JPS6372830A - 人工時効硬化性と深絞り性に優れるフェライト単相混合粒組織冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

人工時効硬化性と深絞り性に優れるフェライト単相混合粒組織冷延鋼板の製造方法

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JPS6372830A
JPS6372830A JP21130187A JP21130187A JPS6372830A JP S6372830 A JPS6372830 A JP S6372830A JP 21130187 A JP21130187 A JP 21130187A JP 21130187 A JP21130187 A JP 21130187A JP S6372830 A JPS6372830 A JP S6372830A
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cold rolled
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JP21130187A
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Susumu Sato
進 佐藤
Hideo Suzuki
鈴木 日出夫
Takashi Obara
隆史 小原
Minoru Nishida
稔 西田
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 自動車のパネル用など優れたプレス成形性が要求される
使途に供すべき冷延鋼板に関し、この明細書で述べる技
術内容は人工時効硬化性と深絞り性の著大な改善につい
て開発成果を提案するところにある。
さて上記用途で使用される冷延鋼板には、次の材料特性
が必要である。
(1)深絞り性: ランクフォード値(下値)で評価され、1.5以上の高
下値。
(2)高延性工 低い降伏強度(YS)と高い伸び(E2)特性。
(3)常温非時効性: 常温で長時間保持しても時効硬化により材質が劣化しな
い特性。
(4)耐プント性ニ プレス後の部品が軽荷重ではへこまない性質すなわち、
プレス成形後における鋼板の高い降伏強度。
ここで(4)の耐プント性に関し、プレス成形の際には
、YSの低いことが要求されるところから、−a的には
この要求を耐プント性と両立させることは容易でないが
、しかしプレス成形のあと、それにひき続く加熱処理(
例えば焼付塗装)により硬化する性質(一般に人工時効
硬化性;以下BH性と略す)を有する鋼板にあっては、
プレス成形性と耐プント性の両者を容易に両立させるこ
とが可能である。
これまで明らかにされているプレス成形用冷延E、tN
の製造手法は上記の材料特性上、以下のように区分され
る。
(1)低炭素アルミキルド鋼の箱焼鈍法;深絞り性、延
性、常温非時効性には優れるものの、BH性はほとんど
生じないので、プレス部品の耐プント性が期待できず、
またこの低炭素アルミキルド鋼を素材とする限り、生産
性、製品の均質性に有利な連続焼鈍法で上記の各材質を
確保することは困難であった。
(2)極低炭素鋼におけるNbまたはTiの添加;この
鋼板は等軸フェライト粒単相組織であり連続焼鈍法でも
箱焼鈍法と同じく優れた深絞り性と延性を有しかつ常温
非時効性であって、とくに下値は1.8以上が得られ、
超深絞り性を有するが、しかしく1)の場合と同様にB
H性を付与することは容易でなく、プレス部品の耐プン
ト性を求め難い。
(3)低炭素アルミキルド鋼にSi+ Mn、 Cr等
の合金元素を添加し、連続焼鈍後の冷却速度を制御する
ことによる、フェライト相とマルテンサイト相との共存
(2相複合組織いわゆるデュアルフェーズ鋼); このmFiは、強度に対して降伏強度が従来鋼板よりも
低いので、張り出し成形性に優れかつ、高強度を得やす
いという長所を持ち、さらに常温非時効性でかつ高いB
R性を有する。しかしながら下値は1.0種度と低く深
絞り性に劣る。
(従来の技術) 上に触れた2相複合組織を有する加工用冷延鋼板の製造
法については、米国特許第4.050,959号、同第
4,062,700号各明細書、また特公昭53−39
368号、特開昭50−75113号および特開昭51
