JPS6348591Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えばトイレツトペーパーあるいは
タオルペーパーなどのウエブをロール状に巻回し
てなるウエブロールを製造するためのウエブロー
ル製造装置に関するものである。

（従来技術） 従来のこの種のウエブロール製造装置によつて
製造されるウエブロール（例えばトイレツトペー
パーあるいはタオルペーパーなど）は、第７図に
示すように巻始めから巻終わりまで連続する１枚
ものの連続ウエブW′を巻回して構成されている。

ところが、このような従来のウエブロールで
は、使用の度に連続ウエブW′を使用に適した所
定長さづつ切断しなければならず、そのウエブ切
断作業が面倒となるとともに、切断時にその切断
端縁が直線状にきれいに切れないことがあり、見
映えが悪くなることがあつた。尚、従来から連続
ウエブに予め所定間隔をもつてウエブ切断用のミ
シン目加工を施したウエブロールがあるが、この
ミシン目入りのウエブロールでも使用時には該ミ
シン目部分を切断する作業が必要となるととも
に、使用の度に比較的識別し難いミシン目部分を
探さなければならず、その作業が面倒となつてい
た。

（考案の目的） 本考案は上記した従来のウエブロールの問題点
に鑑み、使用の度に単にウエブを巻きほどくだけ
で一定長さのウエブを順次分離した状態で取出せ
るようにしたウエブロールを製造し得るウエブロ
ール製造装置を提供することを目的とするもので
ある。

（目的を達成するための手段） 本考案は、原反ロールから繰り出される連続ウ
エブを巻き掛けするためのベツドロールと、該ベ
ツドロールの外周面上で前記連続ウエブを順次所
定長さの定尺ウエブに切断するためのウエブ切断
装置と、前記ベツドロール外周面上におけるウエ
ブ切断位置よりウエブ走行方向側であつて前記ベ
ツドロール外周面に近接せしめられ且つ該ベツド
ロール外周面の周速度より遅い周速度でもつてし
かもベツドロールの回転方向に対して逆方向に回
転せしめられるリタードロールと、該リタードロ
ールの外周面に対して近接位置にあつて各長尺ウ
エブをロール状に巻き上げる作用をするウエブ巻
取装置の一部を構成するワインデイングロールを
備え、さらに前記ベツドロールには前記ウエブ切
断装置で切断された定尺ウエブをベツドロール外
周面上に吸着させた状態でウエブ走行方向に前送
するためのバキユーム装置を、前記リタードロー
ルには前記ベツドロール外周面上に吸着されてい
る定尺ウエブをリタードロール外周面上に移乗・
吸着せしめるためのバキユーム装置を、また前記
ワインデイングロールには前記リタードロール外
周面上に移乗・吸着せしめられた定尺ウエブをワ
インデイングロール外周面上に移乗・吸着せしめ
るためのバキユーム装置をそれぞれ具備せしめ
て、前記ベツドロール外周面上で所定長さづつ切
断された定尺ウエブを、順次リタードロール外周
面上において隣接する各定尺ウエブの各端部同士
を相互に所定長さづつ重合させた後、前記ワイン
デイングロール外周面に移乗せしめてウエブ巻取
部において順次ロール状に巻回せしめ得る如く構
成したことを特徴とするものである。

（作用） 本考案のウエブロール製造装置は、原反ロール
から繰出される連続ウエブを、ウエブ切断装置に
よつてベツドロール外周面上で順次所定長さの定
尺ウエブに切断し、その切断された各定尺ウエブ
を、ベツドロール、リタードロール及びワインデ
イングロールにそれぞれ具備せしめたバキユーム
装置で吸着させ、しかもベツドロール外周面の周
速度よりリタードロール外周面の周速度を遅くす
ることにより隣接する各定尺ウエブの各端部同士
を相互に所定寸法づつ重合させた状態でウエブ巻
取部側へ移送して、該ウエブ巻取部において各定
尺ウエブをロール状に巻回せしめ得る如く構成し
ているので、原反ロールから繰り出される連続ウ
エブを順次定尺ウエブづつ切断する工程から、該
定尺ウエブを順次ロール状に巻回するまでの全工
程を連続的に行なうことができるという作用が得
られる。

