JPS6325334Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は始動電動機の小型軽量化による省資
源改良に関するものである。

従来、この種の装置として第１図に示すものが
あつた。図に於いて、１は始動電動機のフロント
ブラケツト、２はこのフロントブラケツトの前端
部内周面に嵌着され、アマチユア３の出力軸４の
前端部４ａを軸承しているスリーブベアリング、
５はオーバランニングクラツチであり、上記出力
軸４にヘリカルスプライン係合し、シフトレバー
６の付勢によつて前方に移送され、図示しない機
関のリングギヤ（図示せず）にピニオン７が噛合
係合されて上記リングギヤを回転付勢する。８は
上記ピニオン７の突出を係止するストツパ、９は
このストツパ８をアマチユアシヤフト４に係止す
るリングである。１０は上記シフトレバー６の回
動支点部６ａを後方揺動可能に支承するホルダで
あり、レバースプリング１１によつて前方（図示
右方）に押圧付勢され、上記フロントブラケツト
１の内周面に向つて係止される。１２は合成ゴム
部材より構成されるグロメツトであり、上記レバ
ースプリング１１の付勢反力を受圧している。１
３は上記フロントブラケツト１に螺着されるマグ
ネツトスイツチであり、図示しない機関のキース
イツチ（図示せず）の閉成により通電付勢され、
可動鉄心１４を筐体内に吸引する。この可動鉄心
１４は前端部にフツク部１４ａを配設しており、
上記シフトレバー６の力点となるカム部６ｂに係
合し、上述の付勢によつてシフトレバー６を反時
計方向に回動付勢する。１５は上記可動鉄心１４
の復帰用コイルスプリング、１６は可動接点軸で
ある。

次に、上記構成を有する従来装置の動作につい
て説明する。外部より通電付勢されたマグネツト
スイツチ１３は可動鉄心１４を左方に吸引し、シ
フトレバー６を回動支点部６ａのまわりを反時計
方向に回動付勢し、他端部６ｃで係合するオーバ
ランニングクラツチ５を前方に移送し、上記リン
グギヤ（図示せず）とピニオン７が噛合係合し、
次に上記可動鉄心１４が可動接点軸１６を押圧付
勢して主接点回路を閉成し、アマチユア３に付勢
力を与え、出力軸よりオーバランニングクラツチ
５、ピニオン７を介して上記リングギヤを回転付
勢する。上記機関始動後は上述の付勢が解除され
て、図示位置に各部材が復帰して静止する。ま
た、上記オーバランニングクラツチ５の付勢（移
送）時、上記ピニオン７とリングギヤ（図示せ
ず）とが歯部端面で当接して噛合係合されない
時、上記可動鉄心１４の付勢力はシフトレバー６
の回動支点部６ａを支承するホルダ１０を後方
（左方）に押圧付勢して、レバースプリング１１
をたわませ、カム部６ｂをさらに左動し、可動接
点軸１６の押圧ストローク（摺動量）が得られて
上記主接点回路が閉成され、上記ピニオン７がリ
ングギヤ（図示せず）端面で辷りを生じて噛合係
合位置まで回転付勢され、上述のレバースプリン
グ１１の押圧付勢力が働いてホルダ１０が前方
（右方）に摺動され、上記ピニオン７とリングギ
ヤ（図示せず）とが噛合係合されて回転付勢され
る。すなわち電磁押込機能を得ている。

従来の始動電動機は以上のように構成されてい
るので、電磁押込機能を得る為の機構部材である
ホルダ１０、レバースプリング１１及び上記部材
の動作収容スペースを必要とし、また、シフトレ
バー６の係合部〔フツク部１４ａ、〕に、高重量
となる磁気回路部材を使用しており装置が大型
化、高重量化するなどの欠点があつた。

さらにシフトレバーは軟鋼板等の金属部材で高
重量であり回動支点部を必要とするなど装置が複
雑高価となるなどの欠点があつた。

この考案は上記のような従来のものの欠点を除
去するためになされたもので、レバースプリング
を可動鉄心内部に装着し、合成樹脂モールド化し
たシフトレバーをフロントブラケツトによつて直
接支承する構造とする事により、小型軽量化され
たオーバランニングクラツチを提供する事を目的
としている。

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。第２図に於いて、１７は前端内周部にスリー
ブベアリング２を嵌着するフロントブラケツト、
１８はアマチユア、１９はこのアマチユア１８の
出力軸であり、前端部が上記スリーブベアリング
２に軸承され、中間部に於いてオーバランニング
クラツチ５とヘリカルスプライン係合され、回転
力を伝達する。２０はガラスフイラーを含有（通
常45重量パーセント）するナイロン部材より構成
されモールド成形加工によつて製造されるシフト
レバーであり、支点部２０ａが球体をなし、フロ
ントブラケツト１７の内周面に配設（通常ダイカ
スト鋳造法で製造される）された凹部１７ａと、
後部押圧グロメツト２１と受圧される軟鋼板部材
より構成されるプレート３５によつて上記支点部
２０ａの囲りに回動可能に図示の如く当接係止さ
れる。２２は上記フロントブラケツト１７に螺着
されるマグネツトスイツチであり、レバースプリ
ング機能内蔵型可動鉄心集合体２３、この可動鉄
心集合体を復帰付勢するコイルスプリング２４、
このコイルスプリングを収容する如く外周段付加
工された固定鉄心２５、この固定鉄心内周穴部に
前後摺動可能に支承される可動接点軸２６が図示
の如く装着される。上記可動鉄心集合体２３は底
部閉塞された筒状の可動鉄心２７、内周面穴部２
７ａに前後摺動可能に嵌装されたプラスチツクモ
ールド製（ガラス基材入りナイロン等）のフツク
２８を装着し、端部に配設された環状の鍔部２８
ａに当接し、他端部を一対をなす半割り形状のワ
ツシヤ２９によつて当接受圧されるコイルスプリ
ング３０を装着している。上記フツク２８は前端
部に係合用凹所２８ｂを有し、上記シフトレバー
２０のカム部２０ｂに係合している。上記一対を
なす半割り形状のワツシヤ２９は上記可動鉄心２
３の前端部内周面に削設されたインロー部２７ｂ
に嵌装され、インロー部２７ｂの前端部はコーキ
ング加工されて上記ワツシヤ２９を固着し、フツ
ク２８の付勢反力を受圧している。

