JPS6363608B2 - - Google Patents

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JPS6363608B2
JPS6363608B2 JP56106915A JP10691581A JPS6363608B2 JP S6363608 B2 JPS6363608 B2 JP S6363608B2 JP 56106915 A JP56106915 A JP 56106915A JP 10691581 A JP10691581 A JP 10691581A JP S6363608 B2 JPS6363608 B2 JP S6363608B2
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stress corrosion
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C38/00Ferrous alloys, e.g. steel alloys
    • C22C38/18Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium
    • C22C38/40Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel
    • C22C38/44Ferrous alloys, e.g. steel alloys containing chromium with nickel with molybdenum or tungsten
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/10Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of tubular bodies
    • C21D8/105Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of tubular bodies of ferrous alloys
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C19/00Alloys based on nickel or cobalt
    • C22C19/03Alloys based on nickel or cobalt based on nickel
    • C22C19/05Alloys based on nickel or cobalt based on nickel with chromium

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は、優れた耐応力腐食割れ性を有する
高強度油井管の製造法に関するものである。 近年、エネルギー事情の悪化から、油井および
天然ガス井は深井戸化の傾向が著しく、深さ:
6000m以上、なかには深さ:10000m以上の深井
戸が出現している。 また、同様な事情から、湿潤な硫化水素をはじ
め、炭酸ガス塩素イオンなどの腐食性成分を含有
する苛酷な腐食環境下での石油および天然ガスの
採掘が予義なくされつつある。 このような厳しい環境下での石油および天然ガ
スの掘削に伴い、これに使用される油井管にも高
強度、並びに優れた耐食性、特に耐応力腐食割れ
性が要求されるようになつてきている。 油井管の一般的腐食対策として、インヒビタと
呼ばれる腐食抑制剤を投入する方法が知られてい
るが、この方法は、例えば海上油井などには有効
に活用できない場合が多い。 かかる点から、最近では油井管の製造に、ステ
ンレス鋼はじめ、インコロイやハステロイ(いず
れも商品名)といつた高級な耐食性高合金鋼の採
用も検討されはじめているが、いまのところ、こ
れらの合金に関して、H2S―CO2―Cl-の油井環
境での腐食挙動についての詳細は十分に解明され
るに至つておらず、しかも深井戸用油井管に要求
される高強度をもつものではないのが現状であ
る。 そこで、本発明者等は、上述のような観点か
ら、深井戸や苛酷な腐食環境、特にH2S―CO2
Cl-の油井環境下での石油掘削に十分耐え得る高
強度とすぐれた耐応力腐食割れ性とを有する油井
