JPS6332968B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は内燃機関、一層詳わしくは、対になつ
たシリンダ、オーバーヘツドバルブおよび二重点
火プラグを有するコンパクトな内燃機関に関す
る。

背 景 従来、以下に指摘するように数多くの内燃機関
のためのバルブ、点火手段の配置が知られてい
る。プツシユロツド作動式オーバーヘツドバルブ
および向い合つて配置した二重点火プラグを備え
る燃焼室を持つた１シリンダバンク当り２つの整
合したシリンダを有するエンジンは公知である
（例えば米国特許第2609805号第１図〜第４図）。
この公知技術では点火プラグはシリンダヘツドの
頂壁を貫ぬいており、特別のロツカカバー・バル
ブギヤ構造を必要とする。二重点火プラグがシリ
ンダヘツド側壁を貫ぬいて延びているとんがり屋
根型の燃焼室も公知である（例えば米国特許第
2827892号）。中央に配置した単一のカムシヤフト
からプツシユロツドによつて作動させられるオー
バーヘツドバルブを有するＶ型エンジンにおける
急速燃焼変更式部分球形燃焼室もまた公知である
（例えば米国特許第2833254号）。これでは、１シ
リンダ当り唯１つの点火プラグがシリンダヘツド
側壁の縁を貫ぬいている。さらにまたシリンダヘ
ツドの対向した側壁を貫ぬく二重点火プラグを有
する部分球形燃焼室も公知である。（例えば米国
特許第4116179号）。ここでは、オーバーヘツドバ
ルブのオーバーヘツドカムシヤフト作動が利用さ
れている。

従来技術は、(1)ロツカカバーの下でシリンダヘ
ツドの周壁を貫ぬいて通常は開放されている向い
合つて配置した二重点火プラグと(2)ブロツク装着
カムシヤフトからプツシユロツドによつて作動さ
せられるオーバーヘツドバルブとを有する急速燃
焼部分球形燃焼室の利点を有するコンパクトなエ
ンジンを示していない。後者は普通のオーバーヘ
ツドカム配置よりもエンジンの長さを短くする
し、１つより多いシリンダバンクのバルブを作動
させるのに利用出来る。従来技術は、また、この
ようなエンジンのためのプツシユロツド、点火プ
ラグおよびバルブギヤーの矛盾のない配置を示唆
していない。

発明の概要 本発明は従来技術にはない先に述べた利点を有
するエンジン配置を提供して非常にコンパクトで
効率の高いエンジンを提供する。

好適実施例では、本発明にそれぞれ部分球形燃
焼室を持つ２つのシリンダの２つのバンクを有す
る60゜V型４シリンダエンジンを提供する。シリ
ンダバンク間のブロツク装着カムシヤフトはプツ
シユロツドを駆動し、このプツシユロツドがシリ
ンダヘツド内の朝顔形バルブを作動する。これら
のバルブは部分球形燃焼室内に開いた対角線上で
向い合つた吸排気ポートを制御する。各シリンダ
ごとに二重点火プラグを設けてあり、これらの点
火プラグがポート間に角度を持つて隔たつた対角
線上で対向した点火ギヤツプ（spark gap）を有
する。各シリンダの点火プラグの一方はシリンダ
ヘツド外方側壁を貫ぬいており、内方側壁の対応
する対角線上に対向した位置はプツシユロツドに
よつて塞がれている。従つて、各シリンダの二重
点火プラグの第２のものはシリンダヘツドの隣接
した端壁を貫ぬくように配置してある。この端壁
位置は内方側壁の装着位置以上に、点火プラグを
電気的に接続したり修理したりする場合に有利で
ある。

従つて、部分球形燃焼室がシリンダヘツドの対
向した側壁を貫ぬいて対角線上に対向して設けた
吸排気ポートを持つということが本発明の一特徴
である。もう１つの特徴は吸排気バルブを作動す
るプツシユロツドが燃焼室と吸気ポートに隣接し
た内方シリンダヘツド側壁との間を延びていると
いうことである。また別の特徴は、二重点火プラ
グのうちの一つの点火プラグが吸排気ポート間で
孤状に隔たつておりかつ対応した排気ポートの開
口の脇をシリンダヘツド側壁を貫ぬいて開放して
いることである。またさらに別の特徴は、二重点
火プラグのうちの第２の点火プラグが第１の点火
プラグに対角線上に向い合つた点火ギヤツプを有
し、この点火ギヤツプがロツカカバーの位置の下
を隣接端壁を貫ぬいて外にシリンダヘツド迄延び
るプツシユロツドの位置の内側で吸排気ポート間
で角度をなしているということである。さらに別
の特徴は、２つのシリンダバンク間の単一のカム
シヤフトがプツシユロツドを駆動して各バンクに
位置する２つの長手方向に整合したシリンダのバ
ルブを作動させるということである。

