JPS6335891Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、キヤリヤカートに関するものであ
り、特に折畳可能にして保管スペースを可及的少
なくし得るようにしたものに関する。

（従来技術） 従来より、工場、倉庫等における製品搬送用と
して用いられるキヤリヤカートは、一般に底部に
床面移動用のキヤスターを備えていると共に上部
にはトロリーを備えていて、該トロリーを天井に
配置された搬送用レールに懸架してキヤリヤカー
ト全体を吊下げ得るようにしたものが使用され
る。

この種のキヤリヤカートは、製品出し入れの便
利のために間口を大きくすると共に搬送移動時の
スペースを小さくするために奥行を小さくして長
方形に形成されているが、これを三方囲いにした
り更に出し入れ口に扉を設けて四方囲いにしたり
すると折畳み構造にすることができず、保管スペ
ースが大きくなつて、例えば、このキヤリヤカー
トを二千台、三千台を使用する工場等においては
その保管スペースは膨大な面積となる。

一方、この種のキヤリヤカートには一定の強度
を必要とすることから固定的なフレームを備えて
いなければならず、従つて、全体として相当の重
量となり、また、底部にキヤスターが設けられて
いることから、四隅にヒンジ部を設けて折畳み得
るような構造として順次立てかけて保管するよう
な格納形態をとることはできない。

そこで従来は、第１図に示すように、「Ｚ」字
状の底部フレーム３１の平行な二辺に側壁部３２
を設けて二方開放型とすると共にこの両側壁部の
上部には略「Ｕ」字状をなした連結パイプ３３を
差し渡し、底板３４はいずれか一方の側壁部内側
に折畳み得るようにし、一方の開放面にはゴムバ
ンド等（図示しない）を張るようにした、所謂、
「Ｚ」字型キヤリヤカートが使用されており、保
管に際しては第２図に示すように起立させた状態
で順次重合させて格納する形態をとつていた。

しかし上記した従来のものにおいては多数の製
品を重み積みした際に極めて不安定となり、搬送
中に荷くづれが生じる等の欠点があるため、従来
から、上記「Ｚ」字型のキヤリヤカートであつて
少なくとも三方囲いのものが要請されていた。

（考案の目的） 本考案の目的は上記した要請に応え、「Ｚ」字
型であり乍ら三方囲いの、必要ならば四方囲いの
形態にでき、保管スペースの小さいキヤリヤカー
トを提供することにある。

（考案の構成） 本考案のキヤリヤカートは、「Ｚ」字状に形成
された底部フレームの平行な二辺に側壁部が固定
されると共に該両側壁部の上部は連結部材で連結
され、底板は側壁部内面側に折り畳み得るように
すると共に底部にはキヤスターが設けられたキヤ
リヤカートにおいて、上記キヤリヤカートの左右
開放面の少なくとも一方の開放面を閉止するよう
に、上記底部フレームにおける「Ｚ」字の角部を
ヒンジ部とする開閉扉が配置され、該開閉扉は内
側に開け得るようにすると共に開けた際に上記
「Ｚ」字における斜めの辺に添わしめて固定金具
で係止固定するように構成したことが特徴となつ
ている。

従つて、不使用時には底板を上げ、開閉扉を開
いて上記斜めの辺に添わせて係止することにより
従来の「Ｚ」字型キヤリヤカートと同様に重ね合
せて保管することができる。

（実施例） 本考案の実施例を第３図乃至第５図に基づいて
説明するに、図中、１はキヤリヤカート全体を示
している。２は底部フレームであつて、平行な二
辺２Ａ，２Ａと斜め辺２Ｂとからなる略「Ｚ」字
状に形成されている。この底部フレーム２の平行
な二辺２Ａ，２Ａに側壁部３，３′が立設される
と共にその上部は略逆「Ｕ」字状の連結部材４で
連結されており、上記底部フレーム２上には一方
の辺２Ａ側をヒンジ部５ａとする底板５が開閉自
在に配置されると共に底部フレーム２の底面側に
はキヤスター６が取り付けられている。上記側壁
部３，３′は、板、網等で構成してもよいが、実
施例では格子状に構成されており、上記平行な二
辺２Ａ，２Ａの各端部に立設されたパイプ支柱
７，７及び８，８と、その上端部においてパイプ
支柱７，７間及び８，８間に取り付けられた角パ
イプからなる上部フレーム９，１０と、該上部フ
レーム９，１０と上記平行な二辺２Ａ，２Ａとの
間に差し渡された鉄筋１１と、上記パイプ支柱
７，７び８，８間に横に設けられた補強フレーム
１２とから構成されている。

上記のように構成されたものの開放面の少なく
とも一方の開放面を閉止するように開閉扉１３が
配置されるが、この開閉扉１３は上記「Ｚ」字に
おける角部をヒンジ部１４とすると共に内側に開
け得るようになつており、開けた際に上記「Ｚ」
字における斜め辺２Ｂに添わしめるように構成さ
れていてその位置で固定金具１５により係止固定
できるようになつている。

