JPS6343882Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は収穫機に係り、たとえば、掘起して地
干した後の玉葱などの収穫物を拾い上げてコンテ
ナに収納する種のものに関する。

〔考案の技術的背景およびその問題点〕

従来、この種の収穫機としては、たとえば、玉
葱を先金で掘起し、その茎葉を茎葉処理機構で切
断し、さらにこの玉葱をコンベヤなどで地面上に
放出し、そして、たとえば、３行程分の玉葱を集
列化して地干しする。そして、腐敗球や変形球な
どを取除く粗選別した後に良好な玉葱を拾い上げ
てコンテナに収納するようになつている。この場
合、圃場内にある玉葱大の石は良好な玉葱ととも
にコンテナに収納するおそれが大であり、そのよ
うな場合には、集出荷場において仕上げ選別する
際に混入した石によつて機械装置を損傷するとい
う問題がある。またコンテナに茎葉が混入する
と、それによつて仕上げ選別作業が不円滑、不的
確となるなどの問題がある。

〔考案の目的〕

本考案は、すくい上げた収穫物の搬送過程にお
いて、収穫物大の石を選別し易いようにその選別
の邪魔になる茎葉や小石をあらかじめ除去しつつ
搬送し、しかる後に収穫物中に混在する石を個別
的に確実に除去できるようにし、コンテナ内に石
を収納することのないようにすることを目的とし
たものである。

〔考案の概要〕

本考案は、機枠と、この機枠の前方下部に突設
されたすくい上げ刃と、このすくい上げ刃の後部
に連設され土を振い落しつつ収穫物を後方に搬送
する土振いコンベヤと、この土振いコンベヤの後
部に後下方に傾斜して連設され収穫物は後方に茎
葉は前方に搬送する分類コンベヤと、この分類コ
ンベヤの後部に並設され収穫物から小石を除去す
る複数の選別ローラと、この選別ローラ群の後部
に立設され収穫物を持上げる多数のバケツトを所
定の間隔毎に並設した持上げコンベヤと、この持
上げコンベヤの搬出部に開口部を臨ませたコンテ
ナとを具備したことを特徴とするものである。

〔考案の実施例〕

以下本考案を添附図面に示す一実施例について
説明する。

１は機枠としての両側の側板で、この両側の側
板１の前端下部間にすくい上げ刃２が突設され、
このすくい上げ刃２の後部に土を振い落しつつ収
穫物を後方に搬送する土振いコンベヤ３が所定の
傾斜角で後上方に傾斜して連設され、この土振い
コンベヤ３の無端帯には収穫物を係止する多数の
係止杆４が所定の間隔毎に突設されている。

また上記土振いコンベヤ３の後端に収穫物は後
方に茎葉は前方に搬送する分類コンベヤ５が所定
の傾斜角で後下方に傾斜して連設されている。

またこの分類コンベヤ５の前方部の駆動軸６は
連動媒体７を介して上記土振いコンベヤ３の駆動
軸８に連動連結され、この駆動軸８は入力軸９を
有するミツシヨン１０に連動媒体１１を介して連
動連結され、このミツシヨン１０は上記両側の側
板１間の前方上部に立設された支枠１２間に取付
けられている。そして、上記土振いコンベヤ３
は、第１図時計方向の後方に向つて連動回行され
るようになつているとともに、上記分類コンベヤ
５は、第１図反時計方向の前方に向つて連動回行
されるようになつている。

また上記分類コンベヤ５の後部に収穫物から小
石を除去する大小の複数の選別ローラ１３，１４
が所定の間隔をおいて交互に横方向に並設されて
いる。この選別ローラ１３，１４は、両側の側板
１間に連動軸１５が回動自在に横架され、この連
動軸１５に大径円盤状の選別ローラ１３と横長小
径円筒状の選別ローラ１４が交互に一体的に取付
けられ、この各横長小径円筒状の選別ローラ１４
の回行前端部と上記分類コンベヤ５の搬出端部と
の間に小石を除去する落下口１６が形成されてい
る。そして、この選別ローラ１３，１４の連動軸
１５は、連動媒体１７を介して上記土振いコンベ
ヤ３の駆動軸８に連動連結され、各選別ローラ１
３，１４は第１図時計方向に連動回動されるよう
になつている。

さらに上記選別ローラ１３，１４群の後部に収
穫物を持上げる多数のバケツト１８を有する持上
げコンベヤ１９が所定の急傾斜角で立設されてい
る。この持上げコンベヤ１９は、相対して立設さ
れたフレーム２０間の上下に転輪２１，２２を介
して無端帯２３を回行自在に懸架し、この無端帯
２３に上記横長小径円筒状の各選別ローラ１４に
対する多数のバケツト１８が所定の間隔をおいて
回行方向に複数列に取付けられ、この各列におけ
る各バケツト１８の回行前端部とこれに対する選
別ローラ１４の回行後端部との間およびバケツト
１８の各列間とこれに対する選別ローラ１３の回
行後端部との間に小石を除去する落下口２４が形
成されている。そして、この持上げコンベヤ１９
の駆動軸２５は、連動媒体２６を介して上記土振
いコンベヤ３の駆動軸８に連動連結され、持上げ
コンベヤ１９は第１図時計方向に回行されるよう
になつている。

