JPS6349822Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、検出部の検煙領域と感知器筐体外部
に設定し、検煙領域に到達した煙を迅速に検出す
る散乱光式煙感知器に関する。

従来の散乱光式煙感知器では、周期的に発光す
る発光素子と、発光素子からの発射光と直接入射
しない位置に設けた受光素子とでなる検出部を備
え、検出部の検煙領域を包むように検出部前面に
ラビリンスを配置し、ラビリンスの介在で外部か
らの光を遮断すると共に煙を検煙領域に導入して
煙検出を行なつていた。

しかしながら、このような散乱光式煙感知器に
用いられるラビリンスは、外部からの光が検煙領
域に入射しないように複雑なラビリンス構造を形
成しており、外部からの煙が検煙領域に到達する
までに時間を要することで煙検出に時間遅れを生
じるという問題があつた。

本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもの
で、煙検出の応答性を改善した散乱光式煙感知器
の提供を目的とする。

この目的を達成するため本考案は、発光する発
光素子と、発光素子からの発射光を直接入射しな
い位置に配置した受光素子とでなる検出部を備
え、検出部の検煙領域に到達した煙による散乱光
を受光素子に入射させ、受光素子の受光出力に基
づいて煙検出を行なう散乱光式煙感知器におい
て、発光素子の発射光以外の外部からの光を遮断
するフイルタを検出部と検煙領域を仕切つて検出
部前面に設け、フイルタの略中央には、発光素子
からの発射光がフイルタの内部又は表面により反
射されて遮光する遮光手段を設けるようにしたも
のである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案の一実施例を示す断面図であ
り、第２図に平面図を示す。

まず構成を説明すると、１は感知器筐体であ
り、感知器筐体１の底部には、止め金具２を介し
てプリント基板３を固定している。プリント基板
３の上面には、発光素子４と受光素子５を所定角
度だけ傾けて組み込んだホルダー６が設けられ、
発光素子４と受光素子５は、光軸を斜め上方に向
けて配置され、煙を光学的に検出する検出部を形
成している。プリント基板３の裏面には、回路部
７が設けられ、発光素子４及び受光素子５と電気
的に接続されており、、発光素子４及び受光素子
５に駆動電圧を与えると共に受光素子５の受光出
力に基づいて煙検出信号を出力する。発光素子４
と受光素子５の光軸が交差した空間位置に検煙領
域８を形成している。フイルタ９は検出部前面を
覆つて感知器筐体１に固着されており、フイルタ
９の介在で検煙領域８と検出部とを仕切り、検煙
領域８を感知器筐体１の外部に設定する。フイル
タ９の特性は、発光素子４から発射される光の波
長より短い波長の光を遮断するように選定され
る。１０は遮光手段である遮断板であり、フイル
タ９の略中央にフイルタ９を貫通して設けられ、
発光素子４からの発射光がフイルタ９の内部又は
表面における反射で受光素子５に入射するのを防
止している。そのため、遮断光１０は発光素子４
からの発射光と受光素子５から受光範囲とが最初
に交差する点以上の長さとしてある。

次に作用を説明する。

平常時においては、発光素子４が周期的に発光
し、所定の波長の光を発射している。フイルタ９
の中央部には、フイルタ９を貫通して遮光板１０
が設けられており、フイルタ９の中心部に向かう
発光素子４からの発射光が遮光され、受光素子５
への入射を防ぐことで散乱光式煙感知器の誤動作
を防止する。また、フイルタ９は発光素子４から
発射される所定の波長以上の光を通過させると共
に、発光素子４から発射される所定の波長より短
い波長の光の通過を阻止することで、室内の照明
器具、太陽光等の外部からの光の侵入を防ぎ、ノ
イズの発生を防止する。

また、遮光板１０をフイルタの略中央に貫通し
て設けることにより発光素子４からの発射光のフ
イルタ９の内部又は表面での反射光が受光素子５
に入射するのを防止しているため、平常時におけ
る受光出力が大幅に低減し、火災時における受光
出力とのＳ／Ｎ比が大幅に向上する。

次に、火災時における作用を説明する。

検煙領域８には、発光素子４からの発射光がフ
イルタ９を通過して周期的に到達しており、火災
による煙が検煙領域８を通流すると、発光素子４
からの発射光が煙により散乱され、散乱した光が
再びフイルタ９を通過して受光素子５に入射す
る。このため、受光素子５の受光出力に基づいて
回路部７が煙検出信号を出力し、ブザー等を嗚動
させて警報を行なう。

尚、第１図の実施例では、遮光手段してフイル
タ９の略中央に遮光板１０を貫通固定する貫通孔
を設け、貫通孔に遮光板１０を挿入固着すること
で、発光素子４からの発射光を遮光し、受光素子
５への入射を阻止するように構成したが、他の実
施例として検煙領域８と検出部を仕切るフイルタ
９に開口を設け、この開口は発光素子４からの発
射光がフイルタ９を介して発射される最も受光素
子５側から受光素子５からの受光範囲がフイルタ
９を介して受光する最も発光素子４側までとする
ことにより、受光素子５への入射を充分に阻止す
ることができる。

次に効果を説明する。

発光する発光素子と、発光素子からの発射光を
直接入射しない位置に配置した受光素子とでなる
検出部を備え、検出部の検煙領域に到達した煙に
よる散乱光を受光素子に入射させ、受光素子の受
光出力に基づいて煙検出を行なう散乱光式煙感知
器において、フイルタを検出部と検煙領域を仕切
る検出部前面に設け、フイルタの特性を発光素子
からの所定の波長より短い波長の光を阻止させる
ように選定し、フイルタの略中央に発光素子から
の発射光を遮光する遮光手段を設けたことで複雑
な構造のラビリンスが不要となり、感知器のコス
トを大幅に低減させると共に小型化を図ることが
できる。

また、ラビリンスを除去して検煙領域を感知器
外部に設定したことで、検煙領域に速やかに流入
する煙を迅速に捕え、煙に対する応答性が改善さ
れ、煙検出の検出時間を大幅に短縮させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は第１図の実施例の平面図である。 １：感知器筐体、２：止め金具、３：プリント
基板、４：発光素子、５：受光素子、６：ホルダ
ー、７：回路部、８：検煙領域、９：フイルタ、
１０：遮光板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 発光する発光素子と、該発光素子からの光を直
   接入射しない位置に配置した受光素子とでなる検
   出部を備え、該検出部の検煙領域に到達した煙に
   よる散乱光を受光素子に入射させ、該受光素子の
   受光出力に基づいて煙検出を行なう散乱光式煙感
   知器において、 該発光素子より発射する光の波長より短い波長
   の光を阻止するフイルタを前記検出部と検煙領域
   を仕切つて該検出部前面に設け、該フイルタの略
   中央には、前記発光素子からの発射光が該フイル
   タの内部又は表面で反射するのを遮光する遮光手
   段を設けたことを特徴とする散乱光式煙感知器。