JPS6338463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はテープカセツトに係り、特に一対のテ
ープリールをカセツト筐体内に着脱可能に取り付
けてなる構成のテープカセツトを提供することを
目的とする。

一般にオーデイオ用及びビデオ用のテープカセ
ツトは、カセツト筐体に一対のハブ又はテープリ
ールが組込まれた構成であり、それ自体小型サイ
ズであり、取り扱いは容易である。しかし、テー
プカセツトも多数個ともなると、広い収納場所が
必要となり保管しにくゝなつたり、かさばつて持
ち運ぶのに支障をきたすことになるという問題点
がある。

なお、テープカセツトは、所定時間長さの磁気
テープを巻回収納するために二つのテープリール
を備えた構成であり、この二つのテープリール
は、テープカセツトをテープレコーダに装着して
使用する場合に必要とされるものであり、例えば
磁気テープの全部が一方のテープリールに巻回さ
れている状態で保管されている場合には、他方の
空のテープリールは必ずしても必要ではない。

本考案は、テープリールをカセツト筐体に対し
て着脱可能な構成として、上記問題点を解決した
ものであり、以下図面と共にその一実施例につい
て説明する。

第１図乃至第５図はテープカセツト１を示す。
テープカセツト１は、第６図Ａ乃至Ｅ及び第７図
に示す構造のカセツト筐体２内に、第８図に示す
空のテープリール（アダプタ）３及び第９図に示
す磁気テープが巻回された実のテープリール４を
取り外し可能に取り付けてなる構成である。

カセツト筐体２は、特に第６図Ａ乃至Ｅ及び第
７図に示すように、略同一構成の合成樹脂製の上
ハーフ１０と下ハーフ１１とを重ね合わせてネジ
止めしてなる構成であり、コンパクトカセツトと
同一外形寸法を有する。またカセツト筐体２の背
面側及び右側面側は夫々背面壁１２及び側面壁１
３により閉蓋されており、（第６図Ｅ，Ｃ参照）、
左側面側はテープリールに出入のための開口１４
としてある。（同図Ｄ参照）。また上ハーフ１０に
は、取り付けられるテープリールに対向する位置
に開口窓１５，１６が形成してある。同様に下ハ
ーフ１１にも、開口窓１５，１６に対応する開口
窓１７，１８が形成してある。

また、カセツト筐体２には、上下相対向する環
状部１９と２０とが協働して構成する第１のリー
ル軸受２１と、同じく上下相対向する環状部２２
と２３とが協働して構成する第２のリール軸受２
４とが設けてある。環状部１９及び２２は夫々上
ハーフ１０の中央の橋架部２５より左方及び右方
に延在する腕部２６，２７の先端に形成してあ
る。同様に、環状部２０及び２３は夫々下ハーフ
１１の中央の橋架部２８より右方及び左方に延在
する腕部２９，３０（第４図参照）の先端に形成
してある。後述するように、テープリール３，４
の着脱に際して、使用者は各腕部２６，２７，２
９，３０の先端の指掛用舌片２６ａ，２７ａ，２
９ａ，３０ａを係止して各腕部２６，２７，２
９，３０を第７図中二点鎖線で示すように弾性的
に撓ませることにより、上下対向する環状部１
９，２０及び２２，２３が互いに離れる方向に変
位せしめられる。

また、カセツト筐体２の前面には、奥部にテー
プ押圧パツド３１を設けた磁気ヘツド嵌入用窓３
２，ピンチローラ嵌入用窓３３，３４等が形成し
てあり、更にはテープ装架のための切欠路３５が
形成してある。

また、上ハーフ１０には、テープ装架時にテー
プを嵌入される幅狭のテープ嵌入用スリツト３６
が、開口窓１５の右下コーナ部とカセツト筐体２
の右側面の前面寄りの個所との間に延在形成して
ある。またテープ嵌入用スリツト３６は第６図Ｃ
に示すようにカセツト筐体２の内部側が巾広とさ
れたテーパ状断面を有する テープリール３は、第８図に示すように、ハブ
４０と、上下のフランジ４１，４２とよりなる。
上フランジ４１には外周縁側が開放された形状の
切欠４３が形成してある。またハブ４０には、上
記切欠４３に対向する個所に、円形の係止孔４４
が形成してある。係止孔４４の一部はハブ４０の
周面に開放されたスリツト４５としてある。