本発明のこれらのおよび他の特徴、利点は添付
図面と一緒に好適実施例についての以下の説明を
検討することによつてより充分に理解出来よう。

実施例の説明 図面において、参照符号１０は全体的に本発明
による60゜V−４内燃機関（エンジン）を示して
いる。エンジン１０はシリンダブロツク支持クラ
ンク軸（図示せず）の長手方向軸線回りに60゜の
角度で配置した２つのシリンダバンク１２，１４
を画成するシリンダブロツク１１を包含する。

各シリンダバンクは一対の長手方向に整合した
シリンダを画成しており、左側のシリンダバンク
１２の画成する２つのシリンダ１５，１６だけが
図示してある。各バンクのシリンダ１５，１６は
平行な軸線１８，１９上に配置してあり、これら
の軸線は共通の長手方向平面２０内に位置すると
共にこの長手方向平面２０に対して直角にかつそ
れぞれのシリンダバンクの横方向に延びる個々の
横方向平面２２，２３内にも位置する。各シリン
ダ内にはピストン２４が配置してあり、このピス
トンはエンジンのクランク軸と、このクランク軸
を駆動すべく、普通のやり方で連結してある。シ
リンダの上端で、シリンダはそれぞれのシリンダ
バンクの平らな頂壁２６を貫ぬいて開いている。

各シリンダバンクの頂壁２６にはシリンダの端
を閉じるようにシリンダヘツド２７が装着してあ
る。各シリンダヘツドは一対の部分球形ドーム型
燃焼室凹所２８を画成しており、これらの凹所は
それぞれのシリンダの端に位置しシリンダ軸線上
に心出しされており、従つて長手方向平面および
横方向平面が燃焼室凹所を参照符号３０，３３で
示す実質的に等しい象限に分けている。

シリンダヘツドは、さらに、シリンダブロツク
に対して装着されている底壁３５と、この底壁の
反対側の頂壁３６と、内外の側壁３８，３９と、
前後の端壁４０，４１とを包含する。側壁および
端壁はシリンダヘツドおよびそこに画成した燃焼
室凹所を周方向に囲んでいる。底壁はシリンダブ
ロツクの頂壁２６に装着される。頂壁３６は端壁
と側壁迄延びており、その上縁４２はバルブカバ
ー４４を支持している。

各シリンダは吸気ポート４５を備えており、こ
の吸気ポートはそれぞれの燃焼室凹所の内側中央
象限３１内に主として位置しかつシリンダヘツド
内方側壁３８を貫ぬいて外方に延びる開口４６を
通して燃焼室凹所２８に開いている。シリンダヘ
ツドの内方側壁３８に装着した吸気マニホルド４
８が吸気ポート４５と接続していて適当な新気形
成手段（図示せず）からの燃料空気予混合新気を
吸気ポートに与えるようになつている。

各シリンダは、さらに、開口５０を通してそれ
ぞれの燃焼室凹所と連通する排気ポート４９を備
えている。この開口５０は対応する燃焼室の外側
端象限３３内に主として位置しかつシリンダヘツ
ドの外方側壁を通して外方へ延びている。排気マ
ニホルド５２が各シリンダヘツドの外方側壁３９
に装着してあつてシリンダヘツドの排気ポートか
らの排ガスを集め、排気系統（図示せず）の残り
の部分に送るようになつている。

各シリンダの吸排気ポート開口４６，５０は、
それらが燃焼室凹所の対角線上に対向した象限内
の位置にあるという理由によつて、対角平面５３
上に位置し、この対角平面は好ましくはそれぞれ
のシリンダの軸線を通りかつ燃焼室の内側中心お
よび外側端象限を横切つている。各シリンダのこ
の対角平面５３に沿つて朝願形吸排気バルブ５
４，５６が往復動するように配置してある。これ
らの吸排気バルブはそれぞれ吸排気ポートの開口
４６，５０を制御し、シリンダヘツド上壁３６を
貫ぬいて上方にバルブカバー迄延びている。バル
ブスプリング５７がバルブ５４，５６をそれぞれ
の閉位置に向つて弾力的に押している。

