JPS6339448B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機体の前部にエンジンを配設すると
ともに、その後部側に車軸への伝動機構を内装し
た伝動ケースを配設してある歩行型の農用管理機
に関し、詳しくは、その伝動構造に関する。

〔従来の技術〕

歩行型農用管理機においても作業性及び操作性
の向上のために無段変速装置の導入が要求され、
エンジンとミツシヨンケースとの間の伝動系をベ
ルト式無段変速装置に構成することが考えられて
いる。

かかる農用管理機における車軸回転数は正転
（前進）で10〜120rpmぐらいは必要とされるが、
上記ベルト式無段変速装置では、その変速比範囲
がせいぜい１：３〜４ぐらいであり、従つて、更
に変速を行うためにミツシヨンケース内にギヤ変
速手段を備える構造がとられていた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、ミツシヨンケース内のギヤ変速手段を
操作するためにはケースにシフトロツド等の操作
系を貫通しなければならず、ケースの油密構造が
必要となつてメンテナンス上不利であるととも
に、ケース内のシフトギヤの自脱によるトラブル
を防止する手段も必要となつて全体的にコスト高
になりがりであつた。

この発明は、伝動構造の改良によつて上記問題
を解決しようとしたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本発明の特徴構成
は、前記エンジンを、その出力軸が機体後方に向
いて突出する状態に向きを設定して配置するとと
もに、前記出力軸の後端部に、デイスク式無段変
速装置の駆動デイスクを設け、その後方に横軸周
りで回転自在並びに軸芯方向にスライド自在なデ
イスク式無段変速装置の受動デイスクを設け、そ
の受動デイスクを取付けた前記横軸に、ベルト式
無段変速装置の一方のプーリーを装着するととも
に、ベルト式無段変速装置の他方のプーリーを伝
動ケースの横型壁から突出の入力軸に設けて、前
記エンジンの出力をデイスク式無段変速装置及び
ベルト式無段変速装置を介して伝動すべく構成し
てある点にある。

〔作 用〕

上記構成によれば、デイスク式無段変速装置で
約１：４の変速範囲を設定し、更にベルト式無段
変速装置で約１：３の変速比範囲を得ることがで
き、この変速比範囲において減速をかけることに
よつて、車軸回転数をほぼ上記した必要範囲に設
定することができる。

〔発明の効果〕

従つて本発明によれば、伝動ケースでは減速だ
けを行えばよく、伝動ケースにシフト軸の操作手
段や、これのシール構造を備える必要がなく、伝
動ケースの保持点検がほとんど不要となつた。
又、ケース内にシフトギヤを設ける必要がないた
めにギヤ自脱防止手段も不要となり、全体的に伝
動ケースの構造が極めて簡素化できてコスト低減
を図ることができるようになつた。

そして、デイスク式無段変速装置とベルト式無
段変速装置との併用で変速範囲を広げるに当たつ
て、エンジンの出力軸を後向きに設定して、その
後端にデイスク式無段変速装置を設け、そして、
そのデイスク式無段変速装置の受動軸にベルト式
無段変速装置のプーリーを設けて構成してあるか
ら、例えば、エンジンの出力軸を横向きに設定し
て、その出力軸の端部にデイスク式無段変速装置
を設け、そして、デイスク式無段変速装置から中
継用ベベルギヤ、中継用ベベルギヤから伝動ケー
スの横側部に配したベルト式無段変速装置に伝達
すべく構成する場合に比して、機体前後方向並び
に左右方向のコンパクト化を図り得る利点があ
る。

〔実施例〕

第３図は、本発明に係る歩行型農用管理機を示
し、機体１の前部にエンジン２が搭載され、中央
部には走行車輪３を軸支する伝動ケース４が設け
られ、且つ後部にはロータリ耕耘装置１０が装備
されている。

第２図及び第３図に示すように、前記エンジン
２の出力軸５には、駆動プーリー６が設けられて
いる。この駆動プーリー６は、前記出力軸５に固
定された固定側割プーリー６ａと、この割プーリ
ー６ａのボス部に遊嵌された割プーリー６ｂとか
ら構成されている。前記遊転側割プーリー６ｂに
は、デイスク式無段変速装置Ａの駆動デイスク７
が一体的に設けられている。

前記出力軸５の仮想軸芯線上に、この軸芯線に
直交する横軸芯をもつ第一出力軸としてのスプラ
イン軸（横軸）８がベアリング９，９を介して軸
架されている。

前記ベアリング９，９は、機体１の中央に設け
た前記伝動ケース４から延設されたステー１２，
１２によつて、夫々保持されている。

前記スプライン軸８上には、受動デイスク１３
が揺動自在に設けられており、その外周には弾性
リング１３ａが固着されていて、前記駆動デイス
ク７の後向面７ａに接当するようにされている。
前記受動デイスク１３には、シフター操作用溝１
４が設けられていて、ここにシフター１５が係合
されている。

