JPS6330885Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、被調理物を加熱調理する高周波加熱
調理装置に係り、特に、この高周波加熱調理装置
におけるオーブンの遮熱装置に関する。

〔考案の技術的背景〕

既に提案されている高周波加熱調理装置は、第
１図乃至第６図に示されるように構成されてい
る。即ち、箱形をなすケース本体１内には、オー
ブン２及び機械室３を区分して形成するオーブン
枠体４が設けられており、このオーブン２の位置
するオーブン枠体４には、開閉扉５が開閉自在に
枢着されており、この開閉扉５の近傍の上記オー
ブン枠体４と一体の上記ケース本体１には、操作
パネル６が付設されている。又、上記オーブン枠
体４の背板４ａの下部には脚片４ｂが上記ケース
本体１の底板１ａに当接するようにして垂設され
ており、上記オーブン枠体４の一側には、遮熱板
７が上記オーブン２からの輻射熱を遮熱するよう
にして立設されている。つまり、この遮熱板７の
一端部は、上記ケース本体１の正面内がわに、
又、この遮熱板７の他端部はケース本体１の背面
内がわに、それぞれ固着されている。

一方、上記オーブン２内には、第５図に示され
るように、被調理物８を載置する棚板９が挿脱自
在に設けられており、この棚板９の上・下部に位
置する上記オーブン枠体４の背板４ａには、上・
下一対の加熱ヒータ１０ａ，１０ｂが水平にして
設けられている。又、上記オーブン枠体４と一体
をなす天板４ｃには、励振口１１が穿設されてお
り、この励振口１１の位置する上記天板４ｃには
導波管１２が添設されている。さらに、この導波
管１２の一端部にはマグネトロン１３が、そのア
ンテナ１３ａを導波管１２内に突出して設けられ
ており、このマグネトロン１３の一側に位置する
上記機械室３内のケース本体１には冷却用フアン
１４がマグネトロン１３を強制的に冷却し得るよ
うにして設けられている。さらに又、上記冷却用
フアン１４の反対側に位置するマグネトロン１３
の一側には、送風ダクト１５がマグネトロン１３
を冷却した流体を上記オーブン２内へ案内し得る
ようにして付設されている。又、上記機械室３内
のケース本体１には、高圧トランス１６や高圧コ
ンデンサ１７が配設されている。

特に、上記マグネトロン１３を備えた導波管１
２は、薄肉の天板４ｃに片持ちにして取付けられ
ており、上記マグネトロン１３の自重は、導波管
１２を介して、上記天板４ｃに加わるようになつ
ている。

〔背景技術の問題点〕

しかしながら、上述した高周波加熱調理装置
は、導波管１２の一端部に垂設される重量体とし
てのマグネトロン１３の荷重をオーブン枠体４の
天板４ｃに導波管１２を介して負荷する関係上、
この天板４ｃを変形させると共に、加熱調理時、
オーブン２内の電界が変化して安定した加熱調理
を施すことが困難であるばかりでなく、上記天板
４ｃによる形状の変形は、急激な電界の変化に伴
つて電界の集中やスパーク等が発生して安全性に
問題がある。

又一方、上記天板４ｃは、輸送時における衝撃
や振動によつても変形したり、上記遮熱板７の一
側に穿設された導波管１２や送風ダクト１５の通
風口１８としての開口部１９（第６図参照）は、
大きく形成されているため、材料力学的にも軟弱
な形状となり、しかも、高圧トランス１６や冷却
用フアン１４の駆動時に生じる振動や騒音と共鳴
し易くなり、静粛な運転が困難になる。さらに、
上記オーブン枠体４はその後方の自重を脚片４ｂ
及び上記遮熱板７の各切起し片７ａ（第４図及び
第６図参照）によつて保持されているから、オー
ブン枠体４のオーブンに重量物を入れると、オー
ブン枠体４自体が歪を生じて、開閉扉５の閉扉時
の密閉度が損われるおそれがあり、しかも電波漏
れも予測される。

〔考案の目的〕

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもの
であつて、オーブンを形成するオーブン枠体の変
形を防止して、オーブン枠体の強度の向上を図る
と共に、組立、調整を容易にして量産による省力
化を図るようにしたことを目的とする高周波加熱
調理装置を提供するものである。

〔考案の概要〕

本考案は、ケース本体内にオーブン及び機械室
を区分して形成するオーブン枠体を設け、このオ
ーブン枠体に天板を上方へ段曲げ部を形成して一
体的に設け、この天板に励振口を穿設し、この励
振口の位置する上記天板にマグネトロンを備えた
導波管を添設し、このマグネトロンの下位の上記
ケース本体の底板に凹窩部を形成し、この凹窩部
に遮熱板を上記導波管を支持するようにして立設
して構成したものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を図示の一実施例について説明す
る。

なお、本考案は、上述した具体例と同一構成部
材には同じ符号を附して説明する。

第７図乃至第１０図において、符号１は、箱形
をなすケース本体であつて、このケース本体１内
には、オーブン２及び機械室３を区分して形成す
るオーブン枠体４が設けられており、このオーブ
ン枠体４の背板４ａの下部には脚片４ｂが上記ケ
ース本体１の底板１ａに当接するようにして垂設
されている。又、上記オーブン２内には、被調理
物８を載置する棚板９が挿脱自在に設けられてお
り、この棚板９の上・下部に位置する上記オーブ
ン枠体４の背板４ａには、上・下一対をなす加熱
ヒータ１０ａ，１０ｂが水平にして設けられてい
る。さらに、上記オーブン枠体４の上部には天板
２０が上方へ段曲げ部２０ａを形成して一体的に
形成されており、この段曲げ部２０ａはこの天板
２０の肉厚程度の段差を付して形成されている。
又、上記天板２０の前・後端部には上立り片２０
ｂが形成されており、この一方の上立り片２０ｂ
は、上記ケース本体１と一体の前板に取付けられ
ている。

