JPS6347461B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はコンタクトレンズ等の消毒装置に関す
る。

従来の技術 目の感染の可能性を防止又は減少するために、
軟質コンタクトレンズは周期的に消毒作用を行な
う必要がある。このために、レンズは消毒装置内
で十分な温度に加熱し所定時間だけ保持する。多
くの消毒装置の設計はレンズを急速に加熱する設
計であるが、この装置の欠点として、高温短時間
消毒法はレンズの品質を低下する傾向がある。実
際上、好適な消毒手順は低温と長い時間とを使用
することにあり、温度範囲として60〜80℃とした
消毒サイクルが推奨される。

発明の解決すべき問題点 本発明によつてコンタクトレンズ消毒装置を提
供し、消毒のために使用する塩溶液の温度を制御
してレンズの透明性を害さないようにする。

本発明による消毒装置にヒーター素子として正
の温度係数（PTC）サーミスタを使用する。こ
の型式のヒーターの電気抵抗は所定温度以上の上
昇によつて増加し、ヒーターの作動最大温度を制
限する。この所定温度とは小さな温度上昇によつ
て抵抗が急激に増加し始める温度であり、サーミ
スタのスイツチ温度と称する。サーミスタのヒー
ターは小さな温度変化で著しく大きな抵抗変化を
生ずる部分を有する。この型式のサーミスタは既
知であり、市販されているため詳細な説明は省略
する。

問題点を解決するための手段 本発明によるコンタクトレンズ消毒装置は、コ
ンタクトレンズとある量の消毒溶液を収容するウ
エルを両端に形成し両端に開口するケーシングを
備え、各ウエルはケーシング端面に開口し、各ウ
エル開口を覆う取外可能のカバー装置を備え、各
ウエルは上記端面の反対側に端壁を有し、上記ウ
エル外のケーシング内に２個の金属製ヒートシン
ク素子を備え、各ヒートシンク素子は端壁外面に
密に面接触する面を有し、両ヒートシンク素子間
に設けて両側のヒートシンク素子に熱を供給する
電気加熱装置を備え、上記加熱装置は所定温度以
上の温度上昇に際して抵抗が増加して加熱装置の
最大作動温度を制限する形式とし、加熱装置の両
側で加熱装置に電気回路形成関係となる電気接点
と、両電気接点間の絶縁部材と、両接点に接続し
てケーシング外に延長し電源に接続する電気導線
とを備える。

好適な実施例によつて、各ウエルは球面の弧状
端壁を有し、夫々の金属製ヒートシンク素子は相
補形の面として端壁外面に接触し加熱装置からウ
エルへの熱伝達を良くする。

作 用 本発明による消毒装置はコンタクトレンズのウ
エルを同一軸線上に背中合せに設けてヒーターを
中間に設け、ヒートシンクはレンズウエルと共働
してヒーターからレンズウエルに、ウエル内の消
毒溶液に高い熱伝達率となる。

本発明による消毒装置は比較的小型で安価に製
造でき、財布内又は上衣のポケツトに容易に収容
し、持運ぶことができる。

実施例 図は本発明によるコンタクトレンズ消毒装置を
示し、ケーシング２は差込結合するケーシング部
４，６を組立てゝ形成する。夫々のケーシング部
４，６にレンズウエル８，１０を形成し、組立て
ユニツトでは両レンズウエルは互に同一軸線で、
反対向きであり、中間にスペースを形成する。各
レンズウエルの第２図に示す端壁１２は球面の凸
面の外面１３を形成する。ウエル壁１２，１２の
間にケーシング部４，６を組立てる外側フランジ
部１４，１６と共働してケーシング２内にスペー
ス１５を形成する。レンズウエル８，１０は反対
方向に開口し、外周壁１８，１８の外面にねじを
切つて取外可能の閉鎖キヤツプ２０，２０をねじ
こむ。一方のケーシング部４に半径方向のフラン
ジ又はリブ２４を設け、加熱したケーシングを保
持するハンドルとなり、又はケーシング２にラベ
ルを貼る場所となる。