管を製造すべく研究を行なつた結果、 (a) H2S―CO2―Cl-環境下における腐食の主た
るものは応力腐食割れであるが、この場合の応
力腐食割れ態様は、オーステナイトステンレス
鋼における一般的なそれとは挙動を全く異にす
るものであること。すなわち、一般の応力腐食
割れがCl-の存在と深く係わるものであるのに
対して、上記の油井環境によるものではCl-
さることながら、それ以上にH2Sの影響が大き
いこと。 (b) 油井管として実用に供される鋼管は一般に、
強度上の必要から冷間加工が施されるが、冷間
加工は上記応力腐食割れに対する抵抗性を著し
く減少させること。 (c) H2S―CO2―Cl-環境での鋼の溶出速度(腐
食速度)は、Cr、Ni、Mo、およびWの含有量
に依存し、これらの成分からなる表面皮膜によ
つて耐食性が保持され、かつこれらの成分は、
応力腐食割れに対してもその抵抗性を高め、特
にMoはCrに対し10倍の効果を、またMoはW
の2倍の効果をもつており、したがつて、この
MoおよびWが、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧110%、 8%≦Mo(%)+1/2W(%)≦12%、 の条件を満足すると共に、Ni含有量を30〜60
%、Cr含有を15〜30%とすると、冷間加工材
であつても、きわめて腐食性の強いH2S―CO2
―Cl-の油井環境下、特に200℃以上の悪環境に
おいて、応力腐食割れに対して優れた抵抗性を
示す表面皮膜が得られること。 (d) Niについては表面皮膜に対する効果だけで
なく、組織的にも応力腐食割れ抵抗性を高める
効果があること。 (e) 合金成分としてNを0.05〜0.3%の範囲で含
有させると一段と管材強度が向上するようにな
ること。 (f) 不可避不純物としてのS含有量を0.0007%以
下に低減させると、管材の熱間加工性が著しく
改善されるようになること。 (g) 不可避不純物としてのP含有量を0.003%以
下に低減させると、水素割れ感受性が著しく低
下するようになること。 (h) 合金成分としてCu:2%以下およびCo:2
%以下のうちの1種または2種を含有させる
と、耐食性がさらに改善されるようになるこ
と。 (i) 合金成分として、希土類元素:0.10%以下、
Y:0.20%以下、Mg:0.10%以下、Ti:0.5%
以下、およびCa:0.10%以下のうちの1種また
は2種以上を含有させると、熱間加工性がさら
に一段と改善されるようになること。 (j) しかし、所望の高強度を確保するためには、
上記組成の合金を、経験式:260logC(%)+
1300で算出された下限温度(℃)と、同じく経
験式:16Mo(%)+10W(%)+10Cr(%)+777
で算出された上限温度(℃)の間の温度に2時
間以下保持の条件で熱処理して炭化物を完全に
固溶し、かつ固溶化後の合計に10〜60%の肉厚
減少率で冷間加工を施す必要があること。 以上(a)〜(j)に示される知見を得たのである。 したがつて、この発明は上記知見にもとづいて
なされたものであつて、C:0.05%以下、Si:1.0
%以下、Mn:2.0%以下、P:0.030%以下、望
ましくは耐水素割れ性を一段と改善する目的で、
P:0.003%以下、S:0.005%以下、望ましくは
熱間加工性を一段と改善する目的でS:0.0007%
以下、sol.al:0.5%以下、Ni:30〜60%、Cr:
15〜30%を含有し、Mo:12%以下およびW:24
%以下のうちの1種または2種を含有し、さらに
必要に応じて、N:0.05〜0.3%、Cu:2%以下、
Co:2%以下、希土類元素:0.10%以下、Y:
1.20%以下、Mg:0.10%以下、Ti:0.5%以下、
およびCa:0.10%以下のうちの1種または2種以
上を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる
組成(以上重量%、以下%の表示はすべて重量%
を意味する)を有し、かつ、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧110%、 8%≦Mo(%)+1/2W(%)≦12%、 の条件を満足する合金を、260logC(%)+1300で
算出された下限温度(℃)と、16Mo(%)+10W
(%)+10Cr(%)+777で算出された上限温度
