JPS6329498Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は細塵捕獲用としてサイクロン装置を
備えた電気掃除機に関するものである。

従来のサイクロン装置を備えた電気掃除機にあ
つては、サイクロン本体で一度遠心分離され、下
降流に乗つて下方に設けられた細塵溜部内に沈積
した細塵が該細塵溜部内に流入する旋回空気の作
用によつて僅かではあるが再飛散してサイクロン
本体の排気口から逸出し、サイクロン装置の捕集
率を低下させるという欠点があつた。この結果、
その後方に設けられた微塵捕集用フイルターの目
づまりを早めて、吸込仕事率の低下を早めるとい
う欠点があつた。

この考案は上記従来の欠点を除去するためにな
されたもので、細塵溜部内に流入する旋回空気の
影響を少なくする突出壁を細塵溜部内に設けるこ
とにより、細塵の再飛散をなくし、サイクロン装
置の捕集率を高めて微塵捕獲用フイルターの目づ
まりを遅くするようにした電気掃除機を提供する
ものである。

以下この考案を図示実施例に基づいて説明する
と、第１図において、１は電動送風機２を内蔵し
た本体ケース、３はこの本体ケースの前部に後部
を着脱自在に結合した集塵ケースで、前方に吸込
口４、後方に前記電動送風機２に連通する開口
５、下面に塵捨て口６を有し、かつ内部は仕切壁
７により前室８と後室９とに分割されている。

１０は前記前室８内をさらに粗塵室１１と細塵
室１２とに分割する粗塵捕獲用のネツトフイルタ
ー、１３は前記細塵室１２内に収納設置された細
塵捕獲用のサイクロン装置で、下方が逆円錐状に
すぼまつた筒部１３ａと、この筒部の上端部周側
で接線方向に開口する吸気口１８と、筒部１３ａ
の下部で開口する塵落下口２６と、筒部１３ａの
上面を閉じる蓋部の中央に前記吸気口１８の下端
よりやや下方まで垂下して筒状に形成された排気
口１４とよりなり、排気口１４が仕切壁７に設け
た連通口１５に嵌合支持されている。１６は塵落
下口２６の下方に設けた細塵溜部で、その底部は
開口１７により開放され、かつ開口１７側が径大
となるようにらつぱ状に形成されている。

１９は前記集塵ケース３の下面開口６を覆う蓋
で、前記粗塵室１１の下方と細塵溜部１６の底部
開口１７とをそれぞれ同時に覆つている。２５は
前記塵落下口２６の下方に対応して細塵溜部内に
設けた傘形の突出壁で、前記蓋１９の内面に取付
けている。

２０，２１は前記サイクロン装置１３の排気口
１４の周縁と開口１７の周縁にそれぞれ設けた気
密維持用のパツキン、２２は前記集塵ケース３の
後室９で開口５を覆うように着脱自在に設けた微
塵捕獲用フイルターで、前段のポリウレタンフオ
ーム製集塵体２３と後段の濾紙集塵体２４とから
構成されている。

以上の構成からなる上記実施例においてその動
作を次に説明する。まず電動送風機２を運転する
と、塵埃を含んだ吸入空気は吸込口４より集塵ケ
ース３の粗塵室１１内に流入し、ネツトフイルタ
ー１０により比較的大きな塵すなわち粗塵が捕獲
される。次にネツトフイルター１０を通過した細
塵を含む空気は細塵室１２内へ入り、サイクロン
装置１３にその吸気口１８より導かれ、筒部１３
ａに沿つて高速旋回させられ、細塵は遠心力によ
り分離されて重力により塵落下口２６から細塵溜
部１６内に落下し、突出壁２５の上面をすべつて
底部に沈積する。このとき、筒部１３ａ内で高速
旋回する空気の一部は前記細塵溜部１６内にも流
入するが、この細塵溜部内に流入した旋回空気は
前記塵落下口２６に対応して細塵溜部１６内に設
けられた傘形の突出壁２５によつて外周方向に拡
散され、その旋回力が弱められるので、該細塵溜
部１６内に沈積した細塵が前記旋回空気によつて
撹拌されることはなくなり、再飛散が防止され
る。このようにして細塵を分離された空気は排気
口１４を出て、後室９内に入り、前記サイクロン
装置１３によつても分離され得なかつた微細な塵
埃が微塵捕獲用フイルター２２によつて捕獲さ
れ、その後電動送風機２を通過して本体ケース１
の後部より外部に排出される。

