JPS6338396B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本発明は、脱脂力、脱臭効果に優れ、しかも洗
浄後の羽毛に良好な風合いを与え得る原羽毛用洗
浄剤組成物に関する。 〔従来の技術およびその問題点〕 一般にアヒル、ガチヨウ、カモ、白鳥、ニワト
リなどの原羽毛にはワツクス、油脂などの油溶性
汚垢の他に、土、砂、埃、フン尿、血液、細菌、
害虫などの汚垢が付着しており、これらは悪臭発
生の原因となる。羽毛布団、羽毛枕、ダウンウエ
アー等に使用する羽毛を得るためには原羽毛に付
着したこれらの汚垢を洗浄除去しなければならな
い。これら汚垢の除去が不充分であると悪臭が発
生し商品価値を減ずることになる。 原羽毛に付着している汚垢は乾燥除塵工程で
土、砂、埃等の付着物を除去したのち、水洗工程
の洗い及びすすぎで除去する。水洗工程で使用さ
れる洗浄剤は脱脂力及び脱臭効果が要求され、効
果が不十分であると羽毛に臭いが残り商品価値を
損なうことになる。これら汚垢の除去に用いられ
る洗浄剤としては、例えば、α−オレフインスル
ホン酸塩と、高級アルコール又はアルキルフエノ
ール酸化エチレン付加物の混合物（特開昭55−
26226号公報）、α−オレフインスルホン酸塩とア
ルキルベンゼンスルホン酸塩と酸化エチレン系エ
ーテル型非イオン活性剤の混合物（特開昭51−
22087号公報）などがある。 このように、特定の陰イオン活性剤及び非イオ
ン活性剤が混合して用いられているが、十分な効
果が得られず、洗浄剤濃度を高くして脱脂及び脱
臭効果を得ようとすると過度に羽毛脂を除去し乾
燥及び選別工程で羽毛を損傷し商品価値を減ずる
ことになる。又、従来技術は洗浄後、柔軟処理を
必要とした。羽毛用洗浄剤として望ましいのは、
通常の洗浄剤濃度で脱脂力及び脱臭効果の優れ、
かつ風合を損なわないものであるが、このような
要望を満たす洗浄剤は現在のところでは得られて
いない。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本発明者らは脱脂力及び優れた脱臭効
果を有し、かつ風合を損なわない原羽毛用洗浄剤
組成物を得るべく鋭意研究の結果、アルキルアミ
ンオキサイドと陰イオン活性剤を特定の比率で含
有する組成物が優れた洗浄効果を有することを見
出し本発明に至つた。 即ち、本発明は、一般式（）で表されるアル
キルアミンオキサイド(A)と陰イオン活性剤(B)とを
必須成分とし、(A)成分と(B)成分の重量比がＡ／Ｂ
＝20／80〜80／20であることを特徴とする原羽毛
用洗浄剤組成物を提供するものである。 （式中、R₁は炭素数10〜20のアルキル基又はア
ルケニル基であり、R₂、R₃は炭素数１〜３のア
ルキル基である。） 一般式（）で表されるアルキルアミンオキサ
イドは、対応する３級アミンを酸化することによ
つて得られるものであり、本発明に於いては過酸
化水素水溶液で酸化反応させたものを用いた。 (A)成分のアルキルアミンオキサイドとしては、
ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジ
エチルアミンオキサイド、ヤシ脂肪酸アルキルジ
メチルアミンオキサイド、ココナツツ脂肪酸アル
キルジメチルアミンオキサイド、硬化牛脂脂肪酸
アルキルジメチルアミンオキサイドなどが例示さ
れる。 本発明で用いる陰イオン活性剤(B)は特に限定さ
れるものではないが、例えば以下のものが例示さ
れる。 (1) 平均炭素数10乃至20のアルキル基又はアルケ
ニル基を有するアルキル又はアルケニル硫酸塩 (2) 平均炭素数10〜16のアルキル基を有する直鎖
又は分枝鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩 (3) 平均炭素数10〜20の直鎖又は分枝鎖アルキル
基又はアルケニル基を有し、１分子内に平均
0.5〜８モルのエチレンオキサイドを付加した
アルキル又はアルケニルエトキシ硫酸塩 (4) 平均10〜20の炭素原子を１分子中に有するオ
レフインスルホン酸塩 (5) 平均10〜20の炭素原子を１分子中に有するア
ルカンスルホン酸塩 (6) 平均10〜24の炭素原子を１分子中に有する飽
和又は不飽和脂肪酸塩 (7) 平均炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニ
ル基を有し、１分子中に平均0.5〜８モルのエ
チレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイ
ドあるいはブチレンオキサイドあるいはエチレ
ンオキサイド／プロピレンオキサイド＝0.1／
9.9〜9.9／0.1の比であるいはエチレンオキサイ
ド／ブチレンオキサイド＝0.1／9.9〜9.9／0.1
の比で付加したアルキル又はアルケニルエーテ
ルカルボン酸塩 (8) 下記の式で表わされるα−スルホ脂肪酸塩又
はエステル 〔式中Ｙは炭素数１〜３のアルキル基又は前記
陰イオン性界面活性剤の対イオン、Ｚは前記陰
イオン性界面活性剤の対イオンである。R₄は
炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を
表す。〕 これらの中でも(1)、(2)、(3)、(4)が好ましく、特
に(1)が好ましい。 本発明の(A)成分と(B)成分は重量比で20／80〜
80／20、好ましくは40／60〜60／40の範囲で用い
られる。この範囲外では脱脂及び脱臭効果の優れ
た組成物を得ることができない。本発明の組成物
において、(A)成分と(B)成分の両成分の合計量は、
一回当たり使用量、省エネ的観点などより15〜40
重量％以上とすることが望ましい。 また、本発明では、本発明の効果を阻害しない
範囲でポリオキシアルキレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルフエニルエーテル、
高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレ
ンオキサイド付加物、シヨ糖脂肪酸エステル、脂
肪酸グリセリンモノエステルなどの非イオン活性
剤、無機又は有機ビルダー、溶剤、可溶化剤、螢
光染料、香料、着色剤、再汚染防止剤などの洗剤
常用成分を配合することができる。 〔発明の効果〕 本発明の洗浄剤により処理された羽毛は、残脂
率が小さく、適度に脱脂されており、柔軟処理を
必要とせず、しかも極めて長期間にわたつて異臭
を発生することがない。また、羽毛の風合いを損
ねることがないのでその実用的価値は極めて高い
ものである。 〔実施例〕 以下実施例をもつて詳細に説明するが本発明は
これら実施例に制約されるものではない。 実施例 １ 表１にアルキル硫酸ソーダとアルキルアミンオ
キサイドの比率を変えて原羽毛を洗浄した結果を
示した。原羽毛には、中国産ホワイトグース及び
グレーグースを用いた。洗浄条件は、原羽毛５ｇ
に水200mlを加え（浴比１：40）、原羽毛に対し表
１に示す成分組成のものをそれぞれ1.5％添加し、
60℃で30分間スクラボメーター（東洋精機製）で
洗浄を行つた。洗浄後、洗浄液を排液し水200ml
を加え、40℃で10分間すすいだ後、同様の操作で
合計５回すすぎを行つた。すすぎ終了後の羽毛を
105℃、２時間乾燥し、臭いの評価及びソツクス
レー抽出器にてジクロロメタンを溶媒に用い、残
脂率を測定した。 尚、臭いの評価は、パネラー５名による次の４
段階評価により行つた。 ◎羽毛臭がほとんどしない 〇羽毛臭がわずかにする △羽毛臭がする ×原羽毛と変わらない アルキル硫酸ソーダとアルキルアミンオキサイ
ドの比率が80／20〜20／80で臭いの除去効果が認
められ、特に顕著な除去効果が認められたのは
60／40〜40／60の範囲であつた。