−39524号各公報などでも開示されている。
しかしいずれも高い下値を有する鋼板は得られない。
一方B添加による通常の全て等軸フェライトから成る単
相組織を有するプレス成形用冷延鋼板として特開昭56
−166330号、同56−166331明細公報の開
示も参照されるが、下値はなお十分でなく、またBH性
には触れられていない。
(発明が解決しようとする問題点) 鋼板の特性として、とくに高7値と、高延性と、常温非
時効性および高BH性のすべてを兼備して人工時効硬化
性と深絞り性に優れるフェライト単相混合粒&IIm冷
延鋼板の製造方法を与えることがこの発明の目的である
(問題点を解決するための手段) 上記目的は次の事項を骨子とする構成によって有利に充
足される。
C: 0.001〜0.008重冊% Si : 1.0重量%以下 Mn : 0.05〜1.811量% P:0.15重量%以下 /1:0.01〜0.10重量%及び N : 0.0050重量%以下と B : 0.01重量%以下 とを(B/N)比1.73以上5.0以下にて含有し残
部実質的にFeの組成に成る冷間圧延鋼帯を、連続焼鈍
法でα→γ変態温度以上1000℃以下の温度に加熱し
、かつ該温度にて均熱し、その均熱温度から750℃ま
では平均冷却速度0.5℃/s以上20℃/s未満、つ
いで300℃以下までは平均冷却速度20℃/S以上に
て冷却すること を特徴とする人工時効硬化性と深絞り性に優れるフェラ
イト単相混合粒組織冷延鋼板の製造方法(第1発明)。
C: 0.001〜0.008重量% Si : 1.0重量%以下 Mn : 0.05〜1.8重量% P:0.15重量%以下 Al1:0.01〜0.10重量%及びN : 0.0
050重量%以下と B : 0.01重量%以下 とを(B/N)比1.73以上5.0以下の範囲にて含
有し、さらに Ti≦0.080重量% 750.10重量% Cr≦1.00重量%及び W°≦0.050重量% のうちから選んだ1種を含有し、残部は実質的にFeの
組成に成る冷間圧延鋼帯を、連続焼鈍法でα→γ変態温
度以上1000℃以下の温度に加熱し、かつRS m度
にて均熱し、その均熱温度から750℃までは平均冷却
速度0.5℃八以上20℃八未満、ついで300℃以下
までは平均冷却速度20℃/s以上にて冷却すること を特徴とする人工時効硬化性と深絞り性に優れるフェラ
イト単相混合粒組織冷延鋼板の製造方法(第2発明)。
C: 0.001〜0.008重量% Si : 1.0重量%以下 Mn : 0.05〜1.8重量% P:0.15重量%以下 Al2:0.01〜0.10!i量%及びN : 0.
005重量%以下と B : 0.01重量%以下 とを(B/N)比1.73以上5.0以下の範囲にて含
有し、さらに Ti≦0.080重量% ■≦0.10重量% を含有し、残部は実質的にFeの組成に成る冷間圧延鋼
帯を、連続焼鈍法でα→γ変態温度以上1000℃以下
の温度に加熱し、かつ該温度にて均熱し、その均熱温度
から750 ”Cまでは平均冷却速度0.5゛C八以上
20℃/s未満、ついで300℃以下までは平均冷却速
度20℃/s以上にて冷却することを特徴とする人工時
効硬化性と深絞り性に優れるフェライト単相混合粒組織
冷延鋼板の製造方法(第3発明)。
この発明に特有なフェライト単相混合粒組繊は上記した
冷間圧延鋼帯についての連続焼鈍条件の適切な設定によ
って確実容易に達成される。
この発明の方法で得られる冷延鋼板の特徴はその独創的
な組織の製造法にある。
すなわち一般に極低炭素鋼として考えうる組織は等軸フ
ェライト単相組織であった。
また複合組織としては、フェライト相と低温変態生成相
(マルテンサイト相あるいはベイナイト相)の2相によ
って構成されるものと通常考えられていた。
この発明における組織は上述のような従来の常識には該
当しない新規な鋼板組織である。
発明者らがこの様な新規な組織を有する鋼の開発にいた
った発想の端緒をまず説明する。
従来技術に従うプレス成形用冷延鋼板において高下値が
得られる極低炭素鋼は、81(性の確保、降伏比の低下
といった点においては不利である。
一方2相復合組織鋼(デュアルフェーズ鋼)は低降伏比
、高強度あるいは高BH性の確保といった点においては
有利であっても下値が低いという弱点がある。
これら鋼板の特性はw4組成の影響を受けるのはもちろ
んであるが、その&I1mとも密接に関係する。
