JPS6346220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は各種の孔の内周面を精度良く研削加工
することができる内面研削装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 内面研削装置は回転砥石を先端部に備えた単一
の回転軸を主軸台上に設け、被加工物を回転させ
ながら主軸台を被研削孔の長手方向に移動させつ
つ被研削孔の内周面を研削加工するものである
が、被研削孔に対する回転砥石の相対位置は専ら
回転軸の剛性によつて維持されているため回転砥
石が研削抵抗により研削面から逃げることを防止
することが困難であり、外面研削装置に比較して
高い寸法精度が得られない欠点があつた。

（考案が解決しようとする課題） 本考案はこのような従来の欠点を解決して極め
て高い寸法精度を得ることができる内面研削装置
を目的として完成されたものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は被研削孔の内周面にそれぞれ内接する
回転砥石を先端部に備えた回転軸の複数本を主軸
台に互いに平行に取付けるとともに、これらの回
転軸の中央部に挿入された支持棒の先端には各回
転軸の先端部付近と係合して各回転軸を相互に外
方へ押圧拡開する拡開部材を設けたことを特徴と
するものであり、以下、図示の実施例について詳
細に説明する。

（実施例） １は主軸台、２は該主軸台１上に互いに平行に
取付けられた複数本の回転軸であつて、各回転軸
２の基部はスピンドル部３を介して主軸台１に支
持されており、各回転軸２の先端部には回転砥石
４が固定されて各回転砥石４は第２図に示される
ように被加工物１０の被研削孔１１の内周面にそ
れぞれ内接するよう配置されている。そして、こ
れらの回転軸２の先端方部には各回転軸４を外方
へ押圧拡開する拡開部材５が設けられている。該
拡開部材５は複数の回転軸２の中央部に回転軸２
と平行に突出させた支持棒６の先端に設けられる
ものであり、支持棒６の管路７を介して供給され
る油圧により突出する複数本の腕８を備えてい
る。各腕８の先端は回転軸２の先端部付近と係合
しているので、管路７の油圧を適宜の圧力制御ユ
ニツトにより制御すれば各回転軸２は相互に外方
へ押圧拡開され、同時に各回転砥石４は所定の圧
力で被研削孔１１の内周面に押圧されることとな
る。なお、拡開部材５は油圧式に限定されるもの
ではなく、空気圧式、機械式、電磁力式等の種々
の機構を採ることもできるが、拡開部材５は被加
工物１０の被研削孔１１と直接接することはな
い。

（作用） このように構成されたものは、被加工物１０を
常法によりセツトしたうえで主軸台１を被加工物
１０の方向へ移動させ、主軸台１に互いに平行に
取付けられた複数本の回転軸２を被研削孔１１の
内部へ挿入して各回転軸２の先端部に備えられた
回転砥石４を被研削孔１１の内周面に内接させる
とともに、これらの回転軸２の中央部に挿入され
た支持棒６の先端に設けられた拡開部材５の複数
本の腕８により各回転軸２を相互に外方へ押圧拡
開すれば、各回転砥石４は所定の圧力で被研削孔
１１の内周面に押圧されつつ能率良く内面研削を
行うこととなる。この間、各回転軸２は先端部付
近を拡開部材５の腕８により支持されているため
仮に回転軸２が細長く剛性が小さい場合にも回転
砥石４が研削抵抗により研削面から逃げることが
なく、極めて寸法精度の高い内面研削加工を行う
ことができる。なお、回転軸２及び回転砥石４の
数は２又は３とするのが好ましい。また各回転軸
２には作用・反作用の原理によつて均等な押圧力
を与えることができるので、被研削孔１１の内周
面を均一に内面研削することができる。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、孔
の内周面を極めて高い寸法精度で研削加工するこ
とができるものであり、従来の内面研削装置の欠
点を解決したものとして実用的価値は大なもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す要部の一部切欠
正面図、第２図は同じく第１図のＡ−Ａ断面図で
ある。 １……主軸台、２……回転軸、４……回転砥
石、５……拡開部材、６……支持棒、１１……被
研削孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被研削孔の内周面にそれぞれ内接する回転砥石
   ４を先端部に備えた回転軸２の複数本を主軸台１
   に平行に取付けるとともに、これらの回転軸２の
   中央部に挿入された支持棒６の先端には各回転軸
   ２の先端部付近と係合して各回転軸２を相互に外
   方へ押圧拡開する拡開部材５を設けたことを特徴
   とする内面研削装置。