【表】 実施例 ２ 表２にアルキルアミンオキサイド（平均炭素数
C₁₂）と各種アニオン界面活性剤の比率を好まし
い混合比率内である50／50とした本発明品及びア
ルキルアミンオキサイドとノニオン活性剤の組み
合わせ、その他アルキルアミンオキサイド以外の
活性剤を使用した比較品を用いて、中国産ホワイ
トグース及びグレーグースを実施例１と同様な条
件で洗浄を行い、残脂率、臭い及び風合いの評価
を行つた。 尚、風合いの好みの評価は10人の女性パネラー
によつて基準との一対比較により、次のような評
価水準に従つて点数をつけ10人の合計得点により
判断した。 ＋２：基準より好き ＋１：基準よりやや好き ０：基準と同等 −１：基準よりやや嫌い −２：基準より嫌い

【表】

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一般式（）で表されるアルキルアミンオキ
   サイド(A)と陰イオン活性剤(B)とを必須成分とし、
   (A)成分と(B)成分の重量比がＡ／Ｂ＝20／80〜80／
   20であることを特徴とする原羽毛用洗浄剤組成
   物。 （式中、R¹は炭素数10〜20のアルキル基又はア
   ルケニル基であり、R₂、R₃は炭素数１〜３のア
   ルキル基である。）