プレス成形用冷延鋼板に要求される種々の特性すなわち
高下値、高88性、低降伏比、高Effi、TS等をバ
ランス良く高レベルに達成することは、従来の極低炭素
鋼板あるいは複合組織鋼板のいずれの技術の延長上にお
いても困難であると考えられる。
この発明は、上記の難点について次のように克服したも
のである。すなわちこの発明の要点は複合組織の達成方
法に関して発想を転換したことにある。
複合組織の本質は組織中に硬質部と軟質部が存在し分散
することにある。従来技術においては軟質部にフェライ
ト相がまた硬質部には低温変態生成相(マルテンサイト
あるいはベイナイト)が対応するような2相組織(デュ
アルフェーズ)であるがこの発明においては、この硬質
部と軟質部が混合する組織をフェライト単相で形成する
ことに成功した。
すなわち軟質部として低転位密度の等軸フェライト粒が
また硬質部としてノコ刃状の屈折した粒界形状を呈する
高転位密度のフェライト粒がそれぞれ分布するフェライ
ト単相の混合組織化を実現した。
この組織によって従来不可能と考えられていた極低炭素
組成鋼の複合組織化を、本質的に同様な構造を有する混
合粒組織として得ることによって可能にしたわけである
。硬質と軟質の2種類のフェライト粒によって構成され
るフェライト単相混合粒組織鋼板は、単に従来の2相組
Ia(デュアルフェーズ)鋼の優れた特性たとえば高B
H1低降伏比、高El、高TS等を継承するだけではな
く、さらに従来の弱点とされていた下値が低いという問
題についても極低炭素成分との組み合わせによって高r
値化を達成することができることを見出した。
発明者らは先に特願昭57−177044号明細書にて
Nb−B複合添加極低炭素鋼による深絞り性に優れたフ
ェライト単相混合粒組織冷延鋼板の製造方法を開発した
が、その後も研究を進めた結果Nbとの複合としなくて
もBとNの関係を特定範囲とすることにより上記先行開
発と同等程度の高い下値を示す鋼板がより有利に得られ
ることを新たに知見し、この知見に基づいて、この発明
の完成を導くことができた。
次にこの発明の基礎となった実験経緯から説明する。
0.004重量%(以下単に%で示す)C−0,01%
Si  O,30%Mn−0,01%P−0,05%A
 ffi −0,0011〜0.0036%Nをベース
組成として、これにBをNに対して種々の割合にて添加
した各種の供試冷延鋼板を調製し、これにつき連続焼鈍
ラインで910℃まで昇温して、910℃−20秒の均
熱後、750℃まで2.5℃八、引続き300℃以下ま
で35℃への冷却速度にて冷却するヒートサイクルで焼
鈍したときの降伏点伸び(Yl!l)、降伏応力と引張
強さの比(YR)およびr値に及ぼす(B%、N%)の
関係を第1図に示す。
これらの材質については、調質圧延を施さずして、JI
S 5号試験片によって求めた。(B%/NN%)の値
を1.73以上とし、かつ製造方法を適正範囲に管理す
ることによって低YEf、低YRおよび高7値を得るこ
とができる。
一方(B%/N%)が5.0を趨えると7値の急激な劣
化、降伏比YRの上昇が大きくなる。
以上からBを(B%/N%)の特定範囲とすることによ
り、高r値、高延性であるほかに常温非時効性の鋼板が
得られることがわかった。
さらにこの鋼板に軽度の予ひずみを加え、170”c 
<焼付塗装相当温度)で熱処理すると、再引張するとき
の降伏強度が太き(上昇するいわゆるBH性をも有して
いることが判明した。
またこの′WfJFiの光学顕微鏡組繊を調べたところ
、第2図(a)に示すように従来の極低炭素冷延鋼板の
m繊である同図(b)の等軸フェライト粒単相組織とは
異なる形態を呈していることがわかった。さらに第3図
(a)の電子顕微鏡組織のように、ノコ刃状に屈折した
粒界形状を呈するフェライト粒と等軸フェライト粒の2
種類のフェライト粒から構成される混合粒組織で同図ら
)の等軸フェライト粒のみの組織とは明確に区別される
ことがわかった。この電子顕微鏡観察結果から、ノコ刃
状の粒界形状を呈するフェライト粒は高転位密度の硬質
粒であり、他方の等軸フェライト粒は低転位密度の軟質
粒であることが判明した。
すなわち、この鋼板は極低炭素のフェライト単相組織で
あるが、高転位密度硬質フェライト粒と低転位密度の軟
質フェライト粒とで複合構造を成形し、第4図の模式図
に示すように、組織の措遣としては2相撲合組織と共通