バルブをそれぞれの開位置に作動させるための
適当なバルブギヤが設けてあつて、これは吸排気
ロツカアーム５８，６０、吸排気プツシユロツド
６１，６２およびカム従動子を包含する。これら
のカム従動子が好ましくは流体圧ラツシユアジヤ
スタ６４であり、プツシユロツドと係合しかつ長
手方向に延びるカムシヤフト６６のそれぞれのカ
ム６５の上に乗つている。カムシヤフト６６はシ
リンダに沿つた内側でシリンダバンク間の中央を
シリンダブロツク内に回転自在に担持されてい
る。各シリンダの吸排気プツシユロツド６１，６
２は適当な開口６８，６９を貫ぬいて延びてい
る。これらの開口は燃焼室凹所と内方側壁との間
でシリンダヘツドに設けてあり、それぞれの燃焼
室の内方端象限３２に沿つてその内側に配置して
ある。

吸気ポートを通して燃焼室に送り込んだ燃料新
気の急速燃焼点火を行うために、各シリンダはそ
れぞれ点火ギヤツプ７３，７４を備える２つの点
火プラグ７０，７２を有している。これらの点火
ギヤツプはそれぞれの燃焼室凹所内で対角線方向
に向い合つて配置してあり、また、それぞれのシ
リンダ軸線を通つて延びかつ吸排気ポート開口を
接続する対角平面５３に対して直角に延びる対角
平面７６に接近した吸排気バルブ開口の位置の中
間で角度をなして位置している。従つて、各シリ
ンダの点火プラグの点火ギヤツプは吸排気バルブ
の象限間に交互に位置する燃焼室の対向して位置
する象限３０，３２内に配置される。

各燃焼室の点火プラグ７０の内の１つの点火プ
ラグ（その点火ギヤツプは外側中心燃焼室象限３
０内に位置する）は、シリンダヘツドの外方側壁
３９を貫ぬいて普通の態様でシリンダヘツド外方
に延び得るように位置決めされ、関連するシリン
ダのための隣接排気ポート４９にほぼ沿つてその
内側に位置することになる。各シリンダの別の点
火プラグ７２は隣接したプツシユロツドがあるた
めシリンダヘツドの内方側壁を貫ぬいて対称的に
設けることは出来ない。これらのプツシユロツド
は点火プラグ７２の点火ギヤツプ７４が延びてい
る燃焼室の内方端象限３２に沿つて位置するので
ある。しかしながら、ここに開示した特定の形式
のＶ型エンジン配置では、第２の点火プラグをシ
リンダヘツドの内方側壁に装着するということ
は、それらの端が、吸気マニホルドに隣接してシ
リンダバンク間の空間、すなわち通常混み合つて
いて他の構成要素を装着するのに用いられる空間
に突出することになる。これらの問題は、本発明
の配置では、各シリンダの第２の点火プラグ７２
をシリンダヘツドの隣接した端壁４０，４１内に
それを貫ぬいて延びるように装着することによつ
て解決される。このように装着するとシリンダヘ
ツドの前後に沿つた位置でエンジンの電気系統と
この第２の点火プラグを接続することができ、一
方、他方の点火プラグをそれぞれのシリンダヘツ
ドの外方側壁に沿つて電気接続するように配置で
きるので便利である。

従つて、本発明によれば、対向して配置した点
火ギヤツプを備える二重点火プラグとシリンダヘ
ツドの側端壁に沿つた周方向に位置する電気接続
部とを有する部分球形燃焼室の朝願形バルブをプ
ツシユロツドを介して駆動する普通の接近密着結
合ブロツク装着カムシヤフトの特徴を組合せると
共に、バルブ作動プツシユロツドが燃焼室と吸気
ポートに沿つた内方側壁との間でシリンダヘツド
を貫ぬいて延びているコンパクトなエンジン配置
を提供する。これらの特徴および図示実施例で開
示した他の特徴が組合つて車輛のエンジン室内に
容易に装着出来るシリンダ画成要素のコンパクト
な配置を有する高効率急速燃焼室エンジンを画成
する。点火ギヤツプとシリンダポートの位置を交
互の象限にしたということはシリンダ新気の急速
燃焼にとつて特に効果的であり、排ガスまたは余
剰空気の再循環による新気の希釈を効果的に利用
して不当に燃焼を遅らせたりエンジン効率を低下
させたりすることなく排気成分を制御することが
出来る。

