JPS636063Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、みがき粉、粉せつけん、粉ミルク
等の粉状物、およびお菓子等を入れるための密閉
容器に関し、その目的とするところは開封が容易
な密閉容器を提供することにある。

この考案による密閉容器は、有底筒形容器本体
の頂部開口にプラスチツク製蓋が取付けられ、蓋
が、容器本体の周壁への固定部と、固定部との境
目を中心として上方に開くようになされ、かつ容
器本体の頂部開口に強制嵌合されている固定部と
連なつた開閉部とよりなり、開閉部と対応する位
置において、容器本体の周壁に、その上端から略
Ｕ字状開封用指挿入部形成用破断線が形成され、
開閉部の縁における開封用指挿入部形成用破断線
が形成された箇所と対応する位置に連なつて、破
断線に囲まれた部分とほぼ等しい大きさかまたは
若干小さな破断線押破り用舌片が設けられ、舌片
が破断線に囲まれた部分の外面に貼付けられたも
のである。

上記において、容器本体は、合成樹脂、紙、紙
と合成樹脂との積層材、紙と金属箔との積層材お
よび合成樹脂と金属箔との積層材などからつくら
れる。また、容器本体の形は、有底円筒形および
有底角筒形などである。蓋における開閉部の大き
さは、内容物に合せて適宜変更可能である。破断
線としては、ミシン目、切目溝、破線状切目溝な
どが用いられるが、どのような破断線が用いられ
るかは内容物の種類、性質等を考慮して決められ
る。

この考案による密閉容器は上述のように構成さ
れているので、その開封は、次のようにして行な
われる。すなわち、まず破断線押破り用舌片を外
側から強く押す。すると、舌片の周縁によつて、
破断線に囲まれた部分の破断線に近接した部分が
内側に強く押されることになり、周壁が変形する
ことなく破断線で簡単に破れて指挿入部が形成さ
れる。ついで、指を指挿入部に挿入して蓋の開閉
部を上方に引張り上げることによつて開閉部の強
制嵌合をはずし、開閉部を上方に開くことによつ
て行うことができる。したがつて、開封が容易と
なつて、蓋に開封用把手を設けたり、別途に開封
用具を用意したりする必要はなくなる。しかも、
蓋の形状をすつきりとしたシンプルなものにする
ことができる。また、開封後も開閉部を閉じて頂
部開口に強制嵌合させておけば、再度密閉するこ
とができる。さらに、破断線に囲まれた部分の有
無によつて関封、未開封の確認をすることができ
る。

この考案を、以下図面を参照しながら説明す
る。以下の説明において、前後とは第２図を基準
にし、前とは第２図左側を指し、後とは第２図右
側を指すものとする。また、左右とは後方に向つ
ていうものとする。

密閉容器１は、有底角筒形容器本体２の頂部開
口に長方形状のプラスチツク製蓋３が取付けられ
ているものである。

容器本体２の周壁のうち前壁２ａ上縁部におけ
る左右方向の中央部に、略Ｕ字状の開封用指挿入
部形成用破断線４が設けられている。この破断線
４はミシン目よりなる。蓋３上面の前後方向の中
央部には左右方向に伸びる折目溝５が設けられて
いる。蓋３下面の周縁より若干内側の部分には全
周に渡つて垂下壁６が設けられている。垂下部６
のうち折目溝５よりも前方の部分は、後方の部分
よりも高さが低くなるように形成されている。ま
た、垂下壁６の左右両側部における前後方向の中
央部には下縁から切込み７が入れられており、折
目溝５および切込み７によつて折目溝５を中心と
して蓋３が上方に２つ折されるようになつてい
る。蓋３は、垂下壁６が容器本体２の周壁内面に
密接するように容器本体２の頂部開口に強制嵌合
せしめられ、垂下壁６における切込み７よりも後
側の部分が、容器本体２の周壁のうち左右両側壁
２ｂの後半部および後側壁２ｃの内面に接着剤に
より接着されている。そして、蓋３の折目溝５お
よび切込み７よりも後側の部分が容器本体２への
固定部３ａとされ、前側の部分が開閉部３ｂとさ
れている。開閉部３ｂの前縁における左右方向の
中央部に連なつて、破断線４に囲まれた部分とほ
ぼ等しい大きさの破断線押破り用舌片８が垂下状
に設けられており、破断線４に囲まれた部分の外
面に貼付けられている。

この密閉容器１の開封方法を第３図および第４
図を参照して説明する。まず、第３図に示すよう
に舌片８を外側から内側に向けて指で強く押す。
すると、舌片８の周縁で破断線４に囲まれた部分
の破断線４に近接した部分が内側に強く押される
ことになり、破断線４が簡単に破断する。こうし
て、破断線４に囲まれた部分を破断させてＵ形の
切欠きからなる指挿入部９を形成する。指挿入部
９を形成すると、容器本体２の前壁２ａが左右方
向に若干開くので、開閉部３ｂを容器本体２の開
口からはずし易くなる。ついで指挿入部９に指を
挿入して開閉部３ｂを上方に開く。破断線４に囲
まれていて破断せしめられた破断部１０は、舌片
８に接着されたまま残る。容器本体２内の内容物
を所要量出した後は、開閉部３ｂを閉じて容器本
体２の頂部開口における固定部３ａよりも前方の
部分に嵌合させておく。このとき、指挿入部９
は、破断部１０によつて塞がれる。

第５図には容器本体２の頂部開口への蓋３の取
付方法の変形例が示されている。

第５図において、容器本体２に周壁上縁部は、
内方に折返されて全周にわたつて折返し部１１が
形成されている。また、蓋３の固定部３ａにおけ
る垂下壁６の下縁に外方突出縁１２が設けられて
いる。そして、外方突出縁１２が折返し部１１と
係合することにより、固定部３ａが容器本体２に
固定されている。

第６図ないし第８図には破断線の変形例が示さ
れている。

第６図および第７図に示されている破断線２４
は、容器本体２における前壁２ａ上縁に連なる略
六角形状の切欠きを形成するために設けられたも
のであり、横断面Ｖ字形の１本の切目溝によつて
形成されている。この破断線２４は第８図に示す
ように横断面形であつてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は分解
斜視図、第２図は垂直縦断面図、第３図および第
４図は開封方法を示す斜視図、第５図は蓋の取付
方法の変形例を示す部分断面図、第６図は破断線
の変形例を示す容器本体の部分正面図、第７図は
第６図の−線にそう断面図、第８図は破断線
の他の変形例を示す第７図相当の断面図である。 １……密閉容器、２……容器本体、３……蓋、
３ａ……固定部、３ｂ……開閉部、４，２４……
破断線、８……破断線押破り用舌片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 有底筒形容器本体２の頂部開口にプラスチツク
   製蓋３が取付けられ、蓋３が、容器本体２の周壁
   への固定部３ａと、固定部３ａとの境目を中心と
   して上方に開くようになされ、かつ容器本体２の
   頂部開口に強制嵌合されている固定部３ａと連な
   つた開閉部３ｂとよりなり、開閉部３ｂと対応す
   る位置において、容器本体２の周壁に、その上端
   から略Ｕ字形の開封用指挿入部形成用破断線４，
   ２４が形成され、開閉部３ｂの縁における開封用
   指挿入部形成用破断線４，２４が形成された箇所
   と対応する位置に連なつて、破断線４，２４に囲
   まれた部分とほぼ等しい大きさかまたは若干小さ
   な破断線押破り用舌片８が設けられ、舌片８が破
   断線４，２４に囲まれた部分の外面に貼付けられ
   た密閉容器。