点があり、材料力学的には、同様な挙動をすると考えら
れる。さらに極低炭素成分であることから、r値は高い
値が得られると考えられる。
以上述べたようにこの発明による優れた特性は、鋼成分
の限定の下で特徴的な組織を出現させる連続焼鈍条件が
満足されてはじめて達成されるものであり、この様な特
徴ある組織を安定的に得るには適正成分と適正製造条件
の両者を達成する必要がある。
(作 用) 以上の基礎実験に基づき検討を進めた結果、以下に述べ
る鋼組成と製造方法の両者の限定で、目的とするフェラ
イト単相混合粒組織冷延w4viとして卓効をもたらす
ことが確かめられた。
CTCはo、oos%をこえて含有するとr値が著しく
劣化する。また0、001%未満では高いBH性を得る
“ことができない、したがって0.001〜o、oos
%の範囲とするが、ここでとくに0.002〜0.00
4%が最適である。
St、  P :Si、 Pはともに必要とする強度レ
ベルを得るのに有効な元素であるが、Si>1.0%、
P>0.15%となると7値の劣化が大きくなるので、
Si≦0.0%、P≦0.15%の範囲とする。
Mn : Mnは赤熱脆化防止に0.05%以上必要で
あるが、1.8%を越えるとr値の劣化が大きいので、
0.05〜1.8%の範囲とするが、ここでとくに0.
1〜0.9%の範囲が好適である。
Al:Alは鋼中0の低減化およびNをAl2Nとして
析出固定するに有効であるので、0.01%以上必要で
あるが、0.10%を越えると非金属介在物の急激な増
加、および延性の劣化を招くのでAlは0.01−0.
10%の範囲とする。
N:Nは深絞り性と延性を劣化させる有害な元素であり
、o、oos%を越えるとその悪影響はとくに大きくな
り、また必要とするB量をいたずらに増加させるのでN
はo、oos%以下とする。
BIBはこの発明においてとくに重要な元素であるが0
.01%を超えて多量に添加すると、製造上、スラブ割
れなどの問題が発生するので、上限を0.01%に制限
する。また(B/N)<1.73ではその添加効果がな
く、混合粒組織化することができない。
また(B/N)>5.0では下値の劣化が大きいので、
B添加量は(B/N)=1.73〜5.0の範囲内とす
る。
Ti、  V、 Cr、 W :これら元素は上記Bの
効果を助長しくB/N)の下限寄りにおいても安定な効
果もたらすのみならず、とくに材質では伸び特性を向上
させる効果がともに著しい点で、作用効果を同じくする
同効選択成分である。各成分を1種選択して添加するか
TiとVを複合添加することによって所望の効果が得ら
れる。
Tiは0.080%をこえると、Tiの非金属介在物が
急激に増加し表面性状の劣化をもたらすので、0.08
0%以下とすべきであり、とくにo、oos〜0.06
%の範囲が望ましい。
■は0.10%をこえると、延性への悪影響が大きくな
るためo、 io%以下に制限すべきであり、とくに0
.005〜0.07%の範囲が好適である。
Crは1.00%をこえると、延性と7値の劣化が大き
くなるので、1.00%以下に抑制されなければならず
、とくに0.05〜0.80%で適合する。
Wはo、oso%をこえると、急激に硬化し降伏比YR
の2.上昇をもたらすので、o、oso%以下にする。
ここでo、oos〜0.04の範囲は一層好適である。
Ti、 V、 Cr、 WによるBの効果の助長は(1
)これら元素による窒化物の形成が添加B量に対して有
効に作用するB量の割合(有効Bl、おそらく固溶Bと
考えられる)を向上させるのに有効に作用すること、(
2)これら元素の微細析出物或いは固溶状態そのものが
鋼の変態挙動に作用し、より少ないB/Nでも目的とす
る組織すなわちノコ刃状の粒界形状を呈する高転位密度
フェライト粒の形成が可能となることによると考えられ
る。この効果は製造条件の緩和および安定性の改善にも
有効である。
次に、前述の成分調整の下に適切な製造条件範囲につい
て説明する。
製鋼: 極低炭素鋼を溶製するには底吹転炉とRH脱ガス装置の
組み合わせが最適である。また鋼片は分塊圧延法、連続
鋳造法いずれでも製造できる。
熱間圧延: 熱間圧延は従来の再加熱方式、あるいは直接熱延法のい
ずれでもよい、また、溶鋼から直接100間以下の薄鋼
片として引続き熱延に供してもよい。
熱間圧延の仕上温度は合金元素の析出量、サイズの調整