(℃)の間の温度に、2時間以下保持の条件で固
溶化処理した後、10〜60%の肉厚減少率で冷間加
工することによつて、耐応力腐食割れ性に優れた
高強度油井管を製造する方法に特徴を有するもの
である。 つぎに、この発明の油井管の製造法において、
成分組成、溶体化処理条件、および冷間加工にお
ける肉厚減少率を上記の通りに限定した理由を以
下に説明する。 A 成分 (a) C C含有量を低くすればするほど炭化物の析
出が抑制されるようになるので、固溶化処理
をより低い温度で実施でき、このことは冷間
加工後の強度上昇により有効に作用するもの
である。したがつて、C含有量はできるだけ
低い方が望ましいが、C含有量が0.05%を越
えると、粒界応力腐食割れが生じやすくなる
ことから、その上限値を0.05%と定めた。 (b) Si Siは脱酸成分として必要な成分であるが、
その含有量が1.0%を越えると熱間加工性が
劣化するようになることから、その上限値を
1.0%と定めた。 (c) Mn Mn成分には、Siと同様に脱酸作用があり、
しかもこの成分は応力腐食割れ性にほとんど
影響を及ぼさない成分であることから、その
上限値を高めの2.0%と定めた。 (d) P 不可避不純物としてのP成分には、その含
有量が0.030%を越えると、応力腐食割れ感
受性を高める作用が現われるので、上限値を
0.030%と定めて応力腐食割れ感受性を位の
状態とする必要がある。また、P含有量を低
減してゆくと、0.003%を境にして急激に耐
水素割れ性が改善されるようになることが判
明しており、かかる点から、特にすぐれた耐
水素割れ性を必要とする場合には、P含有量
を0.0030%以下とするのが望ましい。 (e) S 不可避不純物としてのS成分には、その含
有量が0.005%を越えると、熱間加工性を劣
化させる作用があるので、その上限値を
0.005%と定めて熱間加工性の劣化を防止す
る必要がある。このようにS成分には、含有
量が多くなると熱間加工性を劣化させる作用
があるが、その含有量を低めてゆき、0.0007
%まで低減すると、逆に熱間加工性が一段と
改善されるようになることから、厳しい条件
での熱間加工性を必要とする場合には、S含
有量を0.0007%以下とするのが望ましい。 (f) Al AlはSiおよびMnと同様に脱酸成分として
有効であり、sol.Al含有量で0.5%まで含有さ
せても管材の特性を何らそこなうものではな
いことから、その含有量をsol.Al含有量で0.5
%以下と定めた。 (g) Ni Ni成分には管板の耐応力腐食割れ性を向
上させる作用があるが、その含有量が30%未
満では所望のすぐれた耐応力腐食割れ性を確
保することができず、一方60%を越えて含有
させても耐応力腐食割れ性にさらに一段の向
上効果は現われず、経済性をも考慮して、そ
の含有量を30〜60%と定めた。 (h) Cr Cr成分は、Ni、Mo、およびW成分との共
存において、耐応力腐食割れ性を著しく改善
する成分であるが、その含有量を15%未満と
しても熱間加工性が改善されるようになるも
のではなく、逆に所望の耐応力腐食割れ性を
確保するためには、MoやWの含有量をそれ
だけ増加させなければならず、経済的に不利
となることから、その下限値を15%と定め
た。一方、その含有量が30%を越えると、い
くらS含有量を低減させても熱間加工性の劣
化は避けることができないことから、その上
限値を30%と定めた。 (i) MoおよびW 上記のように、これらの成分には、Niお
よびCrとの共存において耐応力腐食割れ性
を改善する均等的作用があるが、それぞれ
Mo:12%、およびW:24%を越えて含有さ
せても、環境温度が200℃以上のH2S―CO2
―Cl-の腐食環境で、さらに一段の改善効果
が現われず、経済性を考慮して、それぞれの
含有量を、Mo:12%以下、W:24%以下と
定めた。また、MoとWの含有量に関して、
条件式:Mo(%)+1/2W(%)で規定するの は、WがMoに対し原子量が約2倍で、効果
の点では約1/2で均等となることからで、こ の値が8%未満では特に200℃以上の上記悪
環境下で所望の耐応力腐食割れ性が得られ
ず、一方、この値を12%を越えて高くして
も、上記の通り実質的に不必要な量のMoお
よびWの含有となり、経済的でなく、かかる
点から、Mo(%)+1/2W(%)の値を8〜12 %と定めた。 (j) N N成分には固溶強化による強度向上作用が