（実施例） 第１図ないし第６図を参照して本考案のいくつ
かの実施例を説明すると、第１図及び第２図には
本考案第１実施例のウエブロール製造装置Z₁が、
第５図には同第２実施例のウエブロール製造装置
Z₂がそれぞれ示されている。又第３図及び第４図
には第１実施例のウエブロール製造装置Z₁で製造
されたウエブロールY₁が、第６図には第２実施
例のウエブロール製造装置Z₂で製造されたウエブ
ロールY₂がそれぞれ示されている。第１及び第
２実施例の各ウエブロール製造装置Z₁，Z₂は、ト
イレツトペーパーあるいはタオルペーパーなどの
ウエブをロール状に巻回してなるウエブロールを
製造するためのものであり、又第１実施例のウエ
ブロール製造装置Z₁は単葉ウエブ製のウエブロー
ルY₁を、第２実施例のウエブロール製造装置Z₂
は複葉（２枚重ね）ウエブ製のウエブロールY₂
をそれぞれ製造するためのものである。

第１図及び第２図に示す第１実施例のウエブロ
ール製造装置Z₁は、原反ロールＰから繰り出され
る連続ウエブＷを巻掛けするための比較的大径の
ベツドロール１と、該ベツドロール１の近傍に設
置されていて該ベツドロール１の外周面１ａ上に
おいて連続ウエブＷを順次所定長さＭの定尺ウエ
ブＸ，Ｘ…に切断するためのウエブ切断装置５
と、ベツドロール外周面１ａ上におけるウエブ切
断位置（ウエブ切断装置５の設置位置）よりウエ
ブ走行方向側であつて該ベツドロール外周面１ａ
に近接させた位置に設置されたリタードロール２
と、該リタードロール２の外周面２ａに対して近
接位置にあつて各定尺ウエブＸ，Ｘ…を巻芯Ｑの
周りに巻き付ける作用をするウエブ巻取装置３を
備えて構成されている。

原反ロールＰ側の連続ウエブＷはウエブ繰出し
装置２０によつて連続して繰出される。

原反ロールＰから繰出される連続ウエブＷは、
適宜広幅（例えば2000mm）のものが採用されてお
り、このウエブロール製造装置では、該連続ウエ
ブＷのウエブ幅と同じ長さのウエブロールが製造
されるようになつている。尚、このウエブロール
製造装置で製造された長尺のウエブロールは、後
工程において所望の製品寸法づつ切断される。

ウエブ切断装置５は、刃物取付用ロール６の外
面に刃物７を取付けて構成されている。この刃物
取付用ロール６の外周面６ａの周速度はベツドロ
ール１の外周面１ａの周速度と同じに設定されて
いる。又この刃物取付用ロール６の直径は、その
外周長さが製造すべきウエブロールY₁の１枚の
定尺ウエブＸの長さＭ（第３図）に等しくなるよ
うに設定されている。尚、定尺ウエブＸの長さＭ
は、製品の種類に応じて適宜長さに設定される。
又、この実施例では、ベツドロール１の外周長さ
は刃物取付用ロール６の外周長さの３倍に設定さ
れており、しかも該ベツドロール１の外周面１ａ
には刃物７が対応する位置に刃物嵌入用の凹溝
８，８，８（３箇所）が形成されている。従つて
このウエブ切断装置５は、ベツドロール１が１回
転する間に、刃物取付用のロール６が３回転して
合計３回切断作用が行なわれるようになつてい
る。

リタードロール２は、後述するように所定長さ
Ｍづつ切断された各定尺ウエブＸ，Ｘの各端部
Xa，Xb同士を相互に順次所定長さＮづつ重合さ
せるためのものであるが、このリタードロール２
は、ベツドロール外周面１ａ上におけるウエブ切
断装置（ウエブ切断装置５の設置位置）から、ベ
ツドロール回転方向（矢印Ｌ方向）に定尺ウエブ
Ｘの１枚分の長さＭだけ離間した位置に設置され
ている。

