JPS635674B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、流動床式熱交換器に関し、特に、流
動床内で粒状燃料を燃焼させることによつて熱を
発生させるようにした熱交換器に関する。

流動床の使用は、熱を創生する効率的方法とし
て古くから認められている。通常の流動床装置に
おいては、通常高硫黄分の歴青炭のような燃料と
その燃焼により放出される硫黄のための吸収材と
の混合物を包含した粒状物質の床を支持した有孔
板またはグリツドを通して空気が吹込まれる。空
気が床内を吹抜ける結果として、床は沸騰する液
体のように挙動し、燃料の燃焼を促進する。この
ような流動床装置は、大気へ排出される硫黄の量
を相当に減少させることができることの他に、高
い熱伝達率、実質的に均一な床温度、比較的低温
での燃焼、腐蝕およびボイラ付着物の減少、およ
びボイラ寸法の減少を可能にする。

流動床での燃焼プロセスにおいては、石炭およ
び吸収材が、適当な供給器、噴射器などによつて
床内へ連続的に導入され、使用ずみの石炭および
吸収材は、床の下方部分から、通常熱交換器の壁
を貫通して延長した重力ドレン管または有孔板に
穿設した排出開口を通して排出される。しかしな
がら、この種の装置においては、最少限の個数の
床材料供給管が、通常熱交換器の壁を通して設け
られているので、床内の粒状材料の分配および混
合が不十分になり、従つて、材料の滞留時間が不
十分で、反応効率が低下する。この欠点は、最大
限の効率を得るためにはいずれも良好な混合と分
配を必要とする、亜炭のような高反応性の粒状石
炭や、比較的微細な粒子（３mm径以下）の石炭
や、高密度の粒状石炭の場合特に顕著である。反
対に、比較的な粗大粒子の石炭の場合には、粗大
な灰粒子が残留し、それを床から排出させるのが
困難な場合がある。

従つて、本発明の目的は、床内の材料の良好な
混合および分配を比較的安価な簡単な態様で達成
することができるようにした流動床式熱交換器を
提供することである。

本発明の他の目的は、床材料を床内で入口から
ドレン管へ向う方向に循環させ、比較的大きな粒
子がドレン管を通つて流出することなく床内で反
応するのに十分な滞留時間を与えるようにした上
記形式の流動床式熱交換器を提供することにあ
る。

本発明の他の目的は、床材料の所望の方向に循
環させ、そのドレン（排出）を良好にするように
床材料に運動量（はずみ）を与えるように配向さ
れた指向噴出口を有する複数の流動化用空気噴射
ノズルによつて床材料の循環を誘引するようにし
た上記形式の流動床式熱交換器を提供することで
ある。

略述すれば、本発明の熱交換器は、粒状材料の
床を支持するようになされた有孔板と、該床内へ
流動化用空気を噴射するために該有孔板の複数の
孔にそれぞれ挿設された４群のノズルと、該床内
の粒状材料を流動化させるために該ノズルを通し
て空気を導入するための空気導入手段と、粒状材
料を該床へ供給するための材料入口手段と、使用
ずみの床材料を排出するために前記床に連通する
ように前記有孔板の中央に配置されたドレン手段
とから成り、前記４群のノズルは、前記材料入口
手段からドレン手段へ向う方向への床材料の循環
を誘引するために、前記ノズル群のうち２群のノ
ズルは、前記ドレン手段の両側に配置され、互い
に反対向きにドレン手段の方へ向けて空気を噴射
し、他の２群のノズルは、前記２群のノズルの間
に配置され、かつ、ドレン手段の両側に配置され
ており、互いに反対向きにドレン手段の方へ向け
て空気を噴射するようになされていることを特徴
とする。

本発明の上記およびその他の目的ならびに利点
は、添付図を参照して記述する本発明の好ましい
実施例の説明から一層明らかになろう。

第１および２図を参照して説明すると、参照番
号１０は、例えばボイラ、焼燃器、プロセス反応
器などの流動床式熱交換器の大部分を構成する囲
い体を示す。囲い体１０は、前壁１２と後壁１４
と、両側壁１６，１７から成つている。図示の実
施例では、各壁は、各々両側に対向して管の全長
に亘つて延長した細長いフイン２０を慣用の態様
で連結することによつて互いに結合された複数の
平行に配設された垂直延長管１８によつて構成さ
れている。囲い体１０の上方部分は、便宜上図示
されていないが、対流部と、頂壁と、焼燃ガスを
慣用の態様で排出させるための出口から成つてい
ることは周知である。