あるので、特に高強度が要求される場合に必
要に応じて含有されるが、その含有量が0.05
%未満では所望の強度向上効果を得ることが
できず、一方0.3%を越えて含有させると、
溶製および造塊が困難となることから、その
含有量を0.05〜0.3%と定めた。 (k) CuおよびCo これらの成分には管材の耐食性を向上させ
る均等的作用があり、かつCoにはさらに固
溶強化作用があるので、特に一段とすぐれた
耐食性が要求される場合に必要に応じて含有
されるが、Cuが2%を越えると、熱間加工
性が劣化するようになり、一方Coは2%を
越えて含有させてもより一層の改善効果は現
われないことから、その上限値をそれぞれ
Cu:2%、Co:2%と定めた。 (l) 希土類元素、Y、Mg、Ti、およびCa これらの成分には、熱間加工性をさらに改
善する均等的作用があるので、厳しい条件で
熱間加工が行なわれる場合に、必要に応じて
含有されるが、それぞれ希土類元素:0.10
%、Y:0.20%、Mg:0.10%、Ti:0.5%、
およびCa:0.10%を越えて含有させても、熱
間加工性に改善効果は見られず、むしろ劣化
現象さえ現われるようになることから、それ
ぞれの含有量を、希土類元素:0.10%以下、
Y:0.20%以下、Mg:0.10%以下、Ti:0.5
%以下、およびCa:0.10%以下と定めた。 (m) Cr(%)+10Mo(%)+5W(%) 第1図は厳しい腐食環境下での耐応力腐食
割れ性に関し、Cr(%)+10Mo(%)+5W
(%)とNi含有量の関係を示したものであ
る。すなわち、Cr、Ni、Mo、およびWの含
有量を種々変化させたCr―Ni―Mo系、Cr―
Ni―W系、およびCr―Ni―Mo―W系の鋼
を溶製し、鋳造し、鍛伸し、熱間圧延して板
厚:7mmの板材とし、ついでこの板材に、温
度:1000℃に30分保持後水冷の溶体化処理を
施した後、強度向上の目的で加工率:22%の
冷間加工を加え、この結果得られた鋼板から
圧延方向と直角に、厚さ:2mm×幅:10mm×
長さ:75mmの試験片を切り出し、この試験片
について、第2図に示す3点支持ビーム冶具
を用い、前記試験片Sに0.2%耐力に相当す
る引張応力を付加した状態で、10気圧のH2S
および10気圧のCO2でH2SおよびCO2を飽和
させた20%NaCl溶液(温度:300℃)中に
1000時間浸漬の応力腐食割れ試験を行ない、
試験後、前記試験片における割れ発生の有無
を観察した。これらの結果に基き、発明者等
が独自に設定した条件式:Cr(%)+10Mo
(%)+5W(%)とNi含有量との間には、耐
応力腐食割れ性に関して、第1図に示される
関係があることが明確になつたのである。な
お、第1図において、○印は割れ発生なし、
×印は割れ発生をそれぞれ示すものである。
第1図に示される結果から、Cr(%)+10Mo
(%)+5W(%)の値が110%未満にして、Ni
含有量が30%未満では所望のすぐれた耐応力
腐食割れ性は得られないことが明らかであ
る。 なお、この発明の合金において、不可避不純
物としてB、Sn、Pb、およびZnをそれぞれ0.1
%以下の範囲で含有しても、この発明の合金の
特性が何らそこなわれるものではない。 B 固溶化処理条件および冷間加工条件 この発明の油井管における高強度は、合金成
分の含有のほかに、炭化物を完全に固溶化した
後で、冷間加工を施すことによつて確保される
ものである。この場合炭化物の完全固溶化は、
260logC(%)+1300で算出された下限温度
(℃)と、16Mo(%)+10W(%)+10Cr(%)+
777で算出された上限温度(℃)との間の温度
に2時間以下保持することによつてはかられる
が、上記の下限温度の算出式:260logC(%)
および上限温度の算出式:16Mo(%)+10W
(%)+10Cr(%)+777は多数の試験結果にもと
づいて経験的に定めたものであつて、上記の下
限温度未満では、炭化物を完全に固溶すること
ができず、未固溶の炭化物が残存するようにな
つて応力腐食割れ感受性が高なり、一方、固溶
化処理温度が上記の上限温度を越えて高くなつ
たり、保持時間が2時間を越えて長くなつたり
すると、結晶粒が粗大化するようになつて、そ
の後の冷間加工で所望の高強度を得ることはで
きないことから、固溶化処理温度および保持時
