JPS6325323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、デイーゼルエンジンの停止装置の改
良に関し、エンジンに異常事態を生じたときに従
来のメインスイツチで操作されるエンジン停止装
置を利用して自動的にエンジンを停止するととも
に、エンジン回転数が降下してエンジンが確実に
停止する状態となつたときに、エンジン停止ソレ
ノイドへの通電を停止して省電力化することを目
的とする。

デイーゼルエンジンを停止する手段として、手
動停止操作系と自動停止操作系とがあり、エンジ
ンの運転に異常事態が発生したときに、自動停止
操作系が働いて、エンジンを自動停止させるよう
になつている。

ところが、手動停止操作系と自動停止操作系と
は互いに独立して構成されていたため、その構造
が複雑で高価についていた。

本考案は、手動停止操作系の構造の大部分を自
動停止操作系の構造の大部分に兼用することによ
り、その構造を簡素化するものである。即ち、メ
インスイツチの操作でエンジン停止ソレノイドを
作動させてエンジンを停止させるように構成し、
エンジンの異常検出スイツチの両端子をメインス
イツチに対して、スイツチ片側端子とエンジン停
止投入端子とに亘つて並列接続することにより、
異常検出スイツチを付加するだけの簡単な構造
で、メインスイツチで操作される既存のエンジン
停止装置をエンジンの異常時に自動停止作動さ
せ、迅速にエンジンの回転を停止して破壊を防止
し、かつ、エンジン停止投入端子とエンジン停止
ソレノイドとを接続して形成される停止通電路の
うち上記異常検出スイツチの端子を接続した箇所
よりもエンジン停止ソレノイド寄り側部分に通電
停止用リレーを介装することにより、エンジン回
転数が再始動不能回転にまで降下すれば、エンジ
ン停止ソレノイドへの通電を停止して省電力化す
るものである。

以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。図は本考案の電気回路図である。図におい
て、１はメインスイツチ、２はバツテリー、３は
メインスイツチ１の電装品投入位置１Ａに接続さ
れる電装品である。

バツテリー２には、充電を行うためのオルタネ
ータ（発電機）６が設けられている。これは、エ
ンジン動力で駆動され、ステータコイル７、ロー
タコイル８、整流器９等で構成されている。この
オルタネータ６の発生電圧の調整と、一定回転以
上で自己励磁に切換えるためにレギユレータ１０
が設けられている。

メインスイツチ１のエンジン停止投入端子１Ｂ
にはエンジン停止ソレノイド（電動式のアクチユ
エータ）４が接続されており、燃料噴射ポンプ１
１のコントロールラツク１２を運転位置から無噴
射位置へ操作するようにしてある。そして、エン
ジン回転数が一定値以下に低落した段階で、停止
ソレノイド４への電通を停止させるために、停止
通電路１３中に通電停止用リレー１４を介装して
いる。このリレー１４は、オルタネータ６と接続
され、その発生電圧が一定以下に降下した時に停
止通電路１３を遮断する。

又、上記リレー１４が故障して、停止ソレノイ
ド４が長時間駆動されて、そのコイルが焼損され
るのを防止するために、CR形タイマー（保護装
置）１５を停止通電路１３中に介装している。

このタイマー１５は、メインスイツチ１をオフ
位置に切換えた時点で動作を開始し、一定時間経
過後は停止通電路１３を遮断する。

更に、メインスイツチ１をエンジン停止操作し
た後もオルタネータ６の発電を可能とするため
に、メインスイツチのスイツチ片側端子１Ｃとオ
ルタネータ６をオフ時通電路１６で接続する。こ
のオフ時通電路１６には発電停止用リレー１７が
介装されており、オルタネータの発生電圧が一定
値以下に降下した時、オフ時通電路１６を遮断
し、ロータコイル８への通電を停止するようにし
て、発電機の発電を急に落とす。従つて、通電停
止用リレー１４や、タイマー１５の作動を速やか
にする。

一方、メインスイツチ１のスイツチ片側端子１
Ｃとエンジン停止投入端子１Ｂとに亘つて、エン
ジンの異常検出スイツチ５の両端子を並列接続す
る。異常検出スイツチ５としては、 (1) 水冷エンジンにおいて、冷却水の異常昇温を
検出する冷却水温センサー２０ (2) エンジンの強制潤滑装置の潤滑油圧の異常低
下を検出する潤滑油圧検出スイツチ３０ (3) 吸排気系における給気ポートの圧力上昇を検
知する吸排気逆流検出スイツチ４０ (4) エンジン回転中に発電機が停止すると感知
し、若しくは、電圧の正負の逆転を感知する検
出スイツチ５０等を、挙げることができる。

本考案は、上記実施例に限定されるものではな
く、異常検出スイツチも、上記検出スイツチ２０
乃至５０の内、一つだけを並列接続しても良い
し、２組又は３組を並列接続したものでもよい。

