JPS6337853Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、洋傘の露先掛止装置に関するもの
である。

〔従来の技術〕

閉傘時に於ける傘骨の集合状態を維持する露先
掛止装置は、柄の上端に下部を嵌め込み固着する
軸筒と、この軸筒の外周上端から下方途中迄の範
囲に前記柄と同径となるよう設けた鍔部と、この
鍔部の外側にスライド自在に嵌装した筒体と、こ
の筒体の上端に内方に巻込んで設けたストツパ
と、筒体の下縁部に下方に向う程小径となるよう
設けた絞り部とで構成され、鍔部の上面にストツ
パが当接するよう筒体を引き戻すと露先から上記
筒体が外れ、筒体を押し出すと露先に筒体が被さ
るようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

筒体を押し出したのちの振動等による上記筒体
の戻り防止方法は、鍔部の下縁に絞り部の内周を
圧接して行なうので、確実に戻りを防止すること
ができず、露先から筒体が外れる問題があつた。

また、傘が古くなるにともない鍔部の下縁が摩
滅して尚一層筒体が戻りやすくなる。

さらに、筒体の絞り加工に手間がかかる問題が
あつた。

特に筒体を引き戻したとき、柄に筒体の下部が
被さるので、柄の太さに合せて露先掛止装置を製
作しなければならない問題もあつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の問題点を解決するために、この考案は中
心に傘軸が貫通するようにして柄の上端に下端を
固着した軸筒と、この軸筒の外周上端から下方途
中迄に設けた鍔部と、この鍔部の外周に設けた環
状溝と、上記鍔部の外側に昇降自在に嵌装すると
共に、降下終了時に露先から上端が外れる筒体
と、この筒体の下縁に鍔部の下面に衝突させるよ
う設けた抜止用の係止部と、前記環状溝に嵌め込
むと共に、拡径により筒体の内周に外周を圧接さ
せた切離しリングとで構成したものである。

〔作用〕

閉傘後に筒体を押し出して露先に上記筒体の上
端を被せる。

開傘に際しては、筒体を引き戻して露先から上
記筒体の上端を外す。

〔実施例〕

図において、１は傘軸２の下端に取付けた柄
で、この柄１の上端には、中心に傘軸２を貫通さ
せた軸筒３の下端が固着されている。

上記の固着方法は、図示の場合柄１の上端面か
ら下方に環状の凹入段部４を設けて、この凹入段
部４に軸筒３の下端面から突出する環状の突部５
を押し込み、接着剤等を介し取付ける。

また、軸筒３の外周上端から下方途中迄に鍔部
６を設けると共に、この鍔部６の外周には、環状
溝７が設けられている。

さらに、鍔部６の外側には、降下終了時に露先
Ａから上端が外れる筒体８が昇降自在に嵌装され
ている。

また、筒体８の下端には、鍔部６の下面に当接
して上記筒体８が上方に抜けない係止部９が設け
られている。

さらに、環状溝７には、拡径にともない筒体８
の内周に外周を圧接させた切離しリング１０が嵌
め込まれている。

上記の切離しリング１０は、縮径時にともない
両端がラツプする合成樹脂製の板を用い、そして
スムーズなすべりを保障すると共に、錆がなく、
安価に提供するようにしたが、上記以外の材質の
ものであつてもよい。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る洋傘の露先掛止
装置によれば、拡径する切離しリングの外周を筒
体の内周に圧接させてあるので、振動等による筒
体のスライドを止めることができる。

このため、露先から筒体の上端が自然に外れる
ような不都合をなくすることができる。

また、簡単かつ迅速に組立てることができる。

さらに、引つかかりや、がたつきがなく筒体を
スムーズにスライドさせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る露先掛止装置の縦断正
面図、第２図は同上の分解斜視図、第３図は洋傘
の正面図である。 Ａ……露先、１……柄、２……傘軸、３……軸
筒、４……凹入段部、５……突部、６……鍔部、
７……環状溝、８……筒体、９……係止部、１０
……切離しリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中心に傘軸が貫通するようにして柄の上端に下
   端を固着した軸筒と、この軸筒の外周上端から下
   方途中迄に設けた鍔部と、この鍔部の外周に設け
   た環状溝と、上記鍔部の外側に昇降自在に嵌装す
   ると共に、降下終了時に露先から上端が外れる筒
   体と、この筒体の下縁に鍔部の下面に衝突させる
   よう設けた抜止用の係止部と、前記環状溝に嵌め
   込むと共に、拡径により筒体の内周に外周を圧接
   させた切離しリングとから成る洋傘の露先掛止装
   置。