ベツドロール１には、ウエブ切断装置５で切断
された定尺ウエブＸをベツドロール外周面１ａ上
に吸着させた状態でウエブ走行方向に前送するた
めのバキユーム装置１１が設けられている。この
バキユーム装置１１は、ベツドロール外周面１ａ
における刃物嵌合用の各凹溝８，８，８の両側近
接位置にそれぞれ１個づつと、同じく該各凹溝
８，８，８間の中間位置にそれぞれ１個づつの合
計９個の吸引穴１１ａ，１１ｂ…１１ｉを、それ
ぞれベツドロール１内からベツドロール外周面１
ａに向けて開口するように設置して構成されてい
る。又、このバキユーム装置１１は、ベツドロー
ル外周面１ａにおける、ウエブ切断装置よりベツ
ドロール回転方向（矢印Ｌ方向）の上手側に適宜
長さだけ離れた位置Ａから、リタードロール２の
設置位置の直前位置Ｂまでの角度範囲α₁内におい
て吸引作用が行なわれ、その他の角度範囲β₁（回
転方向に向けて位置Ｂから位置Ａまでの角度範
囲）内では吸引作用が停止されるようになつてい
る。従つて、ベツドロール外周面１ａに巻掛けさ
れている連続ウエブＷがウエブ切断装置５によつ
て切断されたときに、その切り離された定尺ウエ
ブＸは、その後行側端部Xbと中間部Xcの２箇所
に位置する吸引穴（例えば１１ｂ，１１ｃ）に吸
引作用が行なわれることにより、ベツドロール外
周面１ａから剥がれ落ちることがなくなり、又連
続ウエブＷ側の切断端部も吸引穴（例えば１１
ａ）からの吸引作用によりベツドロール外周面１
ａ上に吸着されて剥がれることがなくなる。尚、
第１図に示すように連続ウエブＷがウエブ切断装
置５によつて切断された時点では、その切り離さ
れた定尺ウエブＸの先行側端部Xaに位置する吸
引穴（例えば１１ｄ）は、吸引作用が停止される
位置Ｂを若干長さだけ過ぎた位置に位置してい
て、吸引作用が停止された直後の状態となり、こ
のときには該定尺ウエブＸの先行側端部Xaはベ
ツドロール外周面１ａに対して自由状態となる。

前記リタードロール２は、ベツドロール外周面
１ａに近接させた状態で該ベツドロール２の回転
方向とは逆方向（矢印Ｒ方向）に回転せしめられ
る。又このリタードロール２は、その外周面２ａ
の周速度がベツドロール外周面１ａの周速度より
適宜速度だけ遅くなるようにその回転速度を設定
するとともに、該リタードロール２の直径（外周
長さ）を、ベツドロール１が１回転する度にリタ
ードロール２も正確に１回転するように設定され
ている。

又、このリタードロール２には、前記ベツドロ
ール外周面１ａ上で切断・吸着されている定尺ウ
エブＸを順次リタードロール外周面２ａ上に移
乗・吸着せしめるためのバキユーム装置１２が設
けられている。このリタードロール２側のバキユ
ーム装置１２は、リタードロール外周面２ａに周
方向に等間隔をもつて３つの吸引穴１２ａ，１２
ｂ，１２ｃを設けて構成されている。又、このリ
タードロール２側のバキユーム装置１２は、該リ
タードロール外周面２ａにおける、ベツドロール
外周面１ａと近接対応する位置の回転方向直前位
置Ｃから、ウエブ巻取装置３のワインデイングロ
ール（後述する）４の外周面４ａが近接対応する
位置の回転方向直前位置Ｄまでの角度範囲α₂内で
吸引作用が行なわれ、その他の角度範囲β₂（回転
方向に向けて位置Ｄから位置Ｃまでの角度範囲）
内では吸引作用が停止されるように設定されてい
る。又このリタードロール側のバキユーム装置１
２の各吸引穴１２ａ〜１２ｃは、ベツドロール側
のバキユーム装置１１における各凹溝８の上手側
（ウエブ走行方向上手側）近接位置に位置する各
吸引穴１１ａ，１１ｄ，１１ｇが順次リタードロ
ール２に近接する位置に差しかかつたときに、両
吸引穴が相互に近接対応する如く位置決めされて
いる。従つてこのウエブロール製造装置Z₁が運転
されると、ベツドロール外周面１ａ上で連続ウエ
ブＷから切り離された定尺ウエブＸの先行側端部
Xaは、ベツドロール外周面１ａに対して自由状
態となり（第１図の状態において符号１１ｄの吸
引穴は吸引停止されている）、他方リタードロー
ル２側の符号１２ａの吸引穴の吸引作用が行なわ
れているために、該ベツドロール外周面１ａ側か
らリタードロール外周面２ａ側にスムーズに移
乗・吸着せしめられるようになる。又、先行側端
部Xaがリタードロール２側に吸着せしめられた
定尺ウエブＸは、ベツドロール外周面１ａとリタ
ードロール外周面２ａとの各周速度の差により、
その中間部Xcが第１図及び第２図に示すように
ベツドロール１とリタードロール２間の側方にお
いてたるむようになり、該リタードロール２側に
移乗せしめられようとしている定尺ウエブＸの先
行側端部Xaが、既に先行してリタードロール２
側に移乗せしめられている定尺ウエブＸの後行側
端部Xbの内側に入り込んで、該各定尺ウエブＸ，
Ｘの各端部Xa，Xb同士が相互に所定長さＮ（定
尺ウエブＸの長さＭの1/3の長さ）だけ重合する
ようになり、各定尺ウエブＸ，Ｘは、各端部同士
が相互に重合された状態で、順次リタードロール
外周面２ａの回転にともなつてウエブ走行方向に
前送されるようになつている。