間を上記の通りに定めた。 また、この発明では、上記のように固溶化処
理後に冷間加工を施して強度向上をはかるが、
この冷間加工が肉厚減少率で10%未満では所望
の強度を確保することができず、一方同じく肉
厚減少率で60%を越えた冷間加工を施すと、延
性および靭性の劣化が著しくなることから、冷
間加工を肉厚減少率で10〜60%と定めたのであ
る。 以上の成分組成および製造条件を適用すること
によつて0.2%耐力が85Kgf/mm2以上の高強度を
もち、かつ延性および靭性は勿論のこと、耐応力
腐食割れ性に優れた油井管を製造することができ
るのである。 つぎに、この発明の油井管製造法を実施例によ
り比較例と対比しながら具体的に説明する。 実施例 それぞれ第1表に示される成分組成をもつた溶
湯を通常の電気炉、および脱硫とN付加の目的で
Ar―酸素脱炭炉(AOD炉)を併用し、さらに必
要に応じて脱燐の目的でエレクトロスラグ溶解炉
(ESR炉)を使用して溶製した後、直径:500mm
φのインゴツトに鋳造し、ついでこのインゴツト
に温度:1200℃で熱間鍛造を施して直径:150mm
φのビレツトを成形し、この場合熱間加工性を評
価する目的でビレツトに割れの発生があるか否か
を観察し、引続いて前記ビレツトより熱間押出加
工により直径:60mmφ×肉厚:4mmの素管を成形
し、引続いて、同じくそれぞれ第1表に示される
固溶化条件(処理後の冷却はいずれも水冷)およ
び肉厚減少率で、固溶化処理と冷間加工を施すこ
とによつて、本発明合金管材1〜29、比較合金管
材1〜8、および従来合金管材1〜4をそれぞれ
製造した。 なお、比較合金管材1〜8は、構成成分のうち
のいずれかの成分の含有量、あるいは製造条件の
うちのいずれかの条件(第1表に※印を付して表
示)がこの発明の範囲から外れた条件で製造され
たものであり、また従来合金管材は、いずれも公
知の成分組成をもつものであつて、同管材1は、
JIS・SUS316に、同2はJIS・SUS310Sに、同3
はインコロイ800に、同4はJIS・SUS329J1にそ
れぞれ相当する組成をもつものである。 ついで、この結果得られた本発明合金管材1〜
29、比較合金管材1〜8、および従来合金管材1
〜4より長さ:20mmの試験片をそれぞれ切出し、
この試験片より長さ方向にそつて60゜に相当する
部分を切落し、この状態の試験片に第3図に正面
図で示されるようにボルトを貫通し、ナツトでし
めつけて管外表面に0.2%耐力に相当する引張応
力を付加し、この状態の試験片Sに対して、H2S
分圧をそれぞれ0.1気圧、1気圧、および20気圧
としたH2S―10気圧CO2―20%NaCl溶液(液
温:300℃)中に1000時間浸漬の応力腐食割れ試
験を行ない、試験後における応力腐食割れの有無
を調査した。この結果を、上記の熱間鍛造時の割
れ発生の有無、引張試験結果、および
【表】
【表】
【表】
【表】 衝撃試験結果と共に、第2表に合せて示した。な
お、第2表において、○印はいずれも割れ発生の
ないものを示し、一方×印は割れ発生のあつたも
のを示す。 第2表に示される結果から、比較合金管材1〜
8は、熱間加工性、耐応力腐食割れ性、および強
度のうちの少なくともいずれかの性質が劣つたも
のであるのに対して、本発明合金管材1〜29は、
いずれもすぐれた熱間加工性および耐応力腐食割
れ性を有し、さらに高強度を有し、かつ熱間加工
性は良好であるが、相対的に強度が低く、しかも
耐応力腐食割れ性に劣る従来合金管材1〜4と比
較しても一段とすぐれた特性を有することが明ら
かである。 上述のように、この発明の方法によつて製造さ
れた油井管は、特に高強度および優れた耐応力腐
食割れ性を有するので、これらの特性が要求され
る苛酷な環境下での石油並びに天然ガス採掘は勿
論のこと、地熱井管として用いた場合にもきわめ
て優れた性能を発揮するのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は合金の耐応力腐食割れ性に関し、Ni
含有量とCr(%)+10Mo(%)+5W(%)との関係
を示した図、第2図および第3図はそれぞれ板状
および管状試験片に対する応力腐食割れ試験の態
様を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%
    以下、P:0.030%以下、S:0.005%以下、sol.