および組織粒のサイズの調整の点から950℃〜700
℃が最適である。熱間圧延鋼帯の冷却方法、巻取温度な
どは格別重要でないが、w4帯の酸洗性の面から600
℃以下の巻取温度とすることが好ましい。
冷間圧延: 冷延圧下率は、高下値を得るためには50%以上とする
ことが好ましい。
連続焼鈍: 加熱速度についてはあまり重要でないが、生産性の観点
から10℃/s以上が好ましい。
均熱温度は特徴のある組織を得るのに重要な管理ポイン
トである。その温度範囲は従来鋼のものと比較して高く
、α→γ変態温度以上1000’C以下とくに800 
’C〜980℃の範囲が好ましく、なかでも850℃〜
950℃が最適である。α→γ変態量の確保はこの発明
において高転位密度フェライト粒の割合を高めるのに必
要であり、そのためにはα→γ変態点以上とする必要が
ある。上限の1000℃は実用上の設備の能力から限定
される。
均熱後の冷却過程は、目的とする材質を制御するために
きわめて有効な過程である。とくに均熱温度から750
℃までを0.5〜b 徐冷し、その後300℃以下までは20℃/s以上の冷
却速度で冷却することが必要である。
従来の2相組Iaw4板のように焼入れ効果を得るため
の急冷はこの発明においては重要ではなく、20℃八以
上の冷速はむしろ実製造上の効率から限定される。
焼鈍板には形状矯正等を目的として、2.0%以下の調
質圧延を加えることが有効であるが、焼鈍のままで降伏
点伸びはきわめて低いので、材質上はとくに必要でない
以上のべたようにして得られる鋼板は、電気亜鉛めっき
などの表面処理や、とくにライン内焼鈍方式の溶融金属
めっき処理(合金化処理を含む)による表面処理鋼板の
製造に適合している。
(実施例) 表1に示す鋼11kll〜13の組成の鋼片を転炉−R
H脱ガス一連続鋳造工程によってつくった。
これらを1150℃〜1220℃に加熱均熱し、仕上温
度850℃〜900℃、巻取温度500℃〜560℃で
熱間圧延し、3.2 m板厚の鋼帯とした。
酸洗後0.8閤板厚の冷間圧延鋼帯とし、連続焼鈍ライ
ンにて890〜930℃の均熱温度まで加熱し、その均
熱温度から750℃まだの平均冷却速度2.7”C/s
、 750℃から300℃までの平均冷却速度38゛C
/Sで焼鈍した。
!J質圧延を加えない状態での材質を表2に示す。
引張試験片JIS 5号、Δysは35℃−100日間
の時効処理後のys上昇量(kgf/IIowす、BH
は、2%引張予ひすみ時と170℃−20分間で焼付塗
装相当処理を施したときの変形応力の差で示した。
この発明に従うに2ないし4(第1発明)、Nα9.1
1ないし13.(第2発明)及びNa1O(第3発明)
では何れも比較鋼1. 5ないし8に比してよりすぐれ
た高下値、高延性、常温非時効性、及び高BH性が得ら
れてこれらN112ないし4.9ないし13の各組織は
何れも第2図及び第3図(a)に示す様な特徴を呈して
いた。
また表1に揚げた鋼Na2を用いて表3に示す種々な連
続焼鈍条件で処理したときの材質を表4に示す。
この発明の最適範囲内の条件で処理したヒートサイクル
B、 C9Dでは本印を付して区別した比較し一トサイ
クルA、E、FおよびGに比し、目的とする特性がより
適切に得られ、それらの鋼板は特徴ある&11Iaを呈
し、その他の鋼板とは全く異なっていた。
(発明の効果) 第1発明、第2発明および第3発明とも、下値2.0以
上の良好な深絞り性にあわせて高延性、常温非時効性お
よび、優れたB)I性を有していて耐プント性が十分に
高いフェライト単相混合粒組繊冷延鋼板を適切かつ容易
な製造を可能ならしめ、とくに第2および第3発明は第
1発明に比し同等以上の高下値を具備させ得る。これら
はこの発明の範囲内の成分および製造条件を満足するこ
とによって安定的に達成させる。
【図面の簡単な説明】
第1図はBwt%/Nwt%がatのYEff、YRお
よび下値に及ぼす影響の実験結果を示すグラフ、第2図
、第3図は金属組織を示す顕微鏡写真であり、 第4図はミクロm織の模式図である。 特許出願人  川崎製鉄株式会社 第1図 B(td%)/N(、、,1%) 第2図 (a)            (bン第3図 (a)、  (b)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、C:0.001〜0.008重量% Si:1.0重量%以下 Mn:0.05〜1.8重量% P:0.15重量%以下 Al:0.01〜0.10重量%及び N:0.0050重量%以下と B:0.01重量%以下 とを(B/N)比1.73以上5.0以下にて含有し残
