JPS6367485B2 - - Google Patents

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JPS6367485B2
JPS6367485B2 JP16407682A JP16407682A JPS6367485B2 JP S6367485 B2 JPS6367485 B2 JP S6367485B2 JP 16407682 A JP16407682 A JP 16407682A JP 16407682 A JP16407682 A JP 16407682A JP S6367485 B2 JPS6367485 B2 JP S6367485B2
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polymer
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JP16407682A
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JPS5953515A (ja
Inventor
Seiichi Nakahama
Katsuhiko Takenaka
Akira Hirao
Kazuo Yamaguchi
Sho Yamazaki
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
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Publication date
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Publication of JPS5953515A publication Critical patent/JPS5953515A/ja
Publication of JPS6367485B2 publication Critical patent/JPS6367485B2/ja
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  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規なリビングブロツク共重合体及
びその製造方法に関する。 分子中に水酸基、アミノ基等の反応性基を持つ
ビニルモノマーからは、反応性基中の活性水素の
ため、未だそれらビニルモノマーのアニオンリビ
ングポリマーは得られていない。本発明者らは、
上記ビニルモノマーの反応性基を、予めトリアル
キルシリル基、トリアリールシリル基等(以下、
置換シリル基という。)で保護した後、アニオン
重合開始剤を作用させることにより置換シリル基
で保護した上記ビニルモノマーのリビングポリマ
ーが生成することを見出したが、本発明者らは更
に研究を行つた結果、上記の方法を用いることに
より、置換シリル基で保護した上記ビニルモノマ
ーの繰り返し単位とスチレン系化合物の繰り返し
単位を持つ新規なリビングブロツク共重合体が得
られることを見出して本発明を完成した。 すなわち、本発明は 一般式 〔式中、Zは(CH2n・OSiR1R2R3又はN
(SiR1R2R32を示し、mは0〜6の数、R1、R2
及R3は同一又は異なる炭素数1〜6個のアルキ
ル基を示す。〕の繰り返し単位(A)と、 一般式 〔式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。〕の
繰り返し単位(B)との結合を持ち、かつその配列が
AB、BA、ABA若しくはBABである数平均分子
量500〜500000の新規リビングブロツク共重合体
〔但し、(A)/(B)(モル比)=5〜95/95〜5であ
る。〕を要旨とし、該共重合体は、 一般式 〔式中、Xは(CH2nOH基又はアミノ基を示
し、mは0〜6の数を示す。〕で表わされるビニ
ルモノマー()を式(SiR1R2R3oL〔但し、
R1、R2及びR3は同一又は異なる炭素数1〜6個