テープリール４は、第９図に示すようにハブ５
０と上下のフランジ５１，５２とよりなり、磁気
テープ５３及びこの端部に接続されたリーダ５４
が巻回してある。リーダ５４の末端部にはストツ
パピン５５が、折り返えされたリーダ５４により
包まれて脱落しにくい状態で固定してある。な
お、このテープリール４は通常は特別のケース内
に収納されている。

次に、空のテープリール３及び実のテープリー
ル４をカセツト筐体２に取付ける操作等について
説明する。

まず、空のテープリール３を左側の開口１４を
通してカセツト筐体２内に挿入して開口１４側よ
りみて奥方側の第１のリール軸受２１を軸承さ
せ、次いで、実のテープリール４を同じく開口１
４より挿入して手前側の第２のリール軸受２４に
軸承させる。このとき、腕部２６，２７，２９，
３０を第７図中二点鎖線で示すように撓ませるこ
とにより、環状部２２と２３との間及び環状部１
９と２０との間の間隔が広がつて、テープリール
３，４はカセツト筐体２内を所定位置まで支障な
く移動しうる。テープリール３及び４が夫々所定
位置に到ると、環状部１９及び２０がハブ４０の
中心孔内に嵌合し、環状部２２，２３がハブ５０
の中心孔内に嵌合する。これにより、第１図，第
３図乃至第５図に示すように、テープリール３
は、開口窓１５，１７に対向する位置において、
簡単には離脱しない状態で第１のリール軸受２１
により回転可能に支持され、テープリール４は開
口窓１６，１８に対向する位置において、同じく
簡単には離脱しない状態で第２のリール軸受２４
により回転可能に支持される。

次いで、リーダ５４の先端のストツパピン５５
を指先でつまんでリーダ５４を第１図中二点鎖線
で示すようにカセツト筐体２の前面に沿うように
引き出し、リーダ５４の先端近傍部分をカセツト
筐体２の上ハーフ１０に対して垂直な姿勢として
これをテープ嵌入用スリツト３６内に挿入してカ
セツト筐体２内に落とし込む。引き続いて、スト
ツパピン５５を第１図に示すようにハブ４０の係
止孔４４内に挿入させる。これにより、リーダ５
４の先端がテープリール３のハブ４０に取外し可
能に接続されたことになる。次いでテープリール
３をテープ巻き取り方向に回転させる。これによ
り、リーダ５４がハブ４０に巻き取られ、リーダ
５４は緊張して切欠路３５内に嵌入し、テープリ
ール４より引き出され、小径案内ピン６０により
案内され、案内ピン６１と６２とにより案内され
てカセツト筐体２の前面に沿い、次いで小径案内
ピン６３により案内された後テープリール３に到
る所定のテープパスが形成される。なお、ストツ
パピン５５を係止孔４４に係合させる操作及びテ
ープリール３をリーダ５４を巻き取る方向に回動
させる操作は、開口窓１５側より簡単に行なわれ
るる。

テープカセツト１は、上記の状態で、テープレ
コーダに装着される。

テープカセツト１のＡ面の再生が終了した後
は、テープカセツト１を表裏反転して再装着して
Ｂ面の再生を行なう。Ｂ面の再生が終了すると、
磁気テープ２８はテープリール４に巻き取られ、
テープカセツト１は第１図に示す状態、即ちテー
プリール３，４を装着してテープを装架したとき
と同じ状態となる。従つて引き続いて別のテープ
を再生する場合には、テープリール４をカセツト
筐体２より取り外して、代わりに別の実のテープ
リールを取り付けてテープパスを形成する。

なお、テープリール４の取り外しは、ストツパ
ピン５５を係止孔４４より抜き出してリーダ５４
のテープリール３に対する接続を解除し、リーダ
５４をテープリール４に巻き取つてた後、腕部２
７，３０を第７図中二点鎖線で示すように撓ませ
てハブ５０に対する係止を解除させた状態で、開
口１４より抜き出すことにより行なわれる。別の
実のテープリールの取付け及びリーダの装架は前
記と同様に行なわれる。

このようにして、Ｎ個の実のテープリールを
次々に交換してカセツト筐体に取付けることによ
り、Ｎ本の磁気テープの再生が行なわれる。

従つて、Ｎ巻のコンパクトカセツトの代わり
に、一個のカセツト筐体２と、一個の空のテープ
リール３と、Ｎ巻の実のテープリール４とで済む
ことになり、即ち大略Ｎ巻のコンパクトカセツト
の代わりにＮ巻の実のテープリール４で済むこと
になり、スペース的には従来の半分以下で足りる
ことになる。

