JPS636687B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、海中に没する貯槽及び海面上方に位
置するデツキを有する海洋プラツトホームの接舷
構造に関する。

海底油田から採取した原油を一時貯蔵するた
め、採油やぐら用のプラツトホームと一体に貯槽
を設けたものが使われている。油井位置の海が深
い場合には、貯槽が海中に没するのが普通であ
り、デツキは支柱により海中構造物に支持され
る。従来のこの種のプラツトホームにおいては、
貯槽の保護等のため、鉛を直接接舷させずヘリコ
プターによりデツキと船との間を往復するなどの
方法がとられていた。ヘリコプター利用の場合に
は、プラツトホームにヘリポートが必須となつて
コスト高となるのみならず、ヘリコプターに事故
が生ずると火災発生のおそれもあつた。

また、比較的浅い海底に支持される貯槽の場合
に、貯槽が方形等の角形であれば接舷構造を設け
易いが、貯槽が垂直円筒形である場合には接舷が
困難で不便であつた。

従つて、本発明の目的は従来技術における上記
問題点を解決するにある。この目的を達成するた
め、本発明による海洋プラツトホームの接舷構造
は、その海洋プラツトホームの貯槽をバラスト室
がある二重壁で囲み、その二重壁から接舷柱を海
面まで延在させ、その接舷柱の海面部分に防舷材
を取付けて形成される。

以下添付図を参照して本発明の実施例を説明す
る。第１図及び第２図は、本発明を実施した海洋
プラツトホームの立面図及び平面図であり、第３
図は第２図の線−における縦断面図、第４図
は第３図の線−における横断面図である。図
示された海洋プラツトホーム１０は、外周壁１１
ａが方形である海中構造部分１１、その海中構造
部分１１の頂部から海面上方へ延在する支柱１
２、及びその支柱１２の上端に固着されたデツキ
１３を有する。図中LWLは、低水位面に相当す
る海面を、Ｅは海底を示す。

海中構造部分１１の底面の主要部は二重殻底部
１４によつて構成される。二重殻底部１４は、ベ
ースコンクリート層１４ａ、そのベースコンクリ
ート層へ相互に間隔をおいて固着された複数のプ
レキヤスト部材１４ｂ、及びそのプレキヤスト部
材と一体に固着された内側底壁１４ｃからなる。
この二重殻底部１４は、高い保温性及び遮水性を
有する。

図示例の海洋プラツトホーム１０は４つの貯槽
１５を有し、これらの貯槽１５の側壁１６は二重
殻底部１４の上方に延在する。貯槽１５は、方形
周囲壁１１ａの中心Ｏに関して対称に配置され、
その頂部はプレキヤストドーム等のコンクリート
蓋１７で覆われる。

方形外周壁１１ａとこれらの貯槽１５との間に
は、構造壁１８が外周壁１１ａの各辺と平行に形
成され、海中構造部分１１が補強される。図示例
においては、貯槽１５相互間にも構造壁１８が設
けられる。方形外周壁１１ａの上端と前記コンク
リート蓋１７との間の開放部分をバラスト室蓋１
９で覆う。また、方形外周壁１１ａの下端と前記
二重殻底部１４の周囲との間にバラスト室底壁２
０を形成し、バラスト室２１を画成する。バラス
ト室２１には砂などを詰め、海洋プラツトホーム
１０を海底Ｅ（第１図）に据付ける。上記外周壁
１１ａとこれに平行する構造壁１８とは、貯槽１
５を囲むバラスト室２１がある二重壁を構成して
いる。

第１図及び第２図に示すように、本発明によれ
ば、この外周壁１１ａ及び構造壁１８からなる二
重壁の頂部から２本の接舷柱２２を海面LWL上
まで延在させる。好ましくは、接舷柱２２の上端
は最高海水位においても海面上に突出する。２本
の接舷柱２２に同一平面上にある垂直外側部分２
２ａを設け、各接舷柱２２のこの部分２２ａの海
面と接する位置に防舷材２３を取付ける。図示例
では、この防舷材２３を取付ける面が海中構造部
分の外周壁１１ａの外面と同一平面上にあるが、
船２４（第５図）のいかなる部分も海中構造部分
１１と接触しないようにすることができれば、防
舷材２３の取付け面は必ずしも外周壁１１ａの外
側面と一致しなくてもよい。

第５図に示すように、上記構成を有すぬ接舷構
造によれば、タンカーなどの船２４が直接に海洋
プラツトホーム１０に接舷することができる。好
ましくは、ムアリングブイ２５を海洋プラツトホ
ーム１０に隣接して設け、ロープ２６ａにより船
２４をムアリングブイ２５に係留し、さらにロー
プ２６ｂにより船２４を海洋プラツトホーム１０
のデツキ１３に固定されたロープ止め２７を介し
て海洋プラツトホーム１０へ引き寄せておく。ム
アリングブイ２５は、接舷が予想される船２４の
中心線Ｃと上記ロープ２６ａとの間の角度がほぼ
45゜となる位置に設置するのが好ましく、この場
合には、船２４、海洋プラツトホーム１０、ロー
プ２６ａ，２６ｂ、及びムアリングブイ２５等に
作用する応力の最適調和が得られる。

以上説明した本発明による海洋プラツトホーム
の接舷構造によつて得られる効果を列挙すれば次
の通りである。

(1) 海洋プラツトホームへ船を直接に接舷させる
ことができるので、ヘリポート等の必要がなく
経済的であり、着桟の稼働率が一点係留方式な
どに比べて高い。

(2) ヘリコプターを使用する場合の危険性を避け
ているので安全性が向上し、しかも船とプラツ
トホームとの間の往復が容易になる。

(3) 円形貯槽を有する海洋プラツトホームに対し
て接舷構造を設けることができる。

(4) 貯槽周囲の二重壁をバラスト室壁としても使
用するので、バラストの使用により、貯槽にお
ける油水置換の必要性を除き、油槽における原
油保温を効果的に行なうことができる。

(5) デツキ支柱に対する船の衝突を防止すること
ができる。

(6) 構造が簡単で安価に建造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施した海洋プラツトホーム
の立面図、第２図はその平面図、第３図は第２図
の線−における縦断面図、第４図は第３図の
線−における横断面図、第５図は船の接舷を
示す平面図である。 １０……海洋プラツトホーム、１１ａ……外周
壁、１３……デツキ、１５……貯槽、１８……構
造壁、２１……バラスト室、２２……接舷柱、２
３……防舷材、LWL……海面、Ｅ……海底。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 海中に没する貯槽及び海面上方に位置するデ
   ツキを有する海洋プラツトホームにおいて、その
   貯槽をバラスト室がある二重壁で囲み、その二重
   壁から接舷柱を海面まで延在させ、その接舷柱の
   海面部分に防舷材を取付けてなる海洋プラツトホ
   ームの接舷構造。