一方、上記天板２０の中程には、励振口１１が
穿設されており、この励振口１１の位置する上記
天板２０には、導波管１２が添設されている。さ
らに、この導波管１２の一端部には、マグネトロ
ン１３が、そのアンテナ１３ａを導波管１２内に
突出して設けられており、このマグネトロン１３
の一側に位置する上記機械室３内のケース本体１
には、冷却用フアン（第３図参照）１４が、上記
マグネトロン１３を強制的に冷却し得るようにし
て設けられている。さらに又、上記冷却用フアン
１４の反対側に位置するマグネトロン１３の一側
には、送風ダクト１５がマグネトロン１３を冷却
した流体をオーブン２内へ案内し得るように通風
口１８を通して案内し得るようにして付設されて
いる。なお、上記機械室３のケース本体１の底板
１ａには高圧トランス１６等が配設されている。

他方、上記マグネトロン１３の下位に位置する
上記ケース本体１の底板１ａには凹窩部２１が形
成されており、この凹窩部２１には、遮熱板２２
が上記導波管１２を支持するようにして立設され
ている。即ち、この遮熱板２２の下端部２２ａは
上記凹窩部２１に嵌合するようにして設けられて
おり、上記導波管１２の下位に位置した遮熱板２
２には折曲片２２ｂが上記導波管１２を貫通する
透孔２３を形成するようにして付設されている。
さらに、上記折曲片２２ｂは、上記導波管１２、
天板２０及びオーブン枠体４の上端部４ｄを重合
して設け、これらを止ねじ２４によつて固定して
いる。

従つて、本考案による天板２０は段曲げ部２０
ａを形成することにより、重量体としてのマグネ
トロン１３の荷重を充分に耐えるようにすると共
に、遮熱板２２の折曲片２２ｂが導波管１２を支
承して振動や衝撃に耐えるようにし、しかも、組
立を容易にするように遮熱板２２の下部２２ａを
凹窩部２１に嵌合し得るようになつている。

因に、本考案によるケース本体１の底板１ａに
形成された凹窩部２１は、本考案の要旨を変更し
ない範囲内で、例えば、突出部を形成し、この突
出部に遮熱板２２の下部に形成した係合部を係合
するように設計変更することは自由である。

〔考案の効果〕

以上述べたように考案によれば、ケース本体１
内にオーブン２及び機械室３を区分して形成する
オーブン枠体４を設け、このオーブン枠体４に天
板２０を上方へ段曲げ部２０ａを形成して一体的
に設け、この天板２０に励振口１１を穿設し、こ
の励振口１１の位置する上記天板２０にマグネト
ロン１３を備えた導波管１２を添設し、このマグ
ネトロン１３の下位の上記ケース本体１の底板１
ａに凹窩部２１を形成し、この凹窩部２１に遮熱
板２２を上記導波管１２を支持するようにして立
設してあるので、オーブン枠体４の強度を形状的
に補強できるばかりでなく、遮熱板２２の取付け
や調整も容易になるから、量産による省力化を図
ることができると共に、オーブン２の容積を大き
く形成できるし、しかも、オーブン枠体が変形し
たり、歪を生じないため、電界が変化せず、電界
の集中やスパークを生じるおそれはなくなり、安
全性や信頼性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、既に提案されている高周波加熱調理
装置の斜面図、第２図は、第１図中の鎖線Ａ−Ａ
に沿う縦断面図、第３図は、第２図中の鎖線Ｂ−
Ｂに沿う横断面図、第４図は、上記高周波加熱調
理装置のケース本体を取外したオーブン枠体の斜
面図、第５図は、上記高周波加熱調理装置の断面
図、第６図は、第５図中の鎖線Ｃ−Ｃに沿う断面
図、第７図は、本考案による高周波加熱調理装置
の断面図、第８図は、第７図中の鎖線Ｄ−Ｄに沿
う断面図、第９図は本考案の遮熱板と導波管との
関係を示す斜面図、第１０図は、本考案に使用さ
れる天板の斜面図である。 １……ケース本体、２……オーブン、３……機
械室、４……オーブン枠体、７……遮熱板、１１
……励振口、１２……導波管、１３……マグネト
ロン、２０……天板、２１……凹窩部、２２……
遮熱板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ケース本体内にオーブン及び機械室を区分し
   て形成するオーブン枠体を設け、このオーブン
   枠体に天板を上方へ段曲げ部を形成して一体的
   に設け、この天板に励振口を穿設し、この励振
   口の位置する上記天板にマグネトロンを備えた
   導波管を添設し、このマグネトロンの下位の上
   記ケース本体の底板に凹窩部を形成し、この凹
   窩部に遮熱板を上記導波管を支持するようにし
   て立設したことを特徴とする高周波加熱調理装
   置。 ２ 導波管の下位に位置した遮熱板に折曲片を形
   成し、この折曲片に導波管、天板及びオーブン
   枠体の上端部を重合し、これらをねじ止めして
   固定するようにしたことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の高周波加熱調理装
   置。