JP4195982B2 - 電気掃除機 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機の集塵構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の電気掃除機の構成を図８を用いて説明する。有底の集塵室３１を設け、内部に吸気する吸気口３２を集塵室３１の側壁に接線方向に向け設けている。集塵室３１の上端開口部３３を覆うように蓋体３４を設け、この蓋体３４に排気口３５を設ける。また集塵室３１の上端開口部３３を覆うようにフィルター３６を取り付けている。電動送風機３７が運転すると、塵埃は吸込部３８より吸引され、吸気口３２より集塵室３１内に吸気され、集塵室３１内で遠心分離され、排気はフィルター３６を通して排気口３５より排出される
（特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−１０４２２３号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、吸気口３２より吸引した塵埃が集塵室３１に徐々に溜まり堆積し、フィルター３６に付着、目詰まりを起こし、集塵室３１に塵埃が十分吸引されないまま吸引力が低下するということがあった。またこの目詰まり対策の為、フィルター３６の面積を大きくすることもあったが、集塵室３１そのものが大きくなり電気掃除機そのものが大型化してしまうという課題があった。
【０００５】
本発明は上記課題を解決するもので、吸引力が急激に低下するのを防止することで集塵性能を向上させ、かつ小型化を実現した電気掃除機を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、第１流入口より塵埃を含む吸引風を吸引し、フィルターにて覆われた略円弧状の第２流入口を介して前記吸引風から塵埃を分離し捕集する塵埃分離部と、前記塵埃分離部内に配設され、前記第２流入口を通過した後の塵埃を含む吸引風から塵埃を遠心分離させる遠心分離部と、前記遠心分離部に設けられた略円筒形状の壁面部と、前記壁面部の内方に設けられ、前記遠心分離部の壁面部の内壁に沿って前記第２流入口より流入した塵埃を含む吸引風を旋回させるための旋回通路を形成するために設けられた略円弧状の旋回部と、前記遠心分離部にて分離した塵埃を蓄積する細塵蓄積部と、前記旋回部の外方かつ遠心分離部の底面に設けられ前記細塵蓄積部と連通する開口部と、前記遠心分離部の吸気下流側である天面に配設され、前記遠心分離部の内部を電動送風機と連通する連通口を有した集塵蓋とを備え、前記第２流入口は前記遠心分離部に設けられた略円筒形状の壁面部に設けられ、前記旋回部の吸気下流側の端部は、前記第２流入口より吸気下流側に位置すると共に、前記旋回部の吸気下流側の端部の接線が、開口部の範囲内に位置する構成として、遠心分離部に流入した塵埃を含む吸引風を確実に旋回させて、塵埃を遠心分離すると共に第２流入口を覆うフィルターをクリーニングし、遠心分離した塵埃を確実に前記開口部に向かわせて細塵蓄積部に蓄積し、塵埃を取り除かれた吸引風を、連通口から電動送風機に向かわせる電気掃除機としたもので、前記旋回部の吸気下流側の端部が前記流入口より吸気下流側に位置するため、前記流入口より遠心分離部に流入した塵埃を含む吸引風は、前記旋回部に沿って確実に旋回するため、目詰まりしにくく吸引力が急激に低下しにくい集塵性能をえることができる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１記載の発明は、第１流入口より塵埃を含む吸引風を吸引し、フィルターにて覆われた略円弧状の第２流入口を介して前記吸引風から塵埃を分離し捕集する塵埃分離部と、前記塵埃分離部内に配設され、前記第２流入口を通過した後の塵埃を含む吸引風から塵埃を遠心分離させる遠心分離部と、前記遠心分離部に設けられた略円筒形状の壁面部と、前記壁面部の内方に設けられ、前記遠心分離部の壁面部の内壁に沿って前記第２流入口より流入した塵埃を含む吸引風を旋回させるための旋回通路を形成するために設けられた略