    Al:0.5%以下、Ni:30〜60%、Cr:15〜30%を
    含有し、Mo:12%以下およびW:24%以下のう
    ちの1種または2種を含有し、残りがFeと不可
    避不純物からなる組成(以上重量%)を有し、か
    つ、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧110%、 8%≦Mo(%)+1/2W(%)≦12%、 の条件を満足する合金を、260logC(%)+1300で
    算出された下限温度(℃)と、16Mo(%)+10W
    (%)+10Cr(%)+777で算出された上限温度
    (℃)の間の温度に、2時間以下保持の条件で固
    溶化処理した後、10〜60%の肉厚減少率で冷間加
    工することを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れ
    た高強度油井管の製造法。 2 C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%
    以下、P:0.030%以下、S:0.005%以下、sol.
    Al:0.5%以下、Ni:30〜60%、Cr:15〜30%を
    含有し、Mo:12%以下およびW:24%以下のう
    ちの1種または2種を含有し、さらにCu:2%
    以下およびCo:2%以下のうちの1種または2
    種を含有し、残りがFeと不可避不純物からなる
    組成(以上重量%)を有し、かつ、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧110%、 8%≦Mo(%)+1/2W(%)≦12%、 の条件を満足する合金を、260logC(%)+1300で
    算出された下限温度(℃)と、16Mo(%)+10W
    (%)+10Cr(%)+777で算出された上限温度
    (℃)の間の温度に、2時間以下保持の条件で固
    溶化処理した後、10〜60%の肉厚減少率で冷間加
    工することを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れ
    た高強度油井管の製造法。 3 C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%
    以下、P:0.030%以下、S:0.005%以下、sol.
    Al:0.5%以下、Ni:30〜60%、Cr:15〜30%を
    含有し、Mo:12%以下およびW:24%以下のう
    ちの1種または2種を含有し、さらに希土類元
    素:0.10%以下、Y:0.20%以下、Mg:0.10%以
    下、Ti:0.5%以下、およびCa:0.10%以下のう
    ちの1種または2種以上を含有し、残りがFeと
    不可避不純物からなる組成(以上重量%)を有
    し、かつ、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧110%、 8%≦Mo(%)+1/2W(%)≦12%、 の条件を満足する合金を、260logC(%)+1300で
    算出された下限温度(℃)と、16Mo(%)+10W
    (%)+10Cr(%)+777で算出された上限温度
    (℃)の間の温度に、2時間以下保持の条件で固
    溶化処理した後、10〜60%の肉厚減少率で冷間加
    工することを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れ
    た高強度油井管の製造法。 4 C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%
    以下、P:0.030%以下、S:0.005%以下、sol.
    Al:0.5%以下、Ni:30〜60%、Cr:15〜30%を
    含有し、Mo:12%以下およびW:24%以下のう
    ちの1種または2種を含有し、さらにCu:2%
    以下およびCo:2%以下のうちの1種または2
    種と、希土類元素:0.10%以下、Y:0.20%以
    下、Mg:0.10%以下、Ti:0.5%以下、および
    Ca:0.10%以下のうちの1種または2種以上を含
    有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成
    (以上重量%)を有し、かつ、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧110%、 8%≦Mo(%)+1/2W(%)≦12%、 の条件を満足する合金を、260logC(%)+1300で
    算出された下限温度(℃)と、16Mo(%)+10W
    (%)+10Cr(%)+777で算出された上限温度
    (℃)の間の温度に、2時間以下保持の条件で固
    溶化処理した後、10〜60%の肉厚減少率で冷間加
    工することを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れ
    た高強度油井管の製造法。 5 C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%
    以下、P:0.030%以下、S:0.005%以下、sol.
