JPS635535Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスライドフアスナー用のテープ織物の
織組織に関するものであり、特に連続的にプラス
チツク製の務歯をフアスナーテープの補強芯コー
ド織込縁に成型固着した連続ストリンガーから、
所要長のスライドフアスナーを製造する場合に、
スライドフアスナーの上止め、下止め部分に続く
スペース部に相当する範囲の固着務歯の剥脱除去
を行う場合、剥脱外力によつてもテープ組織に大
きな歪の発生を防止することができるテープを得
ることを目的とする。

プラスチツク製の務歯を持つスライドフアスナ
ーは通常テープ織物の一側縁にプラスチツク製の
務歯を列設固設したストリンガーを主要な構成部
材としている。このストリンガーは一側縁の補強
芯コード織込縁部に一定間隔を置いて務歯が連続
的に固設され、定尺のスライドフアスナーを必要
とする時には、所定長の務歯を削除したスペース
部を設けたストリンガーを製造しているが、スラ
イドフアスナーは用途、目的に従つてその長さは
広範囲に変更されるものであるため、通常スペー
ス部を設けることなく務歯を連続的に固設した。
連続ストリンガーを製造し、上止め、下止め部分
に対応したスペース部の固着務歯を切開剥脱し、
スライドフアスナーの最終製品の長さと一致させ
ている。

このフアスナー用テープは、務歯の固着保持を
確実にするため補強芯コードを緯糸により織込ん
で一側縁を大径に形成するとともに、テープ自体
もなるべく強度の高いものとするため、一般に全
体を平織組織とするものが通常であつたが、織物
強度を高めるように密組織にすると基布に対する
ミシン縫付時にパツカリング現象を生じ易く、強
度と縫成条件との妥協点の範囲の組織としていた
のが実情であり、一方特開昭49−70741号公報に
は、スライドフアスナー用テープの務歯取付縁に
沿つて超音波加工によるテープ組織を変形圧密し
た溝部を形成し、該溝部をフライダー側部フラン
ジのガイドとすることが示されるが、該圧密溝部
によつてテープ縁部が補強されるとしても、その
圧密組織によつてフアスナーテープとしての柔軟
性低下は避けられず、テープの折曲げにより該溝
部組織の破損、これに伴うテープ縁部のほつれを
生ずる等の欠点があつた。

本考案はこのテープ組織について検討した結
果、補強芯コード織込縁部はプラスチツク製務歯
の固着強度を上げるため経畦織とし、ついで比較
的細巾の緻密な平織部、広巾のバスケツト織、杉
綾織等の粗組織部、さらに適宜な耳部組織とし
て、スライドフアスナー用テープとしたものであ
る。

従来、スライドフアスナー用テープとして、務
歯固着縁側を経畦織として補強芯コードを織込む
ことは公知であるが、これに続く組織を比較的粗
組織のミシン縫着部としていたため、連続ストリ
ンガーからスペース部形成のための務歯の剥脱を
行うと、元来強固に固着されている務歯の一部に
緯糸が接着して引張られ、スペース部組織の乱れ
を生じ、これがテープの他部分の組織の歪の原因
となり、スライドフアスナーの利用面に悪影響を
与えていた。

この考案は前述の組織とすることにより、従来
のこれらの問題点を解決したものであり、以下図
面に示す実施例により詳しく説明する。

第１図はフアスナーストリンガーの平面図、第
２図はその要部拡大側面図、第３図は本考案のテ
ープの説明的断面図、第４図は第３図で示した各
部の組織の一例を示す拡大平面図である。

ストリンガーはテープ２の芯コード織込縁３に
務歯１を第２図に示すように固設し、このストリ
ンガーにスペース部を形成するには第２図の務歯
１の側面から切り込みを芯コード織込部３縁部に
接近して設け、ペンチ、ヤツトコ等の挾取具によ
り務歯１をテープ２から剥脱する。

本考案のテープ２は第３図、第４図の実施例に
示すように一側縁から他側縁に向かつて芯コード
織込部３、経畦厚織部４、緻密平織部５、粗組織
厚織部６を有し、さらに緻密平織部７、適宜の組
織の縁部９とラツチニードルによるかがり耳部１
０よりなる耳縁部８よりなつている。１１ａは２
本の補強芯コード、１１は経糸、１２は緯糸であ
り、粗組織厚織部６はバスケツト織としている。

第５図〜第８図は上記各部の組織断面の説明図
であり、第５図は第４図における最上段２本の緯
糸１２（第１ピツク）と経糸１１との関係を示
し、第６図はつぎの２本の緯糸（第２ピツク）、
第７図はさらにつぎの２本（第３ピツク）、第８
図は最終の２本（第４ピツク）を示し、これで完
成組織とし、この組織を繰返してテープ２が形成
されている。

本考案のスライドフアスナー用テープは上記の
ように構成されるので異なる組織のそれぞれが極
めて有効に作用し (i) テープの一側縁にプラスチツク製務歯を射出
成形した場合には芯コード織込部３の大径部に
より務歯の横方向への抜けが防止されて務歯と
テーブとの固着強度が増し、経畦厚織部のテー
プ厚により射出成形時に湯漏れを防止し、 (ii) 務歯を除去する際の横方向への緯糸の引きつ
りを緻密平織部で防いでテープの歪をなくし、
更に (iii) バスケツト織または杉綾織の粗組織厚織部で
基布に対する縫着糸条の縫込みによるパツカリ
ングの発生を防止する。

等のフアスナーテープとして好ましい効果を伴
せ持つものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はスライドフアスナーのストリンガーの
平面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線矢視断面図、第
３図は本考案の実施例のテープの説明的断面図、
第４図は部分的に切除した組織平面図、第５図〜
第８図は組織断面の説明図である。 １……務歯、２……テープ、３……芯コード織
込部、４……経畦厚織部、５……緻密平織部、６
……粗組織厚織部、８……耳縁部、１１……経
糸，１１ａ……補強芯コード、１２……緯糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一側縁から他側側に向かつて、芯コードを緯糸
   により織込んで一側縁を大径に形成した芯コード
   織込部３と、経畦厚織部４とから成るエレメント
   取付部と、緻密平織部５と、バスケツト織または
   杉綾織のミシン縫着部である粗組織厚織部６と、
   これについで任意組織の縁部、耳部を緯糸方向に
   順次配設したことを特徴とするスライドフアスナ
   ー用テープ。