円弧状の旋回部と、前記遠心分離部にて分離した塵埃を蓄積する細塵蓄積部と、前記旋回部の外方かつ遠心分離部の底面に設けられ前記細塵蓄積部と連通する開口部と、前記遠心分離部の吸気下流側である天面に配設され、前記遠心分離部の内部を電動送風機と連通する連通口を有した集塵蓋とを備え、前記第２流入口は前記遠心分離部に設けられた略円筒形状の壁面部に設けられ、前記旋回部の吸気下流側の端部は、前記第２流入口より吸気下流側に位置すると共に、前記旋回部の吸気下流側の端部の接線が、開口部の範囲内に位置する構成として、遠心分離部に流入した塵埃を含む吸引風を確実に旋回させて、
塵埃を遠心分離すると共に第２流入口を覆うフィルターをクリーニングし、遠心分離した塵埃を確実に前記開口部に向かわせて細塵蓄積部に蓄積し、塵埃を取り除かれた吸引風を、連通口から電動送風機に向かわせる電気掃除機としたもので、前記旋回部の吸気下流側の端部が前記流入口より吸気下流側に位置するため、前記流入口より遠心分離部に流入した塵埃を含む吸引風は、前記旋回部に沿って確実に旋回するため、目詰まりしにくく吸引力が急激に低下しにくい集塵性能をえることができる。また、旋回部の外周に沿って旋回した塵埃は、前記旋回部の吸気下流側の端部の接線が、開口部の範囲内に位置しているため、遠心分離した塵埃は確実に前記開口部へと向かい、細塵蓄積部に蓄積されるものである。また、遠心分離部は、吸引した塵埃を流入する流入口を有し吸引風から分離し捕集する塵埃分離部内に配設され、前記塵埃分離部のフィルターにて覆われた第２流入口を通過した後の塵埃を含む吸引風を遠心分離するもので、吸引した塵埃を、フィルターにて覆われた第２流入口通過時と、その後の遠心分離との２段階で分離でき、さらに目詰まりしにくく吸引力が急激に低下しにくい集塵性能をえることができる。さらに、第１流入口より、塵埃分離部に吸引された塵埃を含む吸引風は、遠心分離部の略円筒形状の壁面部に設けた略円弧状の第２流入口のフィルターに沿って旋回するため、前記フィルターをクリーニングすることで、集塵性能を向上できる。
【０００８】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図１〜図８を参照しながら説明する。
【０００９】
図１は電気掃除機の正面図である。本掃除機は、下部に床面の塵埃を吸引する吸込具１、吸引風を発する電動送風機３を内蔵した掃除機本体１８、一端を前記吸込具１に接続した延長管２、前記掃除機本体１８より着脱でき塵埃を捕集する集塵部４、この集塵部４と前記吸込具１を連通する吸引通路を前記延長管２を介して形成し、前記延長管２と前記集塵部４とを接続するホース５から構成されている。また、前記掃除機本体１８には、前記電動送風機３が発する排気を排出する排出穴（図示せず）が設けられている。
【００１０】
図２から図４は、電気掃除機の集塵部４を構成する、塵埃分離部６、遠心分離部７及び集塵蓋８の構成図である。塵埃分離部６は、下方開口で、開閉自在の開閉蓋１７にて覆われている。また、塵埃分離部６には、吸込具１よりホース５を介して塵埃を含んだ気流が流入する第１流入口９が設けられている。遠心分離部７は、前記塵埃分離部６より小径に形成されており、内部に略円形空間を有していて、前記塵埃分離部６内に配設されている。集塵蓋８は、エラストマーのような軟質材を外周に有し略円筒形状で、前記遠心分離部７の吸気下流側に配設されている。１２は前記電動送風機室３の吸引口（図示せず）と前記遠心分離部７の内部を連通する第１連通口でフィルターにて覆われている。１０は遠心分離部７内方へ塵埃を含んだ気流を流入する略円弧状の第２流入口で、フィルターにて覆われており、前記第１流入口９と対向しない位置に設けられている。なお、前記略円弧状の第２流入口は着脱自在で、前記フィルターの掃除もできる。
【００１１】