のアルキル基、Lはハロゲン原子又はNH基であ
り、nはLがハロゲン原子の場合は1であり、
NH基の場合は2である。〕で表わされる置換シ
リル基含有化合物と接触させ、得られる 一般式 〔式中、Zは(CH2nO・SiR1R2R3又はN
(SiR1R2R32、mは0〜6の数、R1、R2及びR3
は前記と同意義である。〕で表わされる該ビニル
モノマーの置換シリル基置換体()アニオン重
合開始剤の存在下に重合し、得られる 一般式 〔式中、Zは前記と同意義である。〕の繰り返し
単位からなるリビングポリマーに、 一般式 〔式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。〕で
表わされるスチレン系化合物()を加えて共重
合するか又は、 スチレン系化合物()をアニオン重合開始剤
の存在下に重合し、得られる 一般式 〔式中、Rは前記と同意義である。〕の繰り返し
単位(B)からなるリビングポリマーに上記置換体
()を加えて共重合することにより製造するこ
とができる。 上記ビニルモノマー()の具体例としては、
【式】 【式】 【式】 【式】 【式】等が挙げられる。 ビニルモノマー()の反応性基を保護するた
めに用いられる置換シリル基含有化合物は、トリ
アルキルシリル基を含有する化合物であるが該化
合物は、その一例として一般式(SiR1R2R3o
(式中、R1、R2及びR3は前記と同異義、Lはハロ
ゲン原子又はNH基であり、nはLがハロゲン原
子の場合は1であり、NH基の場合は2である。〕
で表わされ、その具体例としては、
〔(CH33Si〕2NH、〔(C2H53−Si〕2NH、〔(i−
C3H73Si〕2NH、〔(t−C4H92−CH3Si〕2
(CH33SiCl、(C2H53SiCl、t−C4H9
(CH32SiCl、CH3(C2H52SiCl、(n−
C4H93SiCl等を挙げることができる。これらの
化合物は、一種に限らず二種以上同時に用いても
よい。 ビニルモノマー()と置換シリル基含有化合
物との接触は、室温若しくは加温下で、通常0.5
〜50時間行なわれる。接触は、溶媒中で行つても
よく、又窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行つ
てもよい。適当な溶媒としては、DMF(ジメチル
ホルムアミド)、THF(テトラヒドロフラン)、
NMR(N−メチルピロリドン)、スルフオラン、
DMSO(ジメチルスルホキシド)等が挙げられ
る。 ビニルモノマー()と置換シリル基含有化合
物との接触は、二段以上で行つてもよく、必要に
応じてC2H5MgBr等のグリニヤール試薬を加え
て行つてもよい。両者の接触割合は、ビニルモノ
マー()に対して置換シリル基含有化合物が
0.5倍モル以上、望ましくは等モル〜10倍モルで
ある。 かくすることにより、ビニルモノマー()の
反応性基中の活性水素は、置換シリル基を置換さ
れ、ビニルモノマー()の置換体()とな
る。 本発明のリビングブロツク共重合体の製造法
は、上記置換体()を用いることを特徴とす
る。製造法の具体例としては、上記置換体()
をアニオン重合開始剤の存在下、アニオン重合
し、得られる該置換体()のリビングポリマー
(A)に、前記スチレン系化合物()を加えて共重
合するか、又はその順序を逆にして、まず前記ス
チレン系化合物()のリビングポリマー(B)を製
造し、しかる後上記置換体()を重合系に加え
て共重合する方法である。 本発明で用いられる適当なアニオン重合開始剤
としては、n−ブチルリチウム、ナフタレンリチ
ウム塩、ナフタレンナトリウム塩、ナフタレンカ
リウム塩、(α−メチルスチレンオリゴマー)ナ
トリウム塩等を挙げることができる。 アニオン重合は、室温で行つてもよいが、望ま
しくは、−30℃以下の低温、特に望ましくは−50
℃〜−100℃の低温で、0.1〜20時間、望ましくは
溶媒の存在下、で行なわれる。適当な溶媒として
は、THF、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサ
ン等が挙げられる。それらは二種以上用いてもよ
