JPS6325668Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電気機器用接続器具であるピンプ
ラグに関する。

従来、コードの一芯線が接続される金属性のセ
ンターピンと、一端にこのセンターピンと同心に
配される筒状の頭部を、他端に前記コードの他の
芯線が接続されるコード挾持部をそれぞれ有する
金属性のスリーブと、このスリーブの外側に嵌合
されるカバーとを具え、前記センターピンは前記
スリーブの頭部に貫挿されるとともに、その端子
部には、該端子部と前記スリーブにおける該端子
部に隣接する隣接部分とを電気的に絶縁し且つ該
センターピンとスリーブとを相互に固定する樹脂
成形体が周設されたピンプラグがある。

そして、この種ピンプラグはそのセンターピン
の端子部が樹脂成形体にくるまれる構成となるた
めに、その組立てにあたつては、まずセンターピ
ン及びスリーブにそれぞれ対応するコード芯線を
接続し、その後にインサート成形等で樹脂成形体
を成形すると同時にセンターピンとスリーブとを
固定し一体化するようになる。

このため、コードの芯線接続の際には、センタ
ーピンとスリーブとが次工程の樹脂成形により所
定の位置関係に固定された後で、芯線に応力が極
力加わらないようにすべく、それらセンターピン
とスリーブとを該所定の位置関係に位置決めする
などの作業が必要となり、また、樹脂成形時にあ
つては、接続済みの芯線或いはその接続部が切れ
ないように注意する必要があつたりで、コード接
続作業を含む組立て作業が手数を要する非能率的
なものとならざるを得なかつた。

この考案は、以上のような従来技術の欠点を除
去せんとしてなされたもので、コード接続作業を
含む組立て作業性を向上させることができるよう
にすることを目的とする。

この目的達成のため、この考案は、樹脂成形体
にセンターピンの端子部におけるコードの芯線が
接続される部分をスリーブの隣接部分の存在しな
い方向に露出させるコード接続用溝を形成したこ
とを特徴とする。

以下、添付図面に基づいて、この考案の一実施
例を説明する。

第１図は、電線を接続したピンプラグの縦断面
図である。このピンプラグは、金属性のセンター
ピン１とこのセンターピン１と同心に配される金
属性のスリーブ２と、このスリーブ２の外側に嵌
合する絶縁性のカバー３とを具える。

センターピン１は、係止突起１ａを有する棒状
をなす。スリーブ２は、第２図の斜視図で示すよ
うに、支持片２ａの一端に筒状の頭部２ｂを、他
端にコード挾持部２ｃをそれぞれ延設してなる。
この頭部２ｂの中心軸に沿つて前記センターピン
１が貫通し、係止突起１ａを含んだこのセンター
ピン１の後半部分と、スリーブ２の支持片２ａと
が、絶縁性の樹脂で頭部２ｂと同じ径の柱状に固
定されている。この柱状の樹脂成形部４には、長
手方向に沿つてその側面に、センターピン１の端
子部の一部がスリーブ２の支持片２ａの在る側と
は反対側に露出するようにコード接続用の溝４ａ
が設けられるとともに、外周に沿つて環状溝４ｂ
が形成されている。

カバー３は、筒状をなし、その貫通穴３ａには
その内周に沿つて環状突起３ｂが設けられ、この
環状突起３ｂを、前記樹脂成形部４の環状溝４ｂ
に嵌合して、前記樹脂成形部４に固着したスリー
ブ２の外側に、、このカバー３を嵌着する。

第１図中、５はカバー３を貫装するコードであ
つて、このコード５はスリーブ２の挾持部２ｃで
挾着され、コード５の一方のシールド線５ａはこ
の挾持部２ｃで、他方の芯線５ｂは樹脂成形部４
の溝４ａを介してセンターピン１の側面に、それ
ぞれスポツト溶接等で接続される。