１４は遠心分離部７に設けた略円筒形状の壁面部、１１は遠心分離部に設けた略円筒形状の壁面部１４の内方に設けられ、前記第２流入口１０より流入した塵埃を含む気流を、前記遠心分離部７の壁面部１４の内壁に沿って、旋回させるための旋回通路１１ａを形成するために配設した略円弧状の旋回部である。前記略円弧の旋回部１１の内方のみが、前記第１連通口１２と連通する構成となっている。１５ａは前記旋回通路１１ａの吸気下流側かつ前記旋回部の外方で、遠心分離部７底面に設けた第１開口部である。１６は旋回部１１より延設して遠心分離部７の壁面部１４の内壁に接するように形成したガイド部で、前記旋回通路１１ａの吸気下流側のみが前記第１開口部１５ａと連通する構成としている。
【００１２】
図５は、図２のＡ矢視図である。２０は前記第１開口部１５と連通しかつ下方に一体的に形成された細塵蓄積部である。また、１３は塵埃分離部６内に配され、前記塵埃分離部６内にて吸引風から分離された高密度塵埃の塵埃を蓄積する高密度塵埃蓄積部で、２４は同じく塵埃分離部６内に配され、前記塵埃分離部６内にて吸引風から分離された低密度塵埃の塵埃を蓄積する低密度塵埃蓄積部であり、区画壁２２によって区画されている。なお、前記高密度塵埃蓄積部１３は前記低密度塵埃蓄積部２４より、前記第１流入口９に対して遠方に配置してある。前記低密度塵埃蓄積部２４は、第２開口部２１を有し、前記第２開口部２１はフィルター２３にて覆われている。１９は電動送風機３の吸引口（図示せず）と、前記第２開口部２１を介して、前記低密度塵埃蓄積部２４とを連通される第２連通口である。つまり、前記第２開口部２１は、電動送風機３の吸引口（図示せず）と前記低密度塵埃蓄積部２４とを連通させる連通部の役割を果たしている。
【００１３】
図６および図７は、集塵部４の上面図である。開口部１５の端部を遠心分離部７の内方まで突出して設けるとともに、旋回部１１の吸気下流側の端部１１ｂを、前記開口部１５の近傍まで位置するように形成したものである。また、図７に示す２６は、遠心分離部７の略円形空間に連なる略円弧状壁を開口部１５近傍まで延設して設けたものである。
【００１４】
上記構成による動作作用を説明する。前記吸込具１より吸引した塵埃は、ホース５内を通った後、前記第１流入口９より前記塵埃分離部６に吸引される。第１流入口９より、塵埃分離部６に吸引された塵埃を含む吸引風は、遠心分離部７に設けた略円筒形状の壁面部１４に沿って旋回する。図４において、旋回部１１の吸気下流側の端部１１ｂは、第２流入口１０より吸気下流側に位置しているため、前記第２流入口１０より遠心分離部７に流入した塵埃を含む吸引風は、前記旋回部１１に沿って確実に旋回するため、吸引風から塵埃は遠心分離された後、前記開口部１５へと向かい、細塵蓄積部２０に蓄積されるものである。さらに、旋回部１１の吸気下流側の端部１１ｂの接線が、開口部１５の範囲内に位置しているため、確実に吸引風から遠心分離された塵埃が、前記開口部１５へと向かい、細塵蓄積部２０に蓄積されるものである。
【００１５】
また、図６および図７のように、開口部１５の端部を遠心分離部７の内方まで突出して設けるとともに、旋回部１１の吸気下流側の端部１１ｂを、前記開口部１５の近傍まで位置するように形成したもので、旋回部１１の外周に沿って旋回した塵埃は、前記旋回部１１の吸気下流側の端部１１ｂが、前記開口部１５の近傍まで位置しているため、確実に前記開口部１５へと向かい、細塵蓄積部２０に蓄積されるものである。
【００１６】
また、塵埃分離部６内においては、図３に示すように、低密度塵埃蓄積部２４に吸引力が作用しているので、体積の大きい塵埃が吸引力を受けやすいのと、重量の大きい塵埃が遠心力が大きいため、高密度塵埃は遠心力が大きく、低密度塵埃は遠心力が小さいこととなる。これにより、高密度塵埃は、第１流入口９に対して低密度塵埃蓄積部２４より遠方に配置してある高密度塵埃蓄積部１３に、区画壁２２の先端開放部を通過後蓄積され、低密度塵埃は前記第１流入口９近傍の低密度塵埃蓄積部２４に蓄積されることとなる。
【００１７】
また、低密度塵埃蓄積部２４の内部と電動送風機３の吸引口（図示せず）とを連通する第２開口部２１を設けているため、低密度塵埃蓄積部２４に蓄積された低密度塵埃は、吸引力により前記第２開口部側から蓄積されていく。特に低密度塵埃は、重量が小さく体積の大きい綿やティシュ等の通気性が良い塵埃が多いことに加え、第２開口部２１を覆うフィルター２３を、前記第２開口部２１の下端（低密度塵埃蓄積部２４の下端）から所定高さの位置に設けているため、フィルター２３の目詰まりを防止できることで集塵性能を向上できる。