端壁１２，１２の間のスペース１５内にヒータ
ー装置２２を取付ける。ヒーター装置２２には
PTCヒーター２６を有する。PTCヒーター２６
はほぼ円筒形であり、端壁１２，１２に同一軸線
とする。通常の通り、ヒーター２６の両端はヒー
ター２６に電気接続を行なう接点を形成する。図
示の例ではヒーター２６の両端に金属円板接点２
８，２８をヒーター両端と同一平面とする。接点
２８，２８はほゞ円形であり、耳３０は電源導線
３４，３４の端部のスペード端子３２，３２に接
触する。導線３４は所要の電源に接続する。

接点２８，２８に接触し端壁面１３との間に伝
熱性の高い材料例えばアルミニウムのヒートシン
ク３６，３６を設ける。各ヒートシンク３６，３
６の平な面は接点２８，２８に面接触し、反対面
３８，３８は凹球面として端壁１２の外面１３に
相補面として接触する。この構成によつて、ヒー
ター２６からの熱は円板２８、ヒートシンク３
６、壁１２を経てレンズウエル８，１０に伝達さ
れる。

スペース１５内に絶縁部材４０を置く。絶縁部
材４０にはPTCヒーター２８を通す中央開口４
２と、半径方向のフランジ４１と、開口４２を囲
む軸線方向のフランジ４４，４６とを設け、フラ
ンジ４４，４６の間からスペード端子３２に接続
する耳部３０が突出する。ケーシング部４に環状
壁４３を設けて一方のヒートシンク３６と接点２
８の耳部３０とを係合させる。フランジ４１，４
４，４６環状壁４３は耳部３０と導線３４，３４
の端子３２とをPTCヒーター２６から絶縁して
短絡を防ぐと共に対向した接点２８，２８間の短
絡を防ぐ。電源導線３４，３４自体は絶縁被覆さ
れ、電源コード３５の一部であり、ケーシング部
４，６の形成する開口４８から突出する。

第５図に示す通り、装置の回路には温度遮断器
５０を有し、ヒーター装置２２が過熱した時に回
路を遮断する。

使用に際して、ウエル８，１０内に消毒溶液を
充填し、コンタクトレンズをウエル内に入れる。
環状壁１８，１８にキヤツプ２０をねじこむ。ヒ
ーター２６を作動して消毒溶液の温度を60〜80℃
に上げる。この温度を所要の長時間保持して所要
の消毒を行なう。