い。又、重合反応は、不活性ガス雰囲気中、減圧
下、特に望ましくは高真空下で行うのが望まし
い。 リビングポリマーの分子量は、該置換体()
又はスチレン系化合物()/アニオン重合開始
剤比を変えることにより制御することができ、そ
の比を上げることにより分子量を増加することが
できる。又、アニオン重合開始剤の種類又は重合
温度を変えることによつても分子量の調節は可能
である。 かくして得られたリビングポリマーは、通常約
500〜約500000の数平均分子量を持つが、次いで、
リビングポリマーが、該置換体()のリビング
ポリマーの場合は前記スチレン系化合物()
と、又、スチレン系化合物()のリビングポリ
マーの場合は該置換体()と、それぞれ共重合
することにより、本発明のリビングブロツク共重
合体が得られる。 スチレン系化合物()の具体例としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、m−ジビニルベン
ゼン、p−ジビニルベンゼン、p−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン等
が挙げられる。これら化合物は二種以上用いるこ
とができ、その場合、ランダム共重合体からなる
前記繰り返し単位(B)となる。 本発明におけるリビング共重合方法は、前記の
該置換体()及びスチレン系化合物()のリ
ビング重合法に準じた方法に従えばよい。 すなわち、該置換体()又はスチレン系化合
物()のリビング重合が終了した後、その重合
系にスチレン系化合物()又は該置換体()
を加えた上で、先のリビング重合と同一の条件下
に保つことにより行なわれる。その際、温度、圧
力等を先のリビング重合の場合と変更してもよ
く、又溶媒を別種のものと置換してもよい。 リビングポリマーに加える該置換体()又は
スチレン系化合物()の共重合後のポリマー鎖
長は、加えるそれら化合物()()の添加量、
反応温度により制御することができる。 更に、上記置換体()又はスチレン系化合物
()の添加、共重合を順次繰り返し行つてもよ
く、異なる上記置換体()又はスチレン系化合
物()を順次加えて共重合することもできる。 上記の方法により、例えばA−B、B−A、A
−B−A、B−A−B、B−A−A′−B、A−
B−B′−A、A−B−A−B、A−B−A′−B
の配列からなる繰り返し単位(A)及び繰り返し単位
(B)の結合を有する本発明のリビングブロツク共重
合体が得られる。 本発明の共重合体は、約500〜約500000望まし
くは3000〜300000、更に望ましくは10000〜
200000の数平均分子量を持ち、各繰り返し単位(A)
(B)の共重合体中に占める割合は、(A)/(B)(モル
比)=5〜95/95〜5である。本発明の共重合体
は、比較的低温において安定な性質を有する。 本発明の共重合体は、メタノール、エタノー
ル、フエノール、塩酸、硫酸等のプロトン供与体
と接触させることにより、保護基である置換シリ
ル基が容易に脱離し、従来合成が不可能であつた
ビニルモノマー()とスチレン系化合物()
のブロツク共重合体が得られる。この方法によれ
ば、分子量の調節が容易であり、任意の分子量と
繰り返し単位を持ち、狭い分子量分布を持つ共重
合体を容易に製造することができるという特徴を
有する。 本発明のリビングブロツク共重体は、さらに別
種のビニールモノマーを加えて、新らたなブロツ
ク共重合体の合成中間体として有用であり、又、
本発明のリビングブロツク共重合体をメタノール
などで処理し、さらに必要に応じて鉱酸で処理し
て、保護基を外したブロツク共重合体は、それ自
体、熱可塑性樹脂と機能性樹脂の両方の性質を持
つ特異な樹脂として、種々の加工製品にして利用
でき、又、その反応性置換基を他の極性基と置換
した新らたな熱可塑性と機能性を兼備したポリマ
ーの合成原料としても有用である。 以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明は、その主旨に反しない限り、これら
実施例に限定されるものではない。 実験は、高真空ラインに接続した複数のアニオ
