JPS6325050Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は金属加工装置に係わり、特にカムなど
の面取りに関する装置である。

従来技術 従来、カム板のように軸芯が中心に在しない加
工物の面取り加工は、作業台上の回転用心軸治具
にワークを差し込み作業者が片手でワークを回転
させながらサンダーグラインダーにて面取り作業
を行なつており均等な面取りを行なうには熟練を
要した。すなわち、軸芯が中心に在しないため
に、ワークの回転速度とサンダーグラインダーの
押圧力を調整しないと均等に面取りが行なえない
ため、作業者の手作業に頼つていた。

考案の目的 本考案は、カム板など軸芯が偏心しているワー
クの面取りを熟練者の手作業によらず、均等な面
取りを行なうことが可能な面取装置を提供するこ
とにある。

考案の構成 機台上にワーク回転用モータと水平方向へ移動
可能な手段を持つ刃物台及び付勢装置を有し、前
記ワーク回転用モータの回転軸にワークと同形状
のならいカムとワーク係止部材が併設され、前記
刃物台には刃物用モータが回動可能に枢着され、
前記刃物用モータから前記刃物台の後退方向に延
出したアームと、前記機台上に設けられた固定部
材と前記アームの先端との間に配置され、前記ア
ームを介して前記刃物用モータをカツターの切込
み勝手の回動方向に付勢し、しかも前記刃物台と
共動する前記アームの進退変位によつてその付勢
部材の付勢力が増減せしめられる付勢手段とより
なるカムの面取り装置。

実施例 以下、本考案の具体的な実施例を図に従い説明
する。第１図中１は機台であり、該機台１の上面
には刃物台２とワーク回転用減速モータ３（以下
ワーク用モータと呼ぶ）が配設されている。前記
ワーク用モータ３は回転軸を上向きに設置され、
ワークと同形状のならいカム４及び該ならいカム
４と一体化されたワーク係止部材５が前記ワーク
用モータ３の回転軸に嵌着されている。前記刃物
台２は摺動部材２０１より立設された垂直部材２
０２及び水平方向へ該垂直部材２０２から突設さ
れた刃物支持部材２０３からなり、前記摺動部材
２０１底部には移動用ローラ（図示しない）が配
設され、前記ならいカム４に対応するガイドロー
ラ６が該摺動部材２０１の前端部から突設されて
いる。さらに、前記ガイドローラ６をならいカム
４へ押圧する付勢力を与える錘７がチエン８を介
在して摺動部材２０１の前底部へ固着されるとと
もに、機台１から立設された支柱９の先端部に枢
着された鎖車１０を介して垂支されている。摺動
部材２０１の後端底部に垂設されたブラケツト１
１に刃物台２の原点復帰用単動エアシリンダ１２
のプストンロツド１３が固着され、該エアシリン
ダ１２のシリンダ側は機台１に固定されている。
図中１４は刃物台２のガイド部材である。前記刃
物支持部材２０３には水平面に対してほぼ45度を
なす角度で回転軸が互いに対向するように刃物用
モータ１５が一対垂直方向に回動可能に枢着され
ている。前記刃物用モータ１５の回転軸にはカツ
ター１６が嵌着され、該刃物用モータ１５の胴部
分からはそれぞれアーム１７，１８がワークと逆
方向へ突設されており、前記刃物支持部材２０３
から立設された支持部材１９の上端に固着された
単動シリンダ２０のロツドに固着された逆Ｌ字状
の係止部材２１が前記アーム１７に開設された長
穴に遊嵌され、該係合部材２１のアーム１７上面
側に止め板２２が当接状態に嵌着され、前記アー
ム１８についても垂直部材２０２に配設された単
動シリンダ２３のロツドがアーム１８に開設され
た長穴に下方から遊貫され、該アーム１８の上面
へ当接状態に止め板２４がロツドに嵌着されてい
る。これによりアーム１７，１８の動きを単動シ
リンダ２０，２３のロツドが引き下げられた場合
にのみ規制可能であり、常には該単動シリンダ２
０，２３は作動せずアーム１７，１８の動きを規
制しない。

さらに、前記アーム１７，１８の終端部には前
記刃物用モータ１５に嵌着されたカツター１６を
ワークへ押圧するための付勢装置Ａ（第２図に示
す）及び付勢装置Ｂ（第３図に示す）が設けられ
ている。付勢装置Ａは図に示すように、前記刃物
用モータ１５から突設されたアーム１７と機台１
から立設された固定部材２５から該アーム１７の
下方へ斜め上向に突設された固定アーム２６を同
一垂直面内に配設する。すなわち、刃物台２の前
後動により移動可能な前記アーム１７先端と前記
固定アーム２６上面との距離はワーク方向より後
退するに従い大きくなる。また、アーム１７には
先端に丸穴が穿設され、固定アーム２６には少な
くとも刃物台２の移動距離に対応する長さの長穴
２７が開穿されている。さらに、前記丸穴と長穴
２７にボルト２８を遊貫し、上端にナツト２９が
螺合されるとともに、アーム１７上面とナツト２
９との間にワツシヤ３０を介してスプリング３１
を挾装してある。

