JPS6339572Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はレキユペレータに係り、さらに詳しく
は熱伝導効率を上げることにより小型化すること
ができるように構成したレキユペレータに関する
ものである。

従来のレキユペレータの構造を第１図に示す。

第１図に示す例は多管式のレキユペレータで、
図において符号１は外筒を示し、その外側は耐熱
材１ａによつて覆われている。この外筒１は直円
筒状に形成されており、上部より加熱ガス室５、
熱交換室８、ガス排出室７とに分けられている。

加熱ガス室５と熱交換室８との間には上部の管
板１３が、また、熱交換室８とガス排出室７との
間にも下部の管板１４がそれぞれ設けられてい
る。

加熱ガス室８の一側には加熱ガス導管６が開口
しており、ここから加熱ガスが導入される。

熱交換室８の内部には外筒１と平行に多数の伝
熱管２ａ及び冷却管２が配置されている。

少数の冷却管２は、上下の管板１３と１４との
間に、上下端を閉鎖して取付けられており、上下
の管板１３，１４に近くスリツト１５，１６が開
口している。

また、多数の伝熱管２ａは上下の管板１３，１
４を貫通し、加熱ガス室５とガス排出室７との間
に開口している。

そして、これらの伝熱管２ａ及び冷却管２を利
用して大直径のドーナツ型の邪魔板３と小直径の
邪魔板４とが交互に、かつ伝熱管２ａ及び冷却管
２と直交した状態で所定間隔離して配置されてい
る。ドーナツ型の邪魔板３と小直径の邪魔板４と
は互い違いに伝熱管２ａ及び冷却管２を取付けた
状態で、外筒１の内部に収容されている。

符号９は被加熱ガスの供給管、また符号１２は
被加熱ガスの排出管である。

供給管９から導かれた被加熱ガスは、外筒１の
円周方向に沿つて所定間隔であけられた開口部１
０内に導かれ、外筒１内に入る。そして、ドーナ
ツ型の邪魔板３の中央部の開口部と、小直径の邪
魔板４の外側との間をジグザグに通過して伝熱管
２ａに導かれる高温の加熱ガスとの間で熱交換が
行なわれる。また、被加熱ガスの一部は、冷却管
２の下部のスリツト１６より冷却管２内にも導か
れ、上昇して上部の管板１３を冷却する。そし
て、熱交換を終了した被加熱ガスは外筒１の加熱
ガス室５の端部近傍において円周方向に沿つてあ
けられた開口部１１から排出管１２へと導かれ
る。

また、熱交換を終了した加熱ガスはガス排出室
７に入り、さらに下部に設けたガス排出口１７よ
り外筒１外に排出される。

ところで以上のような構造を採用すると、外筒
１およびドーナツ型の邪魔板３の製作誤差および
外筒１の円周方向の溶接による縮みを見込んで製
作しなければならず、外筒の内径とドーナツ型の
邪魔板３の外径との間のすきまは５〜10mm程度と
する必要がある。

このようにすきまが10mm程度になると、ドーナ
ツ型の邪魔板３の穴の面積に対しすきまの面積が
30％〜50％程度となつてしまう。この傾向は小さ
なサイズのもの程大きくなる。

このようにすきま面積が大きくなると被加熱ガ
スは邪魔板間をジグザグに通過せず、外筒とドー
ナツ型邪魔板との間のすきまを直進してしまう。
このため伝熱管２ａと接触して通過する被加熱ガ
ス量が減少するため、被加熱ガスの出口温度が設
定値以上にオーバヒートされることになり、部材
の耐熱対策を講じなければならなくなる。

また、伝熱効果が悪いため、レキユペレータの
サイズを大きくしなければならないという欠点が
ある。

本考案は、以上のような従来の欠点を除去する
ためになされたもので、外筒と大直径のドーナツ
型の邪魔板との間のすきまを著しく小さくするこ
とにより製作誤差に大きな自由度をもたせ、全体
として小型化することができるように構成したレ
キユペレータを提供することを目的としている。

以下、図面に示す実施例に基いて本考案を詳細
に説明する。

第２図および第３図は本考案の一実施例を説明
するものであり、本図中、第１図と同一部分には
同一符号を付し、その説明は省略する。

本実施例にあつては外筒１を所定のテーパをも
つて形成してある。すなわち加熱ガス室５側が小
直径でガス排出室７側が大直径となるように形成
されている。

また、ドーナツ型の邪魔板３の外径も外筒１の
テーパに合わせてガス排出室７側に至るに従い、
次第に直径が大きくなるように形成されている。

このような構造を採用すると、伝熱管２ととも
に邪魔板を外筒１内に組込むとき、ガス排出室７
側の大直径側の端部から挿入し、ドーナツ型の邪
魔板３と外筒１との間のすきまが最小となるよう
に組立てることができる。

また、このように外筒１をテーパ状にし、ドー
ナツ型の邪魔板の外形もこれに応じて変化させる
構造を採用しているので、外筒１の製作誤差とド
ーナツ型の邪魔板３の製作誤差とがあつても、伝
熱管２ａと邪魔板３，４の組立体を軸線方向に沿
つて相対的に位置ずれさせることにより吸収する
ことができ、製作に大きな自由度が生じる。

このようにして外筒１とドーナツ型の邪魔板３
との間のすきまを著しく小さくすることができ、
従来のレキユペレータと比較し、その大きさを20
〜30％縮小することが可能となり、大幅なコスト
ダウンが実現できる。

ところで、ここで外筒１のテーパについて付言
すると以下のとおりである。

すなわち、第３図に示すように外筒１の溶接縮
小代をＡ、大直径の邪魔板のピツチをＢとする
と、ドーナツ型の邪魔板３と邪魔板４間のピツチ
をＢ／２としてテーパを決定すればよい。

以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、レキユペレータの外筒をテーパ状とするとと
もに、内部に取付けられるドーナツ型の邪魔板と
して形成された邪魔板を外筒のテーパに合わせて
一方から他方にかけて大直径となるようにした構
造を採用しているので、外筒と、ドーナツ型の邪
魔板との間のすきまを著しく小さくすることがで
き、伝熱効率を大幅に改善できるとともに製作誤
差があつても、これを吸収することができ、組立
てが容易となる。

また、外筒と大直径のドーナツ型の邪魔板との
間のすきまを小さくすることができるため、全体
として小型化することができ、大幅なコストダウ
ンを実現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来構造を説明する縦断側面図、第２
図は本考案の一実施例を説明する縦断側面図、第
３図は第２図の一部拡大図である。 １は外筒、１ａは耐熱材、２は冷却管、２ａは
伝熱管、３はドーナツ型の邪魔板、４は小直径の
邪魔板、５は加熱ガス室、６は加熱ガス導管、７
はガス排出室、８は熱交換室、９は被加熱ガスの
供給管、１０は外筒下部の開口部、１１は外筒上
部の開口部、１２は被加熱ガスの排出管、１３，
１４は上下の管板、１５は冷却管上部のスリツ
ト、１６は冷却管下部のスリツト、１７はガス排
出口である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱ガス室が小直径、ガス排出室が大直径とな
   るようにテーパをつけて形成した外筒の内部に、
   外筒のテーパに合わせて加熱ガス室側よりガス排
   出側に至るに従い次第に直径が大きくなるように
   形成したドーナツ型の邪魔板を取付けたことを特
   徴とするレキユペレータ。