そして集塵ケース３内に塵埃が多量に捕獲され
た場合は、集塵ケース３を本体ケース１より分離
して蓋１９を開放し、粗塵室１１内の粗塵と細塵
溜部１６内の細塵を塵捨て口６から排出する。一
方、後室９内に捕獲した微塵を捨てる場合は、集
塵ケース３の後部開口５を覆つている微塵捕獲用
フイルター２２を取外して排出する。

なお、上記実施例においては、細塵溜部１６内
に設けた突出壁２５を傘形のものとしたが、第３
図に示す如く、螺旋形の突出壁２５′としてもよ
く、要は細塵溜部１６内に流入する旋回空気の勢
いを外側に拡散してその旋回力を弱める働きを有
するものであればよく、上記実施例の形状に限定
されるものではない。

以上のようにこの考案は、電動送風機を内蔵し
た本体ケースと、この本体ケースに着脱自在に設
けられた集塵ケースと、この集塵ケースの一端に
設けられ、該ケース内を電動送風機へ連通させる
開口と、この開口を覆うようにして集塵ケース内
に着脱自在に設けられた微塵捕獲用フイルター
と、この微塵捕獲用フイルターの前方に設けられ
た細塵捕獲用のサイクロン装置と、このサイクロ
ン装置の前方に設けられた粗塵捕獲用フイルター
とを備え、前記サイクロン装置は塵落下口に対応
してその細塵溜部内にサイクロン本体側から流入
する旋回空気を外周方向に拡散させる突出壁を設
けてなるものであるから、細塵溜部内に一度沈積
した細塵の再飛散がなく、よつてサイクロン装置
の塵埃捕集率が向上し、後方の微塵捕獲用フイル
ターの目づまりを早めるような不具合を解消する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す電気掃除機
の縦断面図、第２図は第１図の−線断面図、
第３図はこの考案の他の実施例を示す要部断面
図、第４図はその突出壁の斜視図である。 １は本体ケース、２は電動送風機、３は集塵ケ
ース、５は開口、１０は粗塵捕獲用フイルター、
１３はサイクロン装置、１６は細塵溜部、２２は
微塵捕獲用フイルター、２５は突出壁、２６は塵
落下口である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 電動送風機２を内蔵した本体ケース１と、 該本体ケース１に着脱自在に設けられた集塵ケ
   ース３と、 該集塵ケース３の一端に設けられ、集塵ケース
   ３内を電動送風機２へ連通させる開口５と、 該開口５を覆う微塵捕獲用フイルター２２と、 前記集塵ケース３内であつて、前記塵捕獲用フ
   イルター２２の前方に設けられた細塵捕獲用のサ
   イクロン装置１３と、 該サイクロン装置１３の下方に設けられ、サイ
   クロン装置にて分離された細塵を体積する細塵溜
   部１６と、 前記集塵ケース３内であつて、前記サイクロン
   装置１３の前方に設けられた粗塵捕獲用フイルタ
   ー１０と、 を含む電気掃除機において、 前記細塵溜部１６内のサイクロン装置１３の細
   塵落下口２６直下に傘形の突出壁２５を設け、サ
   イクロン本体側から細塵溜部内に流入する旋回空
   気を突出壁２５の傘形に沿つて導いてその旋回力
   を弱めたことを特徴とする電気掃除機。