
ようにできるとともに、蒸発した燃料油及び燃焼
用空気が燃焼ゾーンにて良好に混合されるように
でき、青火による安定したガス化燃焼が行なわれ
るようにできる。又、煤煙の発生が少なくなり、
保守点検が簡略化できるとともに、運転騒音の低
減も図れる。

以下、本発明を図面に示す実施例について説明
する。第１図は本発明を適用した燃料油バーナを
示し、１は燃料油噴霧用のノズル、２はノズル１
の外周に燃焼用空気を供給する空気供給管、３は
空気供給管２の出口部に燃焼用空気流と垂直にし
て配設され、多数の小孔４……を有する整流板、
５は燃焼ゾーン６から燃焼ガスの一部をノズル１
周辺に再循環させるように、ノズル１の燃料油噴
霧方向に設けられた気化装置としての整流筒であ
り、先端５１が内側に絞られている。７は空気供
給管２が底面に開口された炉筒、８は整流筒５を
囲繞するように配設された金網製の保炎筒、９は
点火プラグである。

整流板３には多数の小孔４……の一部を利用し
て多数のビス１０……を半円球状の頭部１０ａが
整流板３の風下側に、円柱状の螺子部１０ｂが整
流板３の風上側にくるように取着してある。又、
整流筒５の内壁には後述するように空気供給管２
から供給される燃焼用空気の渦流と逆向きになる
ように複数の羽根１１……を立設させてある。そ
して、突起物としての多数のビス１０……及び／
又は複数の羽根１１……により渦流抑制装置を構
成している。

空気供給管２には送風機（図示せず）を介して
燃焼用空気が供給されるが、燃焼用空気は第２図
及び第３図に示すように大きな渦をなしている。
そこで、本実施例では多数の小孔４を有した整流
板３の小孔４……の一部にビス１０……を嵌挿さ
せ、第４図に示すように整流板３の風上側に突出
させた螺子部１０ｂ……を利用して燃焼用空気の
渦流を抑制し、燃焼用空気の渦流によるむらをな
くしてやる。この結果、整流板３を通過した燃焼
用空気は渦流が大幅に抑制されて乱れが少なくな
り、ビス１０のない多数の小孔４……にて適度な
方向、分布及び流速に変換されてノズル１外周に
吐出される。尚、ビス１０……を嵌挿した小孔４
……の風下側は空気が通らないため、第５図のよ
うに巻き込み渦が発生するが、この巻き込み渦は
第６図に示すように半円球状の頭部１０ａを整流
板３の風下側に突出させてあるため、滅殺され
る。

このようにして、燃焼用空気は整流板３を通過
する際にその渦流が抑制されて乱れが少なくな
り、方向、分布及び流速が適切に是正される。そ
して、整流板３を通過した燃焼用空気はその外周
部が整流筒５の内壁に立設した羽根１１……によ
り内側に絞り込まれると同時に燃焼用空気流と逆
向きの渦流が与えられるため、整流板３を通過し
た燃焼用空気の渦流が十分に抑制されていない場
合でも、互いに逆向きの渦流を有する内外周部の
燃焼用空気が第７図に示すように相互に打消し合
う。この場合、その境界面に大きな渦流が打消し
合うのに伴なつて小さな渦流が発生し、これが燃
料油と燃焼用空気の混合に寄与する。尚、整流筒
５の先端５１が内側に絞り込まれていることも、
上述した渦流の打ち消し合いを促進させる。

而して、本実施例に依れば、空気供給管２から
渦流をなしてノズル１外周に供給される燃焼用空
気は整流板３を通過する際に、適度な方向、分布
及び流速に変換され、且つ渦流抑制装置としての
整流板３の小孔４……に嵌挿したビス１０……及
び／又は整流筒５の内壁に立設した羽根１１……
により渦流が抑制され、乱れを小さくしてあるの
で、保炎筒８の上面に保持される火炎１２は脈動
や振動が小さく、ノズル１から噴霧された燃料油
は整流筒５の再循環作用による燃焼ガスの熱の供
給を受け、十分に蒸発しながら燃焼用空気と混合
されて燃焼ゾーン６に至り、ガス化燃焼される。
又、燃焼ゾーン６に供給される蒸発した燃料油と
燃焼用空気はむらなく良好に混合されており、火
炎１２は青火となる。このため、燃焼による煤煙
の発生が少なくなり、保守点検が簡略化されると
ともに、保炎板８に保持される火炎１２は層流炎
となつて運転騒音が低減される。

尚、本発明は上述した実施例に限定されるもの
でなく、種々変形例を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す断面図、第２
図ないし第７図は本発明の一実施例の動作説明図
である。 １……ノズル、２……空気供給管、３……整流
板、４……小孔、５……整流筒、６……燃焼ゾー
ン、１０……ビス（渦流抑制装置）、１１……羽
根（渦流抑制装置）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 燃料油噴霧用のノズルと、該ノズルの外周に
   燃焼用空気を供給する空気供給管と、該空気供給
   管の出口部に燃焼用空気流と垂直にして配設さ
   れ、多数の小孔を有する整流板と、燃焼に伴なう
   熱をノズル近傍に戻すことにより前記ノズルから
   噴霧された燃料油を気化させる気化装置と、前記
   整流板の小孔から吐出される燃焼用空気流の渦を
   抑制する渦流抑制装置とを備えたことを特徴とす
   る燃料油バーナ。 ２ 渦流抑制装置は整流板から風上側及び風下側
   に突出させた複数の突起物であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の燃料油バーナ。 ３ 渦流抑制装置はノズルの燃料油噴霧方向に設
   けられ、燃焼ゾーンから燃焼ガスの一部を再循環
   させる気化装置としての整流筒の内壁に立設させ
   た複数の羽根であることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項記載の燃料油バーナ。 ４ 整流筒は先端が内側に絞り込まれているもの
   とした特許請求の範囲第３項記載の燃料油バー
   ナ。