JPS63279092A - 溶融金属容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （ｆｉ累上の利用分野） 本発明は、金属の溶錬炉、精錬炉、あるいは金属浴を使
用する石炭のガス化炉等の溶融金属容器（以下、「溶融
金属容器」と総称する）、特にそれらにおける溶融スラ
グ相と溶融金属相との境界部をより効果的に強制冷却す
る手段を備えた、炉壁溶損の防止もしくは低減に有効な
溶融金属容器に関する。

（従来の技術） 溶融金属容器にあって溶融スラグ相表面より上部に、で
きるだけこのスラグ相の表面に近づけて、何らかの強制
冷却ブロックを遠用することは公知である（例えば特公
昭５７−３５３８９号公報参照）。

しかし、上述した溶融金属容器においては、溶融スラグ
相表面から上部のガス相相当部のみでな（、溶融、スラ
グ相表面のや＼上部から、溶融金属相表面相当部のや一
下部までの領域における上下方向に、より広い範囲に亘
る耐火物の溶損を低減あるいは防止することが、炉寿命
延長・耐火物コストの低減の観点からなお大きな課題と
な、うている。

この問題点を解決する手段として、銅溶錬の分野では、
溶融金属相表面の下部相当部まで強制冷却を行うことが
公知となっている。例えば、「品用技報」隘２７．１９
８３年１２月、１〜１６頁には、スラグライン相当部に
水冷ジャケットの強制冷却ブロックを使用する例が示さ
れている。一方、鉄精錬や鉄浴石炭ガス化の分野では、
より積極的冷却法として、例えば実開昭５３−１２１１
１１号公報には全鉄皮水冷転炉が、特開昭５８−１７１
４８２号公報には凝固金属（またはスラグ）層の付着に
着目したヒートパイプ冷却手段が、更に特開昭６１−１
２３６９７号公報には溶融金属・スラグ相の境界部に直
接強制冷却ブロックを適用する方法等が提案されている
。

しかし、ｗ４溶錬で十分成熟している上記技術、または
上記三提案等を実際に溶融鉄を収容する溶融金属容器の
分野に適用しようとした場合、特にその処理温度が高い
場合は、１６５０℃程度に達することがあることから、
強制冷却ブロック前面の耐火物、あるいは該ブロックの
耐溶損性・長時間信頼性の点で、特に溶融金属相表面レ
ベル以下を冷却の対象とするときに十分実用化技術の域
に達していない、この主要な理由は、強制冷却ブロック
のいわゆる一方向冷却に起因する冷却能不足と考えてよ
い。

また全く別個の技術として、特開昭６０−５８４８７号
公報には、いわゆる上吹鉄浴石炭ガス化炉の場合におい
て、ガス相に接する領域の炉径を拡大して、飛散してく
る高温スラグと炉壁耐火物との接触を極力回避して、耐
火物の保護を達成する考えが提案されているが、この場
合にあってもその着目点はなお、ガス相和当部炉壁の保
護に留まっている。

（発明が解決しようとする問題点） これら公知の発明にあっては、ガス相相当部から溶融金
属相表面の下部相当部に亘る広い領域において強制冷却
ブロックを垂直方向に揃えて配する構造を採用しており
、いずれも容器壁に沿うてはゾ垂直方向に、強制冷却ブ
ロックの稼動面を揃えている。

したがって、従来、特に溶融金属相表面下の冷却ブロッ
クはいわゆる一方向冷却の効果しか期待できず、浴の攪
拌が微少な条件下においても、良好な熱伝導性を有する
溶融金属から、直接的に常時非常に高い熱流束を受ける
ことになる。このために、上述のような垂直稼動面では
、公知の高性能強制冷却ブロックの保護に一般的に不可
欠とされる何らかのいわゆる表面コーティング層の形成
が困難であり、かかる冷却ブロックは常に溶損破壊の危
険に４されており、炉寿命、信頼性の点で十分ではない
。

この種の危険は、冷却ブロックの表面に高熱伝導性の耐
火物を配した構造の場合においても、浴の振動によるス
ラグとの接触で生ずる耐火物の侵食、あるいはスポーリ
ング等に起因する耐火物の減寸、クラックへの溶融金属
の浸透等の現象が不可避であるため１．同様に存在して
いる。