【００１８】
さらに、フィルター２３の目詰まりを起こし易い体積の小さい高密度塵埃は、塵埃分離部６内に配設された区画壁２２と開閉蓋１７に配設された区画壁２５にて囲まれ、吸引力の作用しない前記高密度塵埃蓄積部１３内に蓄積されており、フィルター２３には付着しないため、フィルター２３の目詰まりを防止できることで集塵性能を向上できる。
【００１９】
さらに、前記低密度塵埃蓄積部２４内の吸引作用により、低密度塵埃蓄積部２４内で蓄積されている低密度塵埃の舞い上がりを防止できるため、遠心分離部７の第２流入口１０のフィルターへの塵埃の付着を防止でき、集塵性能を向上できる。第１流入口９より、塵埃分離部６に吸引された塵埃を含む吸引風は、遠心分離部７の略円筒形状の壁面部１４に設けた略円弧状の第２流入口１０のフィルターに沿って旋回するため、前記フィルターをクリーニングすることで、集塵性能を向上できる。
【００２０】
質量および体積の大きい塵埃は、塵埃分離部６内に捕集されるが、質量および体積の小さい細塵は、前記第２流入口１０を経て遠心分離部７内方へ吸引される。この遠心分離部７内方へ吸引された塵埃を含む気流は、前記遠心分離部７の壁面部１４の内壁と略円弧状の旋回部１１とにより形成された旋回通路１１ａ内を旋回することで気流と塵埃は分離し、前記塵埃と分離した気流は、その後、前記旋回通路１１ａの吸気下流側の開放部より旋回部１１の内方に流入し、また、略円弧状の旋回部１１の内方のみが、電動送風機３の吸引口（図示せず）と連通する第１連通口１２と連通する構成となっているため、前記気流は前記第１連通口１２を介して掃除機本体１８外へと排出される。
【００２１】
一方、前記気流と分離した塵埃は、第１開口部１５を介して細塵蓄積部２０に蓄積される。前記細塵蓄積部２０は、開閉蓋１７にて覆われていて閉塞された状態であるため、前記細塵蓄積部２０内に気流は生じず確実に内部に蓄積される。そのため、遠心分離部７にて遠心分離され細塵蓄積部２０に蓄積している塵埃を、再度遠心分離部７へ逆流するのを防止できる。また、塵埃分離部６内に、それぞれ下方開口の高密度塵埃蓄積部１３と低密度塵埃蓄積部２４と細塵蓄積部２０とが、水平方向に並んで配設されているため、開閉蓋１７を開くと、高密度塵埃蓄積部１３と低密度塵埃蓄積部２４と細塵蓄積部２０のそれぞれに蓄積されている塵埃が同時に落下するため、前記塵埃分離部６に捕集されていた塵埃とともに、一度に廃棄できる。
【００２２】
【発明の効果】
本発明によれば、吸引力が急激に低下するのを防止することで集塵性能を向上させ、かつ小型化を実現した電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１の実施例における電気掃除機の全体図
【図２】 同集塵部の略構成図
【図３】 同集塵部の展開図
【図４】 同遠心分離部の上面図
【図５】 図２のＡ矢視図
【図６】 同他の遠心分離部の上面図
【図７】 同他の遠心分離部の上面図
【図８】 従来の電気掃除機の側断面図
【符号の説明】
６ 塵埃分離部
７ 遠心分離部
９ 流入口（塵埃分離部）
１０ 流入口（遠心分離部）
１１ 旋回部
１３ 高密度塵埃蓄積部
１４ 低密度塵埃蓄積部
１５ 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気掃除機の集塵構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の電気掃除機の構成を図８を用いて説明する。有底の集塵室３１を設け、内部に吸気する吸気口３２を集塵室３１の側壁に接線方向に向け設けている。集塵室３１の上端開口部３３を覆うように蓋体３４を設け、この蓋体３４に排気口３５を設ける。また集塵室３１の上端開口部３３を覆うようにフィルター３６を取り付けている。電動送風機３７が運転すると、塵埃は吸込部３８より吸引され、吸気口３２より集塵室３１内に吸気され、集塵室３１内で遠心分離され、排気はフィルター３６を通して排気口３５より排出される
