JPS6341325B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はミラー本体を前後に傾動可能に支持し
た自動車用ドアミラーの緩衝装置に関するもので
ある。

自動車用ドアミラーには、前後方向から外力が
加えられた場合に前後方向に傾動し、人が接触し
た場合などの衝撃を軽減するようにしたものがあ
り、外力が除かれると自動的にミラー本体が元の
起立位置に復元するようになつている。このよう
なドアミラーの緩衝装置としては一般にダブルヒ
ンジ構造のものが使用されているが、これは部品
点数が多くコスト高になる欠点がある。またダブ
ルヒンジを使用しないものとして、第１図に示す
ように、ミラー本体１とドア取付用ベース２との
いずれか一方に一対の凹部３と他方に該凹部３に
係合する一対の凸部４を設けると共に、ミラー本
体１とベース２との間にスプリング５を張架した
ものが提案されているが（例えば実開昭56−
143135号公報参照）、この構造では、上下方向あ
るいは斜め方向から外力が加わると凹部３と凸部
４との係合が外れてしまうという不具合がある。

更に、自動車の輸送や狭い場所への進入の場合
などにはミラー本体を傾倒状態にしておくことが
望ましいが、上記の従来例では傾倒状態のままに
しておくことを可能にするためには構造が複雑に
なり、一層コスト高になつてしまうという問題点
があつた。

本発明はこれらの問題点を解決することを目的
としてなされたものであり、取付ステーとミラー
本体との接合部の対向壁に夫々突設した回転ステ
ーを軸芯部によつて相互に回動自在に連結する一
方、前記対向壁のいずれか一方に節度溝を有する
節度片を突設すると共に、他方には節度片の節度
溝に弾接される節度部材を設け、節度片の節度溝
を中央に起立位置用谷部を、少なくともその一方
の側に傾倒位置用谷部を連設した形状として、ミ
ラー本体を起立位置を中心とした一定角度内で傾
動させた場合には節度部材と起立位置用谷部との
係合力によつてミラー本体が起立位置に復元し、
ミラー本体を一定角度以上に傾動させた場合には
節度部材が傾倒位置用谷部に係合してミラー本体
を傾倒位置に保つよう構成したことを特徴とし、
ミラー本体と取付ベースとの係合外れのおそれが
なく、またミラーケース内に張架用スプリングを
配置する必要がなく、しかも簡単な構造でミラー
本体を傾倒状態に保つことのできる自動車用ドア
ミラーの緩衝装置を提供したものである。

次に、本発明を第２図以下に示す一実施例によ
つて詳細に説明する。

１０は前面開口のボツクス状のミラー本体、１
１は三角形状の取付ステー、１２はミラー本体１
０を取付ステー１１に対して水平方向の前後方向
に回動自在で外力を除くと元の位置に復元するよ
うに接合した接合部である。

ミラー本体１０の内部には、取付座１４、支持
板１５を介して設けたピポツト受１６にミラーホ
ルダー１７のピポツト球１８を嵌着することによ
り、ミラーホルダー１７を一定の範囲内で自由に
傾動できるように取付けてあり、このミラーホル
ダー１７にミラー１９を固定してある。また、ミ
ラー本体１０の取付ステー１１と対向する対向壁
１０ａの外面には、上下一対の回転ステー２０を
突設してその内面に夫々軸芯２１を突設してあ
り、更に回転ステー２０，２０の中間部に節度片
２２を突設してある。この節度片２２には中央に
起立位置用谷部２３ａとその両側に傾倒位置用谷
部２３ｂ，２３ｂを有する山字状の節度溝２３を
凹設してある。

一方、取付ステー１１には裏面にドアへの取付
ネジ（図示せず）を螺嵌するネジ穴２４を設け、
表側のミラー本体１０と対向する対向壁１１ａに
は、回転ステー２０，２０に対応する一対の回転
ステー２５，２５を突設して、軸芯２１が嵌挿さ
れる軸穴２６を夫々穿設してあり、更に回転ステ
ー２５，２５の中間部に節度ピースガイド２７を
突設している。節度ピースガイド２７には節度片
２２が挿入される嵌挿溝２７ａを前後方向に設
け、更にローラ状の節度部材としての節度ピース
２８とコイル状の節度バネ２９が収納される受溝
２７ｂを上下方向に設けてある。受溝２７ｂは取
付ステー１１の裏面にまで貫通しており、カバー
３０がビス３１によつて取付けられるようになつ
ている。