また、空のテープリール３は必要に応じて腕部
２６，２９を撓ませて、カセツト筐体２より取り
外される。

上述の如く、本考案になるテープカセツトは、
大略上板、下板及び周側壁とよりなり、該上板及
び下板に内部のテープリールを外部より操作する
ための開口窓、該上板に該開口窓と外部との間を
延在するテープ嵌入用スリツト、該周壁の一部に
該テープリールを出し入れするための開口を設け
てなるカセツト筐体と、磁気テープ及びこれに接
続されているリーダの巻回体を有し、該カセツト
筐体の上記開口を通して該カセツト筐体内に挿入
されて該カセツト筐体内に回転可能に且つ取り外
し可能に支持された一のテープリールと、外周縁
側が開放された切欠を有するフランジを該切欠に
対向する位置に形成してあり該リーダの未端部を
係止するための係止部を有するハブとよりなり、
該カセツト筐体の上記開口を通して該カセツト筐
体内に挿入されて該テープ嵌入用スリツトに対向
する側に回転可能に且つ取り外し可能に支持され
た他のテープリールとよりなり、該リーダを該一
のテープリールより引き出し該テープ嵌入用スリ
ツトを通して該他のテープリールの該係止部に取
外し可能に接続されて該一のテープリールと該他
のテープリールとの間に装架してなる構成として
あるため、以下に挙げる特長を有する。

Ｎ巻のテープカセツトの代わりに磁気テープ
が巻回されるＮ巻のテープリールで足りるた
め、かさばらず、保管上及び携帯上便利とな
る。即ち、従来必要とされたテープカセツト用
収納スペースの1/2以下のスペースで同数の磁
気テープを保管することが出来る。

開口窓及びテープ嵌入用スリツト等を利用す
ることにより、リーダの装架作業を容易に行な
うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図、第４図は夫々本考案
になるテープカセツトの平面図、正面図、左側面
図、底面図、第５図は第１図中−線に沿う断
面矢視図、第６図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，Ｅは夫々カセ
ツト筐体の平面図、正面図、右側面図、左側面
図、背面図、第７図は第６図Ａ中−線に沿う
断面矢視図、第８図及び第９図は夫々カセツト筐
体内に組込まれる空のテープリール及び実のテー
プリールを示す平面図である。 １……テープカセツト、２……カセツト筐体、
３……空のテープリール（アダプタ）、４……実
のテープリール、１０……上ハーフ、１１……下
ハーフ、１２……背面壁、１３……側面壁、１４
……開口、１５，１６，１７，１８……開口窓、
１９，２０，２２，２３……環状部、２１……第
１のリール軸受、２４……第２のリール軸受、２
６，２７，２９，３０……腕部、３２……磁気ヘ
ツド嵌入用窓、３３，３４……ピンチローラ嵌入
用窓、３５……切欠路、３６……テープ嵌入用ス
リツト、４０，５０……ハブ、４１，４２，５
１，５２……フランジ、４３……切欠、４４……
係止孔、４５……スリツト、５３……磁気テー
プ、５４……リーダ、５５……ストツパピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 大略上板、下板及び周側壁とよりなり、該上板
   及び下板に内部のテープリールを外部より操作す
   るための開口窓、該上板に該開口窓と外部との間
   を延在するテープ嵌入用スリツト、該周壁の一部
   に該テープリールを出し入れするための開口を設
   けてなるカセツト筐体と、磁気テープ及びこれに
   接続されているリーダの巻回体を有し、該カセツ
   ト筐体の上記開口を通して該カセツト筐体内に挿
   入されて該カセツト筐体内に回転可能に且つ取り
   外し可能に支持された一のテープリールと、外周
   縁側が開放された切欠を有するフランジと該切欠
   に対向する位置に形成してあり該リーダの末端部
   を係止するための係止部を有するハブとよりな
   り、該カセツト筐体の上記開口を通して該カセツ
   ト筐体内に挿入されて該テープ嵌入用スリツトに
   対向する側に回転可能に且つ取り外し可能に支持
   された他のテープリールとよりなり、該リーダを
   該一のテープリールより引き出し該テープ嵌入用
   スリツトを通して該他のテープリールの該係止部
   に取外し可能に接続されて該一のテープリールと
   該他のテープリールとの間に装架してなる構成の
   テープカセツト。