（特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開２００１−１０４２２３号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、吸気口３２より吸引した塵埃が集塵室３１に徐々に溜まり堆積し、フィルター３６に付着、目詰まりを起こし、集塵室３１に塵埃が十分吸引されないまま吸引力が低下するということがあった。またこの目詰まり対策の為、フィルター３６の面積を大きくすることもあったが、集塵室３１そのものが大きくなり電気掃除機そのものが大型化してしまうという課題があった。
【０００５】
本発明は上記課題を解決するもので、吸引力が急激に低下するのを防止することで集塵性能を向上させ、かつ小型化を実現した電気掃除機を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、第１流入口より塵埃を含む吸引風を吸引し、フィルターにて覆われた略円弧状の第２流入口を介して前記吸引風から塵埃を分離し捕集する塵埃分離部と、前記塵埃分離部内に配設され、前記第２流入口を通過した後の塵埃を含む吸引風から塵埃を遠心分離させる遠心分離部と、前記遠心分離部に設けられた略円筒形状の壁面部と、前記壁面部の内方に設けられ、前記遠心分離部の壁面部の内壁に沿って前記第２流入口より流入した塵埃を含む吸引風を旋回させるための旋回通路を形成するために設けられた略円弧状の旋回部と、前記遠心分離部にて分離した塵埃を蓄積する細塵蓄積部と、前記旋回部の外方かつ遠心分離部の底面に設けられ前記細塵蓄積部と連通する開口部と、前記遠心分離部の吸気下流側である天面に配設され、前記遠心分離部の内部を電動送風機と連通する連通口を有した集塵蓋とを備え、前記第２流入口は前記遠心分離部に設けられた略円筒形状の壁面部に設けられ、前記旋回部の吸気下流側の端部は、前記第２流入口より吸気下流側に位置すると共に、前記旋回部の吸気下流側の端部の接線が、開口部の範囲内に位置する構成として、遠心分離部に流入した塵埃を含む吸引風を確実に旋回させて、塵埃を遠心分離すると共に第２流入口を覆うフィルターをクリーニングし、遠心分離した塵埃を確実に前記開口部に向かわせて細塵蓄積部に蓄積し、塵埃を取り除かれた吸引風を、連通口から電動送風機に向かわせる電気掃除機としたもので、前記旋回部の吸気下流側の端部が前記流入口より吸気下流側に位置するため、前記流入口より遠心分離部に流入した塵埃を含む吸引風は、前記旋回部に沿って確実に旋回するため、目詰まりしにくく吸引力が急激に低下しにくい集塵性能をえることができる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１記載の発明は、第１流入口より塵埃を含む吸引風を吸引し、フィルターにて覆われた略円弧状の第２流入口を介して前記吸引風から塵埃を分離し捕集する塵埃分離部と、前記塵埃分離部内に配設され、前記第２流入口を通過した後の塵埃を含む吸引風から塵埃を遠心分離させる遠心分離部と、前記遠心分離部に設けられた略円筒形状の壁面部と、前記壁面部の内方に設けられ、前記遠心分離部の壁面部の内壁に沿って前記第２流入口より流入した塵埃を含む吸引風を旋回させるための旋回通路を形成するために設けられた略円弧状の旋回部と、前記遠心分離部にて分離した塵埃を蓄積する細塵蓄積部と、前記旋回部の外方かつ遠心分離部の底面に設けられ前記細塵蓄積部と連通する開口部と、前記遠心分離部の吸気下流側である天面に配設され、前記遠心分離部の内部を電動送風機と連通する連通口を有した集塵蓋とを備え、前記第２流入口は前記遠心分離部に設けられた略円筒形状の壁面部に設けられ、前記旋回部の吸気下流側の端部は、前記第２流入口より吸気下流側に位置すると共に、前記旋回部の吸気下流側の端部の接線が、開口部の範囲内に位置する構成として、遠心分離部に流入した塵埃を含む吸引風を確実に旋回させて、