回転ステー２０の軸芯２１と回転ステー２５の
軸穴２６とは接合部１２の中心部に位置するよう
に配置してあり、節度片２２を節度ピースガイド
２７の嵌合溝２７ａに挿入し、軸芯２１を軸穴２
６に嵌挿させることにより、ミラー本体１０は取
付ステー１１に対して回動自在に連結される。軸
芯２１には取付ステー１１側の半円周に面取り２
１ａを形成してあり、ミラー本体１０と取付ステ
ー１１の双方あるいは一方を可撓性のある材料で
形成してあるので、軸芯２１の面取り２１ａを回
転ステー２５の外面に押し当てながらミラー本体
１０を取付ステー１１の方向に押し込んで、軸芯
２１を軸穴２６に嵌挿することにより、ワンタツ
チ操作でミラー本体１０と取付ステー１１との連
結は完了する。ここで節度ピース２８と節度バネ
２９を受溝２７ｂに裏面から挿入し、カバー３０
をビス３１によつて取付ステー１１に固定するこ
とにより、節度ピース２８は節度バネ２９の付勢
力によつて節度片２２の節度溝２３に弾接された
状態となる。

本実施例は上述のような構造であり、通常、ミ
ラー本体１０は節度バネ２９が最長となる位置、
すなわち節度ピース２８が節度溝２３の中央の起
立位置用谷部２３ａにはまる位置に保持され、こ
の状態でミラー本体１０はドアに対してほぼ垂直
な起立位置となつている。ここでミラー本体１０
に前後方向より外力が加わると、ミラー本体１０
は軸芯２１を中心として傾動し、節度片２２も傾
いて節度ピース２８の当たる位置は谷部２３ａの
両側の山部２３ｃに近付き、節度バネ２９は圧縮
される。そして外力が除かれると、節度バネ２９
の反撥力により節度片２２は節度ピース２８が谷
部２３ａに再びはまる方向に回動し、ミラー本体
１０は起立位置に戻るのである。

また、ミラー本体１０を節度ピース２８が山部
２３ｃを乗越える位置まで大きく傾動させると、
節度バネ２９の反撥力によつて節度ピース２８は
傾倒位置用谷部２３ｂにはまる方向に押され、外
力が除かれると、ミラー本体１０は第２図に鎖線
で示したように前または後の傾倒位置に倒れ、ミ
ラー本体１０を節度ピース２８が再び山部２３ｃ
を谷部２３ａの方向に乗越える位置まで外力を加
えて起こさない限り、ミラー本体１０は傾倒位置
に保持されるのである。起立位置と傾倒位置は節
度溝２３の形状によつて定まり、例えば軸芯２１
を基準として谷部２３ａと谷部２３ｂが90゜の関
係にあれば、起立位置と傾倒位置は互いに90゜の
角度で設定され、ミラー本体１０をドアに平行な
状態まで傾倒させることができるわけである。

なお、この実施例とは逆に取付ステー１１に節
度片２２を、ミラー本体１０に節度ピース２８を
設けることもでき、節度ピース２８としてローラ
の代りにスチールボールを使用してもよく、さら
に節度ピースとスプリングとを一体に構成しても
よい。また軸芯２１と軸穴２６の形成位置を逆に
するなど、本発明の範囲内で種々の構造を採用す
ることが可能である。

上述の実施例の説明からも明らかなように、本
発明の自動車用ドアミラーの緩衝装置によれば、
ミラー本体を傾動自在に支持して外力が除かれる
と起立位置に自動的に復元するだけでなく、必要
に応じて一方に倒しておくことができ、しかもそ
の構造は簡単であり、且つミラー本体に上下方向
や斜め方向から外力が加わつても接合部で外れる
ことがない等の効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の一例を示す断面図、第２図は
本発明の一実施例の断面図、第３図は同上の要部
の拡大断面図、第４図は接合部の分解斜視図であ
る。 １０……ミラー本体、１０ａ……対向壁、１１
……取付ステー、１１ａ……対向壁、１２……接
合部、２０……回転ステー、２１……軸芯、２２
……節度片、２３……節度溝、２３ａ……起立位
置用谷部、２３ｂ……傾倒位置用谷部、２５……
回転ステー、２６……軸穴、２７……節度ピース
ガイド、２８……節度ピース、２９……節度バ
ネ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 自動車用ドアに取けられた取付ステーに対し
   てミラー本体を前後方向に傾動可能に支持し、外
   力を除くとミラー本体が起立位置に復元するよう
   にした自動車用ドアミラーの緩衝装置において、 取付ステーとミラー本体との接合部の対向壁に
   夫々突設した回転ステーを軸芯部によつて相互に
   回動自在に連結する一方、前記対向壁のいずれか
   一方に節度溝を有する節度片を突設すると共に、
   他方には節度片の節度溝に弾接される節度部材を
   設け、節度片の節度溝を中央に起立位置用谷部を
   少なくともその一方の側に傾倒位置用谷部を連設
   した形状として、ミラー本体を起立位置を中心と
   した一定角度内で傾動させた場合には節度部材と
   起立位置用谷部との係合力によつてミラー本体が
   起立位置に復元し、ミラー本体を一定角度以上に
   傾動させた場合には、節度部材が傾倒位置用谷部
   に係合してミラー本体を傾倒位置に保つように構
   成したことを特徴とする自動車用ドアミラーの緩
   衝装置。