リタードロール外周面２ａにおける、ベツドロ
ール１の近接位置と後述のワインデイングロール
４の近接位置との間には、リタードロール外周面
２ａに接触する押圧ロール１０が設置されてい
る。この押圧ロール１０は、該押圧ロール外周面
１０ａとリタードロール外周面２ａ間を通過する
各定尺ウエブＸ，Ｘの端部重合部間の空気を排除
して、その重合部の端部Xa，Xb同士を相互に密
着せしめて、両定尺ウエブＸ，Ｘが分離し難くな
るようにするためのものである。

前記ウエブ巻取装置３は、２つのワインデイン
グロール４，１４と、押えロール１５とを備えて
構成されている。２つのワインデイングロール
４，１４のうち、一方のワインデイングロール
（以下、第１のワインデイングロールという）４
は、リタードロール２の直径と同径の直径を有
し、しかも該リタードロール２の外周面２ａの近
接位置において該リタードロール２と等速度で且
つ逆方向（矢印Ｌ方向）に回転せしめられるよう
にされている。他方のワインデイングロール（以
下、第２のワインデイングロールという）１４
は、第１のワインデイングロール４よりかなり小
径のものが使用されており、又、該第２のワイン
デイングロール１４は第１のワインデイングロー
ル４の外周面４ａに近接設置されている。尚この
第２のワインデイングロール１４の外周面は第１
のワインデイングロール４の外周面４ａに対して
その周速度が同じで且つ同方向に回転（矢印Ｌ方
向）せしめられる。この第１、第２の各ワインデ
イングロール４，１４間の上側にウエブ巻取部９
が形成される。押えロール１５はスイングアーム
１６の先端に設けられており、又該押えロール１
５はウエブ巻取部９に対して近接・離間方向に揺
動し得るようになつている。

第１のワインデイングロール４には、リタード
ロール外周面２ａ上に吸着されてウエブ走行方向
に前送されてくる各定尺ウエブＸ，Ｘ…を、その
端部同士を相互に重合させた状態で順次第１のワ
インデイングロール４の外周面4a上に移乗・吸
着せしめるためのバキユーム装置１３が設けられ
ている。このバキユーム装置１３は、第１のワイ
ンデイングロール外周面４ａの周方向に等間隔で
合計６つの吸引穴１３ａ〜１３ｆを設けて構成さ
れている。又、このバキユーム装置１３は、第１
のワインデイングロール外周面４ａにおける、リ
タードロール外周面２ａと近接対応する位置の回
転方向直前位置Ｅからウエブ巻取装置９に対応す
る位置Ｆまでの角度範囲α₃内で吸引作用が行なわ
れ、その他の角度範囲β₃（回転方向に向けて位置
Ｆから位置Ｅまでの角度範囲）内では吸引作用が
停止されるようになつている。又、この第１のワ
インデイングロール４側のバキユーム装置１３の
各吸引穴１３ａ〜１３ｆのうち、１つおきの吸引
穴（例えば１３ａ，１３ｃ，１３ｅ）がリタード
ロール側の各吸引穴１２ａ，１２ｂ，１２ｃにそ
れぞれ同期して対応するように位置決めされてい
る。従つてこのウエブロール製造装置Z₁の運転時
には、リタードロール２と第１のワインデイング
ロール４との近接対応位置においては、リタード
ロール側バキユーム装置１２の吸引穴（例えば第
１図における符号１２ｃの吸引穴）は吸引作用が
停止され、他方第１のワインデイングロール側の
バキユーム装置１３の吸引穴（例えば第１図にお
ける符号１３ａの吸引穴）は吸引作用が行なわれ
ているため、該リタードロール２と第１のワイン
デイングロール４間に差しかかる各定尺ウエブ
Ｘ，Ｘ…の先行側端部Xaは順次第１のワインデ
イングロール外周面４ａ側に移乗・吸着せしめら
れるようになり、各定尺ウエブＸ，Ｘ…は順次ウ
エブ巻取装置９側に移送されるようになる。