ン重合開始剤溶液及びモノマー溶液を凍結、脱気
して封入したブレーカブルシールを持つアンプル
並びに系内を洗浄した廃アニオン重合開始剤及び
リビングポリマーの一部を取り出すスペアーの枝
管と接続されたフラスコからなる図面に示す装置
を用い、次の方法で行つた。 まず、フラスコ1を10-5mmHgに5時間保つて
脱気し、真空ライン8からA点で封じ切り、次い
で一つのアニオン重合開始剤の入つたアンプル3
のシールを破り、フラスコ1を含む系内に導び
き、系内を十分に洗浄し、スペアーの枝管7に導
びき、その枝管7をC点で封じ切り、系から取り
除き、しかる後、所定の温度に冷却し、所定の温
度に冷却された第2のアニオン重合開始剤溶液が
入つたアンプル2のシールを破り、フラスコ1に
アニオン重合開始剤を導き、次いで第1のモノマ
ーをアンプル4から同様にしてフラスコ1に導入
して所定時間反応させた後、一部の溶液を枝管6
に導入して封じ切り、リビングポリマーのキヤラ
クタリゼーシヨンに供した。 フラスコ1中に残つたリビングポリマー溶液に
第2のモノマーをアンプル5から導入し、ブロツ
ク共重合を行い、後処理を行つた上で、物性等の
測定に供した。 上記方法は必要に応じてその一部を変更、追
加、省略した。 実施例 1 〔VPA−Siの合成及び同定〕 反応器にp−ビニルフエネチルアルコール 【式】(VPA) 及びVPAに対して等モルの〔(CH33Si〕2NH
(HMDS)を入れ、窒素ガス雰囲気下30℃で1時
間撹拌を行つた。次いで生成物を減圧蒸留してp
−ビニルフエネチロキシトリメチルシラン (VPA−Si)を得、更にグリニヤ試薬
(C2H5MgBr)を加えて真空蒸留することによ
り、82%の収率で精製したVPA−Siを得た。こ
のVPA−Siは73℃/2mmHgの沸点を有してい
た。 このVPA−Siの 1H NMR(60MHz:TMS基
準)は0.24ppm(s、9H、O−Si−CH3 )、
2.93ppm(t、2H、J=7Hz、PhCH2 CH2)、
3.68ppm(t、2H、J=7Hz、CH2 −O−Si)、
〔5.32、5.86ppm(2d、2H、J=10、18Hz、CH2
CH)〕、6.87ppm(2d、1H、CH=CH2)、〔7.21、
7.52ppm(2d、4H、J=9、9Hz、Pha、b)〕で
上記構造であることが確認された。 〔VPA−Siのリビングポリマー合成及び同定〕 得られたVPA−Siを第1表に示す各種のアニ
オン重合開始剤を用いて、THF中、−78℃、1時
間の条件で重合した。いずれの場合も、重合系は
リビングアニオン特有のやや黒味がかつた赤色を
呈していた。 結果を第1表に示すが、収量はほぼ定量的であ
つた。得られたリビングポリマー 【式】は、−78℃では安 定であるが室温では不安定であるので以下の処理
を行つた後、キヤラクラタリゼーシヨンを行つ
た。 このリビングポリマーを室温でTHF−H2O溶
媒中、メタノールで処理することにより、保護基
のトリメチルシリル基は脱離し、ポリ(p−ビニ
ルフエネチルアルコール)(PVPA)が得られた。
PVPAは108℃のガラス転移温度を持ち、エタノ
ール、酢酸、ピリジン、ジオキサンに可溶、
THF、ベンゼン、水、クロロホルム、アセトン
に不溶であつた。 PVPAのIRスペクトルでは、3300〜3350cm-1
(−OH)1610及び1510cm-1(環内骨格)、820cm-1
(環C−H)の特性吸収を示し、トリメチルシリ
ル基に基づく吸収は認められなかつた。 又 1H NMRで同様にトリメチルシリル基の特
性吸収は認められなかつた。従つて、PVPAは
【式】の構造を持つことが確認 された。 又、得られたPVPAをピリジン溶媒中でアセチ
ル化し、沈降・溶解をくりかえして精製した後乾
燥を行い、アセチル化PVPAを得、これを用い
て、VPO(Vapor Pressure Osmometer)で数
平均分子量を測定し、PVPA中のフエネチル基が
全べてアセチル化されたとして計算した数平均分
子量とを第1表に示す。両者はかなりよく一致し
