JPS6331952Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内部に空隙を設け、表面側に化粧シー
トを貼着した中空表面板と裏面側に化粧シートを
貼着した基板とからなる板状体本体部分の表面側
左右両側部または一側部に数条の縦向平行のＶ溝
または数条の溝を介して折曲自在に形成した面縁
框の端部を中空表面板の両側または一側に斜めに
密接して嵌合接着することによつて、板状体本体
部分の両側縁または一側縁に棒状の面縁を一体に
形成した面縁を有する板状体に関するものであ
る。

本考案は建具、ドア材、住家具の扉などの縁框
材と面材とを同時に一体に板状体で形成すること
を目的とするものであつて、従来、建具、ドア
材、住家具の扉などに適する板状体を形成するに
は、内部に桟または框を設けるフラツシユ構造
か、または板状面材に框を取付けるパネルドアな
どが一般的であるが、フラツシユ構造でも、また
パネルドアの場合でも、別工程で桟や框を作り、
かつそれらを取付けるためのダボ切欠嵌合などの
継手構造を必要とし、製作工程が複雑であるばか
りでなく、異種材料を用いることのためソリなど
の変形が生じ易く、組立時の寸法精度、接合の強
度など多くの問題があつた。

本考案はそれらの問題を解決すべく考案された
ものであつて、本考案の要旨とするところは、折
曲可能な化粧シートを裏面側に貼着したＶカツト
可能な基板の板状体本体部分の左右両側または一
側に当る所定の幅の部分を面縁となるべき部分と
なし、この面縁となるべき部分を、基板をカツト
してなる縦向平行のＶ溝または数条の溝を介して
基板の板状体本体部分の表面側に向けて折曲自在
となし、かつ、それら面縁となるべき部分には側
面部面縁框と、左右の隅角部面縁框と、その中間
の表面側面縁框と、面縁框係合用四角形部とを順
次側方に向けそれぞれ縦向平行のＶ溝または数条
の溝を介して折曲自在に連設し、基板の板状体本
体部分の両側に当る所定の幅の部分を面縁裏面側
となるべき部分となし、基板の板状体本体部分の
前記面縁裏面側となるべき部分の表面側に重ね
て、内部に空隙を設け、しかも、表面側に化粧シ
ートを貼着した中空表面板を固定して設け、さら
に中空表面板の両端部もしくは片方端を斜めに切
り欠きその斜めの切り欠き面に前記面縁框係合用
四角形部を折込みその反撥力を利用して嵌合接着
し、このようにして板状体本体部分の両側縁また
は一側縁に棒状の面縁を一体に形成して成る面縁
を有する板状体の構造に存するものである。

本考案における化粧シートとしては、絵柄を印
刷したプラスチツクシート、同ラミネート化粧シ
ート例えばプラスチツクプリントシートをパーチ
クルボードに貼着したものなどを用い、また基板
としては木製合板、チツプボードなどを用いるも
のである。中空表面板としては連続波形湾曲シー
トを表裏両板の中間内部に挿着した所謂段ボール
と同じ構造のもの、または同じく角材などの保距
材を適当間隔を隔てて表裏両板の中間内部に挿着
したフラツシユ構造のものなど適宜のものを用い
ることができる。

つぎに図面に示す実施例をかりて本考案を説明
すれば、第１図に示すように、折曲可能な裏面側
化粧シート１′を裏面側に貼着したＶカツト可能
な基板２の板状体本体部分ａの左右両側部に当る
所定幅の部分を面縁となるべき部分ｂ，ｂとす
る。

それら面縁となるべき部分ｂ，ｂを基板２にカ
ツトした縦向平行なＶ溝３を介して基板２の板状
体本体部分ａの表面側に向けて折曲自在に形成す
る。

つぎに面縁となるべき部分ｂ，ｂには側面部面
縁框４と、左右の隅角部面縁框５と、表面側面縁
框７と、面縁框係合用四角形部６とをそれぞれ縦
向平行のＶ溝９，１０，１１を介して折曲自在に
連設する。

