JPS6330871Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、ダクトのブラケツト取付装置に係
り、例えば空調用等の中空状のダクトの外側に固
定してダクトを支持するブラケツトの取付構造に
関する。

（従来の技術） 一般に、この種のブラケツトの取付装置として
は、第１図および第２図に示すような構造が採ら
れている。すなわち、中空状のダクト１の外側に
平担状に形成された取付台部２に複数の取付孔３
を設け、そして、この取付台部２に取付けられる
略Ｌ字状に形成されたブラケツト４にも複数の取
付孔５を設け、これらの取付台部２およびブラケ
ツト４の両取付孔３，５にダクト１の内側からリ
ベツト６を挿入して、このリベツト６の頭部をダ
クト１の内側から受治具によつて支持しつつリベ
ツト６の先端を加締め、ブラケツト４をダクト１
の取付台部２に固定していた。しかしながら、こ
のような取付構造では、リベツト６とこのリベツ
ト６を加締めるための治具を必要とするととも
に、組立工程が面倒であり、また、ダクト１の開
口端部からブラケツト４の取付位置が離れている
場合や、ダクト１の形状が屈曲している場合等に
はダクト１内にリベツト６の受治具が配置でき
ず、ブラケツト４の取付けができなかつた。

また、ダクト１が屈曲している場合等には、実
開昭57−200711号公報に記載されているような取
付構造が採られている。この構造は第３図および
第４図に示すように、屈曲しているダクト１に設
けた取付孔３にブラケツト４に設けた取付孔５を
合わせ、この両取付孔３，５に上方から中央に釘
７を挿通させたブラインドリベツト８を挿入し、
このブラインドリベツト８の頭部を押えつつ釘７
を上方へ引くことによつてブラインドリベツト８
の先端部を拡開させてダクト１に係止させてい
た。しかしながら、このブラインドリベツト８は
高価であり、また、このブラインドリベツト８の
固定治具を必要とする問題点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のように、従来のダクトのブラケツト取付
装置では、ダクトにブラケツトを取付けるのにリ
ベツト等の固定部材を用いるため、特別な治具を
必要とし、ブラケツトの取付けが面倒であつた。
また、ダクトの形状や取付個所によつてはブラケ
ツトを取付けることができない場合があつた。

本考案は、上述のような問題点に鑑みなされた
もので、特別な固定部材や治具等を使用すること
なくブラケツトを容易かつ強固にダクトに取付け
ることができ、しかも、ダクトの形状や取付個所
にかかわらずブラケツトを取付けることのできる
ダクトのブラケツト取付装置を提供することを目
的とするものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案のダクトのブラケツト取付装置は、中空
状のダクト１０に、一側に嵌合孔１５を開口形成
した取付台部１１を一体に形成し、また、上記ダ
クト１０に取付けられるブラケツト１６の一端
に、上記取付台部１１の上面に被着される基部２
０およびこの基部２０の先端から基部２０の下方
に折り返され上記嵌合孔１５に挿入されて基部２
０との間で取付台部１１を挾持する係止部２１か
らなる固定片１８を設け、そして、この固定片１
８および上記取付台部１１に、上記ブラケツト１
６を上記ダクト１０の取付台部１１に係止させる
係止手段１２を設けたものである。

（作用） 本考案では、ダクト１０の取付台部１１の嵌合
孔１５にブラケツト１６の固定片１８の係止部２
１を挿入して取付けることにより、取付台部１１
を固定片１８の基部２０と係止部２１とで挾持し
てブラケツト１６が保持されるとともに、係止手
段１２により取付台部１１に対してブラケツト１
６が抜け止め固定される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例の構成を第５図ないし
第７図を参照して説明する。

図において、１０は合成樹脂にて形成された中
空状のダクトで、このダクト１０の外側には取付
台部１１がブロー成形によつて一体に突出形成さ
れている。この取付台部１１は上面が平面状に形
成され、この上面の略中央に係止手段１２として
の円形の係止突部１３が突設され、また、この取
付台部１１のダクト１０の長手方向の一端には内
部がダクト１０内に開口する突部１４が設けられ
（第７図参照）、この突部１４はダクト１０の成形
後にＣ線の位置から切断されて嵌合孔１５が開口
形成される。