ていることがわかる。 アセチル化PVPAについてTHFを溶媒として
GPC(Gelpermeation Chromatography)測定を
行い、極めて狭い分子量分布を持つポリマーであ
ることが確認された。 【表】 【表】 〔リビングブロツク共重合体の合成〕 ナフタレン・ナトリウム塩(0.26mmol)の
THF溶液にスチレン48mmolのTHF溶液を加
え、−78℃、1時間の条件で重合した。ポリマー
溶液はリビングポリマー特有の暗赤色であつた。 このポリマー溶液の内35%(ナトリウムの滴定
により確認)を取り出し、上記方法に従い、メタ
ノール処理した後99%の収率でポリマーを得た。
得られたポリスチレンの数平均分子量は39000で
あつた。40℃、1.4ml/minの溶出速度、THF溶
媒の条件でGPCを測定したところ第2図の溶出
曲線aを示した。 次に、残部(65%)のスチレンリビングポリマ
ーにVPA−Si(8.7mmol)を加え、−78℃、1時
間の条件で重合した。 反応後も溶液の色はリビングポリマー特有の暗
赤色を呈していた。 このリビングポリマーをメタノール処理するこ
とにより98%の収率で共重合体が得られ、該共重
合体はベンゼン、THFに可溶であり、メタノー
ルに不溶であつた。溶解・沈澱をくりかえし、精
製した共重合体のIR分析により、もはやトリメ
チルシリル基の吸収ピークは認められなかつた。 1H NMR分析を行い、その環結合水素対置換
基のメチレンと主鎖のメチレン及びメチン水素の
合計の面積比は1.29であり、重合系に仕込んだス
チレン/VPAモノマー比からの計算値1.24とよ
い一致を示した。上記実測値からブロツク構成比
を計算して求め、ポリスチレンブロツク(81.0モ
ル%)とPVPAブロツク(19.0モル%)からなる
ブロツク共重合体であることがわかつた。 又、VPO測定により求めた上記ブロツク共重
合体の数平均分子量は57000であつた。 上記共重合体のGPCを測定したところ、第2
図の単一の溶出曲線bを示し、明らかに高分子側
に移行し、元のスチレンホモポリマーの溶出曲線
域にピークが認められないことから、ブロツク共
重合体であることは明らかである。 従つて、上記共重合では(ポリVPA−Si)−
(ポリスチレン)−(ポリVPA−Si)形、即ち(A)−
(B)−(A)形のリビングブロツク共重合体が得られた
ことがわかる。 実施例 2 ナフタレンナトリウム塩(0.19mmol)のTHF
溶液に実施例1で得られたVPA−Si(6.5mmol)
を加え、−78℃、1時間の条件で重合した。ポリ
マー溶液は暗赤色であり、リビングポリマーが生
成していることは明らかである。このリビングポ
リマー溶液にスチレン(56.9mmol)のTHF溶液
を加え、−78℃でさらに1時間重合した。反応後
の溶液は実施例1の場合と同様リビングポリマー
特有の暗赤色を呈していた。このリビングポリマ
ーをメタノール処理することにより99%の収率で
共重合体が得られた。この共重合体はベンゼン、
THFに可溶であり、メタノールに不溶であつた。
実施例1と同様に精製した共重合体のIR分析に
より、トリメチルシリル保護基が残つていないこ
とを確認した。こうして得られた該重合体の
GPCを実施例1と同条件で測定したところ第3
図の溶出曲線を得た。この溶出曲線は、元の
VPA−Siのリビング重合で得られるPVPAから
予測される溶出記線よりはるかに高分子量側に位
置し、しかも単一ピークであつて低分子量側には
ピークが認められないことからブロツク共重合体
が生成していることは明らかである。 さらに、この共重合体の 1H NMRの測定値か
ら実施例1と同様の計算方法によりポリスチレン
ブロツク(88.6モル%)、PVPAブロツク(11.4
モル%)で構成されていることがわかつた。又、
該ブロツク共重合体の数平均分子量は76000であ
つた。 以上の結果より本共重合例では(ポリスチレ
ン)−(ポリVPA−Si)−(ポリスチレン)形、即
ち(B)−(A)−(B)形のリビングブロツク共重合体が得
られたことが確認された。 実施例 3 ブチルリチウム(0.18mmol)のTHF溶液に実
