JPS6333774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野： 本考案は合成樹脂製網袋の表面にラベルを貼着
する装置における網袋の保持装置に関する。

従来技術： 玉ねぎなどを収容して販売に供する比較的大型
の網袋に、ラベルを貼着する技術については、既
に各種の方式が知られている。この従来の網袋に
対する合成樹脂フイルム製のラベル貼付に際して
は、網袋を緊張させてラベルが正しく貼付できる
ようにするため、特公昭53−19920号公報、特開
昭52−68000号公報などで開示されているように、
ラベル貼着部に対応する面にテフロン（商品名）
加工を施した板材を、網袋内に挿入して網地を緊
張させるようにしている。このほかに、ラベル貼
着部分の周囲のみを緊張させるよう板を挿入して
ラベルを貼着する方式については、特公昭53−
43040号公報により知られている。

解決しようとする課題： これら従来の技術は、いずれも袋に台板となる
板材を予めラベル貼付機外で挿入して、しかる後
ラベル貼付機のコンベア上に袋を載せ、順次貼付
位置に送り込まれるようにしている。したがつて
袋内に台板を挿入するのに多くの手数を必要と
し、作業能率が低くなる。

課題を解決するための手段： 本考案はこのような従来の問題点を解決して、
ラベル貼着位置への袋の供給を行う搬送体の台板
に、袋が自動的に引き込まれて装着でき、ラベル
貼着後においては袋が自動的に台板から外脱でき
るようにした操作機構を有する、ラベル貼着機に
おける袋体の保持装置を提供することにある。

本考案は網袋にラベルを貼着する装置におい
て、循環駆動される無端の駆動チエーンに、所要
のピツチで多数個配設された網袋の保持装置は、
網袋全体を被嵌し得る受支基盤が基端部裏側で駆
動チエーンに片持ち状に取り付けられ、該基盤は
先端両隅角部を斜切りし、かつラベル貼着用の受
板付設位置後部から基端までの両側を、基端側で
狭まるように勾配を付して形成してあり、この基
盤の上面には、先端両隅角部と、基端部の中間部
で隣接してと、基端部両端部とに、それぞれ一対
のシーブを対象に配設して、これらシーブに無端
ベルトを対称に巻掛け、前記基端中間部に配した
各シーブの上側に、その各支持軸に支持されて相
互に噛み合う歯車および高さを異ならせて駆動ロ
ーラを取り付け、前記無端ベルトは先端隅角部の
シーブと基端外寄りのシーブとの間で、受板の両
側にて基盤の外側よりはみ出すように巻掛け、か
つこの受板両側から基端側に向け次第に幅狭にな
るようにし、前記先端隅角部のシーブ隣接位置
に、それぞれ緊張プーリーを、基盤上で進退可能
に設けたブラケツトに支持して、ベルトが基盤外
側へ張り出す量を調節自在に配設してなる袋着脱
機構を付設し、更に基盤上でラベル貼着対応位置
には前記ベルトの移動を妨げないよう受け板を跨
設してあり、前記駆動ローラが移動路の機体側に
設けたガイドレールに選択接触すると、袋着脱機
構のベルトを袋受け入れまたは袋繰り出しのいず
れかの操作を行うようにした袋体保持装置であ
る。

作用： このような袋体保持装置は、ラベル貼着機の駆
動によつて、網袋の受け入れ区間において、ガイ
ドレールと接触する一方の駆動ローラが回転し、
基盤上に配されている無端ベルトが基盤の両外側
部で袋を受け入れる方向に作動させられる。この
状態で作業者が基盤先端に袋開口部を適宜量被嵌
すれば、無端ベルトが基盤先端部に配したシーブ
からその隣接位置で外側へ突出量調節自在に設け
てある緊張プーリーを経て、受板の外側で基盤側
面からはみ出して基端側へ移動するから、網袋は
このベルトと網袋内面との接触摩擦力で基盤にす
つぽりと袋全体が被嵌装着する。

網袋を保持装置に被嵌して保持するベルトと網
袋との接触状態は、緊張プーリーの出入りを調節
してベルトの緊張力を維持させると同時に、基盤
外側へのベルトの張出し量を併せて加減して正常
に保つ。このようにしておけば、無端ベルトは対
称に配されて同調して作動するので、網袋がよじ
れることなく基盤上に受れ入れ、しかも前記して
あるように、袋受け入れ先端が内すぼみで、そし
てラベル貼付用の受板位置では袋内懐が緊張状態
に近くなり、さらに受け入れ終了に近づくにした
がつて接触力が緩やかになるようにして、袋を無
理なく受け入れ保持する。ラベル貼着位置でのラ
ベル貼着部は受板にて平坦に保たれる。

