JPS6328909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、支持枠の左右両側辺部に設けられ
た一対のガイドレールに沿つて棚体が前後にスラ
イド可能に支持されてなる物品収納棚のガイドレ
ール支持装置に関するものである。

従来の物品収納棚においては、上記ガイドレー
ルが支持枠の左右両側辺部に溶接またはボルト止
め等の手段で直接固着されており、左右のガイド
レールの取付高さが狂い易く、互いに平行に配置
することが困難であるため、棚体のスライド時に
がたつきを生じて安定した棚体の出入操作を行な
うことができないという欠点があつた。

この考案は以上の欠点を解消するためになされ
たものであり、左右のガイドレールの取付高さを
揃えて互いに平行に配置することができ、棚体の
スライド時にがたつきを生じることなく安定した
棚体の出入操作を行なうことができる物品収納棚
のガイドレール支持装置を提供するものである。

すなわち、この考案は、支持枠の左右両側辺部
に設けられた一対のガイドレールに沿つて棚体が
前後にスライド可能に支持されてなる物品収納棚
において、上記支持枠の左右両側辺部の前後には
側壁と底壁とを有するガイドレール受部材がそれ
ぞれ固着され、前後の受部材の一方の側壁部にガ
イドレールが連結されるとともに、他方の受部材
の側壁にはガイドレールに対する取付孔が上下に
伸びる長孔状に形成され、その下壁にはガイドレ
ールの下面に当接して上記一方の受部材の側壁に
対する連結部を基準としてガイドレールの取付高
さ調節を行なう押しボルトと、この押しボルトを
受部材の底壁に固定するロツクボルトとが設けら
れてなるものである。

以下、この考案の実施例を図面によつて説明す
る。第１図において、１は支持枠、２は棚体であ
る。上記支持枠１は、四隅に立設された支柱１０
……と、この支柱１０の上端部に固着された天枠
１１と、支柱１０の下端部に固着されたベース１
２，１２と、支柱１０の左右両側辺部内面にそれ
ぞれ固着された上下二段のガイドレール１４，１
４とを具備している。このガイドレール１４は、
側壁上下壁とからなる溝形鋼によつて形成され、
上下壁が内方に突出した状態でその前後両端部が
ガイドレール受部材３，４によつて前後の支柱１
０，１０に取付けられている。上記ガイドレール
受部材３，４は、第２図に示すように、側壁３
０，４０と下壁３１，４１とからなるＬ字形に形
成され、それぞれ取付板３２，４２を介して支柱
１０に固着されている。前方の受部材３の側壁３
０にはガイドレール１４に対する取付孔３３，３
３が形成され、かつ取付板３２の下部には支持ロ
ーラ１５が内方に向けて突設されている。また、
後方の受部材４の側壁４０にはガイドレール１４
に対する取付孔４３，４３が上下に伸びる長孔状
に形成され、かつ下壁４１にはガイドレール１４
の取付高さを調節するための押しボルト４４，４
４が螺着されている。そして取付ボルト１６……
によつてガイドレール１４を受部材３，４に仮止
めした後、第３図に示すように、上記押しボルト
４４を回動操作してその上端面をガイドレール１
４の下面に当接させ、上記取付ボルト１６によつ
て仮止めされた前方に位置する受部材３の側壁３
０に対するガイドレール１４の前端連結部を基準
にしてガイドレール１４，１４の取付高さを調節
することにより、左右にガイドレール１４，１４
を互いに平行に設置するように構成されている。
そしてロツクナツト４５によつて押しボルト４４
を固定し、かつ上記押しボルト１６……によつて
ガイドレール１４を支柱１０に対して固着する。
このように押しボルト４４によりガイドレール１
４の高さ調節を行なうことにより、支持枠１の設
置面が傾斜していたり、支持枠１に製作誤差があ
る場合においても左右のガイドレール１４，１４
を容易かつ正確に平行な状態で設置することがで
きるのである。

なお、上記押しボルト４４による調節代を設け
るために後方の受部材４は前方の受部材３よりも
やや下方に取付けるようにする。また、上記ガイ
ドレール１４の前部にはガイドローラ１８が内方
に向けて突設されている。

上記棚体２は、通常Σ形の鋼材からなる前後枠
２０，２０と、溝形鋼からなる左右の側枠２１，
２１と、その内部に配置された補強部材２２……
とによつて格子枠状に形成されているが、その上
面全面に必要に応じて鉄板等を張設してもよい。
上記側枠２１は溝形鋼の上下壁が外方に突出する
ように配置され、かつ側枠２１の後部には移動ロ
ーラ２４が外方に向けて突設されると共に、その
前方にはサイドローラ２５が突設されている。

