JPS6327158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車のサスペンシヨンにおいて、
シヨツクアブソーバのロツド部及び該ロツド部と
ピストン部との間にダスト（塵埃・泥水）などが
付着しまたは侵入するのを防止するダストブーツ
に関する。

（従来技術） 最近の自動車のサスペンシヨン形式として、ス
トラツト式サスペンシヨンが多く使われている。
この形式のサスペンシヨンは、アパーアームがな
いことを最大の特徴としている。すなわち、スト
ラツト（支柱）自体がアパーアームの役目を兼ね
サスペンシヨンジオメトリーを決定するためのひ
とつの要素となつており、シヨツクアブソーバが
ストラツトとなつている。このシヨツクアブソー
バ作動時のフリクシヨンを低減させ、乗り心地の
向上やロードノイズの伝達防止のため、コイルス
プリング軸をシヨツクアブソーバ軸に対して傾け
る方法が多くなつてきた。従来のダストブーツで
は、蛇腹部を設け、各蛇腹の山の高さ及びピツチ
を上方から下方まで等しくしたものであつたた
め、コイルスプリングとダストブーツとのクリア
ランスが少なく、両者の干渉による摩耗、更に
は、ダストブーツの座屈によりコイルスプリング
の圧縮時に、ダストブーツがコイルスプリングの
コイル線間に挟まれ、該ダストブーツが破損する
という問題があつた。（特公昭39−19766号公報参
照） （考案の目的） 本考案は、上記問題に鑑み例えば、コイルスプ
リング軸をシヨツクアブソーバ軸に対して傾け、
ダストブーツ内にシヨツクアブソーバのシリンダ
上部が位置するサスペンシヨンにおいて、コイル
スプリング内面とシヨツクアブソーバ外面との限
られたスペースに干渉せずに、かつ、座屈を防止
せしめて配置できることを目的としている。

（考案の構成） 構成上、特徴とするところは、ダストブーツの
蛇腹部が、シヨツクアブソーバのシリンダ部の外
径より設定量大きい一定の内径で、かつ各蛇腹の
山の高さ及びピツチが上方から下方に向うにつれ
て漸次小さくなるようにしたことである。

（考案の効果） 本考案は、以上のように蛇腹の山の高さが上方
から下方に向うにつれて漸次小さくなるよう構成
されている為に、一つの蛇腹の縮み幅が上方から
下方に向うにつれて漸次小さくなること、さらに
上方から下方に向うにつれて蛇腹が縮みにくくな
ることとから、蛇腹部の変形がダストブーツの上
端部から徐々に進むため、コイルスプリングとダ
ストブーツの蛇腹部とのクリアランスを確保で
き、コイルスプリングとダストブーツの干渉によ
る摩耗、破損を防止できる。また、蛇腹の山の高
さ及びピツチが上方から下方に向うにつれて漸次
小さくなることにより、蛇腹の全ての山の頂上の
開き角を所定の角度に揃えることができる。つま
り、蛇腹が縮む際の全ての山の頂上の角度の変位
量を、山の頂上の柔軟性、耐久性、つぶれ防止に
適した所定量に揃えることができる。

（実施例） 以下本考案の実施例を第１図、第２図に基づい
て説明する。

路面からの自動車の振動を緩和して、ドライバ
ー及び乗員の乗り心地向上をはかるシヨツクアブ
ソーバ１は、主にロツド部２とシリンダ部３とか
ら構成されていて、車体４とこの車体４に車輪５
を懸架するサスペンシヨンアーム（図示せず）と
の間に配設されている。

コイルスプリング６は、シヨツクアブソーバ１
の外周を取り巻いて配設されている。このコイル
スプリング６は、ばね特性が、非線形特性を有す
る樽形コイルスプリング、円錐形スプリングでも
よい。

コイルスプリング６の内面とシヨツクアブソー
バ１の外面との間に、本考案によるダストブーツ
７が配設されており、該ダストブーツ７は、シヨ
ツクアブソーバ１のロツド部２及びシリンダ部３
の上部を覆つている。ダストブーツ７の材質は、
ゴム、合成樹脂等の弾性材料より成る。第２図に
示すようにダストブーツ７は、蛇腹部８を有して
いて、該蛇腹部８が、シヨツクアブソーバ１のシ
リンダ部３の外径より設定量ｄ大きい一定の内径
Ｄで、かつ各蛇腹の山の高さＡ及びピツチＰが上
方から下方に向うにつれて漸次小さくなつてい
る。蛇腹部８の肉厚ｔは、各蛇腹において等し
く、実施例の場合、0.5〜1.0mmとしている。

第１図に示しているように、シヨツクアブソー
バ１の作動時のフリクシヨンを低減させ、乗り心
地の向上やロードノイズの伝達防止のため、コイ
ルスプリング軸９をシヨツクアブソーバ軸１０に
対して傾けている。ダストブーツ７が、前述のよ
うに蛇腹の山の高さが上方から下方に向うにつれ
て漸次小さくなるよう構成されている為に、一つ
の蛇腹の縮み幅が上方から下方に向うにつれて漸
次小さくなることと、さらに上方から下方に向う
につれて蛇腹が縮みにくくなることとから、蛇腹
部の変形がダストブーツの上端から徐々に進むの
で、コイルスプリング６のダストブーツ７とのク
リアランスを確保できるため、コイルスプリング
６とダストブーツ７とが干渉せず、摩耗、破損を
防止できる。また、蛇腹の山の高さ及びピツチが
上方から下方に向うにつれて漸次小さくなること
により、蛇腹の全ての山の頂上の開き角を所定の
角度に揃えることができる。つまり、蛇腹が縮む
際の全ての山の頂上の角度の変位量を、山の頂上
部分の柔軟性、耐久性、つぶれ防止に適した所定
量に揃えることができる。

また、ダストブーツ７の上端部より蛇腹部８の
変形が除々に進むそめ座屈を防止できる。

以上は、コイルスプリング軸９をシヨツクアブ
ソーバ軸１０に対して傾けたサスペンシヨンの例
を説明したが、コイルスプリング軸９をシヨツク
アブソーバ軸１０に対して傾けないサスペンシヨ
ン形式に適用してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のダストブーツを備えた自動
車のサスペンシヨンの縦断面図、第２図は、本考
案のダストブーツの詳細図である。 １……シヨツクアブソーバ、２……ロツド部、
３……シリンダ部、４……車体、５……車輪、６
……コイルスプリング、７……ダストブーツ、８
……蛇腹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体と、この車体に車輪を懸架するサスペンシ
   ヨンアームとの間に配置され、外周にコイルスプ
   リングが取り付けられた伸縮自在なシヨツクアブ
   ソーバを備え、コイルスプリングの内面がシヨツ
   クアブソーバの軸線に対して下方に向うにつれて
   漸次近づくよう傾けて配置されたサスペンシヨン
   において、前記シヨツクアブソーバのロツド部の
   外周を覆うダストブーツがコイルスプリングの内
   方位置に配設され、該ダストブーツは、少なくと
   も上半部に蛇腹部が設けられ、該蛇腹部は、シヨ
   ツクアブソーバのシリンダ部の外径より設定量大
   きい略一定の内径で、かつ各蛇腹の山の高さ及び
   ピツチが上方から下方に向うにつれて漸次小さく
   なるよう構成されていることを特徴とするサスペ
   ンシヨンのダストブーツ。