ラベル貼着後は、網袋を引込んだ無端ベルト
が、網袋の排出区間で引込み操作する側と異なる
他方の駆動ローラの回転で、逆作動し、被嵌して
いた網袋を自動的に排出する。

実施例： 以下本考案装置を実施例について図面により詳
述すれば、第１図に示すのは本考案袋体保持装置
を備えた網袋へのラベル貼着機の一実施例概要図
であつて、機体（図示省略）に支持されて三角形
状に配した軸１，２，３にはそれぞれ鎖車４，
５，６、を固着し、そのいずれかの軸、たとえば
軸１を機体上に設けた駆動機から適宜速度に減速
して駆動するようにし、かかる各鎖車４，５，６
に無端の駆動チエーン７を巻掛け、この駆動チエ
ーン７には、目的とする網袋が丁度全幅で被嵌受
支されるようにした袋体保持装置１０が多数個、
その基盤長手方向の基端部をアタツチメントを介
して所要の間隔で固着配列し、連続循環するよう
になつている。機体の頂部から袋体保持装置１０
が下降する区間の上部には、接着剤となる溶融樹
脂を糸条に連続して射出する射出成型機８の射出
ノズルが袋に対するラベル貼付位置の直上部に配
置されており、合成樹脂フイルム製ラベルの連続
帯L′がラベル貼付位置に順次上方から供給される
ようになつている。このラベル供給機構３０は、
別設したスタンド３１上で、ラベル連続帯L′を巻
付けたリール３２から、切断用ミシン目形成のカ
ツト機構３８を介し、ガイドローラ３４、繰出し
駆動ローラ３５、その押えローラ３５′、テンシ
ヨンローラ３６と緊張力補正ローラ３７とによつ
て、常時一定の緊張状態でラベル貼付部アに供給
されるようになつており、これらはラベル連続帯
L′に予め印刷した位置検出マークを光電スイツチ
などによつて検知して間欠的に所要の動作をする
公知の手段を用いている。図中３９はラベル連続
帯L′のピンチ機構、４０は加圧ローラ、４２は受
けローラで、この加圧ローラ４０と受けローラ４
２とによつてラベルが貼付された後網袋にラベル
を押圧接着するように配されている。４１はガイ
ドローラである。

そして駆動チエーン７に取り付けて網袋Ｓを保
持搬送する袋体保持装置１０は、第２図乃至第５
図にて示すように、ラベル被貼着網袋Ｓを開いた
状態で内部に挿入し得るほぼ長方形状の適宜厚さ
を有する金属板製の基盤１１と、該基盤１１上の
先端部両隅角部に設けた回転自在な一対のシーブ
１３，１３、基端部の上面中央部分に隣接して設
けた一対のシーブ１４，１４、更に基端部両端に
設けたガイドシーブ１４′，１４′とに、それぞれ
対称に緊張して巻掛けたＶベルト１５，１５、お
よび両Ｖベルトの駆動部２０とからなる袋着脱機
構１２と、基盤１１の基端より所要寸法先端部寄
りに配して両端が基盤１１上にスペーサー１９′
を介し固着されて、基盤１１上面から適宜寸法浮
き上らせて設けた受板１９とからなる。そして基
盤１１は、先端両隅角部を斜切りすると共に、受
板１９の取り付け後端（基端側）から基端までの
両側を、次第に幅狭になる勾配を付した外形に
し、基端部を適宜補強して、網袋Ｓの挿入に支障
ないよう下面から適宜離れた位置で基盤１１の長
手中心線に沿い配設した支持棒２１を、駆動チエ
ーン７に取り付け金具２２により一般的な手段
で、それぞれ片持ち状に取り付けてある。

