JPS635875Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、ナイロンレジン、ポリエステルレジ
ンなどのプラスチツク原料、化学品原料、薬品原
料のような高度の防湿を必要とする物質、その他
酸素との接触を防ぐ必要のある物質を包装するの
に適する複合材からなる単層防湿重量袋に関する
ものである。

従来の技術 従来の防湿重量袋は、クラフト紙（１〜３層）
および防湿材（クラフト紙にポリエチレンフイル
ムを接合したもの、クラフト紙にアルミニウム
箔、ポリエチレンフイルムを接合したもの、クラ
フト紙にポリ塩化ビニリデン（PVDC）を接合し
たもの、クラフト紙にポリエチレンフイルム、
PVDCを接合したものなど）を同時に製袋する
か、または別個に袋として、多層袋を形成するよ
うにしたものが一般的である。同時に製袋する場
合としては、大別して二方式がある。

その一つは、防湿材を最内層にして縦方向に筒
貼りをし、さらに底を外部からヒートシールした
後、ミシンがけおよびオーバーテープを施す。そ
の二つは、ミシンがけおよびオーバーテープをせ
ずに、ステツプに切つた面を一括して二つに折
り、ホツトメルト樹脂を熱溶融して塗布しヒート
シールして袋の底を形成する、いわゆるピンチ袋
を製造する方式である。

考案が解決しようとする問題点 従来の方式において、二重構造の形式として
は、予め防湿袋または筒を作つておいて、外筒
（通常、クラフト紙１〜３層）の中に入手をもつ
て挿入し、口の部分は多層を口取り紙に接着剤を
塗り片方づつ一まとめに貼り合わせ、内容物を充
填する際に他の層間に入らないようにするか、ま
たは底の部分は、ヒートシールをした後、ミシン
がけおよびオーバーテープを施して底を形成して
いる。このように袋の構造からみて、多くの工程
および人手を必要とする欠点があつた。またピン
チ袋においては、口部、底部の折り曲げた角が鋭
くなり（厚くかつホツトメルト樹脂で接着してい
るので）、内容物を充填した後、他の袋に接触し
た場合、破袋が発生するという欠点があつた。

本考案は上記の欠点を解消するためになされた
ものであり、製造工程数が少なく、コストダウン
を図ることができる防湿重量袋の提供を目的とす
るものである。

問題点を解決するための手段および作用 本考案の複合材からなる単層防湿重量袋は、図
面に示す番号を用いて説明すれば、クラフト紙２
にポリエステルフイルム３、アルミニウム箔４、
延伸ナイロンフイルム５およびポリエチレンフイ
ルム６を順次積層した複合材１を、ポリエチレン
フイルム６が内面となるように袋状に形成したこ
とを特徴としている。

本考案において用いられる複合材は、従来の重
量袋のインナーバツグとして使用されている材料
（ポリエステルフイルムにアルミニウム箔、延伸
ナイロンフイルム、ポリエチレンフイルムを順次
接合したもの）に、印刷された、または後工程で
印刷されるクラフト紙を接着剤またはポリエチレ
ンにて貼り合わせたものである。

クラフト紙としては、JIS1種、２種の通常のク
ラフト紙、ごく微少なしわをつけたクルパツク
紙、デユオストレス紙などの特殊クラフト紙（ク
ラフト伸張紙）が用いられる。クルパツク紙は一
般クラフト紙に比べ縦方向の強度が大きく、デユ
オストレス紙は一般クラフト紙に比べ縦方向およ
び横方向の強度が大きく、クルパツク紙、デユオ
ストレス紙とも重量物を充填しても衝撃に強いと
いう利点を有している。

この複合材をＵ型、Ｔ型、Ｌ型にヒートシール
製袋をし、一方のみを内容物充填用口として、全
部または一部を開放した単層袋とする。この袋に
内容物を充填し、口部をヒートシールして一層袋
として流通させる。

ポリエステルフイルム、アルミニウム箔、延伸
ナイロンフイルムおよびポリエチレンフイルムの
基本的構造により、防湿および内容重量に対する
必要強度は充分であるが、本質的には樹脂が主体
であるため、多少の伸びが予想される。伸びの程
度に応じて、外側に貼り合わせる紙のタイプを、
前述の３タイプのクラフト紙から選定する。

実施例 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第５図において、１は複合材で、一般クラフ
ト紙、クルパツク紙またはデユオストレス紙から
なるクラフト紙２にポリエステルフイルム３、ア
ルミニウム箔４、延伸ナイロンフイルム５および
ポリエチレンフイルム６を順次積層して形成され
ている。具体的には第６図に示すように、ポリエ
ステルフイルム３とアルミニウム箔４とを接着剤
７によりドライラミネートし、アルミニウム箔４
に延伸ナイロンフイルム５を接着剤８によりドラ
イラミネートし、延伸ナイロンフイルム５にポリ
エチレンフイルム６を接着剤９によりドライラミ
ネートし、さらにポリエステルフイルム３にクラ
フト紙２をポリエチレンにより接着する。１０は
ポリエチレン層である。

このようにして形成した複合材１を、製袋機に
よつてポリエチレンフイルム６が内面となるよう
に二つに折り、Ｕ型、Ｔ型、Ｌ型にヒートシール
して第１図、第３図に示すような本考案の重量袋
を完成する。この袋に内容物を充填し、口部をヒ
ートシールして市場に流通させる。１１はヒート
シール部である。

考案の効果 本考案は上記のように構成されているので、従
来型の多層袋に比べて製造工程数が少なくなり、
したがつて製造に要する機械の種類が少なくて済
み、大幅なコストダウンを図ることができる。ま
た強度は実用上、多層袋と同等またはそれ以上で
ある。さらに従来型の多層袋では、内袋が適正に
挿入されているか否かを検査するのに手間を要し
ていたが、本考案の重量袋は単層であるので、内
側は見えなくてもよく、したがつて外観検査のみ
でチエツクでき、品質管理および工程管理が容易
であるなどの効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の袋の一例を示す説明図、第２
図は第１図に示す袋の口部をヒートシールした状
態を示す説明図、第３図は本考案の袋の他の例を
示す説明図、第４図は第３図に示す袋の口部をヒ
ートシールした状態を示す説明図、第５図および
第６図は複合材の一例を示す断面図である。 １……複合材、２……クラフト紙、３……ポリ
エステルフイルム、４……アルミニウム箔、５…
…延伸ナイロンフイルム、６……ポリエチレンフ
イルム、７，８，９……接着剤、１０……ポリエ
チレン層、１１……ヒートシール部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クラフト紙にポリエステルフイルム、アルミニ
   ウム箔、延伸ナイロンフイルムおよびポリエチレ
   ンフイルムを順次積層した複合材を、ポリエチレ
   ンフイルムが内面となるように袋状に形成したこ
   とを特徴とする複合材からなる単層防湿重量袋。