JPS6328917Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、座席の傾斜角度を自由に調節しうる
ようにした椅子の座角度調節装置に関する。

〔従来の技術〕

椅子に腰を掛ける入の着座状態に最も適したよ
うに、床面に対する座席の角度を調節する装置と
しては、ねじ杆によつて座席の後部を上下動させ
るものや、座席から垂下した摩擦板を所定の位置
で締着して、所要の傾斜を得るようにしたものが
知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のこの種の装置では、一度椅子から降り、
しやがんだ状態で、角度調節を行う必要があり、
かつ座席をもち上げる操作は面倒であるという問
題点があつた。

本考案は、椅子に腰掛けたままで、操作レバー
を回すことによつて、自由に座板の角度を選択で
きるとともに、装置全体を簡易な構造とした椅子
の角度調節装置を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案においては、
脚柱の上端に断面上向コ字形の座支基を固着する
とともに、該座支基の前部に、座板の後部下面
を、水平の軸をもつて枢着し、座板の後部下面に
止着した断面下向きコ字形の支持板の両側板の下
部を、座支基の各側板の内側に、上下摺動自在に
嵌合し、かつ前記支持板内に、やや小幅の断面下
向きコ字形の押え板を、その側板が、支持板の側
板より若干離れるようにして配設し、前記支持板
の天板と押え板の天板との間に圧縮コイルばねを
縮設することにより、前記座板の後部を上方に付
勢させ、さらに前記押え板の両側板の間に、操作
レバーによつて回動される偏心カムを配設してな
り、前記操作レバーを回動することにより、前記
偏心カムをもつて両押え板の側板を座支基の側板
方向に近接させて、両者の間に、前記支持板の両
側板の下部を締付けて、座板を所要の角度で締着
しうるようにしてある。

〔実施例〕

以下本考案を、図示の一実施例に基づいて詳細
に説明する。

１は椅子で、キヤスター２を有する脚部３と、
脚部３の中央の脚柱４の上端に固着された水平の
断面上向コ字形の座支基５と、座板６ａの前部下
面が座支基５に枢着された座席６と、座支基５の
後端に、背管７を介して取付けられた背もたれ８
とからなつている。

第２図に示すように、座支基５は、水平をなす
矩形状の基板５ａの左右の側縁に、前後方向を向
く側板５ｂ，５ｂを上向連設し、かつこれら各側
板５ｂの上縁に、外方を向く鍔部５ｃを連設した
もので、後方から見て上向きコ字形の溝部９が形
成されており、かつ、基板５ａの下面中央は、前
記脚柱４の上端部に固着されている。

１０は座取付具で、左右方向をなす断面逆Ｌ字
形の後向きチヤンネル材からなり、その垂下片１
０ａの要所には、後方を向く左右１対の垂直の突
片１０ｂが連設され、これら各突片１０ｂは、軸
１１をもつて、前記座支基５の側板５ｂの前端に
枢着されている。

座取付具１０の水平片１０ｃの上面左右端部に
は、それぞれゴムリング１２を介して、前記座席
６の下面の座板６ａの前部下面が取付けられてい
る。

第３図に示す１３は、下向きコ字形をなす支持
板、１４は、同じく下向きコ字形をなすととも
に、支持板１３より若干小幅の押え板で、両者
は、互いに同心状をなすようにして、上下に所要
の間隙をへだてて配設されている。

支持板１３の水平をなす天板１３ａの中央に
は、透孔１５を有する円形凹孔１３ｂが形成さ
れ、ボルト１６が、その頭部を前記凹孔１３ｂ内
に嵌合して垂下されている。

ボルト１６の下端のねじ部１６ａは、押え板１
４の水平をなす天板１４ａの透孔１７に遊挿さ
れ、かつその下端部には、ナツト１８が螺合され
ている。

前記天板１３ａと天板１４ａ間において、ボル
ト１６のねじ部１６ａには、圧縮コイルばね１９
が嵌挿され、ボルト１６は、コイルばね１９の付
勢力に抗して、両天板１３ａ，１４ａの間隔を一
定に保つている。

支持板１３の左右の側板１３ｃの内面下部に
は、凹凸面１３ｄが形成され、これと対向する押
え板１４の左右の側板１４ｂの外面側には、外側
を凹凸面２０ａとした摩擦板２０が止着されてい
る。