施例1で得られたVPA−Si(9.8mmol)のTHF
溶液を加え、−78℃、1時間の条件で重合し、つ
いでα−メチルスチレン(50.3mmol)を加え、
−78℃にてさらに1時間重合を行い(A)〜(B)形のリ
ビングブロツク共重合体を得た。 このリビングブロツク共重合体をメタノール中
で沈澱させ、過し、乾燥して、PVPAブロツク
とポリα−メチルスチレンブロツクからなるブロ
ツク共重合体を得た。 収率は98%であつた。 又この共重合体は数平均分子量が53000で、実
測例1と同様の算出手順で、ポリα−メチルスチ
レンブロツク(84.9モル%)とPVPAブロツク
(15.1モル%)から構成されていることがわかつ
た。 実施例 4 p−アミノスチレン
【式】(AS)に5倍モル のHMDSと0.5倍モルのSi(CH33Clを加えて、還
流温度下2.5時間反応を行つた。生成物を減圧蒸
留することにより、ASのトリメチルシリル基1
置換体がほぼ定量的に得られる。この置換体は90
℃/5mmHgの沸点を有していた。更に、この置
換体に2倍モルのクリニヤール試薬
(C2H5MgBr)を加え、THF中、室温で2時間反
応させた後、4倍モルのSi(CH33Clを加えて12
時間放置し、減圧蒸留することにより、84%の収
率でp−(ビストリメチルシリルアミノ)スチレ
ン 【式】 (BTMSAS)を得た。このBTMSASは60〜80
℃/2mmHgの沸点を有していた。 BTMSASの 1H NMRは2置換トリメチルシ
ル基のHを基準にして0.0ppm(S、18H、Si−
CH3)〔5.08、5.57ppm(2d、2H、J=10、17Hz、
CH2=OH)〕、6.55ppm(2d、1H、CH=CH2)、
〔6.75、7.18ppm(2d、4H、J=9.0Hz、Pha、
b)〕であり、上記の構造であることが確認され
た。 得られたBTMSASをアニオン重合開始剤とし
てリチウムナフタレンを用いて、THF中、−78
℃、1時間の条件で重合した。その結果を第2表
に示す。重合系は茶色がかつたオレンジ色で室温
でも安定であり(大過剰のメタノールで処理する
とポリマーは白色沈澱となつて分離する)、ポリ
マーはほぼ定量的に得られた。このポリマーは、
注意深く取扱えば保護基をつけたまゝ取扱うこと
ができ、メタノール処理後のポリマーはTHF、
ベンゼン、クロロホルムに可溶、メタノールに不
溶であり、第2表に示す分子量を有していた。 このメタノール処理後のポリマーのNMR分析
及びIR分析の結果を下記に示す。 1H NMR:0.0ppm(基準)(Si−CH3 )、0.7〜
2.5(−CH2 CH−)、6.5ppm H数(TMS基+−CH2−CH−): H数【式】 計算値21:4、実測値24:4) IR:1605cm-1(環内骨格)、1250cm-1〔Si(CH33〕、
1175cm-1(Si−N−Si)、933cm-1(Si−N−Si)、
844cm-1〔Si(CH33〕、752cm-1〔Si(CH33〕 これらの分析の結果から、上記リビングポリマ
ーは【式】の構造式を持つこ とが明らかである。 このトリメチルシリル保護基を有するポリマー
を2N−HCl水溶液で処理することにより、容易
に保護基が脱離し、酸性下で水溶性のポリアミノ
スチレンが得られた。 この水溶性ポリアミノスチレン(PAS)の
NMR分析及びIR分析の結果を下記に示す。 1H NMR(D2O溶液):1〜2ppm〔broad;3H、
【式】〕、6.3〜7.3ppm〔Broad2 peaks;4H、【式】 I.R.:1580cm-1に−NH3Clの特性吸収が認め
られるが、(CH33Si基の特性吸収は認められ
なかつた。 酸性を中和することにより水不溶性の
【式】が得られた。 【表】 〔リビングブロツク共重合体の合成〕 リチウムナフタレン(0.17mmol)のTHF溶液
とBTMSAS(4.3mmol)のTHF溶液とを混合
し、−78℃、1時間重合し、更にこの重合系に後
からスチレンモノマー(45.1mmol)のTHF溶液
を加えて、−78℃でさらに1時間重合した。 最終的な重合溶液もやはり赤色であり、同溶液