ウエブ巻取部９には、原反ロールＰからの連続
ウエブＷの繰出し、及び各ロール、各装置がそれ
ぞれ停止された状態で、順次巻芯Ｑが１本づつ自
動的に供給されるようになつている。尚、巻芯Ｑ
の供給方法は、従来のウエブロール製造装置（た
とえばトイレツトペーパー製造装置）で用いられ
ている方式をそのまま採用することができる。

尚、ウエブ繰出し装置２０、ベツドロール１、
ウエブ切断装置５、リタードロール２、ウエブ巻
取装置３などは、単一のモータ（図示せず）とい
くつかの変速機を使用して駆動されるようになつ
ており、該モータへの通電を制御することによ
り、それらの装置全体を同時に運転あるいは停止
せしめ得るようにしている。

この第１実施例のウエブロール製造装置Z₁は、
運転が開始されると、原反ロールＰから連続ウエ
ブＷが繰出されるとともに、該連続ウエブＷの先
行側端からベツドロール外周面１ａ上においてウ
エブ切断装置５によつて順次所定長さＭの定尺ウ
エブＸづつ切断されるようになる。そしてその所
定長さＭづつ切断された各定尺ウエブＸ，Ｘ…
は、ベツドロール外周面１ａ上に吸着されたまま
ウエブ走行方向へ前送されて、リタードロール近
接位置において該リタードロール外周面２ａ側に
吸着・移乗せしめられるが、そのときベツドロー
ル外周面１ａとリタードロール外周面２ａとの周
速度の差により先行側定尺ウエブＸの後行側端部
Xbの内側に後行側定尺ウエブＸの先行側端部Xa
が入り込み、該先行側及び後行側の両定尺ウエブ
Ｘ，Ｘの各端部Xa，Xb同士が相互に重合せしめ
られるようになる。そして端部同士が相互に重合
せしめられた状態でリタードロール外周面２ａ上
を順次連続状態で移送される各定尺ウエブＸ，Ｘ
…は、順次第１のワインデイングロール４の外周
面４ａ上に移乗・吸着せしめられた後、ウエブ巻
取部９においてその先行側端部から順次巻芯Ｑの
周りに巻付けられるようになる。そのとき、先行
側定尺ウエブＸの後行側端部Xbの内側に後行側
定尺ウエブＸの先行側端部Xaが所定長さＮだけ
重合した状態で入り込んでいる（挟まれている）
ので、各定尺ウエブＸ，Ｘ…が容易に離れること
なく順次連続して巻き付けるられるようになる。
ウエブ巻取部９において、巻芯Ｑの周りに所定枚
数の定尺ウエブＸが巻き付けられたならば（例え
ばカウンターによつて計数する）、その信号を受
けてモータへの通電が制御され、連続ウエブＷの
繰り出し、各ロール、各装置がそれぞれ直ちに停
止せしめられ、ウエブ巻取部９において形成され
たウエブロールが該ウエブ巻取部９から排出され
るとともに、その後にウエブ巻取部９に新しい巻
芯Ｑが供給されるようになる。そして該ウエブ巻
取部９に新しい巻芯Ｑが供給されたならば、その
信号を受けてモータに通電されて、順次上記した
運転が行なわれるようになる。