塵埃を遠心分離すると共に第２流入口を覆うフィルターをクリーニングし、遠心分離した塵埃を確実に前記開口部に向かわせて細塵蓄積部に蓄積し、塵埃を取り除かれた吸引風を、連通口から電動送風機に向かわせる電気掃除機としたもので、前記旋回部の吸気下流側の端部が前記流入口より吸気下流側に位置するため、前記流入口より遠心分離部に流入した塵埃を含む吸引風は、前記旋回部に沿って確実に旋回するため、目詰まりしにくく吸引力が急激に低下しにくい集塵性能をえることができる。また、旋回部の外周に沿って旋回した塵埃は、前記旋回部の吸気下流側の端部の接線が、開口部の範囲内に位置しているため、遠心分離した塵埃は確実に前記開口部へと向かい、細塵蓄積部に蓄積されるものである。また、遠心分離部は、吸引した塵埃を流入する流入口を有し吸引風から分離し捕集する塵埃分離部内に配設され、前記塵埃分離部のフィルターにて覆われた第２流入口を通過した後の塵埃を含む吸引風を遠心分離するもので、吸引した塵埃を、フィルターにて覆われた第２流入口通過時と、その後の遠心分離との２段階で分離でき、さらに目詰まりしにくく吸引力が急激に低下しにくい集塵性能をえることができる。さらに、第１流入口より、塵埃分離部に吸引された塵埃を含む吸引風は、遠心分離部の略円筒形状の壁面部に設けた略円弧状の第２流入口のフィルターに沿って旋回するため、前記フィルターをクリーニングすることで、集塵性能を向上できる。
【０００８】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について、図１〜図８を参照しながら説明する。
【０００９】
図１は電気掃除機の正面図である。本掃除機は、下部に床面の塵埃を吸引する吸込具１、吸引風を発する電動送風機３を内蔵した掃除機本体１８、一端を前記吸込具１に接続した延長管２、前記掃除機本体１８より着脱でき塵埃を捕集する集塵部４、この集塵部４と前記吸込具１を連通する吸引通路を前記延長管２を介して形成し、前記延長管２と前記集塵部４とを接続するホース５から構成されている。また、前記掃除機本体１８には、前記電動送風機３が発する排気を排出する排出穴（図示せず）が設けられている。
【００１０】
図２から図４は、電気掃除機の集塵部４を構成する、塵埃分離部６、遠心分離部７及び集塵蓋８の構成図である。塵埃分離部６は、下方開口で、開閉自在の開閉蓋１７にて覆われている。また、塵埃分離部６には、吸込具１よりホース５を介して塵埃を含んだ気流が流入する第１流入口９が設けられている。遠心分離部７は、前記塵埃分離部６より小径に形成されており、内部に略円形空間を有していて、前記塵埃分離部６内に配設されている。集塵蓋８は、エラストマーのような軟質材を外周に有し略円筒形状で、前記遠心分離部７の吸気下流側に配設されている。１２は前記電動送風機室３の吸引口（図示せず）と前記遠心分離部７の内部を連通する第１連通口でフィルターにて覆われている。１０は遠心分離部７内方へ塵埃を含んだ気流を流入する略円弧状の第２流入口で、フィルターにて覆われており、前記第１流入口９と対向しない位置に設けられている。なお、前記略円弧状の第２流入口は着脱自在で、前記フィルターの掃除もできる。
【００１１】
１４は遠心分離部７に設けた略円筒形状の壁面部、１１は遠心分離部に設けた略円筒形状の壁面部１４の内方に設けられ、前記第２流入口１０より流入した塵埃を含む気流を、前記遠心分離部７の壁面部１４の内壁に沿って、旋回させるための旋回通路１１ａを形成するために配設した略円弧状の旋回部である。前記略円弧の旋回部１１の内方のみが、前記第１連通口１２と連通する構成となっている。１５ａは前記旋回通路１１ａの吸気下流側かつ前記旋回部の外方で、遠心分離部７底面に設けた第１開口部である。１６は旋回部１１より延設して遠心分離部７の壁面部１４の内壁に接するように形成したガイド部で、前記旋回通路１１ａの吸気下流側のみが前記第１開口部１５ａと連通する構成としている。
【００１２】