かくして、本発明の目的は、基本的に前述の特開昭６１
−１２３６９７号および同６０〜５８４８７号開示の手
段を改良し、安全性・信頼性のより高い、溶融金属容器
のいわゆるスラグライン近傍相当壁の溶損防止ないし低
減を解決する手段を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） ここに、本発明者らは、特に溶融金属相と接触する強制
冷却ブロックの表面に薄い凝固相の付着をはり常時的に
生起させることによって、冷却ブロックをはり完全に保
護することができ、これにより上述の問題点を有利に解
決できることに着目し、その実現手段を見出し、本発明
を完成したものである。

よって、本発明は、溶融金属および溶融スラグを収容す
る溶融金属容器であって、該溶融金属容器内に貯溜され
る溶融スラグ相と溶融金属相の境界線に接する領域の容
器壁部に、容器内側に向ってゆるやかな下り勾配を設け
た傾斜部と、該傾斜部の一部に配した強制冷却ブロック
、さらに必要により、溶融スラグ相および／またはガス
相に接する領域の、前記傾斜部に隣接する容器壁部の少
なくとも一部に配した強制冷却ブロックを備えたことを
特徴とする溶融金属容器である。

ここに、溶融金属容器はすでに述べたところである。前
記傾斜部の設置位置は、収容される溶融スラグ相と溶融
金属相との境界線が該傾斜部の可及的に低位置にくるよ
うになる領域であれば良く、またその傾斜の程度も後述
するセルフコーテイング膜が形成されればよく、特に制
限的ではない。

より広い冷却面とより少ない溶融金属あるいはスラグ層
とを接触させて冷却効果を高めようとするのである。

なお、強制冷却ブロックはすでに公知であって、水冷銅
製ジャケットが例示されるが、特定のものには制限され
ない、必要により、所期の冷却効果を阻害しない限り、
その表面に高熱伝導性耐火物層を設けてもよい。

このように、本発明によれば、前述の従来技術１　　　
　　　　　　　の主要な問題点は、下述の手段によって
解決されうる。

先ず、基本的な容器形状として、ゆるやかな傾斜部の一
部に、所望の場合は従来の垂直もしくは円弧状炉壁部の
冷却ブロックと接して、同様な冷却ブロックを配置する
。

次に、溶融金属相表面位置を、その傾斜部の冷却ブロッ
ク内の可及的低位置に保持して、該冷却ブロックと溶融
金属相の接触を極力、僅少ないし薄い層の範囲に留め、
高い熱流束負荷を軽減する。

すなわち、冷却ブロックの一方向冷却効果を、薄い層と
なった溶融金属相へ充分に及ぼす、一方、好ましくは、
溶融スラグ相の壁近傍部は傾斜部の上に隣接する炉壁に
設けた他の冷却ブロックからも冷却の影響を受ける二方
向冷却となるよう構成する。

このような手段によって、冷却ブロックの表面には、溶
融金属またはスラグの非常に薄い凝固相、いわゆるセル
フコーテイング膜が形成され、冷却ブロックの表面およ
び全体をはり完全に保護することが可能となる。かかる
凝固層は、溶融金属および／または溶融スラグから成る
ものである。

溶融スラグ相の上方にはガス相が存在し、それらと接す
る炉壁部分には必要により少なくともその一部に冷却パ
ネルが設けられてもよい。

この種の比較的高温の溶融スラグ・金属と直接接触する
高性能強制冷却ブロックは、前述のように水冷＊ｍジャ
ケットであってもよく、例えば鋼の連続鋳造技術分野の
水冷鋼ＮｗＩ型としてそれ自体公知であるものを利用す
ればよい。

（作用） 次に、本発明をさらに添付図面を参照して説明する。

第１図は、溶融スラグ相に接する炉壁部分にも、同様の
強制冷却ブロックを、更にガス相に接する炉壁部分には
、水冷パネルを、それぞれ配置させた、本発明にかかる
溶融金属容器の部分断面図である。

溶融金属容器内には上からガス相１、溶融スラグ相２、
そして溶融金属相３が存在し、本発明にかかる溶融金属
容器には溶融スラグ相と溶融金属相との境界領域に接す
る領域に相当する部分に傾斜部４が設けられている。傾
斜部とすることにより、より高い熱流束負荷を与える溶
融金属と冷却ブロックの接触を極力僅少ないし薄い金属
相の範囲に留め、溶融金属の一方向凝固を可及的に速や
かに促進するのである。この傾斜部４には冷却ブロック
６が設けられており、その上面には図中黒く塗り潰して
示す薄い凝固層５が形成されている。

本発明の好適態様にあっては、前記傾斜部４に隣接する
上方の炉壁には同じく強制冷却ブロック６が設けられて
おり、これにより溶融スラグの二方向凝固が可能となり
、前記凝固層の形成は大幅に促進される。