さらに基板２の板状体本体部分ａの両側に当る
所定の幅の部分を面縁裏面側となるべき部分ｃ，
ｃとなし、この基板２の板状体本体部分ａの両側
における前記面縁裏面側となるべき部分ｃ，ｃの
内側に当る部分の表面側に重ねて、内部に空隙ｄ
を設け、しかも、表面側に化粧シート１を貼着し
た中空表面板１４を接着などにより固定して設け
る。前記面縁裏面側となるべき部分ｃにおいて、
中空表面板１４側に密接する側に、前記面縁框係
合用四角形部６の端部をその素材の有する反撥力
を利用して折込み嵌合接着する。ｅは接着剤であ
る。中空表面板１４としては、表裏両板の中間
に、空隙ｄを形成するための保距材１３を挿着し
たものであつて、例えば第２図の断面図に示すよ
うに、連続波形湾曲シートを中間に挿着した所謂
段ボール紙構造のもの、または第３図の断面図に
示すように保距材とし角材を適当間隔を隔てて挿
着したフラツシユ構造のものなど適当のものを用
いることができる。

前記のようにして形成した面材から本考案の板
状体を組立てるには、第１図に示すように、基板
２の板状体本体部分ａの表面側に、中空表面板１
４を接着固定し、ついで両側の面縁となるべき部
分ｂの側面部面縁框４、隅角部面縁框５、表面側
面縁框７および面縁框係合用四角形部６をそれぞ
れＶ溝３，９，１０，１１に沿つてそれらの裏面
側に面縁裏面側となるべき部分ｃが位置するよう
に折曲げ、さらに、面縁框係合用四角形部６の端
部を第４図に示すように、折り曲げてその素材の
有する反撥力を利用して保距材１３の斜面に接着
固定することにより、第４図、第５図に示すよう
に板状体本体部分の両側縁に棒状の面縁ｆ，ｆが
一体に形成された本考案の板状体を組立てること
ができる。

本考案については、板状体本体部分ａの左右両
側に棒状の面縁ｆ，ｆを形成した構造のものにつ
いて説明したが、場合によつては、板状体本体部
分ａの一方の側縁に、同様な棒状の面縁ｆを形成
することもできる。この場合は、他方の側の面縁
となるべき部分を切除し、その側辺を平板状のま
まとするものである。

本考案によるときは、中間に空隙を有する表裏
化粧を施した板状体の両側縁部または一側縁部に
Ｖ溝もしくは数条の溝のカツト加工により形成し
た面縁框をＶ溝もしくは数条の溝に沿つて折曲げ
その素材の有する反撥力を利用して接着固定する
ことにより、板状体の側縁部に棒状の面縁ｆを一
体に形成することができ、きわめて簡便な工程に
より、外観が良好で、重量が軽く、均斉な面縁を
有する建具、ドア材、住家具の扉などの用途に適
切な面縁付き板状体を経済的に提供することがで
きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による板状体の組立前における
面材の展開側面図、第２図は本考案において用い
る中空表面板の構成の１例を示す縦断側面図、第
３図は同じく中空表面板の他の例を示す縦断側面
図、第４図は本考案の板状体の横断平面図、第５
図は同じく本考案の板状体の表面側から見た斜視
図である。 １……表面側化粧シート、１′……裏面側化粧
シート、２……基板、３，９，１０，１１……Ｖ
溝、４……側縁部面縁框、５……隅角部面縁框、
７……表面側面縁框、６……面縁框係合用四角形
部、８……空隙形成用保距材、１２……中空表面
板、ａ……基板の板状体本体部分、ｂ……面縁と
なるべき部分、ｃ……面縁裏面側となるべき部
分、ｄ……空隙、ｅ……接着剤、ｆ……面縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折曲可能な化粧シートを裏面側に貼着したＶカ
   ツト可能な基板の板状体本体部分の左右両側また
   は一側に当る所定の幅の部分を、面縁となるべき
   部分となし、この面縁となるべき部分を、基板を
   カツトしてなる縦向平行のＶ溝または数条の溝を
   介して基板の板状体本体部分の表面側に向けて折
   曲自在となし、かつそれら面縁となるべき部分に
   は、側面部面縁框と隅角部面縁框と表面側面縁框
   と面縁框係合用四角形部とを順次側方に向けそれ
   ぞれ縦向平行のＶ溝または数条の溝を介して折曲
   自在に連設し、基板の板状体本体部分の両側に当
   る所定の幅の部分を面縁裏面側となるべき部分と
   なし、基板の板状体本体部分の前記面縁裏面側と
   なるべき部分の内側に当る部分の表面側に重ね
   て、内部に空隙を設け、しかも表面側に化粧シー
   トを貼着した中空表面板の端部を面縁部分と合致
   するように固定して設け斜めに切り欠き前記面縁
   框係合用四角形部を折込み嵌合接着し、このよう
   にして板状体本体部分の両側縁または一側縁に棒
   状の面縁を一体に形成して成ることを特徴とする
   面縁を有する板状体。