JPS6341379B2 - - Google Patents

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JPS6341379B2
JPS6341379B2 JP56092672A JP9267281A JPS6341379B2 JP S6341379 B2 JPS6341379 B2 JP S6341379B2 JP 56092672 A JP56092672 A JP 56092672A JP 9267281 A JP9267281 A JP 9267281A JP S6341379 B2 JPS6341379 B2 JP S6341379B2
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JP
Japan
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tert
butyl
sulfuric acid
acid
yield
Prior art date
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Application number
JP56092672A
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English (en)
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JPS57206636A (en
Inventor
Tetsuhiko Watanabe
Akio Higo
Hajime Hirai
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は3,3−ジメチル酪酸の改良製造法に
関し、さらに詳しくはトリメチルカルボニウムイ
オンを生成する化合物と塩化ビニリデンを濃度92
%以上の硫酸の存在下に反応させることを特徴と
する3,3−ジメチル酪酸の製造法に関する。
3,3−ジメチル酪酸は、フアインケミカルの
分野における種々の製品の原料および中間体とし
て有用な化合物であり、特に、例えば特開昭55−
43014号公報に示されている一連の除草剤などの
農薬の原料として重要である。
該3,3−ジメチル酪酸の製造法としては、
tert−ブチルクロリドのようなトリメチルカルボ
ニウムイオンを生成する化合物と塩化ビニリデン
とを80〜90%の硫酸の存在下に−5〜20℃で反応
させる方法が知られている(アメリカ特許
3637821号)。しかしながら、該方法においては仕
込原料の25%におよぶtert−ブチルクロリドおよ
び塩化ビニリデンが、反応時に副生する塩化水素
に同伴されて系外に除かれるため、これを捕集、
回収するための高度に冷却したトラツプが必要と
なる。例えば該アメリカ特許では−80℃に冷却し
たトラツプを使用しているにもかかわらず、目的
物の収率は原料の回収を考慮しても70%程度にと
どまつており、原料の回収を考慮しなければ55%
にとどまつている。また、塩化ビニリデンは周知
のように、容易に過酸化物を生成するので安全上
慎重な取扱を要し、特に該方法の如く、塩化水素
およびtert−ブチルクロリドを含みかつ大量の回
収を前提とする場合には防災上の問題が多い。
このような該特許方法では、目的物の収率が低
く、また原料回収、安全対策上種々の設備的な制
約も多い。
さらに、該特許ではフリーデル−クラフツ触媒
の共在下での反応も提示されているが、その場合
においてもAngew.Chem.,78936(1966)から明
らかなように、92.5g(1モル)のtert−ブチル
クロリドと146g(1.5モル)の塩化ビニリデンを
使用し、90%硫酸中、35gの三フツ化ホウ素を触
媒として用い反応を行つてもその収率は79%にす
ぎない。また、この場合でも上述のような多量の
塩化ビニリデンの系外への損失が見られ、さらに
その生成物は種々の副生成物を含むため、高純度
の目的物を得るためには高段数の精留塔が必要に
なる。
このような状況の下に、本発明者らは3,3−
ジメチル酪酸のより容易で経済的な製法を探索す
べく鋭意検討した結果、トリメチルカルボニウム
イオンを生成する化合物(tert−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコールの低級脂肪酸エステ
ル、tert−ブチル低級アルキルエーテルおよび
tert−ブチルハライドからなる群より選ばれる化
合物)と塩化ビニリデンとを濃度92%以上の硫酸
の存在下に反応させることにより、高純度の3,
3−ジメチル酪酸が高収率で且つ容易に得られる
ことを見出し、これに種々の検討を加え、本発明
を完成するに至つた。
本発明方法によれば、上記のような大掛かりな
回収装置、安全対策装置、精留装置などの設備を
必要とせず、また、三フツ化ホウ素のような高価
な触媒を使用することなく(むしろ、後述の参考
例に示すように、意外にも三フツ化ホウ素の非存
在下に反応させるのがよい)、高純度且つ高収率
で目的物が得られ、工業規模での製造上極めて有