また、１６は合成樹脂や金属などにて形成され
たブラケツトで、このブラケツト１６は上記ダク
ト１０を被装着物に取付けるための取付片１７
と、この取付片１７をダクト１０に固定するため
の固定片１８とから構成されている。この取付片
１７は垂直状に設けられて中央に取付孔１９が形
成され、また、固定片１８は取付片１７の下端か
ら水平状に折曲された基部２０と、この基部２０
から基部２０の下方に略Ｕ字状に屈曲されて折り
返された係止部２１とから形成され、この基部２
０の中央部には上記ダクト１０の取付台部１１に
突設された係止突部１３に嵌合する係止手段１２
としての係合孔２２が開口形成されている。

そうして、このように形成されたブラケツト１
６をダクト１０に取付けるには、ブラケツト１６
の固定片１８の係止部２１をダクト１０の取付台
部１１の嵌合孔１５に挿入し、この挿入方向にブ
ラケツト１６を移動させ、取付台部１１の係止突
部１３に固定片１８の係合孔２２を嵌合させれ
ば、取付台部１１を固定片１８の基部２０と係止
部２１とで挾持した状態で固定される。

そして、このブラケツト１６の取付状態では、
取付台部１１を固定片１８の基部２０と係止部２
１とで挾持しているため、ブラケツト１６の上下
方向のがたは全くなく、かつ、取付台部１１の嵌
合孔１５に挿入された固定片１８の係止部２１の
両側部が取付台部１１の内壁間に保持されるた
め、ブラケツト１６の左右方向の移動が規制さ
れ、また、係止突部１３と係合孔２２が嵌合して
いるため、取付台部１１からブラケツト１６が抜
脱することはない。

なお、上記実施例ではブラケツト１６の抜脱を
防止する係止手段１２は、係止突部１３と係合孔
２２の嵌合による構造であつたが、第８図に示す
ように、固定片１８の係止部２１に係止突片２３
を形成し、取付台部１１の嵌合孔１５に固定片１
８の係止部２１を挿入することによつて、この係
止突片２３を嵌合孔１５の内縁の取付台部１１に
係止させる構造の係止手段１２でもよい。

また、上記実施例ではブラケツト１６の左右方
向の動きを固定片１８の係止部２１が挿入された
取付台部１１の内壁によつて規制していたが、第
９図および第１０図に示すように、固定片１８の
基部２０の両側部を挾持するように取付台部１１
の両側縁に突条２５を一体に形成し、この突条２
５によつてブラケツト１６の左右の動きを規制し
てもよく、また、この突条２５を取付台部１１に
一体に形成することによつて、取付台部１１の強
度が向上する。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ダクトに一体に形成した取付
台部に嵌合孔を形成し、この嵌合孔にブラケツト
に屈曲形成した固定片の先端を挿入するのみで、
取付台部を固定片の基部と係止片とで挾持してブ
ラケツトが保持されるとともに取付台部およびブ
ラケツトに設けた係止手段によつて抜け止めされ
て固定されるため、ブラケツトの上下方向のがた
つきは全くなく、ブラケツトをダクトの取付台部
に容易かつ強固に取付けることができ、しかも、
ダクトの形状にかかわらずダクトの種々の位置に
ブラケツトを容易に取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のダクトのブラケツト取付装置の
一例を示す斜視図、第２図は同上一部の縦断面
図、第３図は従来のダクトのブラケツト取付装置
の他の例を示す斜視図、第４図は同上一部の縦断
面図、第５図は本考案のダクトのブラケツト取付
装置の一実施例を示す斜視図、第６図は同上要部
の縦断面図、第７図は同上ダクトの取付台部の縦
断面図、第８図は本考案の装置の他の実施例を示
す要部の縦断面図、第９図は本考案の装置のさら
に他の実施例を示す斜視図、第１０図は第９図の
Ｘ−Ｘ線断面図である。 １０……ダクト、１１……取付台部、１２……
係止手段、１５……嵌合孔、１６……ブラケツ
ト、１８……固定片、２０……基部、２１……係
止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中空状のダクトに、一側に嵌合孔を開口形成し
   た取付台部を一体に形成し、 上記ダクトに取付けられるブラケツトの一端
   に、上記取付台部の上面に被着される基部および
   この基部の先端から基部の下方に折り返され上記
   嵌合孔に挿入されて基部との間で取付台部を挾持
   する係止部からなる固定片を設け、 この固定片および上記取付台部に、上記ブラケ
   ツトを上記ダクトの取付台部に係止させる係止手
   段を設けたことを特徴とするダクトのブラケツト
   取付装置。