以上述べた本考案の作用を説明すると、エンジ
ンに異常事態が発生すると以下の検出スイツチが
作動する。

(1) エンジンの回転中に冷却装置が故障を起こし
てエンジンがオーバーヒートした場合には、冷
却水温センサー２０が働く。

(2) エンジン回転中に強制潤滑装置が故障を起こ
して、エンジンの焼付を起こした場合には、潤
滑油圧検出ススイツチ３０が働く。

(3) エンジンが逆回転を起こして、吸排気の逆流
を起こすと、吸気ポート側ではエアクリーナが
抵抗となつて排気圧が異常に高まつて、吸排気
逆流検出スイツチ４０が働く。

(4) エンジンと発電機との連動が断たれて、エン
ジンが回転しているにもかかわらず、発電機が
停止している場合や、エンジンが逆回転を起こ
して発電機の電位が正負逆転を起こしている場
合には、検出スイツチ５０が働く。

そして、停止通電路１３に各検出スイツチが
信号を送つて、停止ソレノイド４を作動させて
エンジンを停止するのである。

本考案は、以上の構成及び作用を呈するので、 (1) エンジン異常時には迅速に異常検出スイツチ
がオンして自動的にエンジンを停止してエンジ
ンの破壊を、防止できる。

(2) 従来のメインスイツチ回路に、異常検出スイ
ツチと通電停止用リレーとを接続するだけの簡
単な構成であるので、新製品には勿論のこと、
既存の回路にでも安価に実施できる。

(3) エンジン停止投入端子とエンジン停止ソレノ
イドとを接続して形成される停止通電路のうち
異常検出スイツチの端子を接続した箇所よりも
エンジン停止ソレノイド寄り側部分に通電停止
用リレーを介装して、発電機の発生電圧が一定
値以下に降下した状態では通電停止用リレーを
作動させてエンジン停止ソレノイドへの通電を
停止するように構成したので、エンジンが停止
直前に達する以前、すなわちエンジン回転数が
降下して再始動不能回転に達した状態で、エン
ジン停止ソレノイドへの通電が停止されて、省
電力化を図ることができる。しかも、エンジン
回転数は再始動不能回転に達しており、確実に
停止する。

その上、省電力化を図るためにタイマーを用
いる場合には、予期できない原因でエンジン停
止までに要する時間が長びきタイマーの設定時
間を越えるようなことが起ると、エンジンが停
止していない状態でエンジンへの燃料供給が行
なわれてエンジン再始動というケースも考えら
れるが、これに比べて、本考案のようにエンジ
ン回転数が降下して再始動不能回転に達するま
でエンジン停止ソレノイドへ通電する場合には
確実にエンジン停止が行なえる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すもので、その電気回
路図である。 １……メインスイツチ、１Ａ……電装品投入位
置、１Ｂ……エンジン停止投入位置、１Ｃ……ス
イツチ片側端子、２……バツテリ、３……電装
品、４……エンジン停止ソレノイド、５……異常
検出スイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ エンジンのメインスイツチ１をバツテリ２に
   接続し、メインスイツチ１はスイツチ片を電装
   品投入位置１Ａとエンジン停止投入位置１Ｂと
   に切換可能にして構成し、メインスイツチ１の
   電装品投入端子１Ａにエンジンに付設の電装品
   ３を接続し、エンジン停止投入端子１Ｂにエン
   ジン停止ソレノイド４を接続し、エンジンの異
   常検出スイツチ５の両端子をメインスイツチ１
   に対して、スイツチ片側端子１Ｃとエンジン停
   止投入端子１Ｂとに亘つて並列接続し、エンジ
   ン停止投入端子１Ｂとエンジン停止ソレノイド
   ４とを接続して形成される停止通電路１３のう
   ち上記異常検出スイツチ５の端子を接続した箇
   所よりもエンジン停止ソレノイド４寄り側部分
   に、発電機６と接続される通電停止用リレー１
   ４を介装し、発電機６の発生電圧が一定値以下
   に降下した状態では通電停止用リレー１４を作
   動させてエンジン停止ソレノイド４への通電を
   停止するように構成したことを特徴とするデイ
   ーゼルエンジンの停止装置。 ２ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のデイ
   ーゼルエンジンの停止装置において、異常検出
   スイツチ５がエンジンの冷却水の異常昇温を検
   出する冷却水温センサー２０であるもの。 ３ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のデイ
   ーゼルエンジンの停止装置において、異常検出
   スイツチ５がエンジンの強制潤滑装置の潤滑油
   圧の異常低下を検出する潤滑油圧検出スイツチ
   ３０であるもの。 ４ 実用新案登録請求の範囲第１項に記載のデイ
   ーゼルエンジンの停止装置において、異常検出
   スイツチ５が吸排気の異常圧力を検出する吸排
   気逆流検出スイツチ４０であるもの。