この第１実施例のウエブロール製造装置Z₁で製
造された長尺のウエブロールは、別工程において
所望の製品寸法づつ切断されて第３図に示すよう
な最終製品形態のウエブロールY₁が形成される。
この第３図に示すウエブロールY₁は、単葉ウエ
ブを巻回して形成したものである。又このウエブ
ロールY₁は、第４図に示すようにウエブロール
支持台２１に装着して使用される。このウエブロ
ールY₁から定尺ウエブＸを取り出すときには、
巻終り端の定尺ウエブＸの巻付後行側端部Xbを
つまんで引き出せば、該定尺ウエブＸが巻きほど
かれて、ウエブロールY₁側から分離されるよう
になる。尚、定尺ウエブＸをウエブロールY₁側
から分離した状態では、ウエブロール側に巻回さ
れている次の定尺ウエブＸの巻付後行側端部Xb
は、各定尺ウエブＸ，Ｘの端部同士を重合させて
いることにより、ウエブロールY₁の前面より所
定長さ（例えば５cm程度）だけ下方に垂れ下がる
ようになり、次の定尺ウエブＸを巻きほどく際の
操作を簡単に行なうことができるようになる。

第５図に示す第２実施例のウエブロール製造装
置Z₂は、上記第１実施例のウエブロール製造装置
と基本的に同構成をもつ左右一対の単葉定尺ウエ
ブ列製造ライン３０，３１の上部に単葉定尺ウエ
ブ列を相互に接合させた状態でロール状に巻き取
るためのウエブ巻取装置３を備えて構成されてい
る。左右一体の単葉定尺ウエブ列製造ライン３
０，３１は、それぞれ第１実施例と同構造のウエ
ブ繰出し装置２０、ベツドロール１、ウエブ切断
装置５、リタードロール２を備えるとともに、該
リタードロール２のウエブ走行方向下手側に各側
の定尺ウエブ列を相互に密着・接合せしめるため
のウエブ巻掛けロール４，３４を備えて構成され
ている。そしてこの各単葉定尺ウエブ列製造ライ
ン３０，３１は、その相互に同種の部材が相互に
対称形に配置されるようにして設置されている。
この実施例では、一方（左側）の単葉定尺ウエブ
列製造ライン３０のウエブ走行方向下手側にウエ
ブ巻取装置３が設けられており、該左側の単葉定
尺ウエブ列製造ライン３０側の前記ウエブ巻掛け
ロール４がワインデイングロールとして作用す
る。

左側の単葉定尺ウエブ列製造ライン３０側のワ
インデイングロール４の外周面４ａと、右側の単
葉定尺ウエブ列製造ライン３１側のウエブ巻掛け
ロール３４の外周面３４ａとは相互に近接又は接
触させた状態で設置されている。又該ワインデイ
ングロール４及びウエブ巻掛けロール３４にはそ
れぞれ合計６箇所の吸引穴をもつバキユーム装置
１３，３５が設けられている。ウエブ巻掛けロー
ル３４側のバキユーム装置３５は、ワインデイン
グロール外周面４ａが近接対応する位置とほぼ同
じ位置Ｈにおいて吸引作用が作動状態から停止さ
れるように設定されている。ワインデイングロー
ル４側のバキユーム装置１３は、ウエブ巻掛けロ
ール外周面３４ａが近接対応する位置を過ぎ、ウ
エブ巻取部９に対応する位置Ｊにおいて吸引作用
が作動状態から停止されるように設定されてい
る。尚、第５図のウエブロール製造装置Z₂におけ
る、各ロール１，２，４，３４に使用されている
各バキユーム装置１１，１２，１３，３５におい
て、符号α₁，α₂，α₃，α₄で示す角度範囲は吸引作
用が行なわれている部分を示し、他方符号β₁，
β₂，β₃，β₄で示す角度範囲は吸引作用が停止され
ている部分を示している。

この第２実施例のウエブロール製造装置Z₂で
は、左右各側の単葉定尺ウエブ列製造ライン３
０，３１でそれぞれ製作される単葉定尺ウエブ列
（各定尺ウエブＸ，Ｘの端部同士が順次相互に所
定長さＮだけ重合している）を、それぞれワイン
デイングロール４の外周面４ａとウエブ巻掛けロ
ール３４の外周面３４ａとの間を通過させて相互
に密着させるとともに、その複葉定尺ウエブ列を
ワインデイングロール４側に導いてその先端側か
らウエブ巻取部９において順次巻芯Ｑの周りに巻
回することにより、第６図に示すような複葉定尺
ウエブからなるウエブロールY₂を製造し得るよ
うになつている。この第６図に示す複葉ウエブか
らなるウエブロールY₂は、その巻付先行側の複
葉定尺ウエブＸの後行側端部Xbの各ウエブで、
巻付後行側の複葉定尺ウエブＸの先行側端部
Xa′を所定長さＮだけ重合させた状態でその両側
から挟むようにして順次連続されている。この複
葉式のウエブロールY₂も前記単葉式のウエブロ
ールY₁（第３図、第４図）と同様な作用をする。