この棚体２は、支持枠１のガイドレール１４，
１４間に挿入され、このガイドレール１４に沿つ
て前後にスライド可能に支持されるように構成さ
れている。すなわち、第４図に示すように、支持
枠１の前部に設けられた支持ローラ１５が棚体２
の側枠２１の下面に当接し、棚体２に突設された
移動ローラ２４がガイドレール１４の下壁上面に
当接して棚体２の自重が支持されることにより、
棚体２が前後にスライドし得るように構成されて
いるのである。上記左右のガイドレール１４，１
４は後方の受部材４に設けられた押しボルト４４
によつて互いに平行になるように取付高さが調節
されているため、棚体２の移動ローラ２４，２４
がそれぞれガイドレール１４，１４に当接し、上
記移動ローラ２４が片当りになることによる棚体
２のがたつきを防止することができ、安定した棚
体２の出入操作を行なうことができる。なお、棚
体２の引出操作時において、棚体２の重心が支持
ローラ１５よりも前方に位置した時点で上記移動
ローラ２４はガイドレール１４の上壁下面に当接
することとなる。

また、第５図Ａ，Ｂに示すように、ガイドレー
ル１４に設けられたガイドローラ１８が棚体側枠
２１の側壁面に当接し、棚体２に設けられたサイ
ドローラ２５がガイドレール１４の側壁面に当接
することにより、棚体２が案内されて横振れが防
止されるように構成されている。なお、第６図
Ａ，Ｂに示すように、左右いずれか一方のガイド
ローラ１８およびサイドローラ２５の保持ブラケ
ツト５の基端部に調節ねじ５０を螺着し、かつ上
記ブラケツト５に突設された回り止めピン５１を
ガイドレール１４および棚体側枠２１に形成され
た透孔５２に挿通させ、上記調節ねじ５０を回動
操作することによつてブラケツト５を進退させ得
るように構成すれば、上記ガイドローラ１８およ
びサイドローラ２５をそれぞれ当接面に対して正
確に当接させることができ、スライド時に棚体２
が横振れするのをより確実に防止できるという利
点がある。

また、この考案に係る各部の具体的構造は種々
の変形が可能であり、例えば、前方のガイドレー
ル受部材３の側壁３０に上下に伸びる長孔状の取
付孔を形成すると共に、下壁３１に押しボルトを
設け、ガイドレール１４の後端部を基準にして取
付高さを調節するようにしてもよい。また、前後
の受部材３，４にそれぞれ長孔状の取付孔および
押しボルトを設けた構造とすることもできる。さ
らに受部材３，４の取付板３２，４２を省略して
受部材３，４をそれぞれ支柱１０に直接取付ける
ように構成してもよい。

以上説明したようにこの考案は、ガイドレール
受部材に設けられた押しボルトでガイドレールの
取付高さを調節することにより、左右のガイドレ
ールを容易かつ正確に平行な状態で設置すること
ができ、がたつきを生じることなく安定した棚体
の出入操作を行なうことができるという利点を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す全体斜視図、
第２図はこの考案の要部を示す分解斜視図、第３
図はガイドレールの取付状態を示す側面図、第４
図は棚体の収納状態を示す断面図、第５図Ａ，Ｂ
は第４図のＡ−Ａ，Ｂ−Ｂ線断面図、第６図Ａ，
Ｂはガイドローラおよびサイドローラの支持部の
他の実施例を示す断面図である。 １……支持枠、２……棚体、４……ガイドレー
ル受部材、１４……ガイドレール、４０……側
壁、４１……下壁、４３……取付孔、４４……押
しボルト、４５……ロツクナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持枠の左右両側辺部に設けられた一対のガイ
   ドレールに沿つて棚体が前後にスライド可能に支
   持されてなる物品収納棚において、上記支持枠の
   左右両側辺部の前後には側壁と底壁とを有するガ
   イドレール受部材がそれぞれ固着され、前後の受
   部材の一方の側壁部にガイドレールが連結される
   とともに、他方の受部材の側壁にはガイドレール
   に対する取付孔が上下に伸びる長孔状に形成さ
   れ、その下壁にはガイドレールの下面に当接して
   上記一方の受部材の側壁に対する連結部を基準と
   してガイドレールの取付高さ調節を行なう押しボ
   ルトと、この押しボルトを受部材の底壁に固定す
   るロツクボルトとが設けられてなることを特徴と
   する物品収納棚のガイドレール支持装置。