そして、押え板１４の側板１４ｂが外方へ拡開
した場合には、両凹凸面１３ｄ，２０ａが噛合し
うるようになつている。

支持板１３の天板１３ａの上面は、前記座板６
ａの後部下面に固着され、同じく左右の側板１３
ｃの外面は、前記座支基５の溝部９に、上下に摺
動自在に嵌挿されている。

第４図に示す２１は、有底矩形筒状をなす偏心
カムで、この偏心カム２１は、その底板及び座支
基５を貫通するリベツト２２によつて、垂直軸回
わりに回動自在に取付けられている。しかして、
偏心カム２１の隅部の山部２１ａの回動軌跡内
に、前記押え板１４の側板１４ｂを位置させてあ
る。

２３は操作レバーで、上方から見てＬ字形をな
し、その基端部２３ａは、座支基５の側板５ｂに
穿設した窓孔２４を通つて押え板１４間に進入
し、偏心カム２１の一方のカム面２１ａに固着さ
れており、かつその遊端部には、杷手２３ｂが取
付けられている。

次に、以上のように構成された本考案による椅
子の座角度調節装置の取扱い要領及び作動につい
て説明する。

椅子に着座した状態において、座席６の後部に
荷重を掛けると、圧縮コイルばね１９が押圧さ
れ、座板６ａは、座支基５に対して後方に傾斜す
る。

適当な位置において、把手２３ｂに手を掛け
て、操作レバー２３を後方へ回動させると、第４
図の想像線で示すように、偏心カム２１の山部２
１ｂは、押え板１４の側板１４ｂを、座支基５の
側板５ｂに近接する方向に移動させる。

この結果、支持板１３の側板１３ｃは、摩擦板
２０と側板５ｂとの間に挾圧され、座席６は、所
望の角度において締着される。

逆に、把手２３ｂを前方に回動させると、偏心
カム２１の山部２１ａが、押え板１４より離れる
ため、支持板１３の側板１３ｃと摩擦板２０との
係合は解かれ、座席６は、圧縮コイルばね１９の
付勢力によつて、元の位置へ上昇する。

上記実施例においては、押え板１４の側板１４
ｂに摩擦板２０を固着したが、摩擦板２０を省略
して、側板１４ｂと支持板１３を直接に係合させ
るようにしてもよい。

〔考案の効果〕

本考案による椅子の座角度調節装置において
は、前部下面が座支基に枢着された座板の後部を
常時上方に付勢するばね材を設け、かつ座板から
垂下した支持板を、偏心カムによつて変位される
押え板と、座支基の側面との間で締着するように
してあるため、座席の角度調節は、着席したまま
操作レバーをもつて偏心カムを回動させるだけで
行うことができる。

座席は、ばね材によつて常時上方に付勢されて
いるため、これを体重によつて押圧するか、手で
押圧するだけの操作で、座席の傾斜角度の変更を
着席したままで行える。

しかも、装置の構成が簡単で、低コストで製作
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を備える椅子の側
面図、第２図は、第１図の要部である座支基を一
部切欠して示す拡大斜視図、第３図は、第２図の
Ｘ−Ｘ線における縦断面図、第４図は、第３図の
Ｙ−Ｙ線における横断面図である。 １……椅子、４……脚柱、５……座支基、５ｂ
……側板、６……座席、６ａ……座板、１０……
取付金具、１１……軸、１３……支持板、１３ａ
……天板、１３ｃ……側板、１３ｄ……凹凸面、
１４……押え板、１４ａ……天板、１４ｂ……側
板、１５，１７……透孔、１９……圧縮コイルば
ね、２０……摩擦板、２０ａ……凹凸面、２１…
…偏心カム、２１ａ……カム面、２２……リベツ
ト、２３……操作レバー、２３ｂ……把手、２４
……窓孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脚柱の上端に断面上向コ字形の座支基を固着す
   るとともに、該座支基の前部に、座板の前部下面
   を、水平の軸をもつて枢着し、座板の後部下面に
   止着した断面下向きコ字形の支持板の両側板の下
   部を、座支基の各側板の内側に、上下摺動自在に
   嵌合し、かつ前記支持板内に、やや小幅の断面下
   向きコ字形の押え板を、その側板が、支持板の側
   板より若干離れるようにして配設し、前記支持板
   の天板と押え板の天板との間に圧縮コイルばねを
   縮設することにより、前記座板の後部を上方に付
   勢させ、さらに前記押え板の両側板の間に、操作
   レバーによつて回動される偏心カムを配設してな
   り、前記操作レバーを回動することにより、前記
   偏心カムをもつて両押え板の側板を座支基の側板
   方向に近接させて、両者の間に、前記支持板の両
   側板の下部を締付けて、座板を所要の角度で締着
   しうるようにしたことを特徴とする椅子の座角度
   調節装置。