図５は、図２のＡ矢視図である。２０は前記第１開口部１５と連通しかつ下方に一体的に形成された細塵蓄積部である。また、１３は塵埃分離部６内に配され、前記塵埃分離部６内にて吸引風から分離された高密度塵埃の塵埃を蓄積する高密度塵埃蓄積部で、２４は同じく塵埃分離部６内に配され、前記塵埃分離部６内にて吸引風から分離された低密度塵埃の塵埃を蓄積する低密度塵埃蓄積部であり、区画壁２２によって区画されている。なお、前記高密度塵埃蓄積部１３は前記低密度塵埃蓄積部２４より、前記第１流入口９に対して遠方に配置してある。前記低密度塵埃蓄積部２４は、第２開口部２１を有し、前記第２開口部２１はフィルター２３にて覆われている。１９は電動送風機３の吸引口（図示せず）と、前記第２開口部２１を介して、前記低密度塵埃蓄積部２４とを連通される第２連通口である。つまり、前記第２開口部２１は、電動送風機３の吸引口（図示せず）と前記低密度塵埃蓄積部２４とを連通させる連通部の役割を果たしている。
【００１３】
図６および図７は、集塵部４の上面図である。開口部１５の端部を遠心分離部７の内方まで突出して設けるとともに、旋回部１１の吸気下流側の端部１１ｂを、前記開口部１５の近傍まで位置するように形成したものである。また、図７に示す２６は、遠心分離部７の略円形空間に連なる略円弧状壁を開口部１５近傍まで延設して設けたものである。
【００１４】
上記構成による動作作用を説明する。前記吸込具１より吸引した塵埃は、ホース５内を通った後、前記第１流入口９より前記塵埃分離部６に吸引される。第１流入口９より、塵埃分離部６に吸引された塵埃を含む吸引風は、遠心分離部７に設けた略円筒形状の壁面部１４に沿って旋回する。図４において、旋回部１１の吸気下流側の端部１１ｂは、第２流入口１０より吸気下流側に位置しているため、前記第２流入口１０より遠心分離部７に流入した塵埃を含む吸引風は、前記旋回部１１に沿って確実に旋回するため、吸引風から塵埃は遠心分離された後、前記開口部１５へと向かい、細塵蓄積部２０に蓄積されるものである。さらに、旋回部１１の吸気下流側の端部１１ｂの接線が、開口部１５の範囲内に位置しているため、確実に吸引風から遠心分離された塵埃が、前記開口部１５へと向かい、細塵蓄積部２０に蓄積されるものである。
【００１５】
また、図６および図７のように、開口部１５の端部を遠心分離部７の内方まで突出して設けるとともに、旋回部１１の吸気下流側の端部１１ｂを、前記開口部１５の近傍まで位置するように形成したもので、旋回部１１の外周に沿って旋回した塵埃は、前記旋回部１１の吸気下流側の端部１１ｂが、前記開口部１５の近傍まで位置しているため、確実に前記開口部１５へと向かい、細塵蓄積部２０に蓄積されるものである。
【００１６】
また、塵埃分離部６内においては、図３に示すように、低密度塵埃蓄積部２４に吸引力が作用しているので、体積の大きい塵埃が吸引力を受けやすいのと、重量の大きい塵埃が遠心力が大きいため、高密度塵埃は遠心力が大きく、低密度塵埃は遠心力が小さいこととなる。これにより、高密度塵埃は、第１流入口９に対して低密度塵埃蓄積部２４より遠方に配置してある高密度塵埃蓄積部１３に、区画壁２２の先端開放部を通過後蓄積され、低密度塵埃は前記第１流入口９近傍の低密度塵埃蓄積部２４に蓄積されることとなる。
【００１７】
また、低密度塵埃蓄積部２４の内部と電動送風機３の吸引口（図示せず）とを連通する第２開口部２１を設けているため、低密度塵埃蓄積部２４に蓄積された低密度塵埃は、吸引力により前記第２開口部側から蓄積されていく。特に低密度塵埃は、重量が小さく体積の大きい綿やティシュ等の通気性が良い塵埃が多いことに加え、第２開口部２１を覆うフィルター２３を、前記第２開口部２１の下端（低密度塵埃蓄積部２４の下端）から所定高さの位置に設けているため、フィルター２３の目詰まりを防止できることで集塵性能を向上できる。
【００１８】
さらに、フィルター２３の目詰まりを起こし易い体積の小さい高密度塵埃は、塵埃分離部６内に配設された区画壁２２と開閉蓋１７に配設された区画壁２５にて囲まれ、吸引力の作用しない前記高密度塵埃蓄積部１３内に蓄積されており、フィルター２３には付着しないため、フィルター２３の目詰まりを防止できることで集塵性能を向上できる。
【００１９】