前記シフター１５は、縦軸芯周りに揺動可能に
伝動ケース４に枢着され、アーム１７を介してレ
リーズワイヤー１８によつてハンドル１９の手元
レバー３５で変速操作できるよう構成されてい
る。前記スプライン軸８の一端には、変速可能な
割プーリー２０が設けられ、前記伝動ケース４の
入力軸２１に設けられた受動プーリー２２との間
にベルト２３が巻回されている。

２４は、テンシヨンプーリーであつて、ハンド
ル１９に設けた変速レバー３６にワイヤ連係さ
れ、レバー操作でベルト２３への押付け位置を調
節することで割プーリー２０の有効巻回径を変更
する。もつて、走行用のベルト式無段変速装置Ｂ
が構成されている。

前記入力軸２１の他方端は、反対側に軸架され
たPTO出力軸２５に突合せ嵌合されていて、且
つ下方の車軸２６にギヤ動力伝達する減速歯車群
の一つである歯車２７が設けられている。前記
PTO軸２５にはベベルギヤ２８が設けられ、こ
のギヤに咬合するギヤ２９が、伝動ケース４から
前方に突設軸架された伝動軸３０に設けられてい
る。伝動軸３０は、前記割プーリー６の上方まで
延設されて、支柱の軸受３３に軸架されている。

この伝動軸３０は、２分割に構成され、第一軸
部分３０ａと、間隔をもつて同軸芯上に位置され
た第二軸部分３０ｂと、両軸部分３０ａ，３０ｂ
に亘つてスプライン嵌合された筒軸部分３０ｃ
と、この筒軸部分３０ｃを、前記両軸部分３０
ａ，３０ｂが常時一体連結状態になるように付勢
するバネ３０ｄとから構成されている。前記第一
軸部分３０ａには、変速可能に割型に構成された
受動プーリー３１が設けられ、このプーリー３１
と前記割プーリー６とに亘つてベルト３２が巻回
されている。

３４は、前記ベルト３２への押付け位置が調節
自在なテンシヨンプーリーであつて、伝動軸３０
へのクラツチ機能のみならず、スプライン軸８へ
のクラツチ機能をも兼ねる主クラツチ機能を果た
すように構成され、ハンドル１９に設けたレバー
３７にワイヤ連係されている。そして、前記割型
の受動プーリー３１と対応する前記割プーリー
６、これらに巻回された前記ベルト３２及び前記
テンシヨンプーリー３４によつて、作業用のベル
ト式無段変速装置Ｃが構成されている。

尚、前記デイスク式無段変速装置Ａは正逆転の
切換えができるように受動デイスク１３のシフト
範囲が設定されるとともに、正転での変速比範囲
が１：４程度に設定される。又、ベルト式無段変
速装置Ｂの変速比範囲は１：３程度に設定され
る。

尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る歩行型農用管理機の実施例
を示し、第１図は伝動部の一部縦断側面図、第２
図は伝動部の一部横断平面図、第３図は全体の側
面図である。 ２……エンジン、４……伝動ケース、５……出
力軸、Ａ……デイスク式無段変速装置、７……駆
動デイスク、８……横軸、１３……受動デイス
ク、Ｂ……ベルト式無段変速装置、２０，２２…
…プーリー、２１……入力軸、２６……車軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 機体の前部にエンジン２を配設するととも
   に、その後部側に車軸２６への伝動機構を内装し
   た伝動ケース４を配設してある歩行型農用管理機
   において、前記エンジン２を、その出力軸５が機
   体後方に向いて突出する状態に向きを設定して配
   置するとともに、前記出力軸５の後端部に、デイ
   スク式無段変速装置Ａの駆動デイスク７を設け、
   その後方に横軸８周りで回転自在並びに軸芯方向
   にスライド自在なデイスク式無段変速装置Ａの受
   動デイスク１３を設け、その受動デイスク１３を
   取付けた前記横軸８に、ベルト式無段変速装置Ｂ
   の一方のプーリー２０を装着するとともに、ベル
   ト式無段変速装置Ｂの他方のプーリー２２を伝動
   ケース４の横型壁から突出の入力軸２１に設け
   て、前記エンジン２の出力をデイスク式無段変速
   装置Ａ及びベルト式無段変速装置Ｂを介して伝動
   すべく構成してある歩行型農用管理機。