粒状材料の床２２は、囲い体１０内に収容さ
れ、囲い体の下方部分に水平に延設された有孔板
２４上に支持される。床２２は、例えば、歴青炭
のような燃料の粒子と、燃料の燃焼によつて放出
される硫黄を吸収するための、石炭石のような吸
収材との混合物から成るものとすることができ
る。

有孔板２４の直ぐ下に充気室２６が設けられて
おり、充気室２６には、外部供給源（図示せず）
から該充気室へ１対の空気流ダンパ３０の制御に
より圧縮空気を導入するための入口２８が設けら
れている。

導入ダクト（図示せず）などから粒状石炭を受
取り、床２２の上面上へ供給するための床上配置
の燃料供給管３２が前壁１２と後壁１４を貫通し
てそれぞれ２本づつ設けられている。供給管３２
は、重力排出式のものであつてもよく、あるい
は、スプレツダ型または他の型式のものであつて
もよい。また、床２２上へ吸収材を供給するため
の吸収材供給管（図示せず）を設けることがで
き、吸収材供給管も、燃料供給管３２と同様の構
成とすることができる。

ドレン管５０は中央に配置し、充気室２６内を
貫通して延長させ、ドレン管の入口端部分５０ａ
を有孔板２４に設けた開口を貫通し該開口から僅
かに上方へ突出させる。

第２図にみられるように、ドレン管５０は、壁
１２と１４の中間で、かつ、壁１６と１７の間の
中間、従つて有孔板２４の中央部に位置する。ド
レン管５０は、使用ずみ床材料を受取り、囲い体
１０から重力によりスクリユウ冷却器またはコン
ベヤベルトなど（図示せず）へ排出する役割を果
たす。

複数の空気分配管即ちノズル３６が有孔板２４
の各孔に連通されている。各ノズル３６は、ボル
ト止めや、溶接などの任意の慣用手段によつて有
孔板２４に固定され、有孔板から所定距離だけ上
方へ床２２内へ延長した垂直管部分を有してお
り、その下端は充気室２６から空気を受取る。各
ノズル３６は、ほぼ90゜屈曲して、後述するよう
な方向に向けられた水平延長部分を形成してい
る。これにより、充気室２６からの空気は、ノズ
ル３６の垂直部分に流入し、水平部分から床２２
内へ噴出する。空気は究極的には囲い体１０内を
対流により上昇し、燃焼生成ガスと共に、囲い体
の上方部分の排出口（図示せず）から流出するの
で、ノズルの水平部分より上方に存在する床材料
は流動化される。また、ノズル３６の垂直部分の
周りには粒状材料の停滞層が生じる。この停滞層
は、ノズル３６より上方の熱交換器内に生じる熱
から有孔板２４を隔離する働きをする。

第１および２図に示されるように、ノズル３６
は、４つの群に分けて、いずれもそれらの噴出口
をドレン管５０の方に向けて配置する。詳述すれ
ば、第１群のノズル３６は、前壁１２とドレン管
５０との間に配置し、空気を第１，２図でみて総
体的に左から右方向へドレン管の方へ向けて噴出
するように噴出口の向きを定め、第２群のノズル
３６は、ドレン管５０を挟んで第１群のノズルと
は反対側に、後壁１４とドレン管５０との間に配
置し、空気を総体的に右から左方向へドレン管の
方へ向けて噴出するように配向する。第３群のノ
ズル３６は、側壁１６とドレン管との間で第１群
と第２群のノズルの間に、かつ、第１群及び第２
群のノズルに対して垂直方向に、そして、ドレン
管の方に直接向けて配置する。第４群のノズルは
第３群のノズルとは、ドレン管５０を挟んで反対
側に、側壁１７とドレン管との間で第１群と第２
群のノズルの間に、かつ、第１群及び第２群のノ
ズルに対して垂直方向に、そしてドレン管の方に
直接向けて配置する。