上記開閉扉１３も角型のフレーム１６と鉄筋１
７と補強フレーム１８とにより格子状に形成され
ており、先端縁には上下にストツパー部材１９が
突設されている。上記パイプ支柱８には開閉扉１
３が外方向に開くのを防止するためにストツパー
部材１９が当接するようにした戸当り部材２０が
配置されており、少なくとも上側に配置されたス
トツパー部材１９と戸当り部材２０とを係合固定
できるようにするためにスライド型の係合部材２
１が配置されている。戸当り部材２０は断面
「Ｌ」字状に形成されており、ヒンジ部１４のガ
タにより開閉扉１３の先端側が下るのを防止する
ようになつている。係合部材２１はパイプ支柱８
上をスライドできるパイプ部２１ａと上記ストツ
パー部材１９と戸当り部材２０を挾持するように
した逆「Ｕ」字状の挾持部２１ｂとからなつてい
る。なお、上記底板５は鉄板を折り曲げ加工する
ことにより形成されるが、上記開閉扉１３側が低
くなるように形成されていて製品を開閉扉１３側
に傾けることにより安定的な荷積みできるように
なつている。

２２は上記上部フレーム９，１０を貫通して昇
降自在に設けられた吊下げシヤフトであつて、上
端にはトロリー２３が取り付けられており、天井
に配置されたガイドレール（図示しない）に懸け
られるようになつている。上記吊下げシヤフト２
２の下端は保持パイプ２４内に入つており、該保
持パイプ２４には切欠部が設けられていてここか
ら上記吊下げシヤフト２２に植設されたグリツプ
２５が突出している。従つて、吊下げシヤフト２
２の回転は切欠部の範囲内に規制され、トロリー
２３が不必要に回動してガイドレールへの懸架が
面倒になるのを防止している。２６，２７は開放
面側のパイプ支柱７，８に設けたジヨイント金具
であり、第５図に示すように２台のキヤリヤカー
ト１，１をその開放面側が対向するように配置
し、ジヨイント金具２６，２７で連結することに
より篭状に構成できるようになつていて、このま
ま、例えば、トラツクへの荷積みができるように
したものである。２８は底板５を上げた際の係止
金具である。

上記した構成は１実施例であつて、例えば、開
閉扉を両側に設けて四方囲いとすると共に一方の
扉を製品出し入れのために外方向にも開放できる
ように構成することもできる。

上記したキヤリヤカートは、不使用時には開閉
扉１３を内側に開いて斜め辺２Ｂに添わせて固定
金具１５で係止固定することにより、第２図に示
す従来の保管形態と同様に重合して保管すること
ができ、保管スペースを極めて小さくすることが
できる。

キヤリヤカートの使用に際しては、開閉扉１３
を閉じて係合部材２１をスライドさせることによ
りストツパー部材１９と戸当り部材２０とで開閉
扉１３を固定し、底板５を下すことにより強固で
安定したキヤリヤカートとして組み立てることが
できる。

（考案の効果） 本考案のキヤリヤカートによれば、「Ｚ」字型
のキヤリヤカートにおいて、左右開放面の少なく
とも一方の開放面を閉止するように、底部フレー
ムにおける「Ｚ」字の角部をヒンジ部とする開閉
扉が配置され、該開閉扉は内側に開け得るように
すると共に開けた際に上記「Ｚ」字における斜め
辺に添わしめて係止固定できるようになつている
から、開閉扉を閉じることにより三方囲いのキヤ
リヤカートを構成でき、製品の収納を適確になし
得てみだりに荷くづれが生じたりすることはな
い。

キヤリヤカートの不使用時には開閉扉を開けて
底部フレームの「Ｚ」字における斜め辺に添わし
めて係止固定するようになつているから開閉扉は
内側に位置することとなり、外形寸法が大きくな
つたりすることはなく、従来の「Ｚ」字型のキヤ
リヤカートと同様に極めて小さい保管スペースで
格納することができ、この種キヤリヤカートとし
て最適である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の「Ｚ」字型キヤリヤ
カートの例を示し、第１図は斜視図、第２図は保
管格納状態を示す略線的平面図である。第３図乃
至第５図は本考案に係るキヤリヤカートの実施例
を示し、第３図は斜視図、第４図は一部拡大斜視
図、第５図は２台のキヤリヤカートの連結状態を
平す平面図である。 １……キヤリヤカート全体、２……底部フレー
ム、２Ａ，２Ａ……平行な二辺、３，３′……側
壁部、４……連結部材、５……底板、６……キヤ
スター、７，８……パイプ支柱、９，１０……上
部フレーム、１３……開閉扉、１４……ヒンジ
部、１５……固定金具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 「Ｚ」字状に形成された底部フレームの平行な
   二辺に、板、網又は格子等からなる側壁部が固定
   されると共に該両側壁部の上部は連結部材で連結
   され、底板は側壁部内面側に折り畳み得るように
   すると共に底面にはキヤスターが設けられたキヤ
   リヤカートにおいて、 上記キヤリヤカートの開放面の少なくとも一方
   の開放面を閉止するように、上記底部フレームに
   おける「Ｚ」字の角部をヒンジ部とする開閉扉が
   配置され、該開閉扉は内側に開け得るようにする
   と共に開けた際に上記「Ｚ」字における斜めの辺
   に添わしめて固定金具で係止固定するように構成
   したことを特徴とするキヤリヤカート。