また上記持上げコンベヤ１９のフレーム２０の
上端部に収穫物を案内する案内体２７が後下方に
傾斜して取付けられ、この案内体２７の後端部が
コンテナ２８の開口上面に配置され、このコンテ
ナ２８は車輪２９を軸架した台車３０上に搭載さ
れ、この台車３０は上記フレーム２０に連結され
ている。さらに上記持上げコンベヤ１９の回行前
面下方部に位置して座席３１を有する監視台３２
が設けられている。

なお、図中３３は、三点連結部を有する連結枠
である。

つぎに上記構造の作用を説明する。

トラクタの三点懸架機構の各連結部に連結枠３
３の三点連結部を連結するとともに、トラクタの
出力軸部に入力軸９をユニバーサルジヨイントを
介して連結し、このトラクタを走行し収穫機を牽
引するとともに、入力軸９を連動すると、土振い
コンベヤ３、分類コンベヤ５、選別ローラ１３，
１４および持上げコンベヤ１９が連動される。そ
して、圃場において所定の間地干された収穫物と
しての玉葱は、すくい上げ刃２によつてすくい上
げられて土振いコンベヤ３上に搬入され、土振い
コンベヤ３によつて搬送されながらすくい上げた
土や玉葱に附着する土が振い落され、分類コンベ
ヤ５上に搬入される。そして玉葱は、分類コンベ
ヤ５の後方に下降傾斜される傾斜面にそつて転動
しながらこれの後部に連設された選別ローラ１
３，１４上に搬入される一方、玉葱とともに分類
コンベヤ５上に搬入された茎葉は玉葱と反対方向
の前方に向つて搬送され、分類コンベヤ５の搬入
部から圃場に放出される。また選別ローラ１３，
１４上に搬入された玉葱は、その回動に伴つて転
動され持上げコンベヤ１９の各バケツト１８内に
順次搬入される。この場合、選別ローラ１３，１
４上に玉葱とともに搬入された玉葱より小径の小
石はその前後の落下口１６，２４から選別落下さ
れ、したがつて茎葉および小石は持上げコンベヤ
１９に搬入される前に排除されるので、持上げコ
ンベヤ１９の各バケツト１８内には玉葱およびす
くい刃２によつてすくい上げられた場合の玉葱大
の石が搬入されることとなる。

そして、監視台３２の座席３１に着席した選別
者は、持上げコンベヤ１９の回行で順次上昇する
各バケツト１８内を監視することにより選別の邪
魔になる茎葉や小石があらかじめ排除されている
ので、玉葱大の石は容易に発見でき、これをその
都度簡単に摘出排除することができる。したがつ
て、石はコンテナ２８内に収納される前に事前に
排除され、玉葱だけが各バケツト１８から順次案
内体２７内に排出されるとともに、これがこの案
内体２７を介して順次コンテナ２８内に収納さ
れ、玉葱以外のものがコンテナ２８内に収納され
ることが防止される。

〔考案の効果〕

本考案によれば、機枠の前方下部にすくい上げ
刃を突設し、このすくい上げ刃の後部に土を振い
落しつつ収穫物を後方に搬送する土振いコンベヤ
を連設し、この土振いコンベヤの後部に収穫物は
後方に茎葉は前方に搬送する分類コンベヤを後下
方に傾斜して連設し、この分類コンベヤの後部に
収穫物から小石を除去する複数の選別ローラを並
設し、この選別ローラ群の後部に収穫物を持上げ
る多数のバケツトを所定の間隔毎に並設した持上
げコンベヤを立設し、この持上げコンベヤの搬出
部にコンテナの開口部を臨ませたので、圃場から
すくい上げた収穫物の搬送過程において土は土振
いコンベヤによつて振い落され、茎葉は分類コン
ベヤによつて分類して収穫物の搬送方向とは異な
る方向に排除され、小石は選別ローラによつて選
別排除され、したがつて、収穫物大の石の選別に
邪魔になる茎葉や小石などは順次段階的に除去さ
れるので、収穫物中に混在する収穫物大の石は持
上げコンベヤの各バケツト内において発見判別し
易く、発見した石は個別的に確実に除去すること
ができ、コンテナ内に石が収納されることを未然
に防止でき、集出荷場などにおける不測の事態の
発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
収穫機の側面図、第２図は同上平面図である。 １……機枠、２……すくい上げ刃、３……土振
いコンベヤ、５……分類コンベヤ、１３，１４…
…選別ローラ、１８……バケツト、１９……持上
げコンベヤ、２８……コンテナ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機枠と、この機枠の前方下部に突設されたすく
   い上げ刃と、このすくい上げ刃の後部に連設され
   土を振い落しつつ収穫物を後方に搬送する土振い
   コンベヤと、この土振いコンベヤの後部に後下方
   に傾斜して連設され収穫物は後方にかつ茎葉は前
   方に搬送する分類コンベヤと、この分類コンベヤ
   の後部に並設され収穫物から小石を除去する複数
   の選別ローラと、この選別ローラ群の後部に立設
   され収穫物を持上げる多数のバケツトを所定の間
   隔毎に並設した持上げコンベヤと、この持上げコ
   ンベヤの搬出部に開口部を臨ませたコンテナとを
   具備したことを特徴とする収穫機。