本発明を説明のために選んだ特定の実施例につ
いて説明して来たが、本発明の精神および範囲内
で種々の変更をなし得ることはあきらかである。
従つて、本発明はここに説明した特定の実施例ま
たは特徴に限定されず、特許請求の範囲によつて
のみ限定されるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による60゜V−４内燃機関の一
部の横断面図である。第２図は第１図の２−２線
に沿つた平面から見たロツカカバーの上部の除去
されているシリンダバンクの１つを示す平面図で
ある。第３図は第１図の３−３線に沿つた平面か
ら見たシリンダヘツドの一部を示す底面図であ
る。第４図は第２図の４−４線に沿つた平面から
見た端壁装着点火プラグの１つの位置を示す断片
横断面図である。第５図は第２図の５−５線に沿
つた平面から見た側壁装着点火プラグ１つの位置
を示す断片横断面図である。 〔主要部分の符号の説明〕１５，１６……シリ
ンダ、２０……長手方向平面、２２，２３……横
方向平面、２７……シリンダヘツド、２８……燃
焼室凹所、３０，３１，３２，３３……象限、３
８，３９……側壁、４０，４２……端壁、４５…
…吸気ポート、４９……排気ポート、５３……対
角平面、５４，５６……バルブ、５８，６０……
ロツカアーム、６１，６２……プツシユロツド、
７０，７２……点火プラグ、７３，７４……点火
ギヤツプ、７６……対角平面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ２つの列形シリンダを画成するシリンダバン
   クを包含する二重点火式プツシユロツド作動オー
   バーヘツドバルブ内燃機関であつて、該２つのシ
   リンダが平行な共通平面軸線を有し、隣り合つた
   端をシリンダヘツドによつて塞がれており、該シ
   リンダヘツドがシリンダの閉じた端に一対の燃焼
   室を画成する皿型凹所を有し、該シリンダヘツド
   が燃焼室の凹所の周囲を囲む対向した側壁と端壁
   とを包含する内燃機関において、それぞれのシリ
   ンダの軸線を通り該それぞれのシリンダの軸線を
   通る長手方向平面及び横方向平面と実質的な角度
   をなす対角平面内に位置して各燃焼室凹所に開く
   吸気ポートおよび排気ポートを画成する手段が設
   けられ、前記ポートが前記側壁を通して各燃焼室
   凹所をシリンダヘツドの互に反対の側と連通させ
   ておりかつシリンダの側に担持されたカムシヤフ
   トと作動係合するプツシユロツドによつて駆動さ
   れるシリンダヘツド装着ロツカアームによつて作
   動するバルブにより制御されるようになつてお
   り、また、シリンダヘツドに担持されて各シリン
   ダごとに二重点火プラグが設けてあり、これらの
   点火プラグがそれぞれの吸気ポートおよび排気ポ
   ートの位置の角度的に中間のほぼ向い合つた位置
   で各燃焼室凹所内に位置する点火ギヤツプを有
   し、かつ前記シリンダ軸線を通り前記ポート開口
   の平面に直角な対角平面に接近して位置してお
   り、各シリンダの前記プツシユロツドがシリンダ
   ポートの１つに隣接してかつ前記点火プラグの一
   方と隣接した側壁との間で前記シリンダヘツドを
   貫通して延びており、各シリンダの他方の点火プ
   ラグが反対側の側壁を貫通する開口内に装着して
   あり、前記一方の点火プラグが隣接した端壁を貫
   通する開口内に装着してあり、それによつて、二
   重点火急速燃焼室及びバルブ・ギヤ装置がコンパ
   クトで便利なものなることを特徴とする内燃機
   関。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の内燃機関におい
   て、前記燃焼室がそれぞれシリンダ軸線を通る共
   通の長手方向平面と直角に延びる横方向平面とに
   よつて４つの象限に分けられており、前記手段
   が、これらの象限のうち互に反対側のものにおい
   てそれぞれの燃焼室に開き、各燃焼室凹所を側壁
   を通してシリンダヘツドの互に反対側と連通させ
   るクロスフロー吸排気ポートを画成しており、前
   記点火プラグがそれぞれの吸排気ポートの象限の
   角度的に中間の位置で各燃焼室凹所の互に反対側
   の象限内に位置する点火ギヤツプを有しており、
   各シリンダの前記プツシユロツドが組合つた点火
   プラグのうちの一方の点火プラグの象限から隣接
   の側壁の方向にそれぞれの燃焼室の脇を接近して
   延びていることを特徴とする内燃機関。 ３ 特許請求の範囲第１項または第２項記載の内
   燃機関において、一対のＶ型シリンダバンクを包
   含していることを特徴とする内燃機関。