傾斜部４の他端には通常の耐火物７により炉壁が構成さ
れており、これらは公知の形態のものであってもよい、
また前記ガス相に接する炉壁部分には、水冷パネル８が
設けられており、その外側は耐火物７を介して鉄皮９に
より覆われている。

第２図社、加圧もしくは減圧型容器への適用例を示す同
じく部分断面図である。第１図と同一部材は同一符号で
示す、炉壁面が球形をなしている以外は第１図と実質上
同一であり、構造の説明については第１図のそれを援用
し、これ以上の説明を省略する。

第２図に示すこの種の耐圧容器の場合、その鉄皮の所要
特性上、第１図のような複雑な炉形状とすることは困難
であり、一般的に球形・円筒形もしくはこれに近い形状
が採用される。したがって、鉄皮９内部において、冷却
ブロック６と耐火物７の配置を適宜工夫する必要がある
が、本発明はあらゆる容器形状に対しても容易に適用可
能である。

また、これらの炉もしくは容器の稼動初期や、稼動中に
おいて、溶融相と強制冷却ブロックの直１　　　　　　
　　　　接接触を避°バ゛場合・該７°・′。表面０一
部もしくは全部に何らかの耐火物を配した公知の装置を
通用することも可能であり、これらも本発明の範囲内に
属する。

いわゆる上吹鉄浴石炭ガス化の場合、その主目的とする
ところから、金属の精錬反応の如き浴の強攪拌を必要と
せず、したがって浴表面の、特に容器の壁近傍部分は比
較的静かな様相を呈しており、溶融金属相に相当する炉
壁部の耐火物はほとんど溶損を受けないが、溶融スラグ
・金属の境界部から上部の容器壁部は、貯溜スラグおよ
び高温の飛散スラグによつて著しい溶損を受け、該炉壁
部に強制冷却ブロックを適用しない場合は、如何に最高
級の、かつ厚い耐火物と云えども、約１ケ月以上の寿命
達成は困難であった。しかしながら、本発明に従い、た
て型円筒転炉の垂直炉壁内に、第２図に示した配置を適
用したところ、所期の凝固相が付着して殆ど冷却ブロッ
クの溶損発生個所がなく、はぼ１年程度の炉寿命の延長
が予想される結果となった。

また浴のや一強攪拌を要する鉄鉱石の溶融還元炉として
ガス化炉を約１６００℃の鉄浴温度で使用した場合、過
剰な底吹攪拌ガスの回避、浴面積の適切な選択、浴表面
の炉壁近傍へのコークス・塊状生石灰の投入等の対策に
よって、炉壁近傍の浴面振動を抑制することにより、長
寿命の安定した操業が可能となった。

（発明の効果） 以上のように、本発明は溶融金属容器のいわゆるスラグ
ライン寿命の延長と耐火物コストの低減に多大の効用を
発揮するものであり、特に、比較的静かな浴面で処理可
能なアーク加熱型の容器や、鋼目溶炉等の分野でも有効
である。この場合においても、ガス相の強制冷却ブロッ
ク（パネル）は必ずしも必要としないことは言うまでも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明にかかる溶融金属容器の部分断面図；
および 第２図は、加圧もしくは減圧型容器への適用例を示す同
じく部分断面図である。 １：ガス相　　　　　　２：溶融スラグ相３：溶融金属
相　　　　４：傾斜部 ５：凝固相　　　　　　６：冷却ブロック７：耐火物　
　　　　　８：冷却パネル９：鉄皮

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）溶融金属および溶融スラグを収容する溶融金属容
   器であって、該溶融金属容器内に貯溜される溶融スラグ
   相と溶融金属相の境界線に接する領域の容器壁部に、容
   器内側に向ってゆるやかな下り勾配を設けた傾斜部と、
   該傾斜部の少なくとも一部に配した強調冷却ブロックを
   備えたことを特徴とする溶融金属容器。
2. （２）溶融金属および溶融スラグを収容する溶融金属容
   器であって、該溶融金属容器内に貯溜される溶融スラグ
   相と溶融金属相の境界線に接する領域の容器壁部に、容
   器内側に向ってゆるやかな下り勾配を設けた傾斜部と、
   該傾斜部の少なくとも一部に配した強制冷却ブロック、
   さらに溶融スラグ相および／またはガス相に接する領域
   の、前記傾斜部に隣接する容器壁部の少なくとも一部に
   配した強制冷却ブロックを備えたことを特徴とする溶融
   金属容器。