利になる。
次に、本発明方法につき詳しく説明する。
本発明において、トリメチルカルボニウムイオ
ンを生成する化合物(tert−ブチルアルコール、
tert−ブチルアルコールの低級脂肪酸エステル、
tert−ブチル低級アルキルエーテル、tert−ブチ
ルハライド)と塩化ビニリデンの使用量は、未反
応原料の揮散による損失を極少にするように適宜
その量が設定されるが、トリメチルカルボニウム
イオンを生成する化合物に対して、塩化ビニリデ
ンは通常1.0〜2.0倍モル好ましくは1.3〜1.5倍モ
ルの範囲である。
硫酸の使用量はトリメチルカルボニウムイオン
を生成する化合物に対し、1モル以上の任意の量
でよいが、通常2〜4倍モルが好適であり、また
用いる硫酸の濃度は92〜98%の範囲が好ましい。
尚、トリメチルカルボニウムイオンを生成する化
合物としてtert−ブチルアルコールを用いた場合
には、反応中に生成する水により硫酸濃度が低下
するので、必要に応じ発煙硫酸を加えることによ
り、硫酸濃度を維持すればよい。
これらの原料化合物および硫酸を反応させるに
際しては、小規模での製造の場合には、これらを
一時に混合することもできるが、通常は反応熱お
よび塩化水素の発生を制御するために塩化ビニリ
デンおよびトリメチルカルボニウムイオンを生成
する化合物を硫酸中に滴下する方法が採られる。
反応温度は0℃以下に維持することが好まし
く、より好ましくは−20℃〜0℃の範囲である。
また反応は原料化合物を硫酸中で混合した時点で
ほぼ終了するが、反応の完結を図るために、最終
的に20〜30℃で撹拌してもよい。
このようにして得られた反応混合物から3,3
−ジメチル酪酸を得るには、反応混合物を水に注
加し、有機溶媒で抽出した後、溶媒を除去する方
法あるいは、反応混合物に水を加え蒸留すること
により目的物を得ることができる。
尚、トリメチルカルボニウムイオンを生成する
化合物として、tert−ブチル低級アルキルエーテ
ルを使用した場合には3,3−ジメチル酪酸の低
級アルキルエステルが副生するが、これは常法の
加水分解反応により容易に目的の3,3−ジメチ
ル酪酸として得ることができる。
ところで、従来の公知技術から考えると、本発
明方法のように酸化を受け易い塩化ビニリデンと
トリメチルカルボニウムイオンを生成する化合物
を反応させるに際し、高濃度の硫酸を使用するこ
とは、塩化ビニリデンの劣化およびトリメチルカ
ルボニウムイオンの自己重合などによる収率およ
び純度の低下が予想され、さらには反応温度を低
くすることは反応速度の低下による収率低下、そ
れに副反応による重合生成物の増加が予想され
た。
しかるに本発明方法は、濃度92%以上、好まし
くは92〜98%の高濃度の硫酸を用い、また好まし
くは0℃以下、より好ましくは−20〜0℃と言う
低温域で反応を行うことにより、意外にも高収率
且つ高純度で目的物が得られるとの新知見を提供
するものであり、特に該目的物の工業的規模での
製造に果たす役割は極めて大きいものがある。
次に、本発明方法を実施例でさらに詳しく説明
するが、本発明がこれらに限定されるものではな
いことは言うまでもない。
尚、以下の実施例および参考例において、生成
物の純度は内部標準法によるガスクロマトグラフ
イー分析値である。
実施例 1 tert−ブチルアルコール148.20g(2.0モル)と
塩化ビニリデン271.46g(2.8モル)を95%硫酸
763.91g(7.4モル)中に撹拌しながら−10〜−
5℃で5時間を要して滴下した。滴下終了後、
徐々に昇温し、20〜30℃でさらに4時間撹拌を続
けた。この反応液を水680g中に注加し、分液し
油層をとり、水層はジクロルエタン300mlで抽出
した。
先の油層とジクロルエタン層を併せ、減圧下に
ジクロルエタンを留去し、213.98gの3,3−ジ
メチル酪酸を得た。
収率:92.1%(仕込みtert−ブチルアルコールに
対する理論収量に対し) 融点:6℃ 純度:99% 実施例 2 実施例1において、滴下時の反応温度を−20℃
〜−10℃にした以外は全く同様の操作を行い、
3,3−ジメチル酪酸211.41gを得た。
収率:91%(仕込みtert−ブチルアルコールに対
する理論収量に対し) 純度:99% 実施例 3 実施例1において、tert−ブチルアルコールに
代えtert−ブチルメチルエーテル176.30g(2.0モ
ル)を用いた以外は全く同様の操作を行い、得ら
れた油層とジクロルエタン層を併せた後、これに
5%苛性ソーダ水溶液2000gを加えよく撹拌し分
液した。
水層に10%塩酸水を加え酸析した後ジクロルエ
タン300mlで抽出し、減圧下にジクロルエタンを
留去し、3,3−ジメチル酪酸115.0gを得た。
一方、油層は20%苛性ソーダ水溶液を用い常法
により加水分解処理を行つた後、上記と同様に酸
析、抽出しジクロルエタンを留去し、3,3−ジ
メチル酪酸82.47gを得た(合計収量:197.47
g)。
収率:85.0%(仕込みtert−ブチルメチチルエー
テルに対する理論収量に対し) 純度:99.3% 実施例 4 実施例1において、tert−ブチルアルコールに
代えtert−ブチルクロリド185.14g(2.0モル)を