付勢装置Ｂは、前記刃物台２の摺動部材２０１
後端部から立設された垂直部材３２の先端部にワ
ク方向に開口部を持つ様にＶ字形の回動部材３３
の接合部を上下方向へ回動可能に枢着される。さ
らに、前記回動部材３３の下方部材３３Ａ先端部
に丸穴を穿設し、該丸穴にスプリング３４及びワ
ツシヤ３５を挿入した頭部が半球状のボルト３６
を下方より遊貫され、先端にナツト３７を螺合し
抜け止めとする。前記ボルト３６の半球状頭部は
アーム１８の終端付近上面に常に当接されてい
る。さらに、刃物台２の垂直部材２０２に配設さ
れたボルト３８の下端が常に前記回動部材３３の
上方部材３３Ｂの上面に沿つて滑動可能に当接さ
れている。

以上の様に本考案は構成されており、機台１上
の刃物台２は底部に配設された錘７によりならい
カム４方向へ常に付勢力を与えられ、ならいカム
４に刃物台２先端から突設されたガイドローラ６
が押圧されることにより該刃物台２はならいカム
４の形状に従つて前後に移動する。また、刃物台
２は加工が終了すれば該刃物台２の後方底部に配
設されたエアシリンダ１２の作用により錘７の付
勢力に抗して後方へ復帰される。ワークの面取り
加工は、刃物台２の刃物支持部材２０３に枢着さ
れた対向する一対の刃物用モータ１５によつて両
面の面取りが同時に行なわれる。面取り加工のた
めにカツター１６をワークへ押圧する付勢力は前
記刃物用モータ１５の胴部分から突設されたアー
ム１７，１８にそれぞれ与えられる。ただし、ワ
ークへカツター１６が接触し始めにはカツター１
６の逃げを阻止するために前記アーム１７，１８
の中間にそれぞれ配設されたシリンダ２０，２３
のピストンロツドが縮み、アーム１７，１８を固
定状態で切り込みを開始し、初期の切り込み終了
後は前記ピストンロツドとも自由に動ける状態と
なり、付勢装置Ａ，Ｂの付勢力によりワークへカ
ツター１６は押圧される。付勢装置Ａは刃物台２
が前後動するに従つてアーム１７先端と固定アー
ム２６間の間隔が変化し、両アーム間に遊貫され
たロツド２８に嵌挿されたスプリング３１の伸縮
量が変化する。前記スプリング３１の伸縮量変化
は刃物台２がワーク方向へ前進するに従つてスプ
リング３１は伸長され付勢力が小さくなり後退す
れば、圧縮され付勢力は大きくなる。また付勢装
置Ｂは、刃物台２に設けられたアーム１８とＶ字
形の回動部材３３下面との間にスプリング３４が
挾装され、該スプリング３４の付勢力により前記
回動部材３３の上面はワーク側が押し上げられた
該上面に機台１より垂設されたボルト３８が当接
しているため、刃物台２が後退すると前記ボルト
３８により回動部材３３が押し下げられ、前記ス
プリング３４の付勢力が大きくなり、前進すれば
回動部材３３の押し下げ量が減少しアーム１８へ
の付勢力も小さくなる。

考案の効果 本考案によれば刃物台の前後方向の移動量を垂
直方向の変位に置換し、該変位によりスプリング
を伸縮させ同スプリングによりワークへカツター
を押圧する付勢力が変化する付勢装置を設けるこ
とにより、ワーク外周速度が遅いすなわち刃物台
がワーク方向へ移動した場合と、逆にワーク外周
速度が速い、すなわち刃物台がワークと逆方向へ
移動した場合とでワークへのカツターを押圧する
付勢力が連続的に変化し、熟練者の手作業と同様
に均一な面取り加工が行なえる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す側面図であり、
第２図は本考案に係わる付勢装置Ａの斜視図を、
第３図は同じく付勢装置Ｂを示す斜視図である。 １……機台、２……刃物台、４……ならいカ
ム、７……錘、８……チエン、１０……鎖車、１
５……刃物用モータ、１６……カツター、１７…
…アーム、１８……アーム、２６……固定アー
ム、２７……長穴、３３……回動部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機台上のモータと連結した回転軸と、前記回転
   軸上に固着されたならいカムと、前記ならいカム
   と同軸上に間隔を容しかつ同位相状にワークを固
   定する係止部材と、前記ならいカムの作用面にそ
   の一部が常に接触し前記作用面形状に従つて前記
   機台上をならいカムの半径方向に進退する刃物台
   と、前記刃物台に枢着されて前記回転軸の軸心を
   含む平面内で回動を許容されかつ先端にカツター
   を備えた少なくとも１個の刃物用モータを設けた
   面取り装置において、前記刃物用モータから前記
   刃物台の後退方向に延出したアームと、前記機台
   上に設けられた固定部材と前記アームの先端との
   間に配置され、前記アームを介して前記刃物用モ
   ータをカツターの切込み勝手の回動方向に付勢
   し、しかも前記刃物台と共動する前記アームの進
   退変位によつてその付勢部材の付勢力が増減せし
   められる付勢手段とよりなるカムの面取り装置。