JPS6220477B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、流動床式熱交換器に関し、特に粒状
物質を流動床内で燃焼させることによつて熱を発
生させるようにした熱交換器に関する。

流動床の使用は、熱を発生させる効果的な方法
として古くから認められている。通常の流動床装
置においては、例えば高硫黄分歴青炭のような燃
料と、その石炭の燃焼によつて放出される硫黄を
吸収するための吸収材との混合物を含む物質を支
持する有孔板またはグリツドを通して空気を吸込
む。空気が床を通して吹上げられることにより、
床は沸騰する液体のように流動し、燃料の燃焼を
促進する。この構成の基本的な利点は、熱伝達率
が高いこと、床の温度がほぼ均一であること、燃
焼温度が比較的低いこと、石炭の取扱いが容易で
あること、ボイラーの腐食およびすすの発生が少
いこと、ボイラーのサイズを小さくすることがで
きることなどである。

流動床式燃焼工程においては、石炭と吸収材を
適当な供給装置、または噴射装置によつて床内へ
連続的に導入し、費消された石炭および吸収材
は、床の下方部分から通常重力ドレン管を通して
排出する。ドレン管は、一端を前記有孔板に穿設
した排出開口に整合させ、他端をスクリユウクー
ラ、コンベヤベルト等に連通させてある。しかし
ながら、石炭の粒度が比較的大きい範囲に亘つて
いる場合、石炭の大きい粒子はドレン管の上方区
域へ移動し、不可能ではないにしても、流動化さ
せにくい石炭の稠区域を生じ易い。その結果、石
炭の大きい粒子はドレンされず、ドレン管を詰ま
らせ床の作動効率を大幅に低下させることにな
る。

従つて、本発明の目的は、比較的粒度範囲の広
い物質を使用した場合でも使用ずみ床物質の十分
なドレンが行われるようにした流動床式熱交換器
を提供することである。

本発明の他の目的は、ドレン管入口の直近区域
の床物質を流動化させて、使用ずみ床物質の連続
的ドレンを保証するためにドレン管入口を横切る
ようにして空気を分配するためのノズルを設けた
流動床式熱交換器を提供することである。

略述すれば、本発明の熱交換器は、有孔板によ
つて支持されている粒状物質を流動化させるため
に有孔板の多数の孔を通して空気を吹込むための
手段と、使用ずみ粒状物質を排出するために有孔
板に接続したドレン管を備えており、使用ずみ物
質のドレン管への流入を促進するためにドレン管
の入口を覆つて空気を噴出させる。

本発明の叙上およびその他の目的ならびに利点
は、添付図を参照して記述した以下の記載から一
層明らかになろう。

第１図において、６はボイラー、燃焼器または
プロセス反応器などの流動床式熱交換器の主要部
分を構成する囲い体である。囲い体６は、前壁８
と後壁１０と、両側側壁１２（一方だけが示され
ている）とから成つている。各壁は、複数の平行
に並置した垂直管１４を、その両側に対向して全
長に亘つて突設した複数のフイン１６を相互に連
結することによつて慣用の態様で形成されてい
る。囲い体６の上方部分は、便宜上図示されてい
ないが、対流部分と、屋根と、燃焼生成ガスを排
出させる出口とから成る慣用の構造である。

粒状物質床１８は、囲い体即ち燃焼器またはボ
イラー６内に装入され、ボイラーの下方部分に水
平に延長した有孔板２０上に支持される。床１８
は例えば歴青炭のような燃料粒子と、該燃料の燃
焼によつて放出される硫黄を吸収するための石灰
石のような吸収材との混合物で構成する。

有孔板２０の下側には空気充満室２２が設けら
れており、外部供給源（図示せず）を空気充満室
へ空気を供給するために空気導入管２４が設けら
れ、弁２６によつて空気流を制御するようになさ
れている。弁２６は慣用構造のものであるから、
ここでは詳述しない。装置の始動時に床１８に点
火するための床点火バーナ２８が、有孔板２０の
直ぐ上のところで前壁８を貫通して装着されてい
る。

３つのオーバーヘツド供給器３０，３２，３４
が側壁３２を貫通して装備されている。燃料供給
器３０，３２，３４は、導入ダクトなどから粒状
石炭を受容し、床１８の上面に供給するようにな
されており、重力排出式とすることができ、スプ
レツダ供給管またはそれに類する任意の装置とす
ることができる。供給器３０，３２，３４と同じ
供給器を前壁１８、後壁１０および他方の側壁１
２のどれか１つまたはそれ以上の壁にも装備する
ことができる。また、同様な供給器を、吸収材を
床１８の上に排出するためにも設けることができ
る。

有孔板２０に互いに間隔を置いて穿設された複
数の孔を貫通して空気分配管３６が挿設されてい
る。分配器３６は、例えばボルトまたは溶接によ
つて慣用の態様で板２０に固定された垂直管の形
である。分配器３６は、板２０から粒状物質床１
８内へ所定の長さだけ上方へ延長しており、それ
らの下端は充満室２２から空気を受入れるように
なされている。空気は、分配器３６を通り板２０
から所定の高さのところで流動床内に噴出する。
その結果、以下に述べる目的のために板２０の上
面と分配器３６との間に粒状物質の不活動層が創
生される。

