JPS6349734Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は音響探知用送受波器取付構造に関す
し、詳しくは魚群探知器、音響測深器などの送受
波器の取付構造に関する。

従来、魚群探知器、音響測深器の送受波器の取
付位置は専ら船体の船底板内面部とされ、魚群又
は水底探知を行うための超音波の送受信方向は船
体直下方向に向けられるのが通常であつた。

従つて、船舶の進行方向前方部に存在する魚群
あるいは水中障害物の探知は従来の音響探知器で
は不可能であり、特に魚群探知を行う場合には現
在把握している魚群の移動方向の予想が困難であ
るといつた問題があつた。

このような問題を解消するため、船体の船首尾
線方向の前方向へ向け超音波を送受信する送受波
素子を、予め設けられている魚群探知用などの送
受波素子とは別に船底部に水密突出区画を設けて
取付けることが提案されかつ実施されつつある
が、上記突出区画の取付けは、すでに設けられて
いる水底方向への送受波器の妨げとならず、しか
も送受波器の送受信回路に近い場所を選定する必
要があり、その選定は容易でないといつた問題が
あつた。

この考案は上記に鑑み、水平方向並びに垂直方
向の水中探知を行うに必要な超音波送受波素子が
簡単に取付けることができる音響探知用送受波器
取付構造を提供することを目的としてなされたも
のであつて、船底外面の船首尾線方向に沿つてガ
イドレールが取付けられ、該ガイドレールの後端
には、後半部の外面形状が流線形をなす後部水密
ケースが固定され、該後部水密ケースの前端面に
は水中コネクターの一方の接続片が設けられてお
り、一方、上記ガイドレールには上底面にガイド
レールと摺嵌可能なあり溝状の溝を有し、前半部
が流線形とされ後端面が上記後部水密ケースの前
端面と隙間なく合致する面とされ、上記コネクタ
ー片と対応する位置に他方のコネクター片が取付
けられた前部水密ケースが上記ガイドレールに摺
動可能に嵌合されており、上記前部水密ケース内
には垂直下方向及び水平前方向へ超音波を送受信
する素子がモールドされて成ることを特徴とする
ものである。

以下、この考案を実施例によより説明する。

第１図はこの考案の実施例の断面図、第２図は
実施例の分解状態を示す斜視図である。

この考案の音響探知用送受波器取付構造は、船
舶の船底１外面１′の船首尾線方向（矢印Ｘ）に
沿つてガイドレール２が取付けられ、このガイド
レール２の後端２Ａには、後半部３Ａの外面形状
が流線形をなす後部水密ケース３が一体的に固定
され、この後部水密ケース３の前端面３Ｆには増
幅機、表示装置等の機器と接続された水中コネク
ターの一方の接続片４Ａが設けられており、一
方、上記ガイドレール２には、前半部５Ｆが流線
形とされ、後端面５Ａが上記後部水密ケース３の
前端面３Ｆと隙間なく合致する面とされ、上記コ
ネクター片４Ａと対応する位置に他方のコネクタ
ー片４Ｆが取付けられた前部水密ケース５が摺嵌
固着可能に取付けられており、この前部水密ケー
ス５内には前記コネクター片４Ｆと接続された垂
直下方向（矢印Ｙ方向）及び水平前方向（矢印Ｆ
方向）へ超音波を送受信する素子６．６がそれぞ
れ一体的にモールドされて構成されている。

上記ガイドレール２と前部水密ケース５との嵌
合状態は第２図及び第３図に示すように、基板
２′の両側端２Ｂ，２Ｂに嵌合用レール２，２を
設け、一方、前部水密ケース５の上底面５′に第
３図に示すように上記レール２，２と嵌合する凹
溝５Ｃを形成し、これらを嵌合させてスライドさ
せる構成とされ、前部水密ケース５の両側面に取
付けた締付ボルト７，７により固定する構成とさ
れる。

又、前部水密ケース５は、望ましくは全体がウ
レタンゴムなどの海水などに対し、耐腐蝕性を有
する合成樹脂などにより一体成形されて形成され
ている。

この考案は以上のように構成されているから、
船底部に音響探知装置の送受波装置を取付ける場
合、予め水平方向と垂直方向の二方向の送受波器
を内臓した水密ケースを用いるから、従来のよう
に、垂直、水平方向の取付をそれぞれ別手段によ
つていたものに比し作業が非常に簡略化され、し
かも、前半部ケースが着脱可能であるから、他の
目的に使用される送受波器に容易に取替えること
もできるので、汎用性に富み、さらに全体が流線
形とされるから、超音波発信、受信の際の障害と
なる水泡の発生も殆どなく、正確な情報が得られ
るといつた種々の実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の断面図、第２図は
実施例の斜視図、第３図は第２図の−線矢視
断面図である。 １……船底、１′……外面、２……ガイドレー
ル、２Ａ……ガイドレール後端、３……後部水密
ケース、３Ａ……後部水密ケース後半部、３Ｆ…
…後部水密ケース前端面、４Ａ，４Ｆ……コネク
ター接続片、５……前部水密ケース、５Ａ……前
部水密ケース後端面、５Ｆ……前部水密ケース前
半部、６……送受信素子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船底外面の船首尾線方向に沿つてガイドレール
   が取付けられ、該ガイドレールの後端には、後半
   部の外面形状が流線形をなす後部水密ケースが固
   定され、該後部水密ケースの前端面には水中コネ
   クターの一方の接続片が設けられており、一方、
   上記ガイドレールには上底面にガイドレールと摺
   嵌可能なあり溝状の溝を有し、前半部が流線形と
   され後端面が上記後部水密ケースの前端面と隙間
   なく合致する面とされ、上記コネクター片と対応
   する位置に他方のコネクター片が取付けられた前
   部水密ケースが上記ガイドレールに摺動可能に嵌
   合されており、上記前部水密ケース内には垂直下
   方向及び水平前方向へ超音波を送受信する素子が
   モールドされて成ることを特徴とする音響探知用
   送受波器取付構造。