    Al:0.5%以下、N:0.05〜0.3%、Ni:30〜60
    %、Cr:15〜30%を含有し、Mo:12%以下およ
    びW:24%以下のうちの1種または2種を含有
    し、残りがFeと不可避不純物からなる組成(以
    上重量%)を有し、かつ、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧110%、 8%≦Mo(%)+1/2W(%)≦12%、 の条件を満足する合金を、260logC(%)+1300で
    算出された下限温度(℃)と、16Mo(%)+10W
    (%)+10Cr(%)+777で算出された上限温度
    (℃)の間の温度に、2時間以下保持の条件で固
    溶化処理した後、10〜60%の肉厚減少率で冷間加
    工することを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れ
    た高強度油井管の製造法。 6 C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%
    以下、P:0.030%以下、S:0.005%以下、sol.
    Al:0.5%以下、N:0.05〜0.3%、Ni:30〜60
    %、Cr:15〜30%を含有し、Mo:12%以下およ
    びW:24%以下のうちの1種または2種を含有
    し、さらにCu:2%以下およびCo:2%以下の
    うちの1種または2種を含有し、残りがFeと不
    可避不純物からなる組成(以上重量%)を有し、
    かつ、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧110%、 8%≦Mo(%)+1/2W(%)≦12%、 の条件を満足する合金を、260logC(%)+1300で
    算出された下限温度(℃)と、16Mo(%)+10W
    (%)+10Cr(%)+777で算出された上限温度
    (℃)の間の温度に、2時間以下保持の条件で固
    溶化処理した後、10〜60%の肉厚減少率で冷間加
    工することを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れ
    た高強度油井管の製造法。 7 C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%
    以下、P:0.030%以下、S:0.005%以下、sol.
    Al:0.5%以下、N:0.05〜0.3%、Ni:30〜60
    %、Cr:15〜30%を含有し、Mo:12%以下およ
    びW:24%以下のうちの1種または2種を含有
    し、さらに希土類元素:0.10%以下、Y:0.20%
    以下、Mg:0.10%以下、Ti:0.5%以下、および
    Ca:0.10%以下のうちの1種または2種以上を含
    有し、残りがFeと不可避不純物からなる組成
    (以上重量%)を有し、かつ、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧110%、 8%≦Mo(%)+1/2W(%)≦12%、 の条件を満足する合金を、260logC(%)+1300で
    算出された下限温度(℃)と、16Mo(%)+10W
    (%)+10Cr(%)+777で算出された上限温度
    (℃)の間の温度に、2時間以下保持の条件で固
    溶化処理した後、10〜60%の肉厚減少率で冷間加
    工することを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れ
    た高強度油井管の製造法。 8 C:0.05%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.0%
    以下、P:0.030%以下、S:0.005%以下、sol.
    Al:0.5%以下、N:0.05〜0.3%、Ni:30〜60
    %、Cr:15〜30%を含有し、Mo:12%以下およ
    びW:24%以下のうちの1種または2種を含有
    し、さらにCu:2%以下およびCo:2%以下の
    うちの1種または2種と、希土類元素:0.10%以
    下、Y:0.20%以下、Mg:0.10%以下、Ti:0.5
    %以下、およびCa:0.10%以下のうちの1種また
    は2種以上とを含有し、残りがFeと不可避不純
    物からなる組成(以上重量%)を有し、かつ、 Cr(%)+10Mo(%)+5W(%)≧110%、 8%≦Mo(%)+1/2W(%)≦12%、 の条件を満足する合金を、260logC(%)+1300で
    算出された下限温度(℃)と、16Mo(%)+10W
    (%)+10Cr(%)+777で算出された上限温度
    (℃)の間の温度に2時間以下保持の条件で固溶
    化処理した後、10〜60%の肉厚減少率で冷間加工
    することを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れた
    高強度油井管の製造法。
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