本発明は種々の変形が可能であり、実施例並び
に図面は例示であつて発明を限定するものではな
い。

発明の効果 本発明によるコンタクトレンズ消毒装置は反対
方向に開口する２個のウエルを有し、中間に正温
度係数サーミスタをヒーターとして置き、ヒータ
ーと両側のウエルとの熱的接触を良くする。消毒
装置は極めて小型となり、加熱効率は高く、比較
的低温で長時間加熱ができ、コンタクトレンズの
高温による品質劣化は生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるコンタクトレンズ消毒装
置の一部展開図とした斜視図、第２図は消毒装置
の拡大縦断面図、第３図は第２図の３−３線に沿
う断面図、第４図は展開図である。第５図は、消
毒装置に用いられる回路の一部の配置図である。 ２……ケーシング、４，６……ケーシング部、
８，１０……レンズウエル、１２……端壁、１５
……スペース、２０……キヤツプ、２２……ヒー
ター装置、２６……PTCヒーター、２８……円
板接点、３０……耳、３２……端子、３６……ヒ
ートシンク、４０……絶縁部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンタクトレンズ消毒装置であつて、コンタ
   クトレンズとある量の消毒溶液とを収容するウエ
   ルを両端に設けたケーシングを備え、各ウエルは
   ケーシングの端面に開口させ、ウエル開口を覆つ
   てケーシングに取付ける取外可能のカバー装置を
   備え、各ウエルは上記端面とは反対側を曲面へ端
   壁とし；上記ウエルの外側で上記端壁外面に接触
   する面を有する金属のヒートシンク素子と、両ヒ
   ートシンク素子の間でヒートシンク素子に熱を供
   給する電気加熱装置とを備え、上記加熱装置は温
   度の所定温度以上の上昇に際して電気抵抗を増加
   して最大作動温度を制限する型式とし；加熱装置
   に電気回路形成関係に接続し加熱装置とケーシン
   グ外の電源との間に接続する電源導線を備え、上
   記端壁外面と接触するヒートシンク面とは相補形
   としてヒートシンク素子と端壁との間の面接触を
   良くすることを特徴とするコンタクトレンズ消毒
   装置。 ２ 前記端壁外面とヒートシンク素子面とはほゞ
   球面とする特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ 前記端壁をほゞ球形とする特許請求の範囲第
   ２項記載の装置。 ４ 前記ヒートシンク素子を導電性とし両ヒート
   シンク素子間に絶縁材を設ける特許請求の範囲第
   １項記載の装置。 ５ コンタクトレンズ消毒装置であつて、コンタ
   クトレンズとある量の消毒溶液を収容するウエル
   を両端に形成し両端に開口するケーシングを備
   え、各ウエルはケーシング端面に開口し、各ウエ
   ル開口を覆う取外可能のカバー装置を備え、各ウ
   エルは上記端面の反対側に端壁を有し、上記ウエ
   ル外のケーシング内に２個の金属製ヒートシンク
   素子を備え、各ヒートシンク素子は端壁外面と密
   に面接触する面を有し、両ヒートシンク素子間に
   設けて両側のヒートシンク素子に熱を供給する電
   気加熱装置を備え、上記加熱装置は所定温度以上
   の温度上昇に際して抵抗が増加して加熱装置の最
   大作動温度を制限する形式とし、加熱装置の両側
   で加熱装置と電気回路形成関係となる電気接点
   と、両電気接点間の絶縁部材と、両接点に接続し
   てケーシング外に延長し電源に接続する電源導線
   とを備えることを特徴とするコンタクトレンズ消
   毒装置。 ６ コンタクトレンズ消毒装置であつて、両端の
   ２個のウエルと両端側の開口とを有しコンタクト
   レンズとある量の消毒溶液を夫々収容するケーシ
   ングと、夫々のウエル開口を覆う取外可能のカバ
   ー装置とを備え、各ウエルは端壁を有し、端壁は
   ウエルに向いた凹面の球面を有し、両ウエル間に
   内部スペースを形成し；上記スペース内のヒータ
   ー組立体を備え、ヒーター組立体には夫々の端壁
   外面に密に面接触する凹球面を有する金属製ヒー
   トシンク素子と、両ヒートシンク素子間でヒート
   シンク素子に面接触し両側のヒートシンク素子を
   経てウエルに熱を供給する電気ヒーター装置とを
   備えることを特徴とするコンタクトレンズ消毒装
   置。 ７ 前記電気ヒーター装置は所定温度に達した時
   に急激に電気抵抗が増加してヒーター組立体の最
   大作動温度を制限する型式とする特許請求の範囲
   第６項記載の装置。 ８ 前記ヒーター組立体には電気ヒーター装置の
   両側でヒーター装置を電気回路形成関係となる円
   板型接点を備え、上記円板型接点は電気ヒーター
   装置と金属製ヒートシンク素子との間に介挿する
   特許請求の範囲第７項記載の装置。 ９ 前記円板型接点には端子を含み、端子に接続
   してケーシング外に延長する電源導線を備える特
   許請求の範囲第８項記載の装置。 １０ 前記ケーシング内に設けた絶縁装置を備
   え、上記絶縁装置には電気ヒーター装置を収容す
   る開口と、円板型接点と端子と電源導線の組相互
   間を絶縁するフランジ装置とを備える特許請求の
   範囲第９項記載の装置。