さらに、前記低密度塵埃蓄積部２４内の吸引作用により、低密度塵埃蓄積部２４内で蓄積されている低密度塵埃の舞い上がりを防止できるため、遠心分離部７の第２流入口１０のフィルターへの塵埃の付着を防止でき、集塵性能を向上できる。第１流入口９より、塵埃分離部６に吸引された塵埃を含む吸引風は、遠心分離部７の略円筒形状の壁面部１４に設けた略円弧状の第２流入口１０のフィルターに沿って旋回するため、前記フィルターをクリーニングすることで、集塵性能を向上できる。
【００２０】
質量および体積の大きい塵埃は、塵埃分離部６内に捕集されるが、質量および体積の小さい細塵は、前記第２流入口１０を経て遠心分離部７内方へ吸引される。この遠心分離部７内方へ吸引された塵埃を含む気流は、前記遠心分離部７の壁面部１４の内壁と略円弧状の旋回部１１とにより形成された旋回通路１１ａ内を旋回することで気流と塵埃は分離し、前記塵埃と分離した気流は、その後、前記旋回通路１１ａの吸気下流側の開放部より旋回部１１の内方に流入し、また、略円弧状の旋回部１１の内方のみが、電動送風機３の吸引口（図示せず）と連通する第１連通口１２と連通する構成となっているため、前記気流は前記第１連通口１２を介して掃除機本体１８外へと排出される。
【００２１】
一方、前記気流と分離した塵埃は、第１開口部１５を介して細塵蓄積部２０に蓄積される。前記細塵蓄積部２０は、開閉蓋１７にて覆われていて閉塞された状態であるため、前記細塵蓄積部２０内に気流は生じず確実に内部に蓄積される。そのため、遠心分離部７にて遠心分離され細塵蓄積部２０に蓄積している塵埃を、再度遠心分離部７へ逆流するのを防止できる。また、塵埃分離部６内に、それぞれ下方開口の高密度塵埃蓄積部１３と低密度塵埃蓄積部２４と細塵蓄積部２０とが、水平方向に並んで配設されているため、開閉蓋１７を開くと、高密度塵埃蓄積部１３と低密度塵埃蓄積部２４と細塵蓄積部２０のそれぞれに蓄積されている塵埃が同時に落下するため、前記塵埃分離部６に捕集されていた塵埃とともに、一度に廃棄できる。
【００２２】
【発明の効果】
本発明によれば、吸引力が急激に低下するのを防止することで集塵性能を向上させ、かつ小型化を実現した電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１の実施例における電気掃除機の全体図
【図２】 同集塵部の略構成図
【図３】 同集塵部の展開図
【図４】 同遠心分離部の上面図
【図５】 図２のＡ矢視図
【図６】 同他の遠心分離部の上面図
【図７】 同他の遠心分離部の上面図
【図８】 従来の電気掃除機の側断面図
【符号の説明】
６ 塵埃分離部
７ 遠心分離部
９ 流入口（塵埃分離部）
１０ 流入口（遠心分離部）
１１ 旋回部
１３ 高密度塵埃蓄積部
１４ 低密度塵埃蓄積部
１５ 開口部
Claims (1)
- 第１流入口より塵埃を含む吸引風を吸引し、フィルターにて覆われた略円弧状の第２流入口を介して前記吸引風から塵埃を分離し捕集する塵埃分離部と、前記塵埃分離部内に配設され、前記第２流入口を通過した後の塵埃を含む吸引風から塵埃を遠心分離させる遠心分離部と、前記遠心分離部に設けられた略円筒形状の壁面部と、前記壁面部の内方に設けられ、前記遠心分離部の壁面部の内壁に沿って前記第２流入口より流入した塵埃を含む吸引風を旋回させるための旋回通路を形成するために設けられた略円弧状の旋回部と、前記遠心分離部にて分離した塵埃を蓄積する細塵蓄積部と、前記旋回部の外方かつ遠心分離部の底面に設けられ前記細塵蓄積部と連通する開口部と、前記遠心分離部の吸気下流側である天面に配設され、前記遠心分離部の内部を電動送風機と連通する連通口を有した集塵蓋とを備え、前記第２流入口は前記遠心分離部に設けられた略円筒形状の壁面部に設けられ、前記旋回部の吸気下流側の端部は、前記第２流入口より吸気下流側に位置すると共に、前記旋回部の吸気下流側の端部の接線が、開口部の範囲内に位置する構成として、遠心分離部に流入した塵埃を含む吸引風を確実に旋回させて、塵埃を遠心分離すると共に第２流入口を覆うフィルターをクリーニングし、遠心分離した塵埃を確実に前記開口部に向かわせて細塵蓄積部に蓄積し、塵埃を取り除かれた吸引風を、連通口から電動送風機に向かわせる電気掃除機。
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