    部実質的にFeの組成に成る冷間圧延鋼帯を、連続焼鈍
    法でα→γ変態温度以上1000℃以下の温度に加熱し
    、かつ該温度にて均熱し、その均熱温度から750℃ま
    では平均冷却速度0.5℃/s以上20℃/s未満、つ
    いで300℃以下までは平均冷却速度20℃/s以上に
    て冷却すること を特徴とする人工時効硬化性と深絞り性に優れるフェラ
    イト単相混合粒組織冷延鋼板の製造方法。 2、C:0.001〜0.008重量% Si:1.0重量%以下 Mn:0.05〜1.8重量% P:0.15重量%以下 Al:0.01〜0.10重量%及び N:0.0050重量%以下と B:0.01重量%以下 とを(B/N)比1.73以上5.0以下の範囲にて含
    有し、さらに Ti≦0.080重量% V≦0.10重量% Cr≦1.00重量%及び W≦0.050重量% のうちから選んだ1種を含有し、残部は実質的にFeの
    組成に成る冷間圧延鋼帯を、連続焼鈍法でα→γ変態温
    度以上1000℃以下の温度に加熱し、かつ該温度にて
    均熱し、その均熱温度から750℃までは平均冷却速度
    0.5℃/s以上20℃/s未満、ついで300℃以下
    までは平均冷却速度20℃/s以上にて冷却することを
    特徴とする人工時効硬化性と深絞り性に優れるフェライ
    ト単相混合粒組織冷延鋼板の製造方法。 3、C:0.001〜0.008重量% Si:1.0重量%以下 Mn:0.05〜1.8重量% P:0.15重量%以下 Al:0.01〜0.10重量%及び N:0.005重量%以下と B:0.01重量%以下 とを(B/N)比1.73以上5.0以下の範囲にて含
    有し、さらに Ti≦0.080重量% V≦0.10重量% を含有し、残部は実質的にFeの組成に成る冷間圧延鋼
    帯を、連続焼鈍法でα→γ変態温度以上1000℃以下
    の温度に加熱し、かつ該温度にて均熱し、その均熱温度
    から750℃までは平均冷却速度0.5℃/s以上20
    ℃/s未満、ついで300℃以下までは平均冷却速度2
    0℃/s以上にて冷却すること を特徴とする人工時効硬化性と深絞り性に優れるフェラ
    イト単相混合粒組織冷延鋼板の製造方法。
JP21130187A 1987-08-27 1987-08-27 人工時効硬化性と深絞り性に優れるフェライト単相混合粒組織冷延鋼板の製造方法 Pending JPS6372830A (ja)

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JP21130187A JPS6372830A (ja) 1987-08-27 1987-08-27 人工時効硬化性と深絞り性に優れるフェライト単相混合粒組織冷延鋼板の製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5855696A (en) * 1995-03-27 1999-01-05 Nippon Steel Corporation Ultra low carbon, cold rolled steel sheet and galvanized steel sheet having improved fatigue properties and processes for producing the same
WO2008072645A1 (ja) * 2006-12-08 2008-06-19 Jfe Steel Corporation 減衰能に優れた部材およびその製造方法、ならびに減衰能に優れた部材として用いられる鋼板
KR101100050B1 (ko) 2006-12-08 2011-12-29 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 감쇠능이 우수한 부재 및 그 제조 방법, 그리고 감쇠능이 우수한 부재로서 사용되는 강판

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