前記袋着脱機構１２の巻掛けＶベルト１５，１
５は、いずれも基盤１１の先端部において、シー
ブ１３の直後位置で、基盤上にて出入り調節可能
に設けたブラケツト１６′で支持されて配設の緊
張プーリー１６により、先端シーブ１３外周の外
位置よりも外側へ張出して移動するようにしてあ
り、この緊張プーリー１６の出入りを加減してベ
ルト１５と網袋Ｓとの接触状態を設定できるよう
になつている。また前記受板１９の両側では基盤
１１の側端よりやや外へはみ出すようにして、該
受板１９側部を過ぎた位置から基端部のシーブ１
４′に到るまでの間ではやや内側寄りになるよう
にし、袋Ｓの受け入れを容易にして、しかもラベ
ル貼付部分の網地が緊張状態を呈するようにして
ある。このようにして巻掛けられた両Ｖベルト１
５，１５は、基盤１１基端部の中間部分に設けた
駆動部２０として、シーブ１４，１４の支持軸１
４ａ，１４ｂ上に、相互に噛合するよう等歯数の
歯車１７，１７を取り付けたものが、各支持軸１
４ａ，１４ｂ上に高低差をつけて、一方の軸１４
ａに摩擦駆動ローラ１８を、他方の軸１４ｂに摩
擦駆動ローラ１８′を、各各固着し、これらのロ
ーラ１８，１８′が、駆動チエーン７による袋体
保持装置１０の循環移動する途中で、機体側に設
けたガイドレール２３，２３′に、所要区間で、
たとえばガイドレール２３と駆動ローラ１８との
接触で、網袋Ｓが基盤１１上に受け入れられる方
向にＶベルト１５，１５を、歯車対１７，１７の
噛み合いで同調駆動（第２図矢印鎖線で示す）
し、ガイドレール２３′と駆動ローラ１８′との接
触で、網袋Ｓが基盤１１上から外脱する方向（第
２図矢印実線で示す）にＶベルト１５，１５を同
調駆動するようにしたのである。

なお、受板１９の四隅角部１９″は図示のよう
に下向きに屈曲して、袋の出し入れに際し支障の
ないよう形成してある。また、前記ガイドレール
２３，２３′については、第１図にて図示省略し
てあるが、袋Ｓを袋体保持装置１０の基盤１１に
対して受け入れるために、袋受け入れ区間Ａにお
いては背の高い駆動ローラ１８と接するガイドレ
ール２３を付設し、袋排出区間Ｂでは背の低い駆
動ローラ１８′と接するガイドレール２３′を付設
するようにしてある。

このように構成した本考案装置によれば、ラベ
ル貼着装置を起動して、駆動チエーン７を作動さ
せることにより、各袋体保持装置１０が第１図に
おいて反時計方向に順次移動する。すると袋受け
入れ区間Ａにおいて、各袋体保持装置１０は、前
記したように、網袋Ｓ操作用のＶベルト１５，１
５が、駆動ローラ１８と当該区間に設けられたガ
イドレール２３との接触で、歯車対１７，１７に
よる同調伝達でプーリー１４，１４を介して鎖線
矢印方向（第２図参照）に駆動される。したがつ
て作業者が基盤１１先端に袋開口部を適宜寸法被
嵌すれば、走行するＶベルト１５，１５の外側面
により、被嵌された網袋Ｓの内側との接触摩擦力
で、基盤１１およびその上面に付設の部分にすつ
ぽりと袋全体が被嵌装着される。この際袋着脱機
構１２のＶベルト１５，１５は対称で、袋受け入
れ先端が内すぼみに、そしてラベル貼付用の受板
１９位置近傍では袋内懐の寸法に近い状態で、さ
らに受け入れが終了するに近づくにしたがい接触
力がやや緩む状態にしてあるから、無理なく網袋
Ｓが受け入れ保持できる。

このようにして袋を保持した保持装置１０は、
頂部の鎖車４位置周囲を巡ぐつて、ラベル貼付部
アに下降すると、この網袋の供給に同調するよう
にして、ラベル連続帯L′がラベル供給機構３０に
て順次ミシン目を付させて供給され、射出成型機
８の射出ノズルから多数条の溶融樹脂糸条が網袋
Ｓとラベルとの間に供給され、その後加圧ローラ
４０と受けローラ４２とによつてラベルが貼付さ
れ、下降する。この間に網袋１袋にラベル１枚が
貼付される（ミシン目で切断される）。

やがて袋排出区間Ｂに到ると、機体の当該区間
に設けたガイドレール２３′とこんどは低い位置
にある駆動ローラ１８′が接触し、前回とは逆の
方向に歯車対１７，１７を回転させることになる
ので、Ｖベルト１５，１５は第２図での実線方向
に駆動され、基盤１１およびその上部に被嵌保持
されていたラベル貼付済みの網袋ＳをＶベルト１
５，１５の外側と袋内側との摩擦抵抗力により外
脱させることになる。したがつて、この外脱区間
で自動的に繰り出された網袋Ｓは作業者の手によ
つて最終直前に取り外し、次の作業に便利なよう
に処理すればよい。