このようなドレン管と、ノズルの配向の結果と
して、床材料に、該材料の第１図に矢印で示され
る方向の循環を誘引する運動量が付与され、床材
料の良好な分配、混合および排出（ドレン）を保
証する。

床の始動に当つて床材料に慣用の態様で最初に
点火するための床点火バーナ３８が有孔板２４の
直ぐ上のところで前壁１２を貫通して装着されて
いる。

１対の水平管寄せ４０が、それぞれ前壁１２を
構成する管１８と、後壁１４を構成する管１８に
接続されており、更に別の水平管寄せ４２が側壁
１６を構成する管１８に接続されている。管寄せ
４０，４２と同様な管寄せ（図示せず）が、側壁
１７の上下両端と、壁１２，１４，１６の上端に
接続されている。かくして、加熱すべき流体は、
壁１２，１４，１６，１７内を通して順次に、ま
たは並列的に慣用の態様で通流せしめられ、流動
床から熱を吸収する。

作動において、充気室２６の入口に設けられて
いるダンパ３０が開放されると、加圧空気が充気
室を通り、各ノズル３６の下方入口端に流入し、
ノズルの垂直部分を通り、水平部分から有孔板２
４の平面より上の平面において床２２内へ噴出す
る。次いで、空気は床２２内をドレン管５０の方
に向つて総体的に上向きに移動する。それによ
り、ノズル３６の直ぐ上にある床２２内の粒状材
料の部分は、床材料供給管３２からの粒状材料の
ドレン管５０の方に向つての循環を誘引させるよ
うな態様に流動化される。ノズルの上端と有孔板
２４の上面との間に存在する床材料の部分は停滞
したままである。

次いで、点火バーナ３８が始動され、床内の材
料を所定の温度に達するまで加熱し、供給管３２
から追加の粒状材料が供給され、必要に応じて吸
収材料が床２２の上面上へ供給される。

床２２が流動化され、所定の高温に達した後
は、点火バーナ３８は不作動にされるが、供給管
３２は粒状燃料を所定の供給割合で床の上面へ分
配し続ける。上述したように、本発明の構成によ
れば、床材料に与えられる運動量によつて誘引さ
れる床材料の良好な循環により粒状材料の混合お
よび分配が得られる。また、有孔板２４の上面と
ノズル３６の水平部分との間に存在する粒状材料
の停滞層が有孔板２４のための断熱層の役割を果
たす。

加熱すべき水などの流体は、管寄せ４０，４２
へ通され、そこから並列的に、あるいは順次に壁
１２，１４，１６，１７の管１８を通して通流せ
しめられ、流動床から熱を吸収した後、更に追加
の処理を受けるために外部の装置へ送られる。

以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、本発明
の精神および範囲から逸脱することなくいろいろ
な改変が可能であることは当業者には明らかであ
ろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の流動床式熱交換器の一実施例
の立断面図、第２図は第１図の熱交換器を、その
床材料を省略して示す縮小平面図である。 １０……囲い体、１２……前壁、１４……後
壁、１６，１７……側壁、１８……管、２４……
有孔板、２６……充気室、２８……入口、３０…
…ダンパ、３２……材料供給管、３６……空気分
配管（ノズル）、５０……ドレン管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 粒状材料の床を支持するようになされた有孔
   板と、該床内へ流動化用空気を噴射するために該
   有孔板の複数の孔にそれぞれ挿設された４群のノ
   ズルと、該床内の粒状材料を流動化させるために
   該ノズルを通して空気を導入するための空気導入
   手段と、粒状材料を該床へ供給するための材料入
   口手段と、使用ずみの床材料を排出するために前
   記床に連通するように前記有孔板の中央に配置さ
   れたドレン手段とから成り、前記４群のノズル
   は、前記材料入口手段からドレン手段へ向う方向
   への床材料の循環を誘引するために、前記ノズル
   群のうち２群のノズルは、前記ドレン手段の両側
   に配置され、互いに反対向きにドレン手段の方へ
   向けて空気を噴射し、他の２群のノズルは、前記
   ２群のノズルの間に配置され、かつ、ドレン手段
   の両側に配置されており、互いに反対向きにドレ
   ン手段の方へ向けて空気を噴射するようになされ
   ていることを特徴とする流動床式熱交換器。