次に上記考案のものの動作について説明する。
今、図示しない機関のキースイツチが閉成されて
マグネツトスイツチ２２が通電付勢され、可動鉄
心集合体２３が筐体内部に吸引される。上記付勢
によつてフツク２８に係合するシフトレバー２０
が支点部２０ａを中心に反時計方向に回動し、他
端部２０ｃに係合するオーバランニングクラツチ
５を前方（図示右方）に移送し、ピニオン７を図
示しない機関のリングギヤに噛込ませる。上記噛
合係合がされず、上記オーバランニングクラツチ
５の移送が途中で停止した時は、可動鉄心２７の
受ける吸引力は、ワツシヤ２９を介してコイルス
プリング３０を押圧付勢してたわませ、この可動
鉄心２７のみが上記固定鉄心２５側に吸引させら
れて可動接点軸２６を押圧付勢し、主接点回路
（図示せず）を閉成してアマチユア１８に回転力
を発生させて、従来装置に示すと同様の正常噛合
機能をピニオン７とリングギヤ（図示せず）に発
生させた後、上記オーバランニングクラツチ５を
コイルスプリング３０の上述の付勢復帰力で前進
させ、従来装置と同様の電磁押込機能を有してい
る。すなわちコイルスプリング３０によつて第１
図に示すレバースプリング１１と同一機能を得て
いるのである。また、シフトレバー２０及びフツ
ク２８は軽量化されたプラスチツクモールド材を
使用しているので、製造が簡単で、かつ装置重量
が軽減される特徴を有している。

なお、上記実施例ではマグネツトスイツチ２２
の可動鉄心集合体２３にレバースプリング機能を
併合した場合について述べたが、従来方式の可動
鉄心のフツク部にこの考案装置を応用しても良
い。以下、第３図を用いて説明すると、３１はマ
グネツトスイツチであり、フロントブラケツト１
に螺着される。３２は軟鋼部材より構成される可
動鉄心、３３はその、内周穴部３２ａに装着され
るプラスチツクスモールド（ガラス基材フイラー
入りナイロン部材）製のフツクであり、前端部凹
所３３ａとシフトレバー（プラスチツクスモール
ド製）３４とが係合され、後端部３３ｂを鍔部構
造として、プランジヤ復帰用スプリングの押圧付
勢座面を構成している。

以上の構成装置によれば、可動鉄心の主磁束通
路形状を従来装置と同様形状としプラスチツクス
製のフツク機構部を可動鉄心内部に嵌装構造とし
て軽量化を可能にしている。また可動接点軸押圧
突起部３３ｃも一体的に構成しており、両部材当
接上記可動接点軸１６が軟鋼部材等の強磁性部材
であつても、上記突起部３３ｃを通る洩れ磁束が
発生せず、磁気回路の改善されたマグネツトスイ
ツチが得られる効果が付加される。

以上のように、この考案によれば、シフトレバ
ーをモールド部材により構成したので、装置の軽
量化が促進される。又、シフトレバーの支点部を
広い面積部間で挾持したので、支点部の位置ずれ
に充分に対応することができる。さらに、支点部
とパツキンとの間に板状部材が設けられているの
で支点部のパツキンへの食い込みが防止され、シ
フトレバーの円滑な動作、支点部やピニオンの位
置ずれの防止、パツキンの耐久性が達成される。
又、板状部材がパツキンにより押圧されているた
めに振動や摩耗によるガタ付きが防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の始動電動機の部分断面図、第２
図はこの考案の一実施例による始動電動機の部分
断面図、第３図はこの考案の他の実施例を示すマ
グネツトスイツチ部の部分断面図である。 図に於いて、１及び１７はフロントブラケツ
ト、６，２０及び３４はシフトレバー、７はピニ
オン、１０はホルダ、１１はレバースプリング、
１３，２２及び３１はマグネツトスイツチ、１４
は可動鉄心、１６及び２６は可動接点軸、１５及
び３０はコイルスプリング、２８及び３３はフツ
ク、３５はプレートである。なお、図中同一符号
は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 揺動自在に支持されたシフトレバーの一端を
   マグネツトスイツチの付勢により駆動した際に
   シフトレバーの他端によりピニオンを駆動し、
   ピニオンを機関のリングギヤと噛合させるよう
   にした始動電動機において、シフトレバーをモ
   ールド成形品により構成するとともにシフトレ
   バーの支点部を円形状とし、この円形状の支点
   部をフロントブラケツトの内周面とパツキンに
   より押圧された板状部材の平面部によつて挾持
   したことを特徴とする始動電動機。 (2) マグネツトスイツチは上記シフトレバーに係
   合する可動鉄心を構成するフツク部材がモール
   ド成形品である事を特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項に記載の始動電動機。 (3) マグネツトスイツチはレバーばね内蔵型であ
   る事を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項又は第２項に記載の始動電動機。