なお、袋体保持装置１０は網袋Ｓを受け入れた
後、ラベルを貼付する際には、予めラベル貼付位
置を定めて、受板１９上位置でラベルが貼付され
るようにしておくことで、上下からローラ４０，
４２により挟んで接着効果を高めるようにするこ
と、並びに網袋の上面にしわをよらせないで、正
しくラベルを貼着することができる。

上記はラベル貼着機における網袋の移動過程が
三角形に架設された搬送構造のものであつたが、
網袋に対するラベルの供給手段を考慮して、ラベ
ル貼着位置を水平面にした形状のラベル貼着機で
あつても、本考案の袋体保持装置はそのまま使用
することができる。

考案の効果： 本考案によれば、合成樹脂製網袋の表面にラベ
ルを貼着する作業を自動的に行うに際し、網袋を
緊張して保持させるための保持体に、その移動す
る際の走行力を利用して保持体に設けた一対のベ
ルトを所要区間で正逆動させ、このベルトと網袋
との摩擦力によつて、網袋を受け入れ保持させ、
あるいは排出できるようにし、特にラベル貼着個
所での網袋の表面が緊張状態に維持できるように
してラベルを正しく貼着でき、作業性が向上し、
無理なく合理的にラベルの貼着ができるようにな
つた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案網袋体保持装置を備えたラベル
貼着機の概要図、第２図は網袋体保持装置を示す
斜視図であつて網袋を着脱する態様を併記したも
の、第３図は袋体保持装置の平面図、第４図は駆
動チエーンとの取り付け部をみた断面図、第５図
は中心縦断面図である。 １，２，３……鎖車取り付けの軸、４，５，６
……鎖車、７……駆動チエーン、１０……袋体保
持装置、１１……基盤、１２……袋着脱機構、１
３，１４……シーブ、１４′……ガイドシーブ、
１５……Ｖベルト、１６……緊張プーリー、１
６′……ブラケツト、１７……歯車、１８，１
８′……駆動ローラ、１９……受板、２０……Ｖ
ベルト駆動部、２１……基盤支持棒、２２……取
り付け金具、１４ａ，１４ｂ……支持軸、２３，
２３′……ガイドレール、３０……ラベル供給機
構、３８……カツト機構、４０……加圧ローラ、
４２……受けローラ、Ｓ……網袋、Ａ……袋受け
入れ区間、Ｂ……袋排出区間、L′……ラベル連続
帯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 網袋へのラベル貼着機において、循環駆動する
   駆動チエーンに、所要ピツチで多数個配設された
   袋体保持装置１０は、網袋全体を被嵌できる基盤
   １１が、その基端部裏側で駆動チエーンに片持ち
   状に取り付けられ、該基盤１１は先端両隅角部を
   斜切りし、かつラベル貼着用の受板１９付設位置
   後部から基端までの両側を、基端側で狭まるよう
   に形成してあり、この基盤１１上面には、先端両
   隅角部と、基端部中間で隣接してと、基端部両端
   とに、それぞれ一対のシーブ１３，１４，１４′
   を対称に配設し、これらシーブ１３，１４，１
   ４′に無端ベルト１５を対称で巻掛け、前記基端
   中間部の各シーブ１４，１４には、その支持軸１
   ４ａ，１４ｂに支持されて相互に噛み合う歯車１
   ７，１７および高さを異ならさせて駆動ローラ１
   ８，１８′を取り付け、前記無端ベルト１５，１
   ５はシーブ１３，１４′の間で受板１９両側にて
   基盤１１の外側よりはみ出すように巻掛け、かつ
   この受板両側から基端側に向け次第に幅狭になる
   ようにし、前記先端隅角部のシーブ１３隣接位置
   に、それぞれ緊張プーリー１６を、基盤１１上で
   進退可能に設けたブラケツト１６′に支持して、
   ベルト１５が基盤外側へ張り出す量を調節自在に
   配設してなる袋着脱機構１２を付設し、更に基盤
   １１上のラベル貼着対応位置に受板１９を前記ベ
   ルト１５，１５の内側移動部分を跨いで取り付け
   てあり、前記両駆動ローラ１８，１８′が移動路
   の機体側に設けたガイドレールに選択接触する
   と、袋着脱機構１２のベルト１５，１５がその基
   盤外側に沿つた張架部で袋受け入れまたは袋繰り
   出しの操作を行うように構成した網袋へのラベル
   貼着機における袋体保持装置。