をメタノール処理して、99%の収率でポリマーが
得られた。 該ポリマーのIRからトリメチルシリル保護基
が保持されており、又、GPCを測定したところ、
第2表のBTMSAS/リチウムナフタレン比が
ほゞ同じ実験で得られたBTMSASホモポリマー
より明らかに高分子量側に単一の溶出曲線が認め
られた。 従つて、上記共重合により得られたポリマー
は、(B)−(A)−(B)形のリビングブロツク共重合体で
あることがわかる。 上記トリメチル保護基を有する共重合体の
NMRより環結合水素とトリメチルシリル基水素
の比は3.14であり、重合に用いたスチレン/
BTMSAS比から計算した3.05とよく一致したこ
とから、ポリスチレンブロツク(91.1モル%)と
ポリBTMSASブロツク(8.9モル%)とから構成
されたブロツク共重合体である。又、このブロツ
ク共重合体の数平均分子量は75000であつた。 実施例 5 反応器にp−ビニルフエノール
【式】(VP)及びVPに 対して等モルのt−C4H9(CH32SiCl(BDMS)
を入れ、イミダゾールの存在下、DMF溶媒中、
室温で4時間反応させた。生成物を減圧蒸留して
p−ビニルフエノキシt−ブチルジメチルシラン (VP−BDMS)を76%の収率で得た。このVP
−BDMSは80℃/0.1mmHgの沸点を有していた。 VP−BDMSのNMR分析の結果を下記に示す。 1H NMR:0.0ppm基準(S、3H、O−Si−
CH3)、0.80ppm(S、9H、Si−C−CH3 )、
〔4.87、5.44ppm(2d、2H、J=10、17Hz、CH2
=CH)〕、6.56ppm(2d、1H、C=CH2)、
〔6.54、7.06ppm(2d、4H、J=10Hz、Ph a、
b)〕。 この結果からVP−BDMSの構造であることが
確認された。かくして得られたVP−BDMSを第
3表に示すアニオン重合開始剤を用いて、THF
中−78℃、1時間の重合条件で重合を行つた後大
量のメタノールでリビングポリマーを処理すると
白色沈殿となつてポリマーが分離される。ポリマ
ーの収量はほゞ定量的であつた。リビング重合系
は少し黒味がかつた赤俊であり、室温でも退色せ
ず安定であつた。 上記重合系を水処理して得られたポリマーは
BDMS保護基が脱離しないで残つており、ベン
ゼン、メタノール、クロロホルムに可溶、ヘキサ
ン、アセトンに不溶であつた。従つて、このポリ
マーについてVPO法により数平均分子量を測定
した。結果を第3表に示す。 処理後のポリマーのNMR分析及びIR分析の結
果を下記に示す。 1H NMR:0.0ppm基準(S、3H、O−Si−
CH3)、0.83ppm(S、9H、Si−C−CH3)、1
〜2ppm(broad、2H、CH2)1〜2ppm
(broad、1H、CH)、6.33ppm(broad、4H、
C6H5) IR:1610cm-1(環内骨格振動)、1395及び1365cm-1
〔C−(CH33〕、1265cm-1(Si−C)、1170cm-1(Si
−O−C)、920cm-1(Si−O−Ar)、846cm-1(Si
−C)、776cm-1(【式】のCH面外変 角) これらの分析の結果から本実施例で得られたポ
リマーは、【式】の構造 式を持つことが明らかである。 BDMS保護基を有するポリマーを2N−HCl水
溶液で処理することにより、保護基が脱離し、
THF、メタノール、アセトンに可溶、ベンゼン、
n−ヘキサン、クロロホルムに不溶のポリp−ビ
ニルフエノール(PVP)が得られた。 PVPのNMR分析及びIR分析の結果、BDMS
保護基に基づく特性吸収は認められず、このポリ
マーが【式】の構造式を持つことが確 認された。 【表】 〔リビングブロツク共重合体の合成〕 〔α−メチルスチレン〕2 4 -・2Na+(0.20mmol)
のTHF溶液にVP−BDMS(8.7mmol)のTHF溶
液を加え、−78℃、1時間の条件で重合した。こ
の暗赤色のリビングポリマー溶液にスチレン
(57.6mmol)を加え、−78℃でさらに1時間重合
した。この重合溶液は依然として赤色を呈してお