用いた以外は全く同様の操作を行い、3,3−ジ
メチル酪酸209.09gを得た。
収率:90.0%(仕込みtert−ブチルクロリドに対
する理論収量に対し) 純度:99% 実施例 5 実施例1において、滴下時の反応温度を0℃に
て行つた以外は全く同様の操作を行い、3,3−
ジメチル酪酸209.10gを得た。
収率:90.0%(仕込みtert−ブチルアルコールに
対する理論収量に対し) 純度:99% 次に、80%および90%硫酸を用いた比較例を参
考例1および2に示す。また、95%硫酸と三フツ
化ホウ素とを同時に用いた例を参考例3に示す。
参考例 1 tert−ブチルアルコール148.20g(2.0モル)と
塩化ビニリデン232.68g(2.4モル)を80%硫酸
907.2g(7.4モル)中に撹拌しながら30〜35℃で
5時間を要して滴下した、滴下終了後さらに同温
で2時間撹拌を続けた。以下実施例1と同様にし
て粗製の3,3−ジメチル酪酸172.21gを得た。
純度:42.4% 純収率:33.3% 参考例 2 tert−ブチルアルコール148.20g(2.0モル)と
塩化ビニリデン232.68g(2.4モル)を90%硫酸
822.9g(7.4モル)中に撹拌しながら−5〜0℃
で5時間を要して滴下した。滴下終了後さらに同
温で2時間撹拌を続けた。以下実施例1と同様に
して粗製の3,3−ジメチル酪酸317.02gを得
た。
純度:26.5% 純収率:37.4% 参考例 3 95%硫酸67mlに三フツ化ホウ素エーテラート
24.42gを加え、さらにtert−ブチルクロリド
30.83gと塩化ビニリデン48.67gとの混合物を撹
拌しながら3〜5℃で3時間を要して滴下した。
滴下終了後さらに15℃で2時間撹拌を続けた。反
応液を氷水650gに注ぎ、ジエチルエーテル250ml
で3回抽出した。エーテル層を併せ、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去し、さ
らに減圧蒸留操作により、沸点87〜89℃(17mm
Hg)の留分26.82gを得た。ガスクロマトグラフ
イー分析により低沸点分の不純物約7%を含むこ
とから、5%重曹水に溶かし、ジエチルエーテル
で洗浄後、塩酸を加えてエーテル抽出し、ガスク
ロマトグラフイーにて分析したところ3,3−ジ
メチル酪酸24.5g(純度99%)を含むことがわか
つた。
収率:65%。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 tert−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
    コールの低級脂肪酸エステル、tert−ブチル低級
    アルキルエーテルおよびtert−ブチルハライドか
    らなる群より選ばれる化合物と塩化ビニリデンを
    濃度92%以上の硫酸の存在下で、かつ三フツ化ホ
    ウ素の非存在下に反応させることを特徴とする
    3,3−ジメチル酪酸の製造方法。 2 濃度92%〜98%の硫酸を用いる特許請求の範
    囲第1項に記載の方法。 3 反応を0℃以下で行なう特許請求の範囲第2
    項に記載の方法。
JP9267281A 1981-06-15 1981-06-15 Preparation of 3,3-dimethylbutyric acid Granted JPS57206636A (en)

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JPS57206636A JPS57206636A (en) 1982-12-18
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Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63222130A (ja) * 1987-03-10 1988-09-16 Sumitomo Chem Co Ltd 3,3−ジメチル酪酸及びtert.−ブチルクロライドの併産方法
DE19613011A1 (de) * 1996-03-25 1997-10-02 Schill & Seilacher Konservierter und stabilisierter Naturlatex, Verfahren zu seiner Herstellung und Verwendung wasserlöslicher Carbonsäuresalze zu seiner Konservierung und Stabilisierung

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3637821A (en) * 1965-08-21 1972-01-25 Huels Chemische Werke Ag Process for the production of substituted acetic acids

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