１対の水平ヘツダ４０が前壁８および後壁１０
を構成する管１４に接続されており、別の１対の
水平ヘツダ４２が両側壁１２を構成する管１４に
接続されている。ヘツダ４０，４２と同等なヘツ
ダは壁８，１０，１２の上端にも接続されてい
る。かくして、加熱すべき流体を壁８，１０，１
２の管を直列に、または並列に通して慣用の態様
で流動床からの熱を吸収するようにすることがで
きる。

使用ずみの床物質を排出するためのドレン管４
４は、空気充満室２２を貫通して延長させ、その
入口部分４４ａを有孔板２０に穿設した大径開口
を貫通してそれから僅かに上方に突出させる。こ
の大径開口内には支持リング４６を嵌設し、溶接
などによつて固定する。リング４６は、空気充満
室２２内へ突出させ、環状支持部材４８によつて
ドレン管４４に結合する。ドレン管４４の下方部
分には、後述するように管４４からの物質の排出
を選択的に制御するために慣用の態様で作動する
流れ制御弁４９を設ける。

第２図および３図に示されるように、ドレン管
４４の上端部分の周りに間隔を置いて５つの空気
噴出ノズル５０を配設する。各ノズルは、それぞ
れ有孔板２０の開口を通して延長させボルト／ナ
ツト組立体５２によつて板２０に固定したねじ付
垂直延長部分５０ａを有しており、ノズルの上端
部分をほぼ90゜屈曲させてドレン管４４の上端部
分即ち入口部分４４ａの上に延長する水平延長部
分５０ｂを形成する。第２図に示されるように、
ノズル５０の水平延長部分５０ｂは、ドレン管４
４のほぼ軸線に沿つて延長させるが、ドレン管の
半径方向から僅かに偏倚させる。

ノズル５０は、その下端部分５０ａを通して空
気充満室２２から空気を受取り、ドレン管４４の
上端部分を被つて、第２図に破線で示されるよう
なパターンでドレン管のほぼ中心軸線に向つて噴
出する。

作動において、空気導入管２４に設けた弁２６
が開放され、空気は充満室２２を通つて分配器３
６およびノズル５０の入口端に流入する。空気
は、分配器３６を通つてその出口端から有孔板２
０の平面より上方の平面において床１８内へ噴出
する。かくして、床１８の粒状物質のうち分配器
３６の出口端の直上にある部分は流動化される
が、分配器の出口端と有孔板２０の上面との間に
ある粒状物質部分は不活動即ち停滞したままであ
る。

次いで、点火バーナ２８を点火して床の温度が
所定のレベルに達するまで加熱し、所定の温度レ
ベルに達したならば、供給器３０，３２，３４か
ら粒状物質を供給し、別の供給器（図示せず）か
ら吸収材を必要に応じて床１８の上面に供給す
る。

かくして床１８が流動化されて所定の温度に達
したならば、点火バーナ２８を消し、供給器３
０，３２，３４からは引続き所定の割合で粒状燃
料を床の上面へ供給する。有孔板２０の上面と分
配器３６の出口端との間の粒状物質の不活動層
は、有孔板２０のための断熱材としての役割を果
す。

ノズル５０からドレン管４４の上端を横切るよ
うにして噴出する空気は、ドレン管の周りに堆積
しようとする床物質を流動化させ、大きい粒状物
質がドレン管の入口に詰めるのを防止し、主とし
て灰の形となつた使用ずみ燃料および吸収材がド
レン管４４内へ流入するのを可能にし、それらの
使用ずみ物質を弁４９の制御によりドレン管４４
を通してその出口端部分４４ｂからスクリユウク
ーラ（冷却器）、またはコンベヤベルトへ排出さ
せる。

一方、加熱すべき流体（通常は水）は、ヘツダ
４０，４２へ通され、そこから並列または直列流
れとして各壁８，１０，１２の管１４を通り、そ
の間に流動床から熱を吸収して外部の処理装置へ
送られる。

本発明の上述の構成によれば、比較的大きい粒
子の燃料が存在していても、ドレン管４４の入口
端部分４４ａの直上区域が流動状態に維持される
ので、大きい粒子がドレン管の入口に詰まること
がなく、また、有孔板２０と分配器３６の上端と
の間の区域の粒状物質は不活動状態に保持される
ので、有孔板を床１８内の比較的高い温度から隔
離する働きをする。

以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、本発明
の精神および範囲から逸脱することなく、いろい
ろな変型が可能である。例えば、ノズル５０の数
および配置は所望に応じていろいろに変えること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の流動床式燃焼器の垂直断面
図、第２図は第１図の燃焼器の部分拡大平面図、
第３図は第２図の線３―３に沿つてみた断面図で
ある。 図中、６は囲い体、１８は粒状物質床、２０は
有孔板、２２は空気充満室、３０，３２，３４は
供給器、３６は空気分配器、４４はドレン管、５
０は空気噴出ノズル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 粒状物質の床を支持するようになされた有孔
   板と、該粒状物質を流動化させるために該有孔板
   の複数の孔を通して空気を導入するための手段
   と、前記床へ粒状物質を供給するための供給手段
   と、使用ずみ粒状物質を該床から排出させるため
   に該床に連通されたドレン管と、使用ずみ粒状物
   質が該ドレン管中に流入することを助けるように
   該ドレン管の入口の上方に空気を排出する複数の
   ノズルとを有し、各々の該ノズルは、該有孔板か
   ら上方に延長する第１部分と、該第１部分に対す
   る或る角度に、該ドレン管の該入口の上方に延長
   している第２部分とによつて形成された流動床熱
   交換器。