り、同溶液をメタノール処理することにより97%
の収率でポリマーが得られた。 該ポリマーのIRからBDMS保護基は保持され
ており、又GPC測定により、元のVP−BDMSの
ホモポリマーから予想されるよりも高分子量域に
単一の溶出曲線が認められた。 得られた共重体の数平均分子量は89000であつ
た。 又、NMR測定の結果から実施例4と同様の計
算方式により求め、ポリスチレンブロツク(87.9
モル%)とポリVP−BDMSブロツク(12.1モル
%)からなるブロツク共重体であることがわかつ
た。 以上の結果より、上記共重合により得られたポ
リマーは(B)−(A)−(B)形〔厳密にはアニオン開始剤
のα−メチルスチレンオリゴマーがあるので(B)−
(A)−(B)−(A)−(B)形〕のリビングブロツク共重体で
あることがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明におけるアニオン重合及びアニ
オンブロツク共重合を行う装置の概略を示す。 1……フラスコ、2,3……アニオン重合開始
剤封入アンプル、4……第一のモノマー封入アン
プル、5……第二のモノマー封入アンプル、6,
7……枝管、8……真空ライン、9……コツク、
10……マグネツト。 第2図及び第3図は、本発明における(共)重
合体のGPCチヤートである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 〔式中、Zは(CH2n・OSiR1R2R3又はN
    (SiR1R2R32を示し、mは0〜6の数、R1、R2
    及びR3は同一又は異なる炭素数1〜6個のアル
    キル基を示す。〕の繰り返し単位(A)と、 一般式 〔式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。〕の
    繰り返し単位(B)との結合を持ち、かつその配列が
    AB、BA、ABA若しくはBABである数平均分子
    量500〜500000の新規リビングブロツク共重合体
    〔但し、(A)/(B)(モル比)=5〜95/95〜5〕。 2 一般式 〔式中、Xは(CH2nOH基又はアミノ基を示
    し、mは0〜6の数を示す。〕で表わされるビニ
    ルモノマー()を式(SiR1R2R3oL〔但し、
    R1、R2及びR3は同一か異なる炭素数1〜6個の
    アルキル基、Lはハロゲン原子又はNH基であ
    り、nはLがハロゲン原子の場合は1であり、
    NH基の場合は2である。〕で表わされる置換シ
    リル基含有化合物と接触させ、得られる 一般式 〔式中、Zは(CH2nO・SiR1R2R3又はN
    (SiR1R2R32、m=0〜6の数、R1、R2及びR3
    は前記と同意義である。〕で表わされる該ビニル
    モノマーの置換シリル基置換体()をアニオン
    重合開始剤の存在下で重合し、得られる 一般式 〔式中、Zは前記と同意義である。〕の繰り返し
    単位からなるリビングポリマーに、 一般式 〔式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。〕で
    表わされるスチレン系化合物()を加えて共重
    合するか又は、スチレン系化合物()をアニオ
    ン重合開始剤の存在下に重合し、得られる 一般式 〔式中、Rは前記と同意義である。〕の繰り返し
    単位(B)からなるリビングポリマーに上記置換体
    ()を加えて共重合することを特徴とする 一般式 〔式中、Zは前記と同意義。〕の繰り返し単位(A)
    と、 一般式 〔式中、Rは前記と同意義。〕の繰り返し単位(B)
    との結合を持ち、かつその配列がAB、BA、
    ABA若しくはBABである数平均分子量500〜
    500000の新規リビングブロツク共重合体〔但し、
    (A)/(B)(モル比)=5〜95/95〜5〕の製造方法。
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