（考案の効果） 本考案のウエブロール製造装置は、原反ロール
Ｐから繰出される連続ウエブＷを順次所定長さＭ
の定尺ウエブＸ，Ｘ…づつ切断する工程、該各定
尺ウエブＸ，Ｘの端部同士を相互に所定長さＮづ
つ重合させる工程、及びその端部同士を相互に重
合させた各定尺ウエブＸ，Ｘ…をロール状に巻き
上げる工程などの（定尺ウエブＸ，Ｘ…を順次巻
回してなる）ウエブロールを製造するための全工
程を連続的に行なうことができる効果がある。な
お、このウエブロール製造装置で製造されたウエ
ブロールY₁，Y₂からウエブを取出す際には、そ
の表面側（巻終り端）のウエブを単にウエブロー
ルから巻ほどくだけで、何らウエブ切断操作を行
なうことなく所定長さＭのウエブを分離して取出
すことができ、そのウエブ取出し作用が簡単に行
なえるようになり、しかも取出した定尺ウエブの
端縁は直線状にきれいに揃つており、見映えが良
好になるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例にかかるウエブロ
ール製造装置の概示図、第２図は第１図の状態変
化図、第３図は第１図のウエブロール製造装置で
製造されるウエブロールの斜視図、第４図は第３
図のウエブロールの使用状態を示す斜視図、第５
図は本考案の第２実施例にかかるウエブロール製
造装置の概示図、第６図は第５図のウエブロール
製造装置で製造されるウエブロールの斜視図、第
７図は従来のウエブロールの斜視図である。 １……ベツドロール、１ａ……外周面、２……
リタードロール、２ａ……外周面、３……ウエブ
巻取装置、４……ワインデイングロール、４ａ…
…外周面、５……ウエブ切断装置、１１，１２，
１３……バキユーム装置、Ｐ……原反ロール、Ｑ
……巻芯、Ｗ……連続ウエブ、Ｘ……定尺ウエ
ブ、Xa，Xb……端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 原反ロールＰから繰り出される連続ウエブＷを
   巻き掛けするためのベツドロール１と、該ベツド
   ロール１の外周面１ａ上で前記連続ウエブＷを順
   次所定長さＬの定尺ウエブＸ，Ｘ…に切断するた
   めのウエブ切断装置５と、前記ベツドロール外周
   面１ａ上におけるウエブ切断位置よりウエブ走行
   方向側であつて前記ベツドロール外周面１ａに近
   接せしめられ且つ該ベツドロール外周面１ａの周
   速度より遅い周速度でもつてしかもベツドロール
   の回転方向に対して逆方向に回転せしめられるリ
   タードロール２と、該リタードロール２の外周面
   ２ａに対して近接位置にあつて各定尺ウエブＸ，
   Ｘ…をロール状に巻き上げる作用をするウエブ巻
   取装置３の一部を構成するワインデイングロール
   ４を備え、さらに前記ベツドロール１には前記ウ
   エブ切断装置５で切断された定尺ウエブＸをベツ
   ドロール外周面１ａ上に吸着させた状態でウエブ
   走行方向に前送するためのバキユーム装置１１
   を、前記リタードロール２には前記ベツドロール
   外周面１ａ上に吸着されている定尺ウエブＸをリ
   タードロール外周面２ａ上に移乗・吸着せしめる
   ためのバキユーム装置１２を、また前記ワインデ
   イングロール４には前記リタードロール外周面２
   ａ上に移乗・吸着せしめられた定尺ウエブＸをワ
   インデイングロール外周面４ａ上に移乗・吸着せ
   しめるためのバキユーム装置１３をそれぞれ具備
   せしめて、前記ベツドロール外周面１ａ上で所定
   長さＭづつ切断された定尺ウエブＸ，Ｘ…を、順
   次リタードロール外周面２ａ上において隣接する
   各定尺ウエブＸ，Ｘの端部Xa，Xb同士を相互に
   所定長さＮづつ重合させた後、前記ワインデイン
   グロール外周面４ａに移乗せしめてウエブ巻取部
   ９において順次にロール状に巻回せしめ得る如く
   構成したことを特徴とするウエブロール製造装
   置。