第３図は、前記ピンプラグの分解斜視図であ
る。このピンプラグの組立と、電線の接続は、次
のようにして行なわれる。

即ち、スリーブ２の頭部２ｂに、その中心軸に
沿つてセンターピン１を貫挿して、このセンター
ピン１の係止突起１ａをスリーブ２の支持片２ａ
に位置させた後、この係止突起１ａを含むセンタ
ーピン１と支持片２ａとを、樹脂でスリーブ２の
頭部２ｂと同じ径で、柱状に固定する。そのため
センターピン１は、その係止突起１ａで長手方向
の移動を阻止され、スリーブ２に樹脂で堅固に固
定される。この樹脂成形の固定方法としては、例
えば、柱状の鋳型に樹脂を注入して固定するとい
う、インサート成形により行なわれる。この樹脂
成形の際には、コード接続用の溝４ａ，および環
状溝４ｂを同時に形成する。次いで、カバー３に
貫挿したコード５を、スリーブ２の挾持部２ｃで
挾持し、コード５の一方のシールド線５ａをこの
挾持部２ｃにスポツト溶接等により接続するとと
もに、他方の芯線５ｂをコード接続用の溝４ａを
介してセンターピン１の後部側面にスポツト溶接
等により接続する。その後、カバー３を樹脂成形
部４の後方から圧入すれば、カバー３の環状突起
３ｂが樹脂成形部４の環状溝４ｂに嵌合し、コー
ド５の接続が完了する。

而して、この実施例に係るピンプラグでは、ス
リーブ２とセンターピン１とを、コード接続用の
溝４ａを設けて、あらかじめ樹脂成形により両者
を固定しておくので、コード５の芯線５ｂの接続
が、この溝４ａを介してセンターピン１に容易に
接続でき、しかもこのピンプラグの組立て自体が
大幅に簡易化できる。

この考案によるピンプラグは、樹脂成形体にセ
ンターピンの端子部におけるコードの芯線が接続
される部分をスリーブの隣接部分の存在しない方
向に露出させるコード接続用溝を形成したもので
あるから次のような効果が得られる。

まず、樹脂成形体のコード接続用溝を通してセ
ンターピンにコードの芯線を接続することができ
るため、樹脂成形体によりセンターピンとスリー
ブとが固定され相互に位置が決まつた状態でコー
ド接続作業を行なえるようになり、コードの接続
を簡易的確に行うことができる。

また、インサート成形等の樹脂成形を行う場
合、センターピン及びスリーブにコードが付いて
いない状態でその樹脂成形作業を行うことができ
るため、センターピン及びコードにコードが繋が
つていることによるコードに対する余分な配慮が
不要になるとともに、センターピン及びスリーブ
がコードに拘束されずに自在に扱えることにもな
るため、樹脂成形作業性も向上することとなる。

更に、コード接続用溝を介してセンターピンへ
のコード芯線の接続状態を確認することも可能に
なる。

総じて組立て作業性がすこぶる良好となり、し
かも、コード接続用溝はセンターピンの端子部に
おけるコードの一芯線が接続される部分をスリー
ブの隣接部分の存在しない方向に露出させるもの
ですから、当然に要求されるセンターピンとスリ
ーブとの電気的絶縁性も確実に確保され、実用価
値の極めて高いピンプラグを提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係るコードを接
続したピンプラグの縦断面図、第２図はセンター
ピンおよびスリーブの斜視図、第３図は第１図の
ピンプラグの分解斜視図である。 １……センターピン、２……スリーブ、２ａ…
…スリーブの支持片、２ｂ……スリーブの頭部、
２ｃ……スリーブの挾持部、３……カバー、４ａ
……コード接続用溝、５……コード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コードの一芯線が接続される金属性のセンター
   ピンと、一端にこのセンターピンと同心に配され
   る筒状の頭部を、他端に前記コードの他の芯線が
   接続されるコード挾持部をそれぞれ有する金属性
   のスリーブと、このスリーブの外側に嵌合される
   カバーとを具え、前記センターピンは前記スリー
   ブの頭部に貫挿されるとともに、その端子部に
   は、該端子部と前記スリーブにおける該端子部に
   隣接する隣接部分とを電気的に絶縁し且つ該セン
   ターピンとスリーブとを相互に固定する樹脂成形
   体が周設され、この樹脂成形体にはセンターピン
   の端子部におけるコードの芯線が接続される部分
   をスリーブの隣接部分の存在しない方向に露出さ